茨城県水海道市のA様 PAOのレストアが始まった

パオ レストアの開始

PAO式年遷宮

昨年には60年に一度の大改修をおこなった出雲や20年に一度の新調をおこなった伊勢

に続き、PAOをまた新しい気持ちに戻そうというのがPAO式年遷宮である。

今回のは、内装や外装とエンジンや足回りのそれぞれに修繕を行って

また新しい気持ちでお乗り頂くというのがゴールである。

車体は33万キロを走り、すべてにくたびれた状態であったため、健康診断より始まった。

パオの現状は良くない

特に左舷のボディーが痛んでいる。

工法としては、まずクォーターパネルを分解しインナーパネルに自生する

錆をはがしていかなければならない。

新品のクォーターパネルはニッサン部品で調達は可能である。

バンパーも錆びている

バンパー類も錆が広がっている。

こちらは、サンドペーパーでブラストをかけて錆を落とし

亜鉛のサフェーサーで錆び止めを行って塗装を行う。

キャンバストップもはだけている

キャンバストップは見るも無残な恰好。

新しいトップに張替えが行われるが、今回はフルオリジナルの製作であり

純正のマテリアルを使用して作業が進められる。

色々錆びている

色々錆びている。

クォーターの継目も錆びておる

クォーターパネルの継ぎ目が錆びている。

一度張替えられたことがあるのだろうか。継ぎ目が錆びている。

クォーターもさびておる

クォーターの錆は酷いが、これは泥水がパオの内部に流れたことにより

内部の泥が常にしめった状態にあって錆が発生するというメカニズムである。

洗車をまめに行えば防げるものでもある。

ヒンジまで錆びている

ヒンジ類は新品のモノと交換が行われる。

と云う事で、この模様なドキュメンタリーとして随時ご覧頂くように致そう。

PAOは見事復活なるか、乞うご期待。

今日はコレマデ。

本日の名言

未知の世界を探求する人々は、地図を持たない旅人である。

by湯川秀樹

いやぁこれはパオやラシーンにお乗りになられている人達かもしれません。

神奈川県川崎市のO様 PAOレストアおめでとうございます

パオの復元再生

パオ専用 リプレイスメントマフラー

伊勢の神宮 おかげ年

レストアは式年の大改修

昨年は60年に一度の出雲大社、20年に一度の伊勢神宮と両宮が式年遷宮した。

遷宮というのは社殿を改修や新調して神が新宮に遷ることである。

ほころびかけた社殿を一新し、益々神の威信を取り戻し、

そして日本自体を蘇らせる、国の一大行事だ。

まあこのような事を1300年も当時の趣のまま続けているのだから、

思いは太古より今につながっていると言って良い。

今回、わたしは運よくその両方の遷宮に参加させて頂いたから、

両神宮のお社をじっくり見学することが出来たのである。

出雲は屋根の葺替えが主で工事中には主屋根まで上らせて頂いて

作業風景を拝見し、先人の匠の技を目の当たりにした。

伊勢ではお白石持ちに参加し、皇大神宮の御垣内にお白石を奉献した。

とても興味深いのは伊勢の神宮は、11代垂仁天皇25年3月の条、

「倭姫命、菟田(うだ)の篠幡(ささはた)に祀り、更に還りて

近江国に入りて、東の美濃を廻りて、伊勢国に至る。」日本書記より。

とあり、紀元前3年に伊勢の神宮が現在の地に移されたことになる。

さらには出雲の紀元は神代(かみよ)の時代までさかのぼるのだから

これはもう浪漫であると言う他ない。

どちらにしても太古より今まで続くためには、式年遷宮というものが必要であり

常に新しく蘇えらせるという常若の思想が、日本の永続性を物語るわけである。

そしてPAOも遂に平成26年1月14日に生誕25周年を迎えるにあたり、

レストア(式年の大改修)を行うというのがPAOの永続性、

つまりわたしの常若の思想である。

※伊勢神宮は20年に一度、全く新しい社殿を一から造るので式年の遷宮、
出雲大社は60年に一度、大改修を行うので遷座というのが正しい。

※伊勢の式年遷宮の翌年(平成26年)はおかげ年とそう呼ぶ。

パオ レストレーション

PAO 式年の大改修

この度は神奈川県川崎市にお住いのO様より大改修の依頼をいただき

