山口県周南市のE様 PAO西海岸仕様納車おめでとうございます

パオ

デザインー民藝ー美術

今回はすこし難解なお話である。まずは前置きであるが、パオはプロダクトデザインされたクルマである一方、美術的に価値を見出す事が出来る一つのモノでもある。それらは市井の人が認めるところであって、その上で、今日はデザインと美術の狭間に民藝が隠されているというお題である。 日産パオチーフデザイナー古場田良郎氏とのお話の中で、「用の美」というワードが出てきた。それは、『バンパーは鍍金でなく、シルバーの塗装である』と言う話の流れからであった。氏曰く、鍍金であればキズが付けば、だらしなく見え修復が困難で管理が難しい。シルバーのペイント仕上げであれば、たとえ傷が着いても塗料を調達してオーナー自らDIYで修理が出来る。そして、それは完璧なものでは無くとも、オーナーのモノを大切にするという気持ちが相まり、さらに味わい深いモノとなるだろう。たとえば、ホーロ―のお鍋がマグネシウムのたわしで洗われては、傷もつくが、長く使い続ければ、用の美としてその傷が良い味わいとなる。そのような例えであった。用の美とは、柳宗悦が提唱した民衆的工芸を略した、いわゆる民藝の中核的な言葉であって、その根本に「日用品にこそ美が宿る」を端的にとらえたものである。そのような概念が、パオの開発当初のデザインにエッセンスとして取り入れられていたのである。もう一つは、長く使用出来るというワードである。わたしが知りうる限り、工業デザインで製作された物はおうおうにして長く使用出来る物が少ないのである。一つは素材的な劣化であり、もう一つはその物以上になり切れない価値である。パオはその両面でデザイン的にアプローチされており、長くの使用に耐えるだけでなく、用の美が現れやすいプロダクトを提案しているのだと言えるのではなかろうか。今までにそのような用の美に通じた工業デザインがあっただろうか。そして、その様な用の美をまとったモノが道を走っていただろうか。今日の四方山は、パオは素晴らしいデザインであり、美術であり、その狭間にある民藝である。というお話の書付けである。

パオ

PAO西海岸仕様

この度は、山口県周南市にお住いのE様の元へお届けに上がりました、PAO西海岸仕様をご覧頂きたいと思います。この西海岸に至る流れですが、イメージはドイツ車がアメリカに輸出され、カリフォルニアの西海岸の貿易風にたなびいた仕様であります。ジャーマングレイの車両はホワイトパールを身に纏い、キャルルックの正統なヘッドライトピークやホイールキャップ、鍍金のミラーなど使用してカスタマイズが施された、という流れでしょうか。

パオ 内装

パオ キャル内装

キャルとはカリフォルニアの略であります。ハンドルやシフト廻り、更にはスイッチ類はフィガロのそのよな雰囲気のあるパーツをおしみなく投入。大人らしさを追加したかったので、ダッシュ上面は天幌の素材をそのまま使用致しました。

パオ 内装

ジャーマントップ生地によるダッシュパネルの張替え

一般的にはレザー調のタッチで製作致しますが、今回はカリフォルニアンなイメージに合わせ、トップのマテリアルを使用して、ダブルステッチ仕上げで製作。あくまで装飾でありますが、贅沢とはこういう所から薫るものであります。

パオ 内装張替え

パオ内装張替え

外装のカラーを彷彿とさせるシートカラー。最高級のグレイレザーを使用してパイピングにはバーガンディー色に。座面フトモモ部はバーガンディーかグレイのままか、相当悩みましたが、やり過ぎは禁物。迷った時はマイナスがお洒落の鉄則とSWの理念であります。

パオ 内装張替え

フィガロのハンドル廻り

ボディーカラーに合わせて、フィガロのラピスグレイカラーのパーツを装填。すこしのラグジュアリーさを彷彿とさせるには相応しい。ちょこちょこっと鍍金のパーツが見えるのがCOOLなのであります。

パオ フロント廻り
パオ

フォグやヘッドライトピーク等

スピードウェルでは、その引出しにより、数々のお洒落なパーツ達を準備する事が可能である。フォグランプは1960年代からの贈り物であるレイヨット、フェンダーミラーは良くあるルーカスではなく、TEX製であり、ヘッドランプピーク等どれもが個性あふれるプロダクトである。

