三重県松阪市のM様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

伊勢ノ海

伊勢の海の 清き渚に 潮間に 神馬藻や摘まん

貝や拾わん 玉や拾わん

伊勢の海を平安貴族たちが歌った歌詞である。現代語訳すると、伊勢の穢れ無き清い海岸で、潮のひいている間に、海藻を摘もう。貝を拾おう、真珠を拾おう。という何気もない漁師の日常であるが、それを優雅な音の調べと共に歌うのが平安貴族というものである。応仁の乱後、一度は歌は廃絶したが、なんと徳川家光公の力により再興された。現在は宮中の式部職楽部により歌は継承され、聴く事が出来るのである。1000年という歳月を超えてさらに1000年いや、日本がある限り継承されていくのである。伊勢の海の清き渚に潮を見てパオに乗らん。調子よくエンジンやかからん。ブレーキやきかん。現代語訳すれば伊勢の海の美しい渚を見てパオでドライブしよう。調子の良いエンジン音、ブレーキも良く効く。である。

パオ納車

PAOトラディショナルと邸宅

この度は、三重県松阪市にお住いのM様の元へお届けに上がりました、PAOトラディショナルをご覧頂きたいと思います。なんとM氏は16年以上前にスピードウェルでおなじテラコッタのPAOを納車させて頂いていたという事で、私すっかり忘れておりまして、申し訳ないこと致しました。改めて、テラコッタパオを納めさせていただき、この場をお借り致しまして篤く御礼申し上げます。

パオ

PAOトラディショナル 右舷前方姿見

ボディーは今一度洗濯致し候という事でペイントも行い、さらに丁寧に磨き上げながらコーティング。この光の反射具合をご覧頂ければ、その質の高さを感じて頂ける事でしょう。

パオ 内装

内装の張替え

今回は、M氏の奥様がこだわってお選び頂きました、ハリスツィードの新作をチョイス。ヘリンボーンの柄がとても美しいのです。シートの張り方は純正を踏襲しており、少し離れると純正のようにも見えてしまう。

ハリスツィード

なかなか、渋い生地を選択頂き、製作するのも楽しませて頂きました。

後部座席

このざっくり感もたまりません。

ハリスツィード

ハリスツィードの証明タグがサイドにあしらわれます。

座り心地もなんともしっとりとした印象で、身体にやさしいと言えば良いでしょうか。

パオを記念撮影

パオを記念撮影

この度はMご夫妻様、PAOトラディショナル納車誠におめでとうございました。時間をかけてこだわって頂き、感謝申し上げます。これから長くお付き合いの程、どうぞよろしくお願い申し上げます。また、大きなお土産を頂き、重ねて御礼申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

とてもかくても、つとめだにすれば

できるものと心得べし

by本居宣長

日産Be1レストア!N様納車おめでとうございます

Be-1

Be-1のボディーレストア

レストアと一言で言っても、やり方は無限である。全てのパーツをそろえて行うのはフルレストアであって、その場合フロント、リヤ共にガラスも外す。まさにホワイトボディーにより、豚の丸焼きのようにボディーを宙ぶらりんにし、フロアからアンダーコートも剥離して一から行う訳である。そのような場合は価格も0が一つ増える為、そこまでしないで良い場合は、それぞれオーナー様のご予算に応じて行うものである。今回は、エンジンのタイミングベルトや、クーラーの修理を含めこれからBe-1を楽しめる仕上げを行わせて頂いた。

Be-1

Be-1 完成

今回は、純正カラーであるパンプキンイエローから純正色であるハイドレンジアブルーに変更という事で、内外装の錆びを取り除き、ペイント。最終の仕上げにコーティングを行い美しい様子。

Be-1 クーラー

Be-1のクーラー装置

リキッドタンク(いわゆるレシーバータンク)をBe-1純正品の廃盤により、使用可能なリキッドタンクに置き換え、さらにフィッティング。これにより、わざわざBe-1の純正リキッドタンクを探す必要はなくなる。

Be-1

Be-1 左舷前方姿見

バンパーやグリル等も劣化が激しく、あわせてリペアを行い引き締まっている。

Be-1 内装

Be-1の内装

今回はシートの張替え等は行わず、手入れのみ。モモの年代を感じるハンドルが魅力的である。今後オーナーはナルディに変換という事で、どちらも名門である。

Be-1

Be-1と記念撮影

この度はN様、Be-1レストア納車おめでとうございます。これからBe-1ライフが始まりますが、一つずつ楽しんで頂ければ幸いです。それでは、今後とも宜しくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

