日産PAO 『moto-Lita』モトリタウッドステアリングハンドルに交換するの巻

どんもす~。ウェルです。
さて皆様本日はPAOの純正ステアリングをモトリタ製
ウッドステアリングに交換するというお話である。

モトリタ製 Mark3ディッシュ型ウッドステアリング
moto-litaとそう記載するステアリングハンドルは
現在では英国を代表する古典的なステアリングハンドルを製造するメーカー
となっているわけだが、当時は(1960年代)、ジョン・クーパーなどの
レーシングカーのハンドルの製造なども行っていたようだ。

moto-lita
こういう作りこみはヨーロッパのこだわった製品であることの証。
本当に現在の日本のものづくりは大丈夫だろうか。
一手間掛けるコトをわすれ、コスト削減ばかりを追求。
なんとも、緊急事態である。

鋲うちとそう呼ぶ。
この製品は鉄の芯に対して上下をウッドで挟み込むという
巧妙な作りこみが行われている。
ロボットでは製作ができない、そういうところが
胸をときめかせる。

モモ、ナルディ専用ボスに対して取り付けが出来るスペーサー。
このスペーサーは一般的に汎用として市販されているモモ・ナルディ用
ハンドルボスKITに装着出来る。
ということで、モトリタステアリングハンドルはどのような車種に
対しても取り付けは可能であると言える。

ホーンボタンは装着が可能。
一般的に1960年代の欧州車のホーンボタンはウインカーレバーに
装着されていたことにより(ルーカス社)このモトリタの中央部は
化粧板と呼ぼうか、各自動車メーカーのオーナメント(紋章や社章)が
配置されていたようだ。
そのことにより実はホーンボタンはジャパニーズ製である。

全てを組み込んだ様子。
ホーンボタンを組み込みさらに、ドーナツ状のリングが装着される
という、なんとも堅古な作りこみが職人の手によりデザインされた
だろうと思う一面だ。

PAOに装着した例。
ナルディとはまた一味違う。
またモトリタにはフラットタイプや
さらに、スポーク部のデザインの違いなども多数存在する。
もちろんPAOの純正のステアリングハンドルのデザイン性は
PAOとしてなくてはならない存在であるコトは忘れてはいけない。

鉄の芯がなんともプロダクト感を感じさせる。
また、モトリタはナルディよりもニスの持ちが少し悪く、
ハンドルを綺麗にキープするのも大変である。
その、自分で手間をかけるのが、また楽しい側面なのだろう。
moto-Litaステアリングハンドルがほすぃーという方は
一度ウェルへ相談してみては如何だろうか。
今日はコレまで~。
本日の名言
新しいことをやれば、
必ず、しくじる、腹が立つ。
だから、寝る時間、食う時間を削って、
何度も何度もやる。

by本田宗一郎
この時世にこれぐらい高い志をもった人間はどれほどいるのでしょうか。
日本を支えるのは日本国民であり、国民一人ひとりが
良き志をもって未来へ向かえば、不況やら政治不信やら
そのようなことは少なからず減ることでありましょう。

日産PAO クイックシフトに加工を施すの巻

どんもす。ウェルです。
さて皆様、本日はPAOのMTミッションの操作機構、
シフトレバーをクイックな動作に加工する。

純正シフトノブではないが純正のシフトレバーの長さ。
クイックシフトとは何ぞやともうせば、
これは元々レーシングカーの装置であり、ギヤチェンジの時間さえ
ロスタイムとなることからクイックにシフトチェンジ
(シフトチェンジ時、シフトノブの移動距離を短くする)を行うために
開発されたシフトのリンク機構である。

シフトノブを外せばノブ取付け用のネジが切られている。
シフトレバーは下部のミッションへのリンク機構へ
ドッキングされている訳だが、シフトレバーの支点に対する力点と作用点の
比率を変えるコトによりクイックシフトへと加工することが可能なのだ。