パオ マフラー

フロアーの仕上げ

5ZIGENと共同開発を行ったリプレイスメントマフラーの景色の美しさもさることながら、フロアのブラックペイントの美しさも堪能する事が出来る。

パオ

PAO西海岸仕様 左舷後方姿見

パオ納車風景

パオちゃんと記念撮影

この度はE様、PAO西海岸仕様納車おめでとうございます。長らくお時間を頂き御礼申し上げます。また、地元のお土産までご準備頂き、重ねて篤く御礼申し上げます。それでは、山口でこのパオが走る姿、楽しみに致しております。

今日はコレマデ。

本日の名言

宜しく先ず一事より一日より始むべし

by吉田松陰先生

エゲレスからの贈り物

霧の街 ロンドン

この言葉を聞いて、エゲレスは雨が多く、霧もよく発生するのだなぁ、とわたしは想像していたのである。ロンドンのガス灯のイメージもあいまって、クルマには波長が長いイエローのフォグランプが装着されている、とさらに情景を膨らませていた訳である。しかし、ここ数年、とある記事を読んでいたところ、なんとその霧とは、半分、産業革命のスモッグであったという事を知ってしまった。もちろん、自然に発生する霧はロンドンでは多い訳であるが、スモッグが混ざり、もすかすれば現在の北京に近いのかもしれない。なんとも、霧の街ロンドンと言えば聞こえは良いが、ロンドンスモッグと健康障害が背景にあったとは。今日の四方山話である。

レイヨットフォグランプ

レイヨットDL91

当時物デッドストック新品である。パオやラシーン、Be-1やフィガロにも装着は可能。雰囲気のあるフォグランプは、造りがとても良く、やはりグラスレンズに縦のスリットと潔いところがCOOLである。リムは上質のクロムメッキが行われ、ボディーはシルバーの縮み塗装がされているところがなんとも小憎い。

パオ フィガロ

パオとフィガロの共演

今回製作をおこなっておりますPAOは、コンセプトがアメリカンでドリーム感漂う西海岸仕様。ボディーカラーはめずらしくグレイにホワイトパールの3コート。スイッチ類もフィガロの鍍金仕上げの物をおしげもなくおごる。

パオ フィガロ

フィガロの鍍金スイッチ

台座はパオのオリジナルに明るいシルバーのペイントをプラス。細かなこだわりにより、フィガロの鍍金スイッチレバーとの相性も良い。製作車両のオーナー様にはお任せ頂いており、あくまでSWのわがままかもしれないが、必ずお気に入りの物を造ってみせると意気込む訳である。

という事で、本日はレイヨットフォグランプにフィガロのスイッチレバーをパオにおごるという記事をご覧頂きました。SWはパイクカーやラシーン、エクストレイルの製作に関して、より美しく、洒落た、大人らしい、バランスのとれた自然なカスタマイズをご提供出来ます様に研鑽致しております。販売車両の在庫も沢山そろえておりますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

今日はコレマデ。

本日の名言

努力は夢中に勝てない

by孔子

東京都江戸川区のN様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

浅草寺でパオ

ライジングゲート

松下幸之助が奉納した雷門の大提灯。こちらばかりに目が行ってしまうのであるが、左右には風神と雷神が安置されており、風雷神門が正式名称である。いつしか雷門という言葉に変化していったのであるが、文化年間の川柳に「風の神雷門に居候」という言葉がみえる。時と共に変化しつつ、その変化が楽しめる。日本とはなんとも奥深く、麗しい国である。

パオ 浅草寺

PAOトラディショナル 浅草寺姿見

この度は、東京都江戸川区にお住いのN様の元へお届けにあがりましたPAOトラディショナルをご覧頂きたいと思います。ボディーは外板をオールペイントを施し、これから長く使用に耐える仕上がりに。走行3万キロ台の車両をベースとして製作致しましたので、エンジン廻りはタイミングベルトからウォーターポンプ、エアコンのコンプレッサー、パワーステアリングのラック、キャブレーター、ラジエーター等交換。オルタネーターとセルモーター以外はほとんどが交換となりました。しかし、振り向きたくなるんです。