彼は彼、我は我でいこうよ

by大久保利通

大阪府池田市のM様 PAOトラディショナル・オリジナルルック納車おめでとうございます

大阪万博

1970年の、こんにちは。

2025年には大阪では2回目となる万国博覧会が開催される。現在でもとても人気のある1970年のこんにちは、太陽の塔。云わずとも知れた、岡本太郎氏の作である。わたしが小さい頃、この太陽の塔の顔がとても怖くて、恐れていたが、子供ながらにいろいろな感情を与えてくれる太陽の塔は、まさに傑作であると言える。現在、過去、未来という顔の表現や、塔内には、当時地底の顔もあり、さらに生物の根源より現された創作物が溢れる。これはまさに生命そのもの。はてさて、「人類の進歩と調和」というテーマであった50年前の万博から、人類はどのように進歩と調和が行われたのでしょうね。

パオ

PAOと記念撮影

この度は、大阪府池田市にお住いのM様の元へお届けに上がりました、PAOトラディショナル、オリジナルルック(純正風仕立て)をご覧頂きたいと思います。M氏は某大阪の自動車会社の先行デザインがお仕事とあって、とても気になります。

パオ フロントフェース

オリジナルルック

より完全に新車時の風合いを求めて製作。いわゆるフルOGルック。アクアグレイの車体はカタログにも使用されている所により、これがTHE PAOというイメージであろうか。バンパーやグリル、ヘッドライトリムも全て取り外されて、純正よりも上質な塗料を使用して再塗装。エンスーから云わせてみれば、塗装を行った時点でオリジナルではない。という事になる訳でございます。

パオ

テールのしつらえ

テールランプはブリリアントフィニッシュの加工と耐候性を増したクリア塗装を行い、経年の劣化に強い仕上げ。バンパーはもちろん、ナンバー灯(通称ワシッパナ)もボディーと同色にペイント仕上げ。ホイールも純正仕立て。

パオ 内装

内装の張替え

純正シート仕立てに張替えは行いましたが、サイドからリアにかけてのカラーは女性らしい生成り色でアプローチ。その他はすべて純正に準ずる。

パオ内装
パオ内装

内装の風景

内装は灰汁洗いを施し、さらにリペア等も含めて製作は全車に着いてくる。サイドステップの仕上がりが、車体の美しさを物語っている。

パオ

PAOトラディショナル オリジナルルック

この度はM様、製作に沢山お時間を頂き、誠に有難うございました。末永くお乗り頂けます様に、アフターフォローも差し上げたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

金がないから何もできないという人間は

金があっても何もできない人間である。

by小林一三

和歌山県岩出市のM様 ラシーントラベラー納車おめでとうございます

ラシーン 根来寺
根来寺
根来寺

デザイン考察

たしかに、時が進むにつれて合理的な配慮がなされ、その都度時代に即したデザインという物が生まれる訳である。昨今でいわばユニバーサルデザイン。すべての人のためのデザインという言葉である。しかし、これが本当にすべてに当てはまるのであろうか。2020年に物議をかもしたのが、名護屋城の木造復元問題である。この木造復元天守にエレベーターをつけて、障がい者の方も楽しめるように、また観光資源とするならばユニバーサルデザインを取り入れないと、という意見まで、これは非常に難しい問題である。史実に忠実に木造天守を造るという事に対して、城をユニバーサルデザインにするというお話。果たして、すべての人のためのデザインという言葉自体に正解はあるのだろうか。と、ココまでのお話は今日お伝えしたいことではない。今日は上の写真である。社寺建築の用語であるが、枡組(ますぐみ)、手先(てさき)、蛙股(かえるまた)、垂木(たるき)などさらに、建築様式による形状も存在する。これらは時代が進もうとも変わらない物であって、様式という言葉で後世に伝えられていくのである。まさに、これを見て我思う、ゆえに我あり、であって自動車にもやはり様式たるものが存在しているのではなかろうか。という視点でのお話。まずは、その様式について私見を述べたいのであるが、長くなるので簡潔に言えば、セクシーである。不発に終わったであろう三菱や日産の第一陣のEVカー。近未来を創造するが如く、テスラやソニーのEVカーのほうがここで言う様式らしいデザインであって、やはりタイヤが4つ着いて走る限りは、その自動車の様式になぞらえたデザインでないと、まったくもってカッコよく、そして美しく見えないのである。さらにここで一つの提案として、このラシーンがEVになって販売されたなら、今よりウケるのではなかろうか。現在にラシーンのエンスージアストも存在する訳であるから、そういう物が一つでもあって良いと思う節はある。

