新製品!日産パオ トランクマット

パオ トランク

新製品 PAO用トランクマット

こちらは、日産パオのトランクに敷かれている強化ビニール製トランクマットである。純正のトランクマットは経年の劣化により、縮みや敗れが生じており、さらに端々がめくれあがっているものが大多数である。スピードウェルでは、ボルトオンで交換が可能なトランクマットの製作を行ったので、販売致します。

パオ トランクマット

トランクマット 裏型

裏側は純正と同じくスペアタイヤ上部にフェルトを装着。トランク上部にモノを乗せても、無問題である。また、スペアタイヤハウス廻りのロードノイズを抑える働きもある。

トランクマット

トランクマット

取付には樹脂製のボタンをご準備。純正樹脂ボタンはひっかかりが弱く外れやすいが、スピードウェルで採用した樹脂ボタンは自動車のホイールハウス等で使用されているモノに近く、ハードな設計で外れにくい。

ということで、本日は日産パオ専用トランクマット(ブラック)をご覧頂きました。

価格は税込み19,800円(樹脂ボタン含む)

パオのレストア等に如何でしょうか。

スピードウェルでは、レストアパーツの開発を行っておりますが、皆様より販売のご要望が多くなりましたので、少しずつではありますが、掲載致します。

これから、また新しい時代にパイクカー、ラシーンが永く走りますように。

パオ メーター

番外 ダッシュ上面の張替え

昨今ダッシュ上面のパネルが割れたり、褪色したり、生産より35年という歳月がながれ、当たり前であるがやはり経年の劣化は免れない。スピードウェルではこのようにクラフト感溢れるモノづくりを追求している。

日産フィガロ ボディーレストアを行う

塗装

上質な塗装がココにある

ボディーの塗装と一言でいっても、質はぴんからきりまで存在する。塗装は、下地の処理から最終の磨きの工程まで複数工程があり、そのどの工程も熟達した職人の知識と腕前が必要である。下地が悪ければ塗装の仕上がりも良くなく、されとて下地が良くても、塗装職人の腕前が悪ければ美しい肌は完成しない。さらに、塗料に対するこだわりも必要である。どれもがバランス良く歯車が噛み合う所が、良い仕上がりだと言える。今回は、フィガロのボディーレストアを行うにあたり、当時のカラーに復元するという命題を加えて作業を行っている。塗膜は、 主に『紫外線』『熱(太陽光の赤外線)』『水』の3つの要因によって劣化する訳である。劣化すれば、褪色、クリア剥がれが現れ、みすぼらしい姿のなる訳である。しかしながら、この劣化は環境によるものだけではない。手抜きをした下地処理で安い塗料を使用したも。方や、しっかりした下地処理に上質の塗料を使用して熟達した塗装職人が仕上げた場合、見た目と長持ちの度合いが全く異なる訳である。スピードウェルでは、整備や内装の仕上げは勿論の事、その塗装職人の腕の良さと、コストを気にせずこだわりを持って製作を進めている。もったいないくらいの塗装仕上げが、パイクカーには丁度良い。

フィガロ

フィガロ分解中の様子

今回は、準外板まで塗装仕上げを行う仕事である。ボンネットやトランクの上下などは取り外して一枚ずつ丁寧に塗り上げられる。ドアは取り外して仕上げを行う場合と取り外さず行う場合があり、今回はその後者である。

レストア前

フィガロの板金絵図

なかなか、凹みは軽いがうねりが生じており、大幅に成型。熟達した職人業であれば1/1000mmという単位で表面を仕上げる事が出来る。それを目指して製作する事が重要である。