晴れてお届けにあがられたPAOレストアをご覧頂く事に致そう。

預かった当初は全体を通して錆びれておりドアが剥がれるような感じだったが、

ボディーやエンジンや足回りの要所に手を加え、さらにはオーナーの

好みのテイストに仕上げるという大改修である。

パオ レストレーション

旧車のアルミパーツのような色合い

所さんの世田谷ベース本を参考に頂き、塗装色を選定。

細かなこだわりはふんだんに用意されている。

※アルミカラーはオーナーのこだわりを反映している。

パオの内装

PAOレストアの内装

ハンドルから大きくイメージチェンジを施した内装。

今回のレストアでは、内装も今一度純正カラーでラッカーフィニッシュ。

その際浮かんできたのが、コラムとセンターコンソールをアイボリー色で

仕上げるか否かという問題だったが、マイナス1の方程式により

その部分はあえていらわず、純正を保っている。

ノスタルジックな印象はその全体のバランスにより構成されている。

※インストルメントパネルは純正の塗装肌よりさらに磨きをかけて上質さを演出

セイントクリストファー ハンドル

セイントクリストファー ハンドル

バンジョー型ステアリングにセイントのモチーフが際立つホーンボタン。

アイボリー色がPAOのカラーに良く馴染んでいる。

にぎり手は細く、まるで異国情緒が満開だ。

謹製ウェル帆布 60スタンダード

謹製ウェル帆布 60スタンダードレザー

アイボリー一色に、さし色にバーガンディーのパイピングが粋である。

ダッシュ上下もこの後に説明する天井のカラーと統一されている。

※ヘッドレストは撮影後取り付けられている。

パオ ジャーマントップ

謹製ウェル帆布 ジャーマントップ

ドイツ製のトップ生地なのでジャーマントップと言う。

幌では最高品質のジャーマントップ生地。私の知る限りでは

20年以上は風雨に耐える。そして、上品なカラーが特徴的だ。

※ルーフレールや蝶番などすべてがシルバーカラーでリペアされる。

パオ 装飾

ピラーミラーなどの装飾

※ドアミラーやドアアウターハンドル、蝶番などすべてがシルバーでリペアされる。

パオ 装飾

ドアロックなどの装飾

※全体的なイメージに合わせ細かなパーツを選定。

PAOレストレーション 納車

PAOとO様の記念撮影

この度はO様、式年大改修PAOの納車おめでとうございます。

一生乗り続けたいというO様のお言葉を頂き、丁寧に製作させて頂きました。

このようなお仕事を頂き恐悦至極に存じます。

また、たいそうなお土産まで頂き、誠に有難うございました。

本日の名言

社会主義は、平等に愛すると言うが、

武士道は、己を殺して人を助けるもの。

即ち、日本の武士道の方が一段上である。

by乃木希典

日本人の心を大切に生きてゆきたいものです。

PAOとレストレーション

20121010a

レストレーション/Restoration

日本ではレストアという言い方が一般的に使用されるが、英単語ではレストレーションと書く。

通常の修理や整備ではなく、製造時期から年数がある程度経ったクルマを

復活、あるいは「保存」する事を目的に、修復や復元する事を指し、

産業遺産的な意味を重視し、オリジナル部品を極力生かした修復方法と

レプリカやリ・プロダクション(再生産、復刻)などのノン・オリジナル部品を

使用する場合がある。

あたしは15年ほど前であろうか整備士の学校を出てディーラーに努めてわずか

半年という時に、塗装もしたいからという理由で塗装工場に努めなおした。

その頃はMINIのレストアが盛んにおこなわれており、毎晩というよりか毎朝まで

パテとぎや溶接などのボディーワークに没頭したレストアの経験を持つ者である。

そういう物歴をもっているあたしが思うレストアとは、神錆びた外板をぶった切って

パッチワークしたり、新しい外板をパネルごと入れ替えたりしたり、

さらにはボディーを丸ごと1から10まで作ることであり、

四半世紀たったPAOではあるが、開発時にカナダ向けの防錆鋼板が多用された恩恵により

まだまだレストア状態ではなく、とても健全な状態であると言える。