比率を変えるためネジ部約25mmをカット。
わざわざクイックシフトなる部品を買って交換する
など不要で、こうして加工してしまえばOKである。
スピードウェルではただ部品を交換する、という作業より
前回のMA11SW型チューニングエンジンのように
純正のパーツを加工するのが得意だ。
今回の加工は先をチョキッと切っただけで
驚くほどクイックなギヤチェンジを行えるシフトへと
変貌することにより、操作する喜びが増すだろう。
※女性には向いていない。それより中年男性向き

約25mm短くなった。
まああと10mmほどは短くすれば、本当にレースぃーな
シフト感にさいなまれる事となりそうだが、
なんでもやりすぎは禁物。
そろっと純正から変っていない程度で押えるのが
小気味良い中年男性向きスタイルだと言える。

シフトノブは3方向の芋ネジにより固定が出来る。
もちろん純正シフトノブにも装着は可能だが、ダイス(ねじ切り)が必要だ。

芋ネジ部はMOMOと打刻されたカバーで隠れる仕上がりに。
と言う事で、本日は加工クイックシフトをご覧頂いた。
支点、力点、作用点、さえ理解している人であれば
わかりやすいお話であっただろう。
今日はコレまで~。
本日の名言
どんなことだって、
すべては未来への糧になる。

by中田英寿
そう、今の自分には関係ないなど考えず、
今ある境遇をすべては自分の未来になると思えば
毎日が吸収の日々となるでしょう。

スピードウェルがこだわる塗装の巻

どんもす~。ウェルです。
皆もご存知だろうが、スピードウェルでは自社ですべての作業をこなしている。
なぜ外注や提携先などを作らないかと申せば、その熱い思いが
全てに伝わるコトがなく、思い描くモノが出来上がらないからだ。
なので、整備士、塗装職人、内装職人、とそれぞれが分担作業により
自動車の製作作業が進められてゆくのであった。
そして本日はこだわりの塗装をご覧頂く。

東京都は練馬区のM様がオーナーとなるPAO
すでに内外装のほとんどが分解されている状態。
塗装は以前の塗膜の悪い所をそぎ落とし、さらに前面に
サンドペーパー掛けを行い、ワックス分などを取り除き
丹念に行われるのである。

フロントヘッドライト部はこんな造形。
PAOは前面がフレックスパネルという新素材で出来ており、
複雑な造形をも可能としている。
ただ、古場田氏によると、新素材であったため、一般的な
量販車には使われなかった、ようだ。

エンジンルームは塗装はされないが、
ワイパーカウル裏の見えないところまで塗装が施される。
それでは、本邦初公開となるかPAOのボディーが
ドンがらになった姿を詳しくご覧頂こう。

メーターパネル(インストルメントパネル)が取外された。
中央部にはエアコンの空調ファンが、左側には
クーラーのエバポレーター(熱交換器)が隙間せましと
並んでいる。それ以外には何もない。

ドア内パネル。
この裏側にはガラスを昇降させるレギュレーターなる
パンタグラフのような装置があるのみ。

リヤクォーターパネル。
インナーパネルとガイハンパネルが良く見て取れる。
モノコックボディーとはこうした複合した組み合わせで
強度を保たせているのである。

後ろ側から。
ウェルは18歳に整備専門学校で勉強をはじめ、そのとき
クルマが厚さ0,8前後の鉄板をつなぎ合わせて出来ている
と言う事を知った。
それまでは、鉄の塊だと思っていたことにより非常にショッキングでは
あったが、まあ考えてみれば、鉄の塊だと重くてだめだわ。

オリーブグレイからアイボリーへとカラーリング。
お色直しは良くあるケースだが、
今回の車両はそれだけではなかった。

おやおや、フロント部やドア部の塗装は?
と、そう今回の塗装はこれまたスピードウェルの
レーシングカーのイメージカラーを
M様のオリジナルPAOカラーに。

ボディー下部はスピードウェルブルーがおごられた。
往年の京阪電車のような、ぺぷしのような、
ノスタルジックテイスト満載なカラーリングである。

後方へ伸びるカラーリングの様。
お尻部分のカラーリングはPAOお初となるか!!