フィガロ

フィガロの下地

下地処理の工程はまだまだ続き、サフェーサーを吹き付けて塗装の下地を作り上げる。

フィガロ

フィガロの塗装

ドアにフロントタイヤが映り込んだ姿を観て欲しい。鏡のようにしっかりと美しく反射しているのが良くわかる。ツルーンである。

フィガロ内装

フィガロの内張りの様子

これが、経年の劣化でねちゃねちゃ、ザラザラになるのはフィガロオーナーのすべてが知るところ。またアイボリー色が仇となり、汚れが目立つこと。

フィガロ内装

グローブボックス

グローブボックスや、サイドブレーキレバーなどは表面がザラザラ系。汚い。

フィガロ内装

ねちゃねちゃ

天井やAピラー、クォーターパネルなどは、このねちゃねちゃ系である。ほこりだけならまだしも、毛髪、ペットの毛なども付着することがあり、見栄えは最悪である。

フィガロ内装

ねちゃねちゃを取る

すべてのパネルをボディーから取り外し、化学薬品で洗浄する。その際、表面のしぼり(革の模様)が無くなってしまうので、後の塗装でその風合いを足す。

フィガロ内装

塗装を行う。

専用の塗料で塗装を行い、当時の美しさを取り戻す。少し艶があるが、これは塗料をかけた瞬間であり、この後落ち着くからご安心を。

という事で、今回はフィガロのレストア風景をご覧頂きました。スピードウェルではBe-1、パオ、フィガロ、ラシーン、そしてエクストレイルやルノーカングーなど、純正当時の美しさの再現や、オーナーの思いのカラーに車両の製作を行っております。また、その技術に対し研鑽を積んでより多くの皆様に、楽しくお乗り頂けます様に努力致しております。

今日はコレマデ。

本日の名言

人生楽しんだ者勝ち

日本の伝統 文化 歴史 テレビに出演するの巻

大阪天満宮
青海波

大阪楽所 舞楽 青海波

スピードウェルは、日々全国に販売させて頂きました車両の納車をおこなわせて頂き、日本は本当に美しい国だと感じた訳であります。その美しい日本という国をもっと知りたい、そしてもっと伝えたい、もっともっと大切にしたいという事で、日本の伝統音楽、雅楽の勉強を8年間してまいりました。雅楽とは、古来大陸で生まれた音楽が、聖徳太子の時代に仏教と共に伝来致しました。以降、その蕃楽が国風化をして平安時代に大成し、今日まで受け継がれております。今年の大河ドラマ、光る君へ、では、その大成した当時を覗える源氏物語の歴史の場面であり、BGMに雅楽器の演奏が多用されております。今回は、わたくしが、その雅楽器のなかの主旋律を奏でます、篳篥(ひちりき)のお話で、『3月2日、7時30分よりNHK総合、ウィークエンド関西』に篳篥奏者として出演致します。こちら近畿圏内での放送となりますので、あしからず。

鵜殿のヨシ原

高槻市の鵜殿のヨシ原

篳篥という楽器は、吹口にリード(ヨシ)を着けて吹きます。専門用語で蘆舌と言いますが、これが元来、大阪府高槻市の淀川の河川敷、鵜殿と呼ばれる地域に生息します葦(アシ)を加工してリードにしています。先ほどからヨシ、アシとお伝えしましたが、そもそも葦(アシ)であって、この発音を忌み嫌いヨシ、となりました。ヨシ、アシの区別がつかない。この語源はココにあります。

鵜殿のヨシ原

鵜殿のヨシ原のヨシ焼き

全国有数のヨシ原で、ヨシ焼きは行われますが、昨今は近隣住民との折り合いが付かず、野焼きが中止される事も増え、良質なヨシの育成に影響を及ぼしており、1000年以上続く雅楽の音色が風前の燈火となっておりましたが、高槻市や市民を始め、数々の保全活動を行う団体様のお力添えにより、ヨシ焼きが近年復活致しました。

豊田アナ

豊田アナウンサー

今回は、NHKの豊田アナウンサーに篳篥をお貸しいたしまして、共演ということで、私もお力添え致しました。豊田アナウンサーは、なんと信州上田で、松代の雅楽で幼少の頃篳篥を吹いたことがあるという事で、明日の放送は楽しみであります。

篳篥(ひちりき)