201201010b

レストアを施したPAO

ボディーワークを施し、内外装を当時の純正色でこだわりを持って復元し

塗装し直したクルマを簡易的なレストア状態にある、とでも言えば解りやすいだろうか。

先に申したのはヨーロッパやアメリカなどで行われるようなレストアであり、

日本人は相当クルマを大切にするから大げさなレストア状態にあるクルマ自体

少ないと言える。

だから、PAOであれば内外装を当時の純正色、もしくは少しカスタマイズを施し

機関や足廻りを多数修理した事でレストアを行ったと表現する事になんら抵抗はない。

要するに事故や普段の修理でなく、『これからも大切に乗りたくて大きく手を施した』、

それも含めてレストアであると言えば、とても解りやすいのである。

20121010c

PAOフロントフェース

ヘッドライトピークやフォグランプなどの少しの装飾も

オーナーの個性で面白い。

好きなイメージに仕上げて愛着を持って楽しくクルマと過ごす。

長く乗る秘訣は、まず好きであることが大切である。

20121011d

内装の張替えと個性

先に申すが、オリジナルとは原初の状態であり、それがとても素晴らしくて

いわゆる核となるのだから、オリジナルを理解して個性を出せばより良いだろう。

フルオリジナルでのレストア、個性を強調したレストア、

それぞれに味わい深く、そこに間違いは存在しない。

永遠にPAOが生き残ればそれがきっと答えになるのだから。

今日はコレまで。

本日の名言

積極的に仕事をすれば

失敗するのは当たり前

by佐藤辰夫

そうですわなぁ。失敗があるから成功がある訳で、

失敗なくして成功もありません。

○日産PAO トランクのウェザーストリップ交換の巻○

どんもす=ウェルです。

さて皆様、爆弾低気圧により大荒れで御座いましたが

無事にお過ごしでしょうか。

本日はPAOのリヤトランクに雨水がたまるというコトで、

なるべく漏れないように新品のゴムモールに交換するというお話だ。

トランクウェザーストリップ たろう氏車両

トランクウェザーストリップ交換 たろう氏所有車両

トランクウェザーストリップとはいったいなんぞや、というお話から

始まるわけだが、トランクのハッチとボディーの合わせ面に装着されている

ゴムモールの事であり、このゴムモールにより、室内は密閉されている。

漏れやすい個所

漏れやすい個所その1。

ゴムモールが上下で分割されていることにより、隙間が生まれ

また、経年の劣化によりゴムの弾力が失われ、余計に水が漏れやすくなっている。

漏れやすい個所その2としてはトランク下部である。

この2点を修正できればトランクの水漏れは大きく改善することが可能だ。

ウェザーストリップ 上

ウェザーストリップ 上

上部パーツはボディー側にはめ込まれて装着される。

装着時の注意点としては、はめ込む箇所の清掃があげられる。

たとえ1㎜のゴミや砂が噛めばそれだけで水は漏れてしまう。

非常に注意が必要だ。

ウェザーストリップ上(部品番号)

ウェザーストリップ 上 (部品番号)

90832-35B10

この部品番号は最後まで変わることは無いから

是非とも書き留めておいてほしい。

全国のニッサンディーラーで注文を行う時には重宝すること間違いはない。

ウェザーストリップの取り付け

ウェザーストリップの取り付け方

ウェザーストリップには要所にブチルテープと呼ぶゴムの

接着物が張り合わされている。

そのブチル部は特に注意が必要であり、きっちり張り合わせないと

確実に水が漏れるわけだ。

さらに、今回のようにピンが挿入される穴にもシールボンドなどを

塗布しておけば申し分はない。

ウェザーストリップ 下

ウェザーストリップ 下

ウェザーストリップ下側はトランクパネルに装着される。

こちらも4隅にブチルテープが張られており、

ブチルテープが合わさるところはきっちり掃除し

パーツクリーナーなどで油脂をふき取っておけば

ブチルがウェザーストリップとトランクパネルを強力に接着してくれる。

ウェザーストリップ下(部品番号)

