スピードウェルがこだわる塗装の巻

どんもす~。ウェルです。
皆もご存知だろうが、スピードウェルでは自社ですべての作業をこなしている。
なぜ外注や提携先などを作らないかと申せば、その熱い思いが
全てに伝わるコトがなく、思い描くモノが出来上がらないからだ。
なので、整備士、塗装職人、内装職人、とそれぞれが分担作業により
自動車の製作作業が進められてゆくのであった。
そして本日はこだわりの塗装をご覧頂く。

東京都は練馬区のM様がオーナーとなるPAO
すでに内外装のほとんどが分解されている状態。
塗装は以前の塗膜の悪い所をそぎ落とし、さらに前面に
サンドペーパー掛けを行い、ワックス分などを取り除き
丹念に行われるのである。

フロントヘッドライト部はこんな造形。
PAOは前面がフレックスパネルという新素材で出来ており、
複雑な造形をも可能としている。
ただ、古場田氏によると、新素材であったため、一般的な
量販車には使われなかった、ようだ。

エンジンルームは塗装はされないが、
ワイパーカウル裏の見えないところまで塗装が施される。
それでは、本邦初公開となるかPAOのボディーが
ドンがらになった姿を詳しくご覧頂こう。

メーターパネル(インストルメントパネル)が取外された。
中央部にはエアコンの空調ファンが、左側には
クーラーのエバポレーター(熱交換器)が隙間せましと
並んでいる。それ以外には何もない。

ドア内パネル。
この裏側にはガラスを昇降させるレギュレーターなる
パンタグラフのような装置があるのみ。

リヤクォーターパネル。
インナーパネルとガイハンパネルが良く見て取れる。
モノコックボディーとはこうした複合した組み合わせで
強度を保たせているのである。

後ろ側から。
ウェルは18歳に整備専門学校で勉強をはじめ、そのとき
クルマが厚さ0,8前後の鉄板をつなぎ合わせて出来ている
と言う事を知った。
それまでは、鉄の塊だと思っていたことにより非常にショッキングでは
あったが、まあ考えてみれば、鉄の塊だと重くてだめだわ。

オリーブグレイからアイボリーへとカラーリング。
お色直しは良くあるケースだが、
今回の車両はそれだけではなかった。

おやおや、フロント部やドア部の塗装は?
と、そう今回の塗装はこれまたスピードウェルの
レーシングカーのイメージカラーを
M様のオリジナルPAOカラーに。

ボディー下部はスピードウェルブルーがおごられた。
往年の京阪電車のような、ぺぷしのような、
ノスタルジックテイスト満載なカラーリングである。

後方へ伸びるカラーリングの様。
お尻部分のカラーリングはPAOお初となるか!!

ウェルがこだわる切り替えし。
この切り替えしはなんともウェル的にお茶碗3杯は
ごはんが食べれる、とでも申そうか。
ああ~だれにもマネはされたくないなぁ。

テールは全てアイボリーである。
と言う事で、この車両は来週水曜日に出来上がるゆえ、
仕上がりを楽しみにして頂きたい。
と言う事で、本日はスピードウェルがこだわる塗装を
ご覧頂いた。さらに塗装だけでなく、
もちろん塗料は日産が当時PAOで使用していた
大日本塗料を採用し、PAO感を材料から追求している。
コダワリは切がないから楽しいものだ。
今日はコレまで~。
本日の名言
求めていなければ、授からない
by勅使河原蒼風(てしがはらそうふう)
そう、願望でなく欲求が必要であります。

スピードウェルがこだわる塗装の巻” への5件のコメント

  1. 想像通り、いや想像を超える仕上がりですね!
    まだばらけてますが、できあがりを想像するだけでワクワクです。納車まで指折り数えてお待ちしております。

  2. そうきましたか!
    この塗りわけはカワイイなぁ…PAOのイメージがガラッと変わるかも!?
    RASHEENバージョンも見たい…

  3. 樹脂外板として用いた素材は「フレックスパネル」という名称でございます。
    Be-1において世界で初めて用いられたもの。
    フレックスパネルの材料組成は、耐衝撃性の高い変性PPO(ポリフェニレンオキサイド)と
    耐熱性の高いPA(ポリアミド、通称ナイロン)などから成り、
    両者の優れた特性をあわせ持つ熱可塑性樹脂です。
    ①形状自由度が高く、射出成形により成形されるため、
    ヘッドランプ周りなど鋼板では成形が困難な部位も成形できます。
    ②塗装品質が良く、耐熱性に優れ、
    鋼板と同時に140~160度で焼き付け塗装ができるため、
    経時変化による退色の差もなく、
    長期間にわたる高品質な塗膜の維持や
    鋼板と同等の塗装の鮮映さを確保できます。
    当時H社のCR●●なる車も一部に樹脂外板を使っていましたが、
    フレックスパネルのような性能ではなかったため、
    あっという間に劣化し悲惨な色になっていました・・。
    ③耐衝撃性に優れます。
    従来の塗料はパネル変形時の伸びに追従できず亀裂を生じましたが、
    フレックスパネル用の特殊なプライマを採用したため、
    軽微な衝突ならば容易に復元するものでした。
    Be-1でフロントフェンダーに直角方向から
    衝突された経験がありますが、
    瞬時に復元し、ほとんど傷もつきませんでした。

  4. 練馬のMさま
    想像を超える仕上がりとは有り難きお言葉。出来上がりが本当に楽しみですね。
    大阪のKさま
    こうきました。この塗りわけはPAO初ではなかろうかと思います。KさまのクルマもこのMさまのクルマもだれにも真似してもらいたくない逸品であります。

  5. kobatadsさま
    大変お世話になります。リフレックスパネルもとい、『フレックスパネル』でした。
    誤字訂正有難う御座います。
    しかし、フレックスパネルにふいた塗膜はほとんど劣化がみられません。凄い素材です。PAOのミラーやライセンスランプなどはかなりくすんでおりますが、これほど地の素材により塗膜の状態が変るとは。
    今回のご説明はまたBe-1やPAOのページで転載させてください。

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