雅楽の楽器の解説ですが、笙、篳篥、龍笛と3管が吹きものとして御座います。笙は天の雲間から差す日の光を音に現し、篳篥は地を這う人の声を模して、龍笛は天と地の狭間にある空を行きかう龍の鳴き声を伝えております。この天、地、空が、雅楽の音色の概念であり、それこそ宇宙そのものだったのです。

https://www.nhk.or.jp/osaka-blog/weekend/492188.html

上記より、番組はご覧頂けます。

美しい歴史、文化のある日本を皆様と共に後世に伝えてゆくことが出来ればなと、そう思っております。

最後に、私のような若輩者が雅楽を語る、鵜殿のヨシを語るなど、1000年早いことであり、誠に恐縮致しておるところでございます。これからも日本の伝統が長く続きますように微力ながら活動していきたいと思います。

兵庫県相生市のT様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

シートベルト
シートベルト

シートベルトのカラー

パオの純正は黒グレイの一般的なシートベルト色であって、色を変えたい、もしくは新調したいという方には朗報である。今回使用したカラーはベージュ色であるが、20色以上生地をそろえており、内装もしくは、外装と合わせてコーディネートする事が可能である。また重要部品であることから、車検に適合するように陸運局に届出も行っている。可能な限りパオの純正風を保つため、当時のタグの縫い付けも合わせて行っている。

パオ

PAOトラディショナル 妻姿見

この度は、兵庫県相生市にお住いのT様の元へお届けにあがりました、PAOトラディショナルをご覧頂きます。ボディーは程よいレストアが行われ、フロントグラスも新品で視界は最高である。各箇所のリペア塗装とガラスコーティング。ずっと眺めたくなるPAOがココにある。

パオ 内装

ダッシュ上下の張替え等のカスタマイズ

今回は、ダッシュ上下パネルの張替えに、マグノリアクロックを純正風リダンを行い、さらにハンドルとATシフトレバー、サイドブレーキレバー、コラム&コンソールのアイボリー化が行われている。見栄え美しくなるように、サイドデフロスターグリルなども交換が行われている。

パオ

PAOトラディショナル 平姿見

パオは側面の造形も面白い。ドアヒンジは外にせり出しており、ボコッとしたフェンダやドアやクォーターパネルのリブなども、見ていてあきがこない訳である。すこしお結び型なのもCOOL。

ジャーマントップ

天幕の張替え

ジャーマントップというマテリアルにより張替えられたPAOの天幕。キャンバストップ生地とジャーマントップ生地の違いは、前者はビニール素材で後者がキャンバスという何とも複雑である。キャンバスと言いながらビニール。ジャーマンがキャンバス生地の事である。ますます解りにくいだろうか。今回のは長持ちするジャーマントップ生地のバーガンディー色である。

パオ

PAOの記念写真

この度はT様、PAOトラディショナル納車おめでとうございます。ボディーはガラスコーティングをかけてぴかぴかに致しました。メンテナンス頂き長く美しさを保って頂ければ幸いです。また、相生の銘菓を頂き、この場をお借り致しまして厚く御礼申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

あら楽し 思いは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし

by大星由良之助もとい大石内蔵助

福岡県大牟田市のT様 ラシーンフォルザ コンストラクションビークル仕様納車おめでとうございます

工事車両

コンストラクションビークル

オレンジカラーにクロムト風ブラック、まさにコンストラクションビークルのカラーである。日本では働く車であって、特に幼少の頃男子はクレーン車や土砂運搬車などの工事用車両の玩具で遊ぶ訳である。それは、やはり特徴的な形や解りやすいカラー、機械感が魅力であるからだと思う。今回はそのような遊び心でもって、フォルザの造形にあわせてカラーリングが施されている。イエローやオレンジ色は、塗装は下色を入れないと発色しないのであって、一般的なカラーと違いひと手間かかる訳であるが、今回は、さらにバンパー等にビースト塗装(ゴツゴツした飛び石や衝撃に強い)塗料を使用して製作を行った。チッピング塗装に上塗りをして、ビースト風にする方もおられるが、ビーストはカチカチの分厚い塗膜で、チッピングゴムの柔いモノではない。ビーストは本物であって、その耐久性はもとより質感、見た目は遥かにカッコよい。また、ゴツゴツの絞りは調整できる為、今回はあっさりであるが、こってりも可能である。何やらラーメンの注文の様である。

