三重県松阪市のN様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

パオ

まっつぁかの石畳

三重県は松阪牛が有名である。なかなか手頃な価格では無いゆえに、わたしのお口に入った事はない。写真は御城番屋敷あたりの石畳と明治時代に建てられた赤壁木造校舎前である。郵便ポストも相まって、なかなかの風情を漂わせている。日本は近現代に入り建築も合理化の波に押し寄せられ、とてもみすぼらしくなった。たとえば、アルミサッシやサイディングボード、プリント合板などの建築素材であったり、またツーバイフォーの構造などである。これは、まさに合理化その物であって、生産性を上げるためにチョイスされた物事である。が、なんとも味わいのない、負の産物だと言える。たとえば、日本人は昨今、ハウスメーカーの合理的な建売を購入する。しかし、エゲレス人は中古物件を購入、リストアして住む訳である。この両者には決定的な違いがあり、イギリスの住宅は、木は無垢の素材で出来ていたり、そこにある本物の佇まい、味わいも重ね、さらに、家そのものが50年100年と長生きしている。さらに、オーナーが変わり、その度繕われているので、住むには新築を建てるよりかは価格もリーズナブルである。方や日本の場合、一代限りで家を毎度建て直す。その物としての価値の無い建築材料で作り、特に若い頃の思いでフェイクな外壁、内装を選ぶゆえ、年を重ねるごとに、残念な結果になってしまう訳である。果たして、日本人がやっている事は、本当に合理化と言えるのだろうか。合理化や効率化を今一度考える時を日本人は持てるのだろうか。35年経ったパオをレストアして思う事は、このパオというクルマ一台でずっと生けることである。これこそ、合理化であり、効率化であると、わたしは思う。

パオ 松阪市

この度は、三重県松阪市にお住いのN様の元へお届けにあがりました、PAOトラディショナルMTキャンバストップをご覧頂きます。アイボリーのマニュアル、さらにキャンバストップのパオは重要文化財に指定されており、今回はミッションをマーチの物に置換して製作。足回りはローダウンと、ミニライト風のアルミホイールにてCOOLに仕上げました。

パオ まつ毛

ヘッドライトモザンピーク

フロント廻りの仕上げはバンパー、グリルなどは純正を踏襲したペイント仕上げ、ヘッドライトリムも塗装を行い、さらにピークの取付けで雰囲気がマシマシ。タイヤもご覧頂きたいのだが、パターンにこだわった造りでございます。

パオ

ダッシュパネル廻りの仕立て

ダッシュパネル上面は天井にも使用したジャーマンのマテリアルで張替えを行い、大人らしい印象に。さらにウッドシフト下部のシフトブーツは挿し色を入れて製作。メーター左にはリダンを行ったマグノリアクロックを装填。

シフトブーツ
パオ

シフトブーツとポケットベルト

実に、ブーツとポケットのベルトを同色で製作。一台ずつ、オーナー様の思いに合わせて製作させて頂いております。

トノカバー

トノカバーの製作

こちらも、ダッシュ上面のマテリアルと合わせて製作。生地の風合いを大切に、より雰囲気のある仕上げを心得ております。

ミニライト風
パオ

ミニライト風アルミで雰囲気も良い

下回りの仕上げもご覧頂きたいと思いますが、スピードウェルの製作の車両は下回りを観て楽しむ事が出来ます。

パオ 右舷後方姿見

パオ右舷後方姿見

14インチでアルミホイールで仕上げる場合は多いですが、13インチのホイールにローダウンはとかくに可愛くなります。

パオ納車

パオちゃんと記念撮影

この度はN様、PAOトラディショナル納車おめでとうございます。製作には多大なお時間を頂き感謝申し上げます。また、お喜び頂き嬉しく思います。これからも長くお乗り頂けます様に、リペアパーツ等の製作開発にも力を入れて行きたいと思います。

今日はコレマデ。

本日の名言

限りあれば吹かねど花は散るものを心みじかき春の山風

by蒲生氏郷