内装 パオ

オリジナルデザインを踏襲したシートの張替え

座面表にはドンゴロスのような麻布風生地で仕立てたパオ純正デザインを意識したシートの張替え。背面はポケットも忠実に再現されており、沢山の荷物も詰め込む事が可能。座面、側面、ポケットの蓋、ベルト等、それぞれにカラーはオーナーの思い描く仕様に。

キャンバストップ

キャンバストップの風景

キャンバストップの張替えはスピードウェルでは、全車標準であり、カラーも選べる。さらにルーフレールやリヤハッチガラスの蝶番などのリペアもしっかりおこなわれ、美しい。

テールランプ

江戸の車夫

江戸の車夫は肉を食べない。肉を食べると、徐々に疲れて最後には走れなくなるらしい。これはベルツという独の医師が実権を行った結果でもある。江戸時代までの日本人は肉を食べず、玄米、梅干し、たくあんなどの菜食で非常に体力はあったのだという。パオのテールエンドの造形は美しい。

パオ マフラー

ウェルリプレイスメントマフラー

前後ともウェルリプレイスメントマフラーを装着する。燃費良し、馬力よし、見た目良しの三方良し。

パオとビートル

パオとビートル

パオとビートルその両方にキャンバストップの仕様と、これまたオーナーN氏のこだわりが伺えます。ビートルはかなりローダウンされておりましたが、パオは車高が高く、どちらも楽しめてうらやましい限り。

パオ ホイール

伝説のトミーカイラ ブリジストン製アロイホイール

ブリジストンが競技用に製作したスーパーラップというてっちん風アルミホイールの、さらにトミーカイラ版。手に入れたくても手に入れる事は出来ない伝説のアロイホイールである。

パオと記念撮影

PAOと記念撮影

この度はN様、PAOトラディショナル納車おめでとうございます。大変長らくお待たせ致しましたが、お喜び頂けまして嬉しく思います。また、貴重なビートルも拝見させて頂き大変勉強になりました。ビートルと肩をならべてパオも誇らしげでした。それでは、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

ビートル

スモールスクウェア―ウィンドウのビートルは、フロントピラーも分厚い。これがそれ以降のビートルにはない可愛さの隠し味である事に間違いはありませんね。この度は、N様貴重な車両を拝見させて頂き、重ねて御礼申し上げます。

富山県射水市のO様 パオ納車おめでとうございます。城野レーシングチューンドミッション搭載の巻

知る人ぞ知る。

城野レーシングは知る人ぞ知る。F1において、中嶋悟が活躍した時代にタイレルのメカニックとして活躍された城野氏が代表を務めた会社である。日産マーチのワンメイクレースでは数々の優勝。タイトルも数々。 城野レーシングは富吉レーシングから派生した黒木レーシング、香月レーシングと共に当時の西日本のレースフィールドにおける常勝レースチームファクトリーで「勝つレース」を行いたいときの登竜門 そして名門。スピードウェルにはその活躍したオートバックスがスポンサードのオートバックスマーチを城野氏より譲り受け、現在保管している。そして城野氏は、何を隠そう日産NISMOの開発技術者でもあった。ということで、今回のO氏のパオには城野氏が直々に製作したレース用のミッションをおしげもなく装着いたしました。特製のLSDも装填されており、日本でただ一台の城野レーシングチューンドミッション車の製作を差し上げる事となりました。

パオ 富山

PAO右舷前方姿見 

なんとも、大寒波襲来の日の納車となり、大阪から富山に抜けるには、なかなか苦難の連続ではありましたが、日々全国へお届け差し上げておりますので、通れる道は十分に御座います。

ミッション

ミッションは中央奥

現在パオの純正ミッションはファーストとサードのギヤが割れや欠けで修理が困難であり、SWではファースト、サードのギヤを製作中。今後、オーバーホールには使用する事が可能です。