ウェザーストリップ 下 (部品番号)

90831-35B10

2012年3月1日製造という記載があり、まだまだ日産がパーツを

製造し続けて頂いていることが、何よりも嬉しいことだ。

接合部の調子も良くなった

接合部のあたりも調子が良くなった。

こうして、また四半世紀使い続けることが出来ると思うと

すがすがしく、メンテナンスが非常に楽しい物と思える。

皆様にもっと楽しくメンテナンスを行ってもらえるよう

スピードウェルもまだまだ努力しないといけませんな。

今日はコレまで~。

本日の名言

今を戦えない者に

次とか来年とかを言う資格はない

by ロベルト・バッジョ

ふぁ~名言ですなぁ。

人間、次とか、その次とか、あとでとかいろいろと

言ってしまうものですなぁ。

○千葉県 H様のPAOレストア風景の巻○

どんもす=ウェルです。

さて皆様、本日は千葉県のH様からPAOのレストアを行うということで

一昨年末より預かりしPAOが晴れて仕上がり納車されたというお話だ。

PAO スピードウェルレストア

レストアを施したPAO(完成車)

簡単にレストアと申せど、ベースとなるクルマの状態により作業方法は異なる。

またフルレストア、セミレストアなる言葉が存在し、どちらも合わせてレストアと呼んでいる。

そして今回は、ボディーの悪い部分を板金塗装を施し、エンジンやミッションなどは新品に。

内装はいろいろなリメイクが施され、オーナーの思ひのPAOに製作が進められた。

フロントフェース ベースPAO

フロントフェース 製作前のPAO

塗装の艶は衰え、グリルやバンパーも変色、色落ちしている。

決して可愛い~とは言えない劣化具合。

でもこれから復活するから楽しみでしかたがない。

ビフォーPAO

側面姿見 製作前のPAO

経年の劣化は避けては通れない。

ココで一つ。めちゃめちゃ※やれているクルマがカッコよく見える瞬間がある。

そのやれたクルマに共通することは、ちまちまオーナーが悪くなったボディーを

叩いてペンキぬったり(色はあっていない)、とか本気で乗りこなしているだとか、

何かしらの美的感覚がそこには存在する、だからカッコよっく見えるのだろう。

※破れる(ヤレル)、疲れたとか大分痛んだという意味

内装 製作前の風景

内装 製作前の風景

製作前は生活感がでており、これもまたありだなぁと

ウェルは思っているわけだが、やはり綺麗な状態が良いというのは

人間の心理である。

内装のペイントは今回は行わず、特殊なクリーニングで綺麗にする。

レストアの醍醐味はあるパーツをすべて新品にするのではなく、

仕えるパーツはクリーニングし、彩色を施し、また元の位置に戻すということ。

新品のパーツを使えば良い物もあるが、なるべくその当時からあるものを

大切にする心、モッタイナイがクルマを新車とは違ったかたちで

美しく見せてくるだろう。これはウェル的価値感である。

新品のエンジンとリビルドATミッション

ベアーエンジン&リビルドミッション

日産が製作するエンジン単体(ベアーエンジンという)は、現在でも

生産され続けているというから驚きだ。

スピードウェルでは年間に20基ほどエンジンの載替えが行われているが

常に在庫を確認しても在庫数が減らない。

日産パーツには本当に感謝しています。

ダッシュパネル廻りの様子

ダッシュパネル廻りの様子。

ハンドルはモトリタMk-3に、ナビゲーションはインストルメントパネル中央に

フィガロのセンターコンソールやダッシュ上下の張替えなど

いろいろなリメイクが施されるコトとなった。

ナビ取り付け

ナビゲーションが鎮座した。

見やすい位置にナビが取り付けられた反面

エアコンの吹き出し口は取り払われてしまった。

この位置にモニターが来ると視野性がぐんと良くなっていると

思うのだが、吹き出し口がなくなるのは賛否両論あるところ。

なのでオーナーがこれが良い、と思うことが良い訳だ。

内装 製作後の風景

内装 製作後の風景

謹製ウェル帆布によるレザーシートの張替えも終わり

レストアもフィニッシュを迎える。

すべてに言えることだが、バランスは非常に重要であり

機関、外装、内装とトータルで手を施してあげれば

また美しく長くお乗り頂けると信じている。

納車おめでとうございます。

レストアPAOちゃんとH様をガシャ!!

