

岸和田と言えば全国の山車、曳山でも名を轟かせている、だんぢり祭りがある。それは、4トンを超える欅で出来た山車を数百人で走らせるものであって、特にやり回しといわれる走りながらコーナーを攻めるのが見所である。成功すれば大拍手。失敗してひっくり返ったり、電柱を破壊すれば、悲鳴と共に大歓声。なんとも、成功しても失敗しても非日常の極みであって、曳手も観客もアドレナリンが全開なお祭りである。そんな中、年から年中だんぢりを修理する人が、岸和田の宮大工である。今回はその中でも、北本工務店の棟梁のお話。スピードウェルでは、手づくりの精神を第一に考えており、こうしてお話を聞く事が出来るのは嬉しい。棟梁は云う。だんじりは屋根。屋根の形がどれだけ美しいか。それで全体が決まる。この話は実にわたしの叔父も宮大工であってよく聞かされた話である。もちろん屋根型が美しくなければどうにもならないという事であるが、ある種顔である事には間違いはない。さらに『大工と雀は軒で泣く』という口伝もある。まさに、妻と平の突合せた角はどちらも一かんなの掛具合によって分を合わす実に超絶技巧。しかしながら岸和田のだんじりは、毎度電柱や家屋に突っ込んで屋根を壊してくるのだから大工にとってはたまったもんではない。祭りの最中、だんじりに大工も走ってついていく。ぶつけたところで、突貫修理してまた走り出す。という事で、岸和田のだんぢり祭りはある種の奇祭と言っても過言ではない。

この度は、大阪府岸和田市にお住いのM様の元へお届けにあがりました、ラシーントラベラーレストアをご覧頂きます。ボディーはシダーグリーンより少しグレイ感を増したカラーに内外装レストアペイント。ドア等すべてを分解して製作しており、各摺動部に注油を行い、スムースな作動が魅力である。

ナルディウッドクラシックハンドルに専用のウッドパネルを装着した、最上級の風格。レザーシートとあわせて、質の高さを演出している。しかし、このような雰囲気に持っているまでには、内装全体の灰汁洗い、建付けの調整、傷等のリペアが根底にある事を忘れてはならない。

最高級の生地を使用して張替えが行われる、SWのシート張替え。一般的なPVCレザーのような安価な生地は使用されていない。今回のシート張替えのカラーはナルディクラシックウッドハンドルのカラーに準ずる。

今回は1800㏄のオリジナルアロイホイールにブラックペイントを行い、さらにリムは削り出しを行うという手間をかけてホイールを製作。スピードウェルのボディーレストアは上面だけでなく、フロアー下部までしっかり造り込まれており、あおって撮影しても見栄えする。

オールペイント等おこなうと、なくなってしまうリヤのデカール。SWでは、当時の純正に準ずるトランクデカールをリペアパーツとして販売している。こちらはSWのインスタグラムより購入が可能である。
ということで、M様ラシーントラベラーレストア納車誠におめでとうございます。製作にはお時間を頂きましたが、長くお乗り頂けます様に努力差し上げました。それでは今後とも宜しくお願い申し上げます。
今日はコレマデ。
本日の名言
個性を殺さず癖を生かす。人も木も。
by西岡常一
法隆寺を修復した宮大工の棟梁、西岡氏の名言ですわなぁ。




