タコメーター

マニュアルミッションにはタコメーターが欲しいということで。

タコメーターをデジタルスピードメーターの下部に取り付け差し上げます。

ホールソー

52パイのホールソー

このホールソーさえあれば、52パイのメーターの取付が美しく行えます。

タコメーター パオ

52パイの穴をあけた様子

配線は純正スピードメーター後ろにある配線の塊よりブルーの配線を取出します。この配線はアクセサリーの+電源となります。さらに純正メーターに取り付けられる配線の黒の配線を-(アース)として使用。そして、赤白の配線はイルミネーションの+として取り出します。残りはエンジンの回転パルスですが、インパネうらのバルクヘッドから来ている配線の束よりピンク(エンジン回転パルス)を取り出せば、タコメーターにそれぞれ接続。しっかり動くことでしょう。

タコメーター

電気式タコメーター

今回は、ミッションの載せ替えとあわせて、強化クラッチ、さらに軽量フライホイールを装着して、パオのノーマルエンジンでも子気味良く楽しめるものと致しました。

パオ 富山

SW製ステンレスマフラーも決まっております。

パオと記念撮影

パオと記念撮影

この度はO様、城野レーシングチューンドミッション搭載おめでとうございます。雪道では少しじゃじゃ馬ぶりを発揮するかもしれませんが、パオと走りを楽しんで頂ければ幸いです。それでは今後とも宜しくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

一曲夢々里

いっきょくむむり。人生、歌を歌っている間に過ぎ去るという禅語である。

奈良県北葛城郡のY様 PAOトラディショナルレストア納車おめでとうございます

パオ

甦える内装

すべてのエアコンの吹き出し口のリペアパーツ。トグルスイッチのシルバーの台。ダッシュパネルやアンダートレイの張替え。レトロオーディオのオーバーホール。そのそれぞれにスピードウェルの培った技術を惜しみなく投入してレストアされたPAOである。その他、シートの張替え、フロアマット、プラスチックのビス類の新調、内張りのリペア、吊り天井のリペア、灰汁洗いなど、ボディーレストアと合わせて施工されている。

パオ

PAOちゃんと記念撮影

この度は、奈良県北葛城郡にお住いのY様の元へお届けさしあげました、PAOトラディショナルレストアをご覧頂きたいと思います。オリーブグレイにペイントされたボディーはバンパー、フロントグリル、ヘッドライトリム、ルーフレール、ホイール、見えているパーツはすべてリペイントされ、新しい時代に生まれ変わった姿となった。

内装 パオ

内外のカラーの変更

パオは外装のカラーが内装になっており、レストアに合わせて、内外を他色に変更。今回のような内装がアイボリーの仕上げは特に女性に人気である。さし色に優しいキャメルカラーをダッシュ上下とあわせてシートのパイピングにあしらい、とてもバランスの良いコーディネートだとあたしは思う。

ドア内張り

ドア内張りの仕上がり

内張りの質感、そして、シルバーパーツのリペア。それぞれが美しい。

パオ

PAOちゃんと記念撮影

この度はY様、PAOトラディショナルレストア納車誠におめでとうございます。末永くお乗り頂けますよに、バックアップさせて頂きたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

禅心

禅定の心であって、心を一つの対象に集中して乱れない状態の事でございますが、そのような気持ちでパオやラシーンの製作に打ち込み、さらにぜんしん(前進)して参りたいと思います。

大阪府和泉市のN様 PAOトラディショナルレストア納車おめでとうございます

パオ レストア

常若 トコワカ

パイクカーデザイナー、古場田良郎氏。「クルマを消耗品にしたくはなかったのです 」その言葉のデザインがこの写真からも滲み出ているとわたしは思う。来る正月14日で生誕36周年を迎えるパオ。工業製品で言えばおじいちゃんかもしれないが、レストアとよばれる常若の精神で若返りが可能である。純正のオリジナルの状態に戻す事も可能。カスタマイズを施して、たった一つのパオを製作する事も可能。現在の出雲大社のおおやしろでも江戸時代から60年に一度の大修理により現代でも木は生き続けている訳であるから、パオも35年に一度の大修理により、また長く乗り続ける事が出来ることだろう。

パオ レストア

パオトラディショナル レストア

この度は、N様の元へ納車されましたパオトラディショナル、レストアをご覧頂きたいと思います。内外装がかなりお疲れのパオちゃんでありましたが、新車のような雰囲気でお乗り頂けます様に製作さしあげました。