ラシーン

ラシーントラベラー 根来寺大門前

この度は、和歌山県岩出市にお住いのM様の元へお届けに上がりました、ラシーントラベラーをご覧頂きたいと思います。ダークブルーのボディーカラーは全体的にレストアがほどこされ、ボディーもコーティングでキラキラ。各部パーツにはオーナーの個性が反映されて製作が行われました。

内装 ラシーン

内装の仕上げ

今回は、ウッドハンドルの装着にダッシュマット、シフトノブの革巻、サイドブレーキの革巻等を追加。内装の灰汁洗いとリペアも行われ、清潔。

タイヤカバー

タイヤカバーの張替え

ボディーには入道雲も映り、美しさが伝わる。タイヤカバー生地はジャーマンマテリアルにより製作。シートのカラ―リングを踏襲している。

ラシーン

ラシーンが走る未来のその先は

オーナーが思うがまま、ラシーンと共に未来に走り出す。日本の高度経済成長期のようなピカピカのキラキラの未来感を現在に感じる事は出来ないが、それでも希望を持って未来に走り続けるのが人である。ただし、わたしが思うには、スピードを出し過ぎて、これからはもっとゆっくり、じっくり、楽しんでゆけば良いのだと思う。そして、そのようなものづくりが出来るように考えてゆくべきだと思う。

ラシーン

ラシーンと記念撮影

この度はM様、ラシーントラベラー納車誠におめでとうございます。製作には長らくお待たせ致しましたが、お喜び頂けまして感謝申し上げます。これからも長くお乗り頂けます様に精進致しますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

今日はコレまで。

本日の名言

顔をいつも太陽のほうにむけていれば

影なんて見なくて済むはず

byヘレン ケラー

大阪府泉南郡のT様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

パオ フォグ

レイヨット

レイヨット デッドストック

パオはディーラーオプションによりフォグランプが準備されていた。2メーカー、ボッシュとシビエである。ボッシュは外形が16㎝の標準的なサイズで、シビエは13㎝そこそこと小ぶりである。レンズカラーもホワイトとイエローが存在した。フォグランプを装着するには、専用のステーを介して取り付ける方法を取るのがベターであるが、加工さえすればバンパーに地下付けも可能である。そして今回もまた、イギリスの納屋に終い込まれてたであろうデッドストックのレイヨットフォグを取り寄せ舶来、おしげもなく取付け。レイヨットはイエロフォグが多い中、クリアーレンズの珍しいタイプ。昨今のプラスチックの数年で色ボケする安価なレンズでは無く、ガラスレンズはしっかりした厚みと、半永久。そしてスリットがたまらなく美しいのである。

パオトラディショナル

PAOトラディショナル レストア

この度は、大阪府泉南郡のT様へ納車されましたPAOトラディショナルをご覧頂きたいと思います。アイボリーのボディーをレストアを施して、エンジン、補器類等部品交換も行い、安心してお乗り頂けます様に製作差し上げました。

パオ 内装

PAOトラディショナル コックピット

ダッシュ上下の張替えを行い、さらにリダンを施したマグノリアクロックを装填。そしてウッドハンドルを追加して、これぞ三種の神器である。

パオ 内装

ウェル50デザイン レザーシートの張替え

今回のレザーシートの色分けは、オーナーT氏の拘るところである。また、中央のレザーマテリアルはエンボス加工がほどこされ、通気性も抜群。

パオと記念撮影

PAOと記念撮影

この度はT様、PAOトラディショナル納車おめでとうございます。長らくお待たせ致しましたが、お喜び頂き感謝致します。こだわりのパーツで仕上げを行わせて頂き、重ねて御礼申し上げます。大阪土産も嬉しく思います。