ウェルがこだわる切り替えし。
この切り替えしはなんともウェル的にお茶碗3杯は
ごはんが食べれる、とでも申そうか。
ああ~だれにもマネはされたくないなぁ。

テールは全てアイボリーである。
と言う事で、この車両は来週水曜日に出来上がるゆえ、
仕上がりを楽しみにして頂きたい。
と言う事で、本日はスピードウェルがこだわる塗装を
ご覧頂いた。さらに塗装だけでなく、
もちろん塗料は日産が当時PAOで使用していた
大日本塗料を採用し、PAO感を材料から追求している。
コダワリは切がないから楽しいものだ。
今日はコレまで~。
本日の名言
求めていなければ、授からない
by勅使河原蒼風(てしがはらそうふう)
そう、願望でなく欲求が必要であります。

日産PAO グリルバッジを装着するの巻

どんもす~。ウェルです。
さて、皆様本日はフロントグリルにバッジを装着する
というお話である。そもそもグリルにバッジを取付ける
風習はどこから来たのか?と申されると1950年代には
すでにヨーロッパでは自動車のオーナーズクラブ(王室)などが
富裕層、貴族層あたりで流行し、バッジを取り付けていたようだ。
日本ではJAFのグリルバッジなど昭和を生きた人であれば
皆良くご覧になられたと思う。
現在の日本車にはグリルと呼べるグリルが存在せず、
バッジを取付けるコトが困難であり、JAFのグリルバッジは
いつしか金属製のステッカーのようなものとなっている。
まあ、この楽しみは往年のと呼べる、懐かしい仕様であるようだ。

PAO姿見。
このグリルの向かって右端に今回はグリルバッジを
装着する予定である。
それでは、今回装着するグリルバッジをご覧頂くコトに致そう。

讃岐  セーフティードライブ。
金刀比羅宮とは香川県仲多度郡琴平町の象頭山中腹に鎮座する神社であり
明治の廃仏毀釈後は主祭神を大物主神(おおものぬしのみこと)と定めらた。
そして全国のこんぴらさんの総本社である。
主祭神の大物主神は海のかなた(波間)よりやってきたという神話により
海上の神様として金刀比羅宮でお祭りされている。

グリルバッジの裏側。
簡単な組み立て式。
JAFのグリルバッジでさえ最後はプラスチック製であったにもかかわらず
金刀比羅宮のグリルバッジは真鍮製で、非常にプロダクト感がある。
なんでもプラスチックにする現在の風潮に対してのアンチテーゼか?

すこしグリルからはみ出るが、
ギリギリのラインを狙っての取り付け。
裏側では蝶ネジによりしっかりと固定がされた。

グリルの取り付け部。
これを見せるならグリルの脱着の全てを説明したらよかったが、
今回はこれで勘弁。
DIYでも取付けは可能かといえば、いろんな工具があれば
可能であろう。

グリルバッジが装着された。
ということで、金刀比羅具のこのグリルバッジ。
なんとも、デザインも風合いを感じさせウェル的には
ほし~い品目に追加されるコトとなった。
旧き佳き習慣であったことに間違いはない。
グリルバッジを求めて、金刀比羅宮に足を運ぶ機会が出来た。
と言う事で、本日は往年のグリルバッジの装着をご覧頂いた。
今日はコレまで~。
本日の名言
自分への教育は
自分の無知を認めることから始まる
 
byスティーブン・コヴィー
そうですなぁ。人間一生勉強でありまして、
どんどん伸びる人間には必然的にこの言葉が
カラダにしみこんでおりますが、
ぎゃーぎゃーがたがた言い訳ばかりする人間には
まず、自分が無知なのだというコトを知らせる必要があります。
また無知でなくても、無知だと思えば、どんどん吸収出来
素晴らしい人間となってゆくだろうとおもいますなぁ。