パオレストア

パオ レストア 内装

内張りや釣天井、フロアカーペットの灰汁洗い、さらに新調のマット。気になるプラスチックパーツの表面処理。新しい気分で操縦することが出来る。

パオ レストア

パオ レストア デフロスターグリル

エアコンの吹き出し口のすべてにリペアパーツを準備。特にサイドデフロスターグリルはお餅を焼いたように膨れている物が多く、スピードウェルのリペアパーツへ交換が行われる。

パオ レストア

パオ レストア 内張り

内張りは褪色もしくは日焼けにより変色しているところ、リペアが行われ、内張りのピン類はすべて新品に交換を行い美しいアイボリー色に。さらにインナーハンドル類のシルバーパーツもリペイント。

パオ レストア

パオ レストア

三角窓のゴムはもちろん、ドアの水切りモールやリヤクォーターのゴムモールもリペアが行われる。ドアミラー上下のシルバーパーツやビス類、ドアアウターハンドルや、クォーターガラスの蝶番も再塗装済み。

パオ レストア

パオ レストア ワイパー廻り

ワイパーカウルも取り外し、ワイパーのリンク自体も錆止めを行う。フロントガラスゴムも新しい。

パオ レストア

パオ レストア ウェルリプレイスメントマフラー

GEN5へとバージョンアップされたウェルリプレイスメントマフラー。アイドリング時の音量は純正同等であり、走り出すと小気味良い上質なサウンドが得られる。大人らしいマフラーである。

パオ レストア

パオ レストア ヘッドライト

ヘッドライト廻りやバンパー、グリル、ウィンカーなどそれぞれにリペアが施され、純正色に色入れが行われる。使用される塗料の拘りは半端ない。

パオ 納車

パオちゃんと記念撮影

この度はN様、PAOトラディショナルレストア納車、誠におめでとうございます。また、長くお乗り頂けますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

本当の美しさは、目に見えないところにある 。

大阪府堺市のM様 PAOレストア納車おめでとうございます

レストア前夜

レストア前夜

すでにタイヤは4本ともパンクし走行は不能。そして内装は雨漏りによりため池となる。あまりの高温多湿状態において全面カビで覆い尽くされ、土に返りそうな状態であった、レストア前夜のPAOである。こちらは、なんと20年という歳月放置されていたらしい。しかしながら、形ある物みな復元が可能ということで、今回はスピードウェルにお問い合わせ頂き、完全復活させましょうという事で、20年放置されたパオのレストアのプロジェクトが立ち上がった。

レストア前夜

シャコタンではない。

タイヤは車重に押しつぶされ、さらに潰れた形状で凝固しており、うんともすんとも、動かす事は出来ない。そんな状況からスタートする訳である。一つ救いであったのが、地面がコンクリートである事。これが土や砂利、砂場であれば湿気も多く、さらに草やツルなどに巻き込まれて、スタジオギブリの状態となる。それでは、ココから、復活していく瞬間をご覧頂きましょう。

レストア前夜の内装の図絵。

足元はスタジオギブリ化が進んでおります。フロアカーペットをボディーから剥いでボディー全体の洗いから始まりました。パオの天井はアイボリー色の吊り天井ですが、画像ではご覧頂けませんが、この時点で天井は漆黒の闇に包まれております。

パオレストア

足回りの図絵。

ホイールもリペアが行われ、タイヤも新品に。ホイールハウス、フロア下部も塗装が行われ、防錆仕様。

パオレストア

内外装のレストアが施され、フロアパネルからしゃっきりさせました。外装もまた新車当時のカラーに復元が施されピカピカに蘇りました。オーディオも当時のラジオカセットに置換。スピーカーなども調達され、調子は良い。フルオリジナルを目指して、各パーツを整えていきます。

パオ 内貼り

レストア後の風景。

端的にほぼ、新車の状態に。スピードウェルであればココまで復元は可能。

パオ レストア

レストアが終わり晴れて納車へ。

今回は、エンジンはタイミングベルト、ウォーターポンプ、オイルシール類の全ての交換。ホース類のすべての交換。クーラーの修理、発電機、セルモーター、冷却系、点火系の修理と交換。排気系はすべてリプレイスメントのステンレス製に。足回りは、ショックアブソーバー、ブレーキのオーバーホール、燃料ホース等の交換、ガソリンタンクの洗浄とすべてを取り外しての作業。