今日はこれまで。

本日の名言

日日是好パオ

鹿児島県指宿市のS様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

鶴丸城
日本一の御楼門

御楼門の面影

鹿児島の鶴丸城の玄関、日本最大の御楼門である。明治6年に火災により焼失したとあり、明治の写真や資料を参考に150年の歳月を経て2020年に復元完成されたのである。未だ木材の香りがかぐわしく、見上げれば素晴らしいケヤキ材の梁と柱。こちらはなんと岐阜県産である。戦国時代、鶴丸城築城当時は藩を跨いで木を調達するという事は至難の業で、岐阜県産のケヤキを手に入れる事は難しかっただろう。さらに現在はと言えば、このような大木を日本国中で探す事の方が難しくなったのである。製作には20名ほどの腕利きの宮大工が携わったようで、仕口も見事美しいものであった。南洲翁の銅像の横に、日本最大の御楼門があることで、鹿児島に重みが増す事間違いは無く、いつの時代も、本物に対する価値は絶対的である。

パオ 鹿児島

カゴフォルニア

この度は、鹿児島県指宿市にお住いのS様の元へお届けに上がりました、PAOトラディショナルをご覧頂きたいと思います。アイボリーのキャンバストップの車体に、SSR製MK-1ホイールを装填し、ローダウン。黄金時代のカスタマイズを施して製作が進められました。。

パオ

PAOトラディショナル 南州海岸仕様

13インチのSSR製MK-1アロイホイールにローダウン。ヘッドライトにはピークが装着され、カリフォルニアンルックならぬ、カゴフォルニアンルック。南州海岸仕様である。

パオ 内装

ウッドハンドルに、ブラックの文字盤のタコメーターとクロックを装填。

ウッドハンドルはスリットと丸穴を迷いに迷って、少し癖の少ない方へ。

パオ 内装張替え

カゴフォルニアンルックらしいパイピングカラー

アイボリーにレッドのパイピングはなんともカリフォル、基、カゴフォルニアンルックらしいカラーリング。純正オプションの検査証ケースがクルマと共についてきました。

足回り

ローダウンの調整

パオの足回りのとりわけフロントのストローク量はスタビライザーを廃止した設計によりすこぶる少なく、ローダウンをすることによりロールセンターの位置がずれるのに合わせて乗り心地も悪しき方向にむかってしまう。見栄えと乗り心地を両立するという事は難しく、どこに重きを置いて調整するかが答えである。

パオ

PAOトラディショナル 右舷後方姿見

ホイールのトレッドを広げる事で、ボディーのフェンダーとの面を合わせるというのは果たして鉄則なのであろうか。それとも好みの問題であろうか。スピードウェルでは可愛らしく、ナローゲージで製作することが多い。

PAOトラディショナル

PAOと記念撮影

この度はS様、PAOトラディショナル納車誠におめでとうございます。これからも長く走る事が出来ます様に、しっかり整備を行い納車差し上げました。また、沢山のお土産を頂き、この場をおかり致しまして、篤く御礼申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

己を尽くして人を咎めず

by西郷隆盛

大分県大分市のS様 PAOレストア『おもかげ』納車おめでとうございます

まずは、8月6日の午前8時15分、廣島の原子力爆弾で犠牲になられました方々に黙祷を捧げます。日本は世界唯一の被爆国でありますが、これ以上同じ境遇にあわれる方がおられませんように、お祈り申し上げます。

レストア

パオの『レストア』

レストアとは基本的には元の状態に復元することを指す言葉である。パオは新車販売から35年、ラシーンは29年という歳月が流れ、いよいよ内外装、機関類含めて、くたくたに疲れており、またここから長く乗れるというスタート地点を作る仕事としてSWのレストア事業が存在する。レストアにもいろいろな方法があり、現在のオーナーの思いも詰め込んだスタイルや、新車当時のフルオリジナルの状態で復元すること、それぞれの答えはオーナーの心の中にある。ところで、業界的にフルオリジナルをフルOGと略すこともある訳であるが、わたしは(おもかげ)と呼んでいる。これがなかなか風流な日本の言葉である。今回のパオのオーナー様は、新車販売時には免許証をお持ちでなかったらしく、先にクルマを注文したようである。そして、2年前にディーラーでの車検を終えて持って帰ってきたところからエンジンがかからなくなり、SWに白羽の矢を立てて頂いた。そして、今回はその『おもかげ』により製作させて頂いた。