日産PAO バッジカスタマイズ『装飾』を施すの巻

どんもす。ウェルです。
さて、皆様本日はPAOにメッキバッジを
取り付けるという装飾のお話だ。
今回はリヤトランクパネルにオートマチックと
アルファベットで記載された鍍金バッジを装着するのだが、
それでは、その鍍金バッジをご覧頂こう。

Automatic鍍金バッジ
このオートマチックを主張するバッジだが、
時代によりこういったモノが出来たようだ。
このバッジの年代はおおよそ1960年代。
当時はMT車が普通であり、オートマチックは
超お金持ちが乗るクルマであった。
と思っていただければ、鍍金バッジになった意味が
わかりやすいであろう。
ウェルの小学校時代は車の思い出といえば、
おじいちゃんがMTのシフトをぶんぶん動かしていた
といったところだろうか。
昭和の時代は日本でもMTが当たり前。
ATは最近普及したのじゃないの?!と思えるほどである。
当時、オートマチックミッションは自慢できる装置であった訳だ。
※ちなみに、スピードウェルではオートマチックのコトを
ノークラとそう呼んでいる。


PAOのトランクパネル部。
丁度キーシリンダーとライセンスランプの中央が
取り付けやすそうだ。

PAOトランクパネルとウェルの手。
丁度、この位置だろう。
と言う事で、装着する。

キーシリンダーと調和して問題はなさそうだ。
取り付けにはトランクパネルに小さな穴を2個開けるもしくは、
3Mの両面テープで留めるか、どちらかが選択は可能。

一癖追加された感があり、オーナーの喜びである。
皆様如何でしょうか。
PAOは発売から23年経っており、皆様がいろんな受け取り方をして
カスタマイズされておりますが、(スピードウェルもその一組)
PAOそのものを大切にしたいという気持ちは皆同じですね。
そして、PAOは本来のコンセプト※1は非常に大きく、
今後はサファリ感なども追求していきたいものだ。
※1本来のコンセプトやキーワードはウェルマガジンの
>『あくまで気分なクルマ・パオ』をご覧頂きたい。
今日はコレまで~。
本日の名言
苦しまなければ
喜びはない。

by三浦知良
その通りですなぁ。苦しみがあればこそ、そこに楽しみや
喜びを感じることができるわけであります。

日産PAO エンジンオイル用クーラーを取付けるの巻

どんもす。ウェルです。
さて皆様、本日はPAOのエンジンのオイルを冷却する
オイルクーラーの取り付けをご覧頂く。

Setrab製オイルクーラーとフィッティングキット。
ではいつものお話であるが、オイルクーラーとはなんぞやと
もうせば、エンジンオイルを冷却する装置であるのだが、
なぜ、それが必要かと申せば、一般的には必要は無い。
今回セットアップさせて頂く車両は諸所にチューニングが
施されているコトにより、油温(エンジンオイルの温度)
が負荷時には120度を越えるという。
エンジンオイルは120度を越えれば一気に性能が低下し、
油膜切れをおこさんとする事により、それであれば
エンジンオイルを冷やそうと、そのために用意されたのであった。
ここで豆知識だが、エンジンオイルの平均的な状態の良い温度は
80度~90度前後。もちろんエンジンオイルの性能にもよるのだが、
このエンジンオイルの良い温度から外れる(温度が低くても高くても)
とオイルは2倍3倍という速度で劣化が進むのであった。

いきなりオイルクーラーが装着された。(PAO大御所ブチ氏の車両)
PAOではこれぐらいの容量のあるオイルクーラーを装着する
場所がほとんどなく、(フェンダー内なども考えたが)
ラジエーターに入る走行風の量をボディーを加工することで
増やし、ラジエーターの前方にセットアップを施した。

メッシュホースが通る開口部
この部分も本来はラジエーターに当たる風を増やすべく
開口ぐちを大幅にアップさせている。
オイルクーラー裏にラジエーターが見えるが、
ボディーを加工しなければ見えない部分だ。
というくらい、ラジエーターに対しての開口ぐちを
大幅にアップさせて、水温、油温ともに安定させようと
いう考えだが、ラジエーター自体もスピードウェル社製
コア増ラジエーターが装着されていることにより
このセットアップ方法でも問題は無い。