内装は全てを分解。そしてすべてをリペイント。さらに、クーラーの吹き出し口の交換、シートの交換、フロアマットの交換。各部の樹脂パーツのリペア、天井は灰汁洗い。外装は、すべてを分解してルーフレール、バンパー、グリル、ホイール、ワイパー、蝶番、アウターハンドル、ドアミラー、目に見えている個所はすべて塗装、さらに、ボディー下部の塗装、三角窓やフロントガラスゴムモール等の交換、リヤクォーターガラスゴムのリペア。細かなビス類はステンレスに交換して塗装処理。キャンバストップの張替え等。イタレリ。

パオ レストア

パオと記念撮影

M様、この度はパオレストア納車誠におめでとうございます。本当にお喜び頂けましてこちらも感謝致しております。早速、大阪から山口県までロングクルージング。乗れば乗るほど味わい深いクルマですね。これからも長くご使用頂けますように努力致します。

今日はコレマデ。

本日の名言

世界で最も素晴らしく、最も美しいものは、

目で見たり手で触れたりすることはできません。

それは、心で感じなければならないのです。

東京都品川区のG様 PAOレストア・トラディショナル納車おめでとうございます

パオ色の冷蔵庫

PAO色の冷蔵庫

東京の品川の冷蔵庫はパオ色である。なんとも、今回パオオーナーとなられるG様が、パオ愛が溢れてDIYで冷蔵庫をパオ色に塗装してしまったという、面白く素敵なお話なのである。パオのダッシュボード(インストルメントパネル)は鉄製で成型されており、マグネット式のキッチンクロックや雑貨などをつけて装飾することは可能であるが、自宅でパオを感じるとこうなるのである。とココで、少しだけ四方山話であるが、自動車の計器が取り付けられているパネルをダッシュボードとそう呼ぶ訳であるが、これは馬車の時代までさかのぼる話であって、馬が走ると石や泥が飛び跳ねる。そして馬車に乗っている人に飛び散る訳である。そして改善するにあたり運転手の前に衝立を取り付けた、すなわち走る(ダッシュ)の石泥避けの板、それがダッシュボードの語源の由来である。

ダッシュボード

PAOの走り板 (ダッシュパネル、アンダートレイ張替図絵)

この度は、東京都品川区にお住いのG様の元へお届けに上がりました、PAOトラディショナルをご覧頂きたいと思います。ボディーは内外装をレストアを行い、G様の思いのカラーにお仕立てを行ったPAO。メーターの左にはマグノリアクロック(純正メーター風リダン)も装填され、ハンドルコラムはPAOのプロトタイプをリスペクト。クーラーの吹き出し口などはSWのリプロ品に交換済みでこれから長く使用に耐える仕上がりに。

パオ 品川

PAOレストア・トラディショナル カオス

右には昭和の家屋、左は現代の家、後ろには数億円の大豪邸。そして中心にPAOである。東京という都市は誠におかしなほどカオスである。

パオ 品川

PAOレストア・トラディショナル 左舷後方姿見

アクアグレイのボディーカラーは新車当時のカラーを復刻させてペイントが行われる。ルーフレールやバンパー、グリル、ドアアウターハンドル、各部蝶番、ミラーの台座、ワイパー、すべてが取り外されてリペアと塗装も行われている。テールランプ類は取り外し、台座をリペア。レンズは磨く訳でなく、表面処理を行い、UVカットのクリア塗装仕上げで永きにわたり輝き続けるだろう。

パオと記念撮影

PAOと記念撮影

この度はG様、PAOレストア・トラディショナル納車誠におめでとうございます。長らくお待ち頂きましたがお喜び頂き感謝申し上げます。東京の果てしない街でPAOが走る姿を楽しみに致しております。

今日はコレマデ

本日の名言

ただおもしろく けふもくらしつ

by徳川慶喜

大阪府池田市のM様 PAOトラディショナル・オリジナルルック納車おめでとうございます

大阪万博

1970年の、こんにちは。

2025年には大阪では2回目となる万国博覧会が開催される。現在でもとても人気のある1970年のこんにちは、太陽の塔。云わずとも知れた、岡本太郎氏の作である。わたしが小さい頃、この太陽の塔の顔がとても怖くて、恐れていたが、子供ながらにいろいろな感情を与えてくれる太陽の塔は、まさに傑作であると言える。現在、過去、未来という顔の表現や、塔内には、当時地底の顔もあり、さらに生物の根源より現された創作物が溢れる。これはまさに生命そのもの。はてさて、「人類の進歩と調和」というテーマであった50年前の万博から、人類はどのように進歩と調和が行われたのでしょうね。

