広島県広島市のH様 ラシーン・トラベラー納車おめでとうございます

広島
ラシーン 廣島

日本一の路面電車

日本のインフラストラクチャーという囲いの中で、わたし達は生活をしている訳である。なかでも移動に際し、電車や汽車、バスなどはわたしも含め、市井の人が使用するものである。そして廣島に行けば、そのあちらこちらそちらに路面電車が威風堂々と走っているのが伺える。現在日本では17都市にこの路面電車が活躍しているが、廣島は旅客数日本一であり、往年の車両から最新のアルナ車両まで気兼ねなく乗れる訳である。古くは 廣島電鉄900形は大阪市電(1956年製造) 、廣島市電1900形は京都市電(1957年製造) から譲り受けたもの、その他からも譲り受けたものが多数あり、今なほ現役で活躍している。今回は、その元京都市電が使用していた、1900形の『あらし山』に殿上させて頂いた。着座すると共にエアーコンプレッサの緩い回転音が響き渡り、その瞬間わたしの心はこの1900形に奪われたのである。車内を見渡せば味のあるモケットシートに、幾度に渡るペンキを刷毛で上塗りされたサッシ廻り、まさに老舗の追いダレとも言える感覚がこの上なく良い雰囲気である。途中、原爆ドーム前で降りた後、今度は最新のアルナ車両に飛び乗った訳であるが、現代的でこれはこれで良い。しかしながら、日本は(新しいモノが全て)という時代を常にやってきたが、遂に決別する時が来たと感じるのである。新しいモノは良い、しかし古くても残ったものはさらに良い。これからは、そのどちらも大切にしようではないか。そして今日のその時。皆が、そうした感性でモノを見つめる事が出来る時代こそ、本当の豊かさが現れる、と、わたしは思ふ。

ラシーン 廣島

ラシーントラベラー 平和大通り 右舷前方姿見

この度は、広島県広島市にお住いのH様の元へお届けに上がりました、ラシーントラベラーをご覧頂きたいと思います。今回のラシーンはなんとも珍しいマニュアルミッション仕様。ボディーはジャーマングレイにレストア塗装を施し、フロントフェースを丸目2灯型にスワップ。オーバーフェンダーや下部をブラックペイントし、車高が高く見える視錯覚がとてもCOOLである。バンパーやグリル、ルーフレールにはビースト(ゴツゴツ)塗装を施し、細かな仕上げに配慮。その匂い立つ何かがココに存在する。

ラシーン

丸目2灯型グリルとビースト仕上げ

ボディーのラインとフロントフェースの組み付けや、塗装仕上げは特にこだわるところ。バンパー、グリルのブラック部はビースト塗装(ゴツゴツ)でワイルドなイメージとなっている。ビースト仕上げはその塗膜がとても厚く、硬度も半端なく、飛び石なども寄せ付けないほど力強い。また、一般的な黒の艶消しと違い、その表面の景色がモノ的に美しく、質感が極めて高いと言える。

ラシーン

ビースト仕上げ

グリル中央にはクロムト風に仕上げたNISSANのエンブレムを配置。その凹凸で勝負しているところが小憎いのである。

ラシーン

ルーフレールのビースト

ルーフレールにもビースト塗装を施し、これによりルーフキャリア等を直に取り付けても、塗装が割れないという恩恵を受ける事が出来る。

ラシーン ウッドパネル

ナルディウッド群にウッドパネル

ナルディウッドハンドル、ナルディウッドシフトノブに合わせて、バーズアイメイプルのウッドパネルをおごる。ヨーロピアンな波動が室内を埋め尽くす。

ジョルジェット70

ジョルジェット70デザイン

折り紙デザインと謳われたジョルジェット、70デザインレザーシートにボディーカラーのパイピングをあしらい洒落を利かす。

ラシーン

リヤスムーシング

今回は、スペアタイヤを取り除いた形で製作。スムーシングが行われミニマムな情景である。

ラシーン

ラシーンと記念撮影

この度はH様、ラシーントラベラー納車誠におめでとうございました。製作には多大なお時間を頂き感謝申し上げます。色のお打合せ等、こだわって頂き嬉しく思います。また、お土産まで頂き重ねて御礼申し上げます。これから長くお乗り頂けますように、整備等バックアップさせて頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

感性がたりない。

by堤 清二

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