メッシュホースはミッションの脇を通る。

これはサンドイッチブロックというもの。
通常エンジンオイルはエンジン下部にあるオイルパンに溜まっており
そこからオイルポンプでオイルフィルター部へ圧送される。
オイルフィルターでろ過されたオイルは各しゅうどう部へ
送られる訳だが、このサンドイッチブロックを装着することにより
オイルフィルタに入った後、オイルクーラー側へオイルが圧送され
オイルクーラーで冷やされたオイルがエンジンの各しゅうどう部へ
送り込まれるのである。

走行後のオイル『油温』は76度くらいを指す。
※(高速走行後アイドリング時撮影により水温は上っている)
と言う事で、走行中は水温は85度前後、油温は80度前後と
安定した数値が現時点では達成できたようである。
今後は夏場に、さらにはスポーツ走行後に調整といったところだ。
本日はオイルクーラーのフィッティングをご覧頂いた。
今日はコレまで~。
本日の名言
新しい技術への挑戦という
リスクを取らない方がリスクは大きい。
この世界では、何もしないことが
一番大きなリスクになる。

byラリー・エリソン
そうですなぁ。新しいものに挑戦するということは
絶対に間違いではないと思います。

スピーカーケーブル(配線)にこだわるの巻

ウェルです。
さて、皆様本日はカーオーディオにおいて
アンプ(オーディオ)からスピーカー間にある配線、
スピーカーケーブル(配線)に焦点を当てこだわってみる。

純正スピーカーケーブルである。
まずスピーカーケーブルとは何ぞやともうせば
オーディオから出た音楽出力信号をスピーカーに伝導するものである。
では、なぜスピーカーケーブルにこだわるのだろうか。
それは、ケーブルの素材や太さなどにより音のリアリティー、
(繊細さ)が変わるからなのであった。

スピーカーケーブル 『BELDEN STUDIOシリーズ。』
ベルデンはワールドスタンダードとして、
現在はプロのレコーディング現場で使用されている。
ココでのこだわりだが、なぜベルデンかともうせば、
スタジオの録音時に使用されている機器などをつなぐケーブルが
ベルデンであるコトに対し(録音の入力側)、
ホームオーディオやカーオーディオ(再生の出力側)に
同じメーカー(組成のあるケーブル)で再生するということは
音質面などのこだわりとして有効であるようだ。

BELDEN STUDIO 708EX
銅色の被覆に白色の文字で刻印されているのをご覧頂けるだろうか。
スピーカーケーブルにも極性は存在し、
文字が入っているほうが(+)文字が入ってないほうが(-)側に
接続すればよい。
またBELDEN STUDIO 708EXの最初のB側がオーディオ側に
最後のX側にスピーカーを接続する。
これらはオーディオにおいて基礎知識であり、別に反対に繋ごうとも
音質が変るコトは無いだろう。しかし、右スピーカー側、
左スピーカー側とそれぞれ逆に組んだ場合は、厳密に言えば
音質は変る可能性はある。
また単線でなく、今回のベルデンのような撚線の場合は左右の配線の
向きは必ずそろえるほうが良いだろう。
これはまあ、オーディオマニア的なこだわりとして解釈して頂きたい。

ソケットは金メッキ仕様を選択。
最近の安価なスピーカーでさえ端子部は金メッキがほどこされており、
スピーカー端子に接続するソケットも金メッキのものにこだわる。
これは伝導性を上げる目的である。
微細な音楽信号(ギターのピックの音やヴォーカルの吐息など)を
より鮮明に表現するためにはこうした細かなパーツでさえ
こだわる必要がある。
ココで豆知識だが、金属による伝導性の順位はオリンピックの表彰で
もらうメダルの順位と同じなのだ。
『金一番。銀二番。銅三番。』
それでは、配線も金で作れば伝導性が上るのかと申せば、上る。
しかし、高い。
そして、銀の配線では逸話はある。
『昔はメキシコでは銀が良く採れ、銅より安価だった時期が有り、
メキシコの電線は銀で出来ていた時代があったようだ。
それを知った人々はその銀線をこっそり持ってかえったとか。』