ラシーンフォルザ

ラシーンフォルザ コンストラクションビークル

この度は、福岡県大牟田市にお住いのT様の元へお届けに上がりました、ラシーンフォルザ、コンストラクションビークルをご覧頂きたいと思います。黄色&黒の工事用車両よりレアな山吹&黒の仕様。ホイールもトラックのようなイメージでさらにボディーカラーと同色としたところが何とも乙であります。

内装の風景

内装は遊び心をプラス

とはいえども、工事はしないのでナルヂウッドハンドルにパネルラッカーをあしらいカスタマイズ。

内装張替え

内装の張替え

安価なPVCではなく最高級の自動車専用レザーを使用して張替えが行われた内装。側がこってりしているので中はあっさり。

シフト&サイドノブ

シフト&サイドブレーキノブのレザークラフト

チョイとアクセントを効かせた、ボディ同色でレザークラフトを行ったシフト&サイドブレーキノブ。上質なレザーを使用して張替えが行われている。

ラシーンフォルザ

雰囲気のあるフォルザ

ブラックペイントもそれぞれにビーストと艶消しと、それぞれに適材適所に塗り分けが行われ、雰囲気がマシマシである。

ラシーンフォルザ

ラシーンフォルザ コンストラクションビークル

スペアタイヤはあえて四輪ホイールと合わせ、タイヤカバーで覆っている。こういった大きなフェンダーはタイヤをオフセットして面に合わせるのではなく、プラスオフセットで中に入れる方がカッコよい、というのはSWの偏見であるが、わざわざ車高を上げることなく、車高が高く見え、トラック感があってCOOLである。

この度はT様、ラシーンフォルザコンストラクションビークル仕様納車おめでとうございます。納車の際、出前までお取り頂き、恐悦至極に存じます。長く楽しんでお乗り頂ければ幸いです。

今日はコレマデ。

本日の名言

花が咲いている 精一杯咲いている わたしたちも 精一杯生きよう

神奈川県横浜市のH様 ラシーンレストア納車おめでとうございます

ラシーン 横浜

ラシーンの中にあるガンダム

ヨコハマは凄い。なんてたって実寸のガンダムが建造されているのだから、こんなロマンは、世界中でもまず無いのではなかろうか。ガンダムの建屋もまたカッコいい訳である。わたしは物心ついた時からガンダムはテレビマンガで放送されていたので、アムロ行きます。という言葉は日常使いしていた。簡単に言えば、行ってきます、がそれである。今回は、ラシーンの中にあるガンダムという題名であるが、ラシーンデザイナー平林俊一氏から頂いたお話によれば、そのラシーンのボンネットのヒダや、フロントグリルの空気の取り入れ口など、これはガンダムの造形に近いというお話である。ラシーンは機能的な美しさを、解りやすくデザインしたと言える。フロントグリルをご覧頂くと、空気の取り込み口がボコッと前方に膨らんでいる。いかにも空気を吸いますよという、これがデザインの力である。バンパーやフェンダー、ドアのアウターハンドル、ヘッドライトやルーフレール、背面のタイヤステーなど、どれも凹で表現しているのはラシーンのデザインの面白い所であり、ラシーンとガンダムの共通点はそのような機能的な美にあるのではなかろうか。

ラシーン

エンジンさえ中身は新品

この度は、神奈川県横浜市にお住いのH様のラシーンレストア納車をご覧頂きたいと思います。生れてラシーン以外乗った事のないというH氏、3代目のラシーンである。今回は、エンジンをフルオーバーホールし、それらにまつわるパーツは総交換。新車にはならないが、そのようなラシーンの製作を行わせて頂きました。

ラシーン レストア

ボディーはフルレストア

純正シダーグリーンカラーを新車当時の塗料を製作して塗装。バンパーやグリルガードはオーナーのセンスにより塗料を調合。フォルランプもレストアが行われ、背面はゴツゴツした烏帽子塗り。純正以上に質感を高めた仕上げがスピードウェルでは可能である。