パオ

PAOと記念撮影

この度は、大阪府池田市にお住いのM様の元へお届けに上がりました、PAOトラディショナル、オリジナルルック(純正風仕立て)をご覧頂きたいと思います。M氏は某大阪の自動車会社の先行デザインがお仕事とあって、とても気になります。

パオ フロントフェース

オリジナルルック

より完全に新車時の風合いを求めて製作。いわゆるフルOGルック。アクアグレイの車体はカタログにも使用されている所により、これがTHE PAOというイメージであろうか。バンパーやグリル、ヘッドライトリムも全て取り外されて、純正よりも上質な塗料を使用して再塗装。エンスーから云わせてみれば、塗装を行った時点でオリジナルではない。という事になる訳でございます。

パオ

テールのしつらえ

テールランプはブリリアントフィニッシュの加工と耐候性を増したクリア塗装を行い、経年の劣化に強い仕上げ。バンパーはもちろん、ナンバー灯(通称ワシッパナ)もボディーと同色にペイント仕上げ。ホイールも純正仕立て。

パオ 内装

内装の張替え

純正シート仕立てに張替えは行いましたが、サイドからリアにかけてのカラーは女性らしい生成り色でアプローチ。その他はすべて純正に準ずる。

パオ内装
パオ内装

内装の風景

内装は灰汁洗いを施し、さらにリペア等も含めて製作は全車に着いてくる。サイドステップの仕上がりが、車体の美しさを物語っている。

パオ

PAOトラディショナル オリジナルルック

この度はM様、製作に沢山お時間を頂き、誠に有難うございました。末永くお乗り頂けます様に、アフターフォローも差し上げたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

金がないから何もできないという人間は

金があっても何もできない人間である。

by小林一三

大阪府泉南郡のT様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

パオ フォグ

レイヨット

レイヨット デッドストック

パオはディーラーオプションによりフォグランプが準備されていた。2メーカー、ボッシュとシビエである。ボッシュは外形が16㎝の標準的なサイズで、シビエは13㎝そこそこと小ぶりである。レンズカラーもホワイトとイエローが存在した。フォグランプを装着するには、専用のステーを介して取り付ける方法を取るのがベターであるが、加工さえすればバンパーに地下付けも可能である。そして今回もまた、イギリスの納屋に終い込まれてたであろうデッドストックのレイヨットフォグを取り寄せ舶来、おしげもなく取付け。レイヨットはイエロフォグが多い中、クリアーレンズの珍しいタイプ。昨今のプラスチックの数年で色ボケする安価なレンズでは無く、ガラスレンズはしっかりした厚みと、半永久。そしてスリットがたまらなく美しいのである。

パオトラディショナル

PAOトラディショナル レストア

この度は、大阪府泉南郡のT様へ納車されましたPAOトラディショナルをご覧頂きたいと思います。アイボリーのボディーをレストアを施して、エンジン、補器類等部品交換も行い、安心してお乗り頂けます様に製作差し上げました。

パオ 内装

PAOトラディショナル コックピット

ダッシュ上下の張替えを行い、さらにリダンを施したマグノリアクロックを装填。そしてウッドハンドルを追加して、これぞ三種の神器である。

パオ 内装

ウェル50デザイン レザーシートの張替え

今回のレザーシートの色分けは、オーナーT氏の拘るところである。また、中央のレザーマテリアルはエンボス加工がほどこされ、通気性も抜群。

パオと記念撮影

PAOと記念撮影

この度はT様、PAOトラディショナル納車おめでとうございます。長らくお待たせ致しましたが、お喜び頂き感謝致します。こだわりのパーツで仕上げを行わせて頂き、重ねて御礼申し上げます。大阪土産も嬉しく思います。

今日はこれまで。

本日の名言

日日是好パオ