蝶番/Hinge
PAOのプロダクトデザインでまず目を惹くモノは、このむき出した蝶番(ちょうつがい)である。
クルマの歴史を辿ると、旧くは自動車製作上の理由により蝶番は外に出ていた訳であるが
そのボディーから外に出た蝶番(アウターヒンジ)は産業技術の発展と流行と共に
一部のクルマを除き1960年頃より姿を消してゆくコトとなった。
そういう時代の流れに逆らい、PAOはいきなりボディーから外に出た蝶番を採用してきたのだから
これには市井の人は大変驚いたわけだ。
そしてあたしもPAOの蝶番はとても素晴らしいプロダクトデザインだなと崇敬する一人である。
PAOチーフデザイナーの古場田良郎氏から学ばせて頂いた時のお言葉を拝借するならば、
PAOは走ることなど考えていないのだから、空力なんてものは必要はない。
そして大冒険を彷彿とさせるクルマであるのだから、ジープとか軍用車とか
そのようなゴツゴツしたプロダクト感が必要である。ただし本気ではない。
※本気ではない、というのはジープや軍用車のような使い方はしないという意。
だからPAOの蝶番にはその機能性だけでなくデザインを施したと云うのである。
しかも安易なプレス製のプロダクトではなく、手の込んだ鋳物や鈑金物の鉄製で
蝶番を仕上げているのであるから、プロダクトを含めたデザインの価値観は絶対的であり
これこそが、PAOの匂い立つ魅力の一つであると言える。
蝶番が割れた。
本日は、その蝶番が油切れにより根本が割れてしまう、その修理のお話である。
PAOに限らず蝶番は油を定期的に注入するのは、メンテナンスの一部であり、
ギシギシ言い出したら、もしくは動作が鈍くなれば油を注さないと割れる破目になる。
そしてこれは、PAOを大切にするオーナーの努めである。
バックドア上の蝶番も割れた。
こうなれば、もう交換しかないわけであるが、これがなんと日産部品は
今でも在庫をしているのだからとてもありがたい。
部品番号 90400-35B00 左右対称
この部品の製造年月を見ると、2009年となっておりまだまだ在庫はあるようだ。
しかし、こういう部品はこれからの時代に必要になる訳である。
部品は色付き、裏ゴム在り。
部品番号 90410-35B00 左右対称
この部品の製造年月は2006年となっている。
ココでおどろくのは、一般的なクルマの蝶番を注文したら、生の鉄で来るわけであるが
これにはユニクロ鍍金が施されているではないか。
PAOはこのように、部品の見えない所にもこだわりが隠されているのであった。
部品は無塗装であるから、使用するにはボディー色にペイントが必要である。
ということで、本日はその蝶番の部品をご覧頂いた。
皆も明日に蝶番の油を注ぐ事をここでお願い致し申し候。
今日はコレマデ。
本日の名言
冬が来れば春はま近い。桜は静かにその春を待つ。
by松下幸之助
誠に奥の深い名言ではございます。
厳しさの中に、なにか温かさをかんじますなぁ。