ラシーン

アンダーガードは鏡面研磨

ボディー下部も塗装仕上げを行い、さらにバンパー等取付のボルトをステンレス化。アンダーガードは鏡面仕上げを行い、アスファルトが映る。今回のラシーンは後期モデルであるが、オーナーのこだわりにより、フロントグリルと、ウィンカーレンズは前期モデルにスワップ。フェンダーやボンネット、バンパー等チリ合わせも入念に行われ、ピシッとした表情が現れた。

ハンドル

ナルディクラシックウッドステアリングモノホン

オーナーが指定したハンドルは、モノホンのナルディクラシックウッド。これが、物凄く高価であって、なかなか手を出す事が出来ない。さらに、そのこだわりをスピードウェル的にさらに高めたいという事で、純正オプションのウッドシフトノブを加工して、ナルディハンドルのカラーに認めた。

ウッドハンドル

ウッドハンドルの調色

せっかくウッドハンドルを取付けても、ウッドシフトノブと色合いが違うとなると中途半端であって、ハンドルに合わせて色を調整してクリア塗装仕上げが行われた。こういったバランスの調整の一事が万事となって、美しさとして香る。

ラシーン モケット

モケットシートとパネルラッカー

今回は、モケットシートカラーにウッドパーツを採用してカリモクのよう。当初は、ウッドパネルであり、すべて取り外して、内装のベージュに塗装。シートとウッドパーツにフォーカスを当ててお洒落を演出した。

ラシーン タイヤカバー

ハードケースの仕上げ

純正はガンメタリックであるが、今回はフロントのグリルガードと合わせてチョコレート色で塗装。さらにオーナー自ら大切にしていた、廃盤の羅針盤のデカールをおしみなく張り合わせた。そのステッカー位置であるが、なやみ悩んだ末に中央から少しの下に。可愛らしい配置である。

ラシーン

ラシーンとハンマーヘッド

この度はH様、ラシーンレストア納車おめでとうございます。長らく製作期間を頂き感謝致しております。これからも長くお乗り頂けますようにお祈り申し上げます。またご当地のお土産まで頂き、重ねて御礼申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

悩む理由が値段なら買え

買う理由が値段ならやめておけ

山口県周南市のE様 PAO西海岸仕様納車おめでとうございます

パオ

デザインー民藝ー美術

今回はすこし難解なお話である。まずは前置きであるが、パオはプロダクトデザインされたクルマである一方、美術的に価値を見出す事が出来る一つのモノでもある。それらは市井の人が認めるところであって、その上で、今日はデザインと美術の狭間に民藝が隠されているというお題である。 日産パオチーフデザイナー古場田良郎氏とのお話の中で、「用の美」というワードが出てきた。それは、『バンパーは鍍金でなく、シルバーの塗装である』と言う話の流れからであった。氏曰く、鍍金であればキズが付けば、だらしなく見え修復が困難で管理が難しい。シルバーのペイント仕上げであれば、たとえ傷が着いても塗料を調達してオーナー自らDIYで修理が出来る。そして、それは完璧なものでは無くとも、オーナーのモノを大切にするという気持ちが相まり、さらに味わい深いモノとなるだろう。たとえば、ホーロ―のお鍋がマグネシウムのたわしで洗われては、傷もつくが、長く使い続ければ、用の美としてその傷が良い味わいとなる。そのような例えであった。用の美とは、柳宗悦が提唱した民衆的工芸を略した、いわゆる民藝の中核的な言葉であって、その根本に「日用品にこそ美が宿る」を端的にとらえたものである。そのような概念が、パオの開発当初のデザインにエッセンスとして取り入れられていたのである。もう一つは、長く使用出来るというワードである。わたしが知りうる限り、工業デザインで製作された物はおうおうにして長く使用出来る物が少ないのである。一つは素材的な劣化であり、もう一つはその物以上になり切れない価値である。パオはその両面でデザイン的にアプローチされており、長くの使用に耐えるだけでなく、用の美が現れやすいプロダクトを提案しているのだと言えるのではなかろうか。今までにそのような用の美に通じた工業デザインがあっただろうか。そして、その様な用の美をまとったモノが道を走っていただろうか。今日の四方山は、パオは素晴らしいデザインであり、美術であり、その狭間にある民藝である。というお話の書付けである。