パオ

この度は大分県大分市にお住いのS様の元へ引き取りから納車までさせて頂き、レストアを行いましたパオをご覧頂きたいと思います。引き取り時はすでに、ウォーターポンプの軸が折れて、タイミングベルトも滑っており、エンジンはかからないという重症。さらにタイヤも放置していたことでパンクしており、さらには雨ざらしにより、錆びがかなり発生。ボディーの凹み等もあわせてこれはフルレストアに近い作業が必要という事で、丁度1年という期間を預かりさせて頂きました。

パオ フロントグリル

フロントフェース

どうでしょう。この整いよう。ボディーのレストアとは普通の塗装屋さんでも行う事は難しい。それは、ホワイトボディーと呼ばれる状態に分解を行うところから、細かな壊れそうなパーツがあるとなかなか分解せずに行ってしまうからである。フロントフェースではヘッドライトのリムやエプロンのボルト、グリルのエンブレムなど、どれもこれも分解するのにエネルギーが必要である。この写真の見えているパーツは全て塗装やリペア、コーティング等が行われている。

ルーフレール

ルーフレール等

こちらも全て映っている部分は分解され、塗装やリペアが行われている。ルーフレール、さらにルーフレールと天井の間のゴムスペーサー、さらにルーフレール下部の天井の溶接目を隠している黒いとのプレートなどもリペア。フロントガラス、ドアガラス、クォーターガラスも全て分解。そしてゴム類は新品交換もしくはリペア、雨漏り防止対策も行い再インストール。

三角窓

三角窓等

ドアミラーやその付け根のシルバーパーツ。ドアアウターハンドル、さらにそれらの組付け用のネジ等も塗装、そしてリペアが行われている。今回は運転席側ンお三角窓ガラスのレバーが紛失しており、ストックパーツで新たに組み直して製作を行った。

パオ 内装

内装類

天井やフロアカーペットは灰汁洗いを施し、シートに至っては新車の状態に近い物(デッドストック)していたものを惜しみなく投入。内張り等はすべてリペア塗装を行い、さらにシルバーパーツは塗装、プラスチックの素地の物は、特殊なリペアで表面を整えて仕上げを施した。

吹出し口

吹出し口

クーラーの吹き出し口は、 SWの製作するリペアパーツを使用して交換。アンダートレイはこれまた、当時物のスピードウェルのデッドストックパーツを投入。オーナーのパオ愛に限りなくお応えできるように、力を振り絞る。

パオ テールランプ

テールランプ等

ボディーの建付けを調整し、テールランプはよくある磨き直しのその場しのぎの仕上げでなく、表面を整えて、UVカットのクリア2液塗装を行い質感を上げている。ゴムのスペーサーも梅干しを漬ける勢いで水に漬け置きしっかり汚れを落として再度組み付けるという手間も暇もかかる仕上げを行っている。

パオと記念撮影

パオと記念撮影

S様、この度は長らくレストアの仕上げにお時間頂き、またお喜び頂き有難うございました。思い出の沢山つまったクルマは、こうしてまた大切にお乗り頂けるという事が、どれだけ素敵な事でしょう。今後とも長くご使用頂けます様に精進致しますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。また、沢山お土産も頂き、篤く御礼申し上げます。

『レストアのすすめ』

進化した新しい物は良い。時代は進みとても便利な物である。しかし、長く大切に使用してきた物が、現代の力で蘇る事はもっと良い。レストアされるクルマに対する日々の思い出は美しく、そしてなにより地球に対す環境負荷も少ないと考える。現在お乗りになられてますオーナー様には、新しいクルマを購入する費用もあれば、パオやラシーンをレストアを行えば、費用的にも物質的にも良い物になると心得ております。スピードウェルでは、こうした観点により持続可能な社会に貢献したいと考えております。全国へ引取り、そして納車のすべてを行いますので、お気軽にお申込みください。