右が純正スピーカーケーブルで左がBELDENスピーカーケーブル。
太さをご覧頂きたい。BELDENのケーブルは純正ケーブルの3倍ほどの
太さがあるだろう。
この太さは特に低音をしっかり出すという性質がある。
簡単にも考えてもらえてわかる範囲だが、低音は特に
瞬発力や音圧がひつようであり、細いケーブルであれば
それだけの情報を一気に流しこむ事が不可能であるのだ。
電気を水にたとえると、家庭用のホースで水を出すにも
限りがあるが、消防車のホースであればより沢山水を
放出することが出来るのと同じ原理である。
ただ、ここでもホースが太過ぎると勢いがなくなるので、
適度な太さに仕替えることにより、低音の増強を
図ることが出来るのだ。

OFHCを0,153mm×9本×7束にまとめた『Rope Lay』デザイン。
スピーカーケーブルでは『OFC』と言う言葉を聞いた、見たコトがあるだろう。
それはオキシゲン、フリー、コッパーの頭文字であり、
訳すと無酸素銅のことを言う。
純正では一般的な不純物が含まれる銅線を使用されているようであり、
純正の銅ケーブルをこの無酸素銅ケーブルに変更することで、
より伝導性を高めるコトが出来るというわけだ。
さらに今回ご覧頂いているBELDEN STUDIOシリーズでは
OFCより高いクラスの実質的な夾雑物の存在しない導体であるOFHC
(Oxygen-free high thermal conductivity)
高伝導度無酸素銅を採用し、さらに音質を向上させたケーブルと言える。
今回スピードウェルが自動車用にこのスピーカーケーブルを選んだ
理由は大きく分けて二つある。
それは音楽出力信号の忠実な伝送性とクルマの取り回しに適したしなやかさ。
自動車に使用するということはそれだけ、耐久性や取り回しの良さが
重要となってくるのである。
ここで本日のまとめだが、スピーカーケーブルは
オーディオ(アンプ)から出た音楽出力信号を
忠実にスピーカーに伝える必要がある。
そのため、より純度の高い銅を使用し、良質な信号を
スピーカーに伝送することが今回の目的だ。
ということで、オーディオのこだわりには
色々な方法が存在し、まだまだ楽しめる。
スピードウェルでは、こうした特異な技術に対しても
追求しているゆえ、ご相談下され。
今日はコレまで~。
本日の名言
弱気は最大の敵である。
by津田恒実
そう、自分が弱気になればその力のほうへ流されそうになりますなぁ。
弱気は最大の敵であります。

日産PAO ウッドパネルを製作するの巻(その1)

東北地方太平洋沖地震により被災された方々に
心よりお見舞い申し上げます。
スピードウェルでは、現在震災にあわれた方々の
被災地への救援を行うべく準備致しております。
3月15日(火)よりスピードウェルにおいて救援物資の
提供を募っております。
現在minikaeru氏により毛布3枚、懐中電灯1個
ウェルより、カセットコンロ1個、発電機一基。
お預かりさせて頂きましたら随時皆様にご報告致します。
それでは、どうぞよろしくお願い申し上げます。
————————————————————————–
さて、本日はPAOのウッドパネル製作のお話である。
このウッドパネルの製作プロジェクトだが、スピードウェルの研究課題
である、価値観を創出するという研究の一部において行われている。

ウッドパネルの形状に対しての型をおこしたプロトタイプ。
ウッドパネルと簡単に申しても、ウッド調のシートなどを
ただ単に張るなどというモノではなく、形状や厚みまで
計算に入れ、相応のモノを製作するために、
今年の1月より、製作を行ってきた。