パオ

PAO西海岸仕様

この度は、山口県周南市にお住いのE様の元へお届けに上がりました、PAO西海岸仕様をご覧頂きたいと思います。この西海岸に至る流れですが、イメージはドイツ車がアメリカに輸出され、カリフォルニアの西海岸の貿易風にたなびいた仕様であります。ジャーマングレイの車両はホワイトパールを身に纏い、キャルルックの正統なヘッドライトピークやホイールキャップ、鍍金のミラーなど使用してカスタマイズが施された、という流れでしょうか。

パオ 内装

パオ キャル内装

キャルとはカリフォルニアの略であります。ハンドルやシフト廻り、更にはスイッチ類はフィガロのそのよな雰囲気のあるパーツをおしみなく投入。大人らしさを追加したかったので、ダッシュ上面は天幌の素材をそのまま使用致しました。

パオ 内装

ジャーマントップ生地によるダッシュパネルの張替え

一般的にはレザー調のタッチで製作致しますが、今回はカリフォルニアンなイメージに合わせ、トップのマテリアルを使用して、ダブルステッチ仕上げで製作。あくまで装飾でありますが、贅沢とはこういう所から薫るものであります。

パオ 内装張替え

パオ内装張替え

外装のカラーを彷彿とさせるシートカラー。最高級のグレイレザーを使用してパイピングにはバーガンディー色に。座面フトモモ部はバーガンディーかグレイのままか、相当悩みましたが、やり過ぎは禁物。迷った時はマイナスがお洒落の鉄則とSWの理念であります。

パオ 内装張替え

フィガロのハンドル廻り

ボディーカラーに合わせて、フィガロのラピスグレイカラーのパーツを装填。すこしのラグジュアリーさを彷彿とさせるには相応しい。ちょこちょこっと鍍金のパーツが見えるのがCOOLなのであります。

パオ フロント廻り
パオ

フォグやヘッドライトピーク等

スピードウェルでは、その引出しにより、数々のお洒落なパーツ達を準備する事が可能である。フォグランプは1960年代からの贈り物であるレイヨット、フェンダーミラーは良くあるルーカスではなく、TEX製であり、ヘッドランプピーク等どれもが個性あふれるプロダクトである。

パオ マフラー

フロアーの仕上げ

5ZIGENと共同開発を行ったリプレイスメントマフラーの景色の美しさもさることながら、フロアのブラックペイントの美しさも堪能する事が出来る。

パオ

PAO西海岸仕様 左舷後方姿見

パオ納車風景

パオちゃんと記念撮影

この度はE様、PAO西海岸仕様納車おめでとうございます。長らくお時間を頂き御礼申し上げます。また、地元のお土産までご準備頂き、重ねて篤く御礼申し上げます。それでは、山口でこのパオが走る姿、楽しみに致しております。

今日はコレマデ。

本日の名言

宜しく先ず一事より一日より始むべし

by吉田松陰先生

エゲレスからの贈り物

霧の街 ロンドン

この言葉を聞いて、エゲレスは雨が多く、霧もよく発生するのだなぁ、とわたしは想像していたのである。ロンドンのガス灯のイメージもあいまって、クルマには波長が長いイエローのフォグランプが装着されている、とさらに情景を膨らませていた訳である。しかし、ここ数年、とある記事を読んでいたところ、なんとその霧とは、半分、産業革命のスモッグであったという事を知ってしまった。もちろん、自然に発生する霧はロンドンでは多い訳であるが、スモッグが混ざり、もすかすれば現在の北京に近いのかもしれない。なんとも、霧の街ロンドンと言えば聞こえは良いが、ロンドンスモッグと健康障害が背景にあったとは。今日の四方山話である。