今日はコレマデ

本日の名言

善人になるためには、善い行いをするだけだ

byジョン アダムス

富山県砺波市のH様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

パオ
パオ
パオ

銅板本瓦棒葺屋根とパオ

旧中越銀行の本館である。明治42年に建てられた建築物がこうしてひっそり佇まっているわけであるが、建築物で特に目を惹くのは屋根である。今回のは破風の大きな入母屋の妻入り、三方に下屋根をおろし、後方にT字型に入母屋屋根を組わせている。『雀と大工は軒で泣く』という言葉が示す通り、建築物は屋根で決まるのである。今回の屋根は洋風建築を取り入れており、そこまで泣く事はないだろうが。全体的にはしっかり保存されており、パオと記念撮影をしたところ、雨といから下がるたてといの残念な修繕が目についたが贅沢な事は言ってられない。しかし、この建物の壁は元は漆喰であったらしく、出来ることならその姿を留めて欲しかったなどと、さらに贅沢な事は言ってられない。銅板葺の緑青は良い具合に出ており、今回はそれがパオのオリーブグレイのカラーにシンクロした瞬間をとらえたのである。

パオ
パオ
パオ内装
パオ
パオ
パオと記念撮影

鹿児島県日置市のS様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

鹿児島 パオ

薩摩は南国の風

鹿児島県はそもそも鎌倉時代より続く島津家が治めていた地域であり、薩摩と大隅の2領がそうであって、鹿児島という名は古くは桜島の事をそう呼んだらしい。明治の廃藩置県で薩摩藩から鹿児島県という名で改組された。大阪からはフエリーで志布志で上陸し、さらに桜島を回らず垂水港より鹿児島市へとワープする訳であるが、その垂水のフエリーの中で頂けるさつま揚げ(現地では、つけ揚げ)のはいったうどんが有名である。香川県の人に喧嘩を絶対に売ってはいけないし、香川の讃岐うどんはとても美味しいが、うどんの発祥は福岡であって、福岡市の承天寺境内には「饂飩蕎麦発祥之地 」と石碑が立っていたのをおもいだした。大阪ではわが羽曳野のソウルフードであるかすうどんもある。しかし、垂水フエリーのつき揚げうどんは忘れられない味である。

パオ

パオちゃんと記念撮影

この度は、鹿児島県日置市にお住いのS様の元へお届けにあがりましたPAOトラディショナルをご覧頂きたいと思います。オリーブグレイの天井はキャンバストップのオープントップに対してノーマルルーフと呼ばれる鉄板の物。ボディーのレストアも施し、これから長く使用出来る仕上げが行われ納車差し上げました。

パオ

PAOトラディショナル右舷前方姿見

外装はワイパーのカラーと仕様以外はオリジナルを踏襲する仕上げ。ワイパーはシルバーラッカーフィニッシュで製作しており、ワンポイントが効いております。

パオ

PAO内装風景

アンダートレイはシートのパイピングに合わせて張替えが行われ、スイッチ類やドアノブ等と同色仕立て。ウッドハンドルは懐かしい雰囲気がマシマシ。

パオ

ウェル50スタンダードデザイン

シートの張替え、フロアマット新調と、ボディー内部の灰汁洗いにより、新車にはならないが、美しい見栄えも誇る。細かなシルバーパーツなどもリペア完了。

パオ

Pパオと桜島の風景

フロントからテールへと延びるやらわかなストレートなライン。フロントガラス角度からリヤガラス角度へと落ち込みライン。パオはゼロ戦のような美しい佇まいである。いよいよ終戦記念日に近づいておりますが、決して戦争は美談ではありませんが、戦闘機というプロダクトの視点から見ると美しいものであります。あくまでも洗練されたモノつくり、という視点でご覧頂きたく存じます。

という事で、本日は鹿児島県日置市のS様の元へお届け差し上げました、PAOトラディショナルレストアをご覧頂きました。S様、どうぞ長く大切にお乗り頂ければ幸いです。

ココからは番外編

甲冑工房丸武さん

日置市から1時間ほどの場所に甲冑造りで有名な丸武さんがありましたので、帰りに足を運びました。

オオタニさんの兜

丸武さんは、お城の中で甲冑製作をおこなっており、敷地内にミュージアムがあります。こちらのミュージアムは入場無料ということで、沢山の方が訪れておりました。

甲冑産業丸武ミュージアム

真っ先に、大谷さんがホームランを打った後に被る兜の展示がされておりました。安土桃山時代までの古風な佇まい。

どうする家康の甲冑

現在NHKの大河ドラマで使用されています、家康の甲冑も丸武さん。

レジェンド&バタフライの兜

大河ドラマや映画撮影には必ずと言って良いほど丸武さんの現代兜が使用されて撮影されております。もちろん、造りはとても美しく、しかしあくまで美術的、鑑賞の甲冑。

片倉小十郎重綱 (片倉家騎馬団六十騎の兜)