ファイバープラスチックにより型を成型している様子。
今回のウッドパネルはハイブリッドである。
もくの良さと、耐久性をかねて試作が繰り広げられている。

スイッチ類は見事ににげを作るコトに成功。
もくは突板によりファイバープラスチックに接着するという
工法を現在テスト中だ。

重厚さを増すため、厚みは5mm前後。
現在は加工中であるため、透明の樹脂でおこなっており、
今後の仕上げが楽しみである。
それでは、次回をお楽しみ。
今日はコレまで~。
本日の名言
何でも大胆にかからねばならぬ。
難しかろうが、易しかろうが、
そんな事は考えずに
無我の境に入って断行するに限る。

by勝海舟
そう、断行するに限りますなぁ。

日産PAO フロントドアにスピーカーを取り付け(交換)するの巻!

どんもす~。ウェルです。
さて、皆様本日はPAOのオーディオにまつわるお話。
フロントドアにスピーカーを取付ける(交換)するをご覧頂く。
その前に、本来PAOにはリヤのみスピーカーが取り付けられており
(新車時はディーラーオプション)フロントにはスピーカーが
装着されなかったようであるが、これはデザイナー陣の
意図した考えの元で仕掛けられたPAOらしい感覚であった。
それは、リヤスピーカーから流れるあのチープな音が
PAOとしては100点満点といえるほどの音質である。と
ウェルは推測する。
例えば、ドアを閉めたときの『ドバスッ!!』という音。
あれが高級車のように『ブンッ』みたいな音では
PAOらしくないという、そういうものであると思う。
メーターのライトの明るさから、そういうボディーの
作動音まで、トータルでデザインされていたと言えるほど
PAOとは非常に完成度の高い、クルマらしいクルマでない
車であるとウェルは思う。
ということで、前フリが長くはなったが、
今回はしかしながら、男というものはそのそれぞれの
機器に目覚める性質があり、音を楽しもうと言う事で
ご説明させて頂く。

すでにスピーカーは装着されている。 車両提供 papa氏
今回は車両にすでにスピーカーが装着されており、
その古いスピーカーと新しいスピーカーと交換するという
作業がメインなのだが、フロントスピーカーの場所が
ドアパネルに装着していると言うところが見所だ。

スピーカーネットを外した様子。
PAOのフロントドア内張りにスピーカーを取付けた利点は
やはり前方定位が良くなるという点である。
この前方定位というスピードウェルブログにも
しばしば使われている用語だが、例えばコンサートで
音楽を聴く場合は誰しも前方から音を聞くことになる。
そして視覚と聴覚からボーカルの位置やドラム、ベースなどの
位置を無意識に感じているだろう。前方定位とは
その現実的な感覚を車内や屋内に持ち合わせる
擬似的な音楽空間を作るためのものである。
 一般的なカーオーディオシステムの場合、
フロント、リア共同じ帯域を受け持つスピーカーを鳴らしているが、
それは車中の中心で音楽が鳴っているというようなセッティングとなる。
でもそれは、音質的にも定位的にもあまり良いとはいえないのだ。
ではどうしてフロントとリアにスピーカーがあることが音質的に
定位的に悪いと言うのだろうか。
それは 人間の耳たぶはほとんどの人が緩いカーブを描きながら
前方に開いた形になっている。このことは人間の耳が後ろから
発せられる音よりも前から発せられる音がよく聞こえると言う事だ。
前述の一般的なカーオーディオのセッティング(定位が無い)では
コンサートホールのような前方からの直接音が聞こえにくくなりばかりか、
直接音をリアの音で阻害する事となるのであった。

左がお古で右が新品。

スピーカーフレームやマグネットの大きさに注目。

ダイキャストフレームに大型のマグネット。

これだけの作りこみに差があるのは、
最近になってからであろうか。
日本のスピーカーも良くなったものである。
10cmのスピーカーとはいえ、低音の駆動も
充実させる為、フレームの強度を上げマグネットは大型化に。