レイヨットフォグランプ

レイヨットDL91

当時物デッドストック新品である。パオやラシーン、Be-1やフィガロにも装着は可能。雰囲気のあるフォグランプは、造りがとても良く、やはりグラスレンズに縦のスリットと潔いところがCOOLである。リムは上質のクロムメッキが行われ、ボディーはシルバーの縮み塗装がされているところがなんとも小憎い。

パオ フィガロ

パオとフィガロの共演

今回製作をおこなっておりますPAOは、コンセプトがアメリカンでドリーム感漂う西海岸仕様。ボディーカラーはめずらしくグレイにホワイトパールの3コート。スイッチ類もフィガロの鍍金仕上げの物をおしげもなくおごる。

パオ フィガロ

フィガロの鍍金スイッチ

台座はパオのオリジナルに明るいシルバーのペイントをプラス。細かなこだわりにより、フィガロの鍍金スイッチレバーとの相性も良い。製作車両のオーナー様にはお任せ頂いており、あくまでSWのわがままかもしれないが、必ずお気に入りの物を造ってみせると意気込む訳である。

という事で、本日はレイヨットフォグランプにフィガロのスイッチレバーをパオにおごるという記事をご覧頂きました。SWはパイクカーやラシーン、エクストレイルの製作に関して、より美しく、洒落た、大人らしい、バランスのとれた自然なカスタマイズをご提供出来ます様に研鑽致しております。販売車両の在庫も沢山そろえておりますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

今日はコレマデ。

本日の名言

努力は夢中に勝てない

by孔子

東京都江戸川区のN様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

浅草寺でパオ

ライジングゲート

松下幸之助が奉納した雷門の大提灯。こちらばかりに目が行ってしまうのであるが、左右には風神と雷神が安置されており、風雷神門が正式名称である。いつしか雷門という言葉に変化していったのであるが、文化年間の川柳に「風の神雷門に居候」という言葉がみえる。時と共に変化しつつ、その変化が楽しめる。日本とはなんとも奥深く、麗しい国である。

パオ 浅草寺

PAOトラディショナル 浅草寺姿見

この度は、東京都江戸川区にお住いのN様の元へお届けにあがりましたPAOトラディショナルをご覧頂きたいと思います。ボディーは外板をオールペイントを施し、これから長く使用に耐える仕上がりに。走行3万キロ台の車両をベースとして製作致しましたので、エンジン廻りはタイミングベルトからウォーターポンプ、エアコンのコンプレッサー、パワーステアリングのラック、キャブレーター、ラジエーター等交換。オルタネーターとセルモーター以外はほとんどが交換となりました。しかし、振り向きたくなるんです。

内装 パオ

オリジナルデザインを踏襲したシートの張替え

座面表にはドンゴロスのような麻布風生地で仕立てたパオ純正デザインを意識したシートの張替え。背面はポケットも忠実に再現されており、沢山の荷物も詰め込む事が可能。座面、側面、ポケットの蓋、ベルト等、それぞれにカラーはオーナーの思い描く仕様に。

キャンバストップ

キャンバストップの風景

キャンバストップの張替えはスピードウェルでは、全車標準であり、カラーも選べる。さらにルーフレールやリヤハッチガラスの蝶番などのリペアもしっかりおこなわれ、美しい。

テールランプ

江戸の車夫

江戸の車夫は肉を食べない。肉を食べると、徐々に疲れて最後には走れなくなるらしい。これはベルツという独の医師が実権を行った結果でもある。江戸時代までの日本人は肉を食べず、玄米、梅干し、たくあんなどの菜食で非常に体力はあったのだという。パオのテールエンドの造形は美しい。

パオ マフラー

ウェルリプレイスメントマフラー

前後ともウェルリプレイスメントマフラーを装着する。燃費良し、馬力よし、見た目良しの三方良し。

パオとビートル

パオとビートル

パオとビートルその両方にキャンバストップの仕様と、これまたオーナーN氏のこだわりが伺えます。ビートルはかなりローダウンされておりましたが、パオは車高が高く、どちらも楽しめてうらやましい限り。