この度はH様、レストア納車おめでとうございます。

これまたお土産まで頂き、さらには駅までお送り頂き感謝感謝で御座います。

今日はコレまで~。

本日の名言

必死に生きてこそ、その生涯は光を放つ

by織田信長

真剣に生きている人間は、たとえ短い生涯であっても、

無駄に長く生きた人間より輝くということであります。

まあ、信長様の前で、オンリーワンなど口にすれば

その場で斬られるかもしれませんなぁ。

○日産PAO サイドステップより錆が発生するの巻○

どんもす=ウェルです。

さて皆様、本日も非常に寒く、どんどん寒くなってきましたが

こたつの中で如何お過ごしでしょうか。

さて本日は久しぶりに整備内容のあるブログ、板金塗装(レストア)編を

ご覧頂くコトに致そう。

サイドステップ下に錆びが連なる

PAOのサイドステップ底面の錆

PAOにはサイドステップ廻りには非常にさび難い

カナダ輸出車用防錆鋼板が使用されているのはご周知のとおり。

PAOチーフデザイナーの古場田良郎氏の熱い思いにより、

3オーナー5オーナーとなっても乗れるというキーワードが生まれ

その意志により国産ではありえないそのような設計仕様となり

PAOは製作された。

そのおかげで現在でもたくさんのパイクカーが走るコトが出来ているわけだが

しかし、そのカナダ向け防錆鋼板であっても、一度錆びると

徹底的に錆を落とさない限り錆び続けるということで

今回はその修理である。

サイドステップ下の錆びを削り落とす

サイドステップ底面の錆を削り落とす

これがなんと表面に浮かんでいる部分から1㎝ほど内側まで錆びている。

塗装をめくれどめくれど塗装面と鉄面の間が錆びているから驚きだ。

錆転換材を使用

錆転換剤を使用

いくらサンダーで綺麗に錆をおとしたと思えど、

見えないくらい細かな錆も存在する。

それらが残ればまた錆がどんどん湧いてくるということで、

残ってないようで残っている錆対策のため、

錆転換材を塗布する。

鉄表面を黒錆に転換

鉄表面を黒錆の被膜に転換。

これは、いわゆる赤錆から黒錆に転換しているわけだが、なぜ転換するかと申せば

「赤錆」と呼ばれる鉄錆は下地の保護作用はなく、腐食はいつまでも進行する。

一方、緻密な酸化物被膜ができれば、腐食に対する保護層として機能する。

その原理を応用したのが錆転換材であり、黒錆( 四酸化三鉄)にする。

高温や酸素不十分の条件で鉄表面に人工的に形成した黒錆層は

緻密な皮膜となるため、防食法の一つとして有用であるのだ。

内側からの錆びを抑制するワックス

パネル内側からの錆を抑制するワックス

PAOでは新車製作過程においてふんだんにワクシング処理が行われている。

今回も板金した箇所の裏側にはワクシング処理を施すわけだが、

特にサイドステップはインナーシルとアウターシルが重なりあっており

内側から錆が発生し、外側のボディーに錆が回るという現象が多いようだ。

ワックスがサイドステップ排水口より流れ出た様子

ワックスがサイドステップ底面の排水口よりあふれ出た様子

サイドステップ室内より先ほどのワックスを噴霧すれば

内部に行きわたり、排水口よりワックスが流れ出た。

一般的な塗装屋さんがここまでの処理をするかと申せば、

することはまず無い。

されど、したからと申せど100パーセント錆びないということでもない。

しかし、どれだけ錆びないように出来るか、挑戦するかという所に

力を注ぐコトがスピードウェルの使命である。

今日はコレまで~

本日の名言

安いわりにモノがいい、といわれるだけではダメ。

現在の品質に満足している者は去れ。

by柳井正

これは作り手である私にずどーんと響いた名言であります。

常に最良の、最善を目指して明日に頑張らなければなりません。