パイクカーデザイナー 古場田良郎の世界

Be-1

デザイナー古場田良郎氏の愛車(古場田デザインスタジオの窓から)

この度、Be-1、PAO、FIGAROを手掛けられましたデザイナー、古場田良郎氏よりご連絡頂きまして、新車より長らくお乗りになられておられましたBe-1を、石川県にあります日本自動車博物館に寄贈したいというお申し出を頂き、お手伝いさせて頂く事になりました。来年は、日産自動車90周年という節目を迎え、日本自動車博物館では90周年企画もあり、一番の展示車両となる事と存じます。という事で、Be-1のみならず数々の貴重な史料をスピードウェルにもご寄贈頂きましたので、データ保存も含めまして、少しずつブログにてアップさせて頂き、皆様には、より一層パイクカーの魅力を感じて頂ければ幸いです。

Be-1 スケッチ

Be-1のスケッチ

これからお出し差し上げます資料は順不同で、誠に申し訳ございません。古場田良郎氏が想像された、数々のデザイン案。その、それぞれに詳しいスケッチを描かれておりますので、ご覧頂き、お楽しみください。

こちらは、Be-1のフロントグリルやバンパー等、個性的です。ホイールキャップも近未来的ですね。

Be-1 スケッチ

Be-1 テールエンド

テールランプの形状は市販されたデザインと同じ仕組みではありますが、バンパーやナンバープレートの市、さらにはマフラーがセンター出しになっているなど、まだまだ検討中である事が伺えます。下方には古場田氏のサインが。

現代では、コンピューター上でスケッチする訳でありますが、当時はまだまだ手書き。古場田氏のお話によれば、一日に、3枚前後は描くそうです。体力との戦いですね。

本日の、パイクカーのお宝は以上になります。

話は戻り、古場田氏のBe-1は現在スピードウェルがお預かり致しまして、2週間ほどのメンテナンスの期間を経て、

日本自動車博物館に納めさせていただきます。

少しでもこの伝説のBe-1をご覧になられたい方、

ご希望が御座いましたら、11月21日までは作業中を除き拝見頂けますので、

お気軽にご来店ください。

日産Be1レストア!N様納車おめでとうございます

Be-1

Be-1のボディーレストア

レストアと一言で言っても、やり方は無限である。全てのパーツをそろえて行うのはフルレストアであって、その場合フロント、リヤ共にガラスも外す。まさにホワイトボディーにより、豚の丸焼きのようにボディーを宙ぶらりんにし、フロアからアンダーコートも剥離して一から行う訳である。そのような場合は価格も0が一つ増える為、そこまでしないで良い場合は、それぞれオーナー様のご予算に応じて行うものである。今回は、エンジンのタイミングベルトや、クーラーの修理を含めこれからBe-1を楽しめる仕上げを行わせて頂いた。

Be-1

Be-1 完成

今回は、純正カラーであるパンプキンイエローから純正色であるハイドレンジアブルーに変更という事で、内外装の錆びを取り除き、ペイント。最終の仕上げにコーティングを行い美しい様子。

Be-1 クーラー

Be-1のクーラー装置

リキッドタンク(いわゆるレシーバータンク)をBe-1純正品の廃盤により、使用可能なリキッドタンクに置き換え、さらにフィッティング。これにより、わざわざBe-1の純正リキッドタンクを探す必要はなくなる。

Be-1

Be-1 左舷前方姿見

バンパーやグリル等も劣化が激しく、あわせてリペアを行い引き締まっている。

Be-1 内装

Be-1の内装

今回はシートの張替え等は行わず、手入れのみ。モモの年代を感じるハンドルが魅力的である。今後オーナーはナルディに変換という事で、どちらも名門である。

Be-1

Be-1と記念撮影

この度はN様、Be-1レストア納車おめでとうございます。これからBe-1ライフが始まりますが、一つずつ楽しんで頂ければ幸いです。それでは、今後とも宜しくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

彼は彼、我は我でいこうよ

by大久保利通