パオ ホイール

伝説のトミーカイラ ブリジストン製アロイホイール

ブリジストンが競技用に製作したスーパーラップというてっちん風アルミホイールの、さらにトミーカイラ版。手に入れたくても手に入れる事は出来ない伝説のアロイホイールである。

パオと記念撮影

PAOと記念撮影

この度はN様、PAOトラディショナル納車おめでとうございます。大変長らくお待たせ致しましたが、お喜び頂けまして嬉しく思います。また、貴重なビートルも拝見させて頂き大変勉強になりました。ビートルと肩をならべてパオも誇らしげでした。それでは、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

ビートル

スモールスクウェア―ウィンドウのビートルは、フロントピラーも分厚い。これがそれ以降のビートルにはない可愛さの隠し味である事に間違いはありませんね。この度は、N様貴重な車両を拝見させて頂き、重ねて御礼申し上げます。

富山県射水市のO様 パオ納車おめでとうございます。城野レーシングチューンドミッション搭載の巻

知る人ぞ知る。

城野レーシングは知る人ぞ知る。F1において、中嶋悟が活躍した時代にタイレルのメカニックとして活躍された城野氏が代表を務めた会社である。日産マーチのワンメイクレースでは数々の優勝。タイトルも数々。 城野レーシングは富吉レーシングから派生した黒木レーシング、香月レーシングと共に当時の西日本のレースフィールドにおける常勝レースチームファクトリーで「勝つレース」を行いたいときの登竜門 そして名門。スピードウェルにはその活躍したオートバックスがスポンサードのオートバックスマーチを城野氏より譲り受け、現在保管している。そして城野氏は、何を隠そう日産NISMOの開発技術者でもあった。ということで、今回のO氏のパオには城野氏が直々に製作したレース用のミッションをおしげもなく装着いたしました。特製のLSDも装填されており、日本でただ一台の城野レーシングチューンドミッション車の製作を差し上げる事となりました。

パオ 富山

PAO右舷前方姿見 

なんとも、大寒波襲来の日の納車となり、大阪から富山に抜けるには、なかなか苦難の連続ではありましたが、日々全国へお届け差し上げておりますので、通れる道は十分に御座います。

ミッション

ミッションは中央奥

現在パオの純正ミッションはファーストとサードのギヤが割れや欠けで修理が困難であり、SWではファースト、サードのギヤを製作中。今後、オーバーホールには使用する事が可能です。

タコメーター

マニュアルミッションにはタコメーターが欲しいということで。

タコメーターをデジタルスピードメーターの下部に取り付け差し上げます。

ホールソー

52パイのホールソー

このホールソーさえあれば、52パイのメーターの取付が美しく行えます。

タコメーター パオ

52パイの穴をあけた様子

配線は純正スピードメーター後ろにある配線の塊よりブルーの配線を取出します。この配線はアクセサリーの+電源となります。さらに純正メーターに取り付けられる配線の黒の配線を-(アース)として使用。そして、赤白の配線はイルミネーションの+として取り出します。残りはエンジンの回転パルスですが、インパネうらのバルクヘッドから来ている配線の束よりピンク(エンジン回転パルス)を取り出せば、タコメーターにそれぞれ接続。しっかり動くことでしょう。

タコメーター

電気式タコメーター

今回は、ミッションの載せ替えとあわせて、強化クラッチ、さらに軽量フライホイールを装着して、パオのノーマルエンジンでも子気味良く楽しめるものと致しました。

パオ 富山

SW製ステンレスマフラーも決まっております。

パオと記念撮影

パオと記念撮影

この度はO様、城野レーシングチューンドミッション搭載おめでとうございます。雪道では少しじゃじゃ馬ぶりを発揮するかもしれませんが、パオと走りを楽しんで頂ければ幸いです。それでは今後とも宜しくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

一曲夢々里

いっきょくむむり。人生、歌を歌っている間に過ぎ去るという禅語である。