片倉小十郎重綱が大阪夏の陣の前に京都の愛宕山大権現(白雲寺、現在の愛宕神社)に参拝して上弦の月の前立てに愛宕山のお札をこさえて戦いに臨んだという兜。わたしの家の前がちょうどその大阪夏の陣(道明寺、誉田)合戦の地であり、なんともロマンを感じてしまいます。

伝統工芸といわれる手仕事を見て、職人の魂まで感じるのでありました。

と今日はココまで。

本日の名言

仁に過ぐれば弱くなる

義に過ぐれば固くなる

礼に過ぐれば諂となる

智に過ぐれば嘘を吐く

信に過ぐれば損をする

by伊達政宗

五常の思想も伊達政宗の視点からはこうなるということでしょうか。

何事もバランスが必要だと感じる次第でございます。

福岡県福岡市のY様 FIGARO『SWヌーベルバーグ』納車おめでとうございます

フィガロ ヌーベルバーグ

FIGAROの休日

フィガロはパイクカーの中では最後の作品であり、限定2万台を3回の抽選にて販売が行われたのである。今回のフィガロは東京日産が仕入れた車両をスピードウェルでレストアを施し、博多に納車を行った。フィガロは鍍金パーツの傷みは致命的で、修復と交換にも手間隙がかかる。また、エンジンはターボ付であり、電子制御のセンサー類など、細かな調整作業も多い。足回りはショックアブソーバーにブレーキパーツの交換は絶対であり、しっかり組んであげれば新車当時の乗り心地が保証される。ボディーのレストアとリペアは、全て自社で行っているからこそ出来ると言えるのは、とても面倒な作業が多く職人泣かせであるからだ。しっかり整備を施し、ピカピカに仕立てられた内装のフィガロに乗って、街にドライブに出たら、たくさんの熱い視線を浴びる事になるであろう。

フィガロ

フィガロ 右舷前方姿見

この度は、福岡県福岡市のY様へお届けに上がりましたFIGARO『SWヌーベルバーグ』をご覧頂きます。Y様は『コア・ライフプランニング株式会社』の社長様で大阪在住でございますが、福岡の支社の社用車ということで、博多に納車となりました。コア・ライフプランニング(株)は全国規模の総合保険代理店で、一人一人が本当に必要な保険を提案してくれる、他に類を見ない保険会社です。なかなかうまく伝わりませんが、保険の見直しには一度お問い合わせ頂ければ、確実に必要のない物を省いて頂けます。という事で、少し宣伝をさせて頂きましたが、内装に移ります。

フィガロ 内装

夏らしいクールな内装張替え

フィガロの内装の張替えはとても難しく、特にパイピングを真っ直ぐ走らせるのは技が必要。内装の内張りのホワイト部はすべてリペアが行われ、もうねちゃねちゃにはなりません。新車にはなりませんが、そのような雰囲気にまでスピードウェルでは復元が可能。

フィガロ テール

フィガロのテール

なんともふっくらしたテールに丸いランプ。各部のリペアを行い組み直しがおこなわれました。さらに、錆止め等も含め、見えないところにも気配りを致しております。

スピードウェル フィガロ

フィガロ 右舷後方姿見

なかなか、このような美しいフィガロにと、手前味噌ではございます。オープントップの幌も張替え、リヤグラス周りの錆処理も行い、さらに下回りの塗装もしっかり行い、ボディーはコーティング処理。ホイールキャップも純正よりもはるかに上質な塗料で仕上げ、宝物になる一台。

フィガロと記念撮影

この度はY社長殿、フィガロ納車誠におめでとうございました。ポルシェもカッコ良いですが、フィガロも是非とも楽しんで頂ければ幸いです。帰りは色々とご手配頂き、恐悦至極に存じます。それでは、今後とも宜しくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

自分にないものを持っている人と出会うことが

成長につながる