![パオ](http://blog.speed-well.jp/wp-content/uploads/2024/04/写真-2024-03-29-10-50-40_1-1024x683.jpg)
パオはオブジェ
丸亀駅前に現代美術館があった。巨大なオブジェがお出迎えしてくれるのである。昨今パオはノスタルジックやレトロで語られる訳であるが、現代美術館の前に停めおいて眺めると、なかなかの佇まいである。パオチーフデザイナー古場田良郎氏のお話の中に、ノスタルジックな物をつくろうとはおもいませんでした。とある。たとえば、ヘッドライトは丸い。一見するとノスタルジックのように見える訳であるが、しっかり観察すると、昔あった丸いだけのライトでない。そこには傾斜角を着けた造形がなされており、ただただ丸いだけではないのである。また良くある軽自動車のレトロ調の車のスピードメーターを見れば、これまたレトロな書体を文字盤に使用しているが、パオのスピードメーターにそのようなレトロな書体は使用されていないのである。パオは安易な思考停止したレトロ調の車ではない、これを何に例えようとしようとも、語る事は難しく、レトロやノスタルジックではない、パオの素晴らしさはまさしくそれである。
![パオ](http://blog.speed-well.jp/wp-content/uploads/2024/04/写真-2024-03-29-12-04-24_1-1024x683.jpg)
PAOトラディショナル 右舷前方姿見
この度は、うどん県丸亀市にお住いのH様の元へお届けにあがりました、PAOトラディショナル、レストレーションをご覧頂きたい。ボディーは舐めれるくらい美しく純正に準じた塗装が行われ、さらにキャンバストップや内装はオーナーのセンスで張替えが行われている。今回は、さらに細かなパーツも新調して製作が進められた。
![パオ 内装](http://blog.speed-well.jp/wp-content/uploads/2024/04/写真-2024-03-29-12-16-31_1-1024x683.jpg)
ダッシュパネル廻りの艤装
ダッシュパネルの張替え、アンダートレイの張替えに、クーラーのデフロスタグリルのリペアパーツに交換、ナルヂウッドステアリングの取付など行っているが、実にダッシュパネル自体も取り外してブリリアントフィニッシュが施され美しい。
![パオ ダッシュパネル](http://blog.speed-well.jp/wp-content/uploads/2024/04/写真-2024-03-29-12-16-50_1-1024x683.jpg)
ダッシュパネルのダブルステッチ加工
ダブルステッチによる装飾は縫糸のカラーが選べる。もちろんシートの縫糸のカラーと合わせて変更が可能である。今回は、オーナーにお任せ頂き、少し太糸でアイボリーで製作を行った。
![パオ シート張替え](http://blog.speed-well.jp/wp-content/uploads/2024/04/写真-2024-03-29-12-18-54_1-1024x683.jpg)
レザーシートの張替えとステッチ
最高級のマテリアルを使用して張替えが行われた内装。シートのステッチにはダッシュパネルと合わせてアイボリーの太糸で装飾。とてもふっくらして可愛らしい印象である。
![パオ 内装](http://blog.speed-well.jp/wp-content/uploads/2024/04/写真-2024-03-29-12-17-44_1-1024x683.jpg)
内装の仕上げ
内張りはすべてリペアが行われ、新車を彷彿とさせる。フロアカーペットマットの新調もあいまって引き締まった印象である。SWオリジナルのあみあみのコップ受けも人気である。
![パオ トランク](http://blog.speed-well.jp/wp-content/uploads/2024/04/写真-2024-03-29-12-17-59_1-1024x683.jpg)
トランクマット
パオの純正トランクマットは経年の劣化により大きく縮んでおり、レストア車両にはもれなく、トランクマットの張替えをサービスで実施している。新調すればとても美しい。
![パオと記念撮影](http://blog.speed-well.jp/wp-content/uploads/2024/04/写真-2024-03-29-12-36-25_1-1024x683.jpg)
パオと記念撮影
この度はH様、PAOトラディショナルレストレーション納車おめでとうございます。4月より新しい環境でパオと共にスタートされるという事で、良き相棒となってもらえると思います。長くお乗り頂ければ幸いです。
今日はコレマデ
生れ生れ生れ生れて生の始めに暗く、死に死に死に死んで、死の終わりに冥し。
by空海
何もわからないまま生まれ、なにも解らないまま死んでいく、という空海のお言葉。人生とはそういうものなのでありましょう。その中で楽しく生きる事こそが、わたしたちにあたえられた時間の使い方ではないでしょうか。