お古はコーン紙はパルプ材が主。
中央部はツイーターではなく、あくまで形状をそのようにした
フルレンジスピーカー。

新品のコーンは炭素素材の編みこみ。
適度な硬さと編みこみによる内部損失により
音の柔らかさをミックスさせた最新のスピーカーユニット。
中央部は同軸上のツイーターとなり、フィンが設けられており、
指向性を変化させ、音場を整えれるよう調整が効くようだ。

スピーカーがセットされる内張りは
若干のRが付いており、限りなく平行になるようサンダーで
そぎ落とした後、スピーカーと接触する部位に
スポンジが当てられた。
このスポンジがないと、ビビリが発生するゆえ、
確実にセットして頂きたい。

今回は、スピーカーの留め具にブロンズ製のボルト、ナットを使用。
最高級のオーディオにも使われるブロンズ(銅製)のパーツ群。
それは、フラッグシップモデルと呼ばれるものだけに
与えられた仕様でもある。
様は、鉄製のボルト、ナットで締めても音質ははっきり言って
変わらない(解からない)が、よりこだわって製作が
された、と言える感覚だけある。
しかし、一般的にはその訳の解からぬこだわりが、
オーナーの心を魅了するコトに間違いはないだろう。

装着された様子。
今後は、この内張り自体を防振加工を施し、より
タイトに鳴るシステムへと変化させてゆきたいと思い候。
ということで、今回はフロントにスピーカーを
装着するというお話で、前方定位について
少し詳しく説明させて頂いた。
今日はコレまで~。
本日の名言
時間があればいいものができるわけじゃないだろ。
与えられた時間の中で
どれだけのことができるかが勝負だよ。

by鈴木勉
そうですなぁ。時間をかけても良い物が出来るとは限りません。
限られた時間のなかでどれだけの事ができるか、さらには
1番良い物が出来るかが勝負でありますなぁ。

号外 1987年東京モーターショー PAOプロトタイプのコラムカバーとドアロックピンがの巻!

どんもす~。ウェルです。
号外、号外と言う事で、またやって参りましたが、
本日はPAOの七不思議のひとつ、ハンドルコラムカバーと
ドアロックピンは実はアイボリーだった!?
というお話を致そう。
PAOは東京モーターショー時のプロトタイプでは
ハンドルコラムカバーとドアロックピンのカラーは
アイボリー色で製作されていた。

PAO『東京モーターショー出展車両』 古場田良郎氏 蔵
このモーターショー時のデザインで解かるように
ハンドルコラムカバーと、少しみにくいがドアロックピンは
アイボリーで製作されていた。
ところがどっこい、発売された時点では
ハンドルコラムカバーはアイボリーからグレイへ、
ドアロックピンはブラックへとカラーリングが
変更されていたのである。
現在皆がお乗りのPAOはすべて、そのカラーで統一されているのだが、
なんと、一台のPAOだけがその試作カラーにより
生息しているのであった。

これが、正真正銘のアイボリーハンドルコラムカバーである。
スピードウェルでは現在、このモデルを参照にして
ハンドルコラムカバーをアイボリーにラッカーフィニッシュを
施し、製作が進められているものも多いが、
これが本家本元だ。

1987年当時の試作品。アイボリーハンドルコラムカバー。
このハンドルコラムカバーがなぜ、現存するのか。

1987年当時の試作品。アイボリードアロックピン。
おお~。
まさにお宝であり、ヘリテイジ『遺産』である。
ということで、PAOの七不思議をご覧頂いたが、
このお宝は秘宝となるか、次のご開帳は未定である。
しかし、なななんと、スピードウェルで来月より
『ヘリテイジセンター』なるコンテンツがアップされるゆえ
そのページで詳しくご覧いただく事に致そう。
今日はコレまで~。
本日の名言
弱い人間は率直になれない。
byラ・ロシュフコー
およよ~。見透かされましたかな。
人間なかなか素直になれないですなぁ。
それは弱いから。まいったまいった。