広島は日本でも有数の路面電車国である。わたしは、日本中に納車の際に、路面電車が在るところは必ず乗る訳であるが、旧い物から新しい物まで、デザインも多種多様である。函館市電や富山地電、アメリカはサンフランシスコの坂道用の路面電車も好きであるが、とりわけ広島電鉄は動く電車博物館と云われており、人気を博している。今回の納車旅では横川駅で旧1651形、広電762に偶然遭遇した。これは大阪交通局が1940年に製造、4両が広電に売却された車両である。現在はこの762のみ現役でそれ以外は退役。製造から84年という歳月が流れ、大阪から広島に移り現在でも毎日使用されているというこの事実に驚愕である。自動車も、もっと大切にしないといけないとおもうわたしは果たして変態であろうか。同じ工業製品であるからには、オーバーホールを続けながら、アップデートを行い、長く使用する事は可能なはずである。残念ながら地球温暖化の影響も色濃くなった昨今。まずは、新車から13年経過した車に自動車税を15%増税する事からなくそうではないか。こんなゴミのような政策は一体だれが考えたのであろうか。一流国のドイツでは、30年大切にすれば、減税である。わたしたちは、もっと長く使用出来るような仕組みを整える事が責務であり、本当の意味でのSDGsになると、わたしは思う。造る責任、使う責任。パイクカーやラシーンに乗って未来に向けて長く大切にすることをハッシンしようではないか。
ボディーはレストアが施され、純正シダーグリーンカラーにカラーチェンジ。外装は完全に分解を行い塗装を行う事で、以前のカラーが何色だったのか、全く分からない。もちろんドアの内張りを外しても、塗り込んでおり、塗装に拘りのある方にも満足が行く仕上がりである。
その見えているところは全て塗装が施されている訳であるが、実にコアサポート言わるるグリルのさらに内側にまでこだわりを持って塗装を行い製作している。この内側は特に錆びもやすく、バンパーを支えているところなどは防錆対策を行い、それぞれのボルトは新調。美しい物は見えないところから匂い立つものである。
特別な生地で張替えが行われた、ウェル50デザインラシーンシートの張替え。一般的な安価なPVCは使用せず、長期にわたり気持ちよく使用が可能である。今回は、純正のトーンに控えたカラーリングでの張替えである。SWでお買い上げの方には必ずサービスで着いてくるこの至極のシート張替え。カラーは座面、側面、パイピング、ステッチのカラーや太さなども選択が可能である。
この度はS様、ラシーントラベラーレストア納車誠におめでとうございました。想像を超えてお喜び頂きまして感謝申し上げます。これからは、相棒として大切にお乗りくださいませ。
今日はコレマデ~
本日の名言
熱い心と、冷たい心を持て。
by緒方貞子