神奈川県川崎市のO様 PAOレストアおめでとうございます

パオの復元再生

パオ専用 リプレイスメントマフラー

伊勢の神宮 おかげ年

レストアは式年の大改修

昨年は60年に一度の出雲大社、20年に一度の伊勢神宮と両宮が式年遷宮した。

遷宮というのは社殿を改修や新調して神が新宮に遷ることである。

ほころびかけた社殿を一新し、益々神の威信を取り戻し、

そして日本自体を蘇らせる、国の一大行事だ。

まあこのような事を1300年も当時の趣のまま続けているのだから、

思いは太古より今につながっていると言って良い。

今回、わたしは運よくその両方の遷宮に参加させて頂いたから、

両神宮のお社をじっくり見学することが出来たのである。

出雲は屋根の葺替えが主で工事中には主屋根まで上らせて頂いて

作業風景を拝見し、先人の匠の技を目の当たりにした。

伊勢ではお白石持ちに参加し、皇大神宮の御垣内にお白石を奉献した。

とても興味深いのは伊勢の神宮は、11代垂仁天皇25年3月の条、

「倭姫命、菟田(うだ)の篠幡(ささはた)に祀り、更に還りて

近江国に入りて、東の美濃を廻りて、伊勢国に至る。」日本書記より。

とあり、紀元前3年に伊勢の神宮が現在の地に移されたことになる。

さらには出雲の紀元は神代(かみよ)の時代までさかのぼるのだから

これはもう浪漫であると言う他ない。

どちらにしても太古より今まで続くためには、式年遷宮というものが必要であり

常に新しく蘇えらせるという常若の思想が、日本の永続性を物語るわけである。

そしてPAOも遂に平成26年1月14日に生誕25周年を迎えるにあたり、

レストア(式年の大改修)を行うというのがPAOの永続性、

つまりわたしの常若の思想である。

※伊勢神宮は20年に一度、全く新しい社殿を一から造るので式年の遷宮、
出雲大社は60年に一度、大改修を行うので遷座というのが正しい。

※伊勢の式年遷宮の翌年(平成26年)はおかげ年とそう呼ぶ。

パオ レストレーション

PAO 式年の大改修

この度は神奈川県川崎市にお住いのO様より大改修の依頼をいただき

晴れてお届けにあがられたPAOレストアをご覧頂く事に致そう。

預かった当初は全体を通して錆びれておりドアが剥がれるような感じだったが、

ボディーやエンジンや足回りの要所に手を加え、さらにはオーナーの

好みのテイストに仕上げるという大改修である。

パオ レストレーション

旧車のアルミパーツのような色合い

所さんの世田谷ベース本を参考に頂き、塗装色を選定。

細かなこだわりはふんだんに用意されている。

※アルミカラーはオーナーのこだわりを反映している。

パオの内装

PAOレストアの内装

ハンドルから大きくイメージチェンジを施した内装。

今回のレストアでは、内装も今一度純正カラーでラッカーフィニッシュ。

その際浮かんできたのが、コラムとセンターコンソールをアイボリー色で

仕上げるか否かという問題だったが、マイナス1の方程式により

その部分はあえていらわず、純正を保っている。

ノスタルジックな印象はその全体のバランスにより構成されている。

※インストルメントパネルは純正の塗装肌よりさらに磨きをかけて上質さを演出

セイントクリストファー ハンドル

セイントクリストファー ハンドル

バンジョー型ステアリングにセイントのモチーフが際立つホーンボタン。

アイボリー色がPAOのカラーに良く馴染んでいる。

にぎり手は細く、まるで異国情緒が満開だ。

謹製ウェル帆布 60スタンダード

謹製ウェル帆布 60スタンダードレザー

アイボリー一色に、さし色にバーガンディーのパイピングが粋である。

ダッシュ上下もこの後に説明する天井のカラーと統一されている。

※ヘッドレストは撮影後取り付けられている。

パオ ジャーマントップ

謹製ウェル帆布 ジャーマントップ

ドイツ製のトップ生地なのでジャーマントップと言う。

幌では最高品質のジャーマントップ生地。私の知る限りでは

20年以上は風雨に耐える。そして、上品なカラーが特徴的だ。

※ルーフレールや蝶番などすべてがシルバーカラーでリペアされる。

パオ 装飾

ピラーミラーなどの装飾

※ドアミラーやドアアウターハンドル、蝶番などすべてがシルバーでリペアされる。

パオ 装飾

ドアロックなどの装飾

※全体的なイメージに合わせ細かなパーツを選定。

PAOレストレーション 納車

PAOとO様の記念撮影

この度はO様、式年大改修PAOの納車おめでとうございます。

一生乗り続けたいというO様のお言葉を頂き、丁寧に製作させて頂きました。

このようなお仕事を頂き恐悦至極に存じます。

また、たいそうなお土産まで頂き、誠に有難うございました。

本日の名言

社会主義は、平等に愛すると言うが、

武士道は、己を殺して人を助けるもの。

即ち、日本の武士道の方が一段上である。

by乃木希典

日本人の心を大切に生きてゆきたいものです。

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