日産PAO 文化財保護級修復を探求するの巻パート2!

どんもす~。ウェルです。
さて、本日は前回板金をご覧頂いた、
PAOの修復の続きをご説明致そう。
まず、文化財保護級と題して、どんな深い意味があるのか
振り返ってみよう。
PAOは製造からおおむね20年を経過。
その過程で複数オーナーの手に渡りながら、今もなほ現役で
クルマとして、そして相棒として、はたまた宝モノとして
愛され続けられている。
長きにわたり愛され続けられているからには、
色々と今までに手入れ(修復)も施されており、
ピカピカに手入れされたクルマもあれば、
趣のあるやれ具合を楽しめる感覚で手入れがなされていないクルマもある。
皆それぞれの思いはあるが、ピカピカに越したことは無いだろう。
そこで、大きく補修方法(手入れ)の考え方を割ってみた。
クルマの外装の補修(手入れ)の方法にも色々とあるのだが、
たとえば、全てをピカピカにし、新車のような美しいボディーに
仕立て上げる方法。
これは、やはり皆が求める答えでもあるだろう。
スピードウェル社的にも納車させて頂いているPAOには
この感覚で仕上げが施されている。
そして、今回の修復は文化財保護的な考え方。
これはどういった考え方かもうせば、
常にフルオリジナル(製作当時の状態)を保つべく、
補修する際は、なるべくメスを入れる箇所を限定し
当時の感覚を大切にする方法と言えよう。
その製作当時の状態を保つといった観点から
文化財保護級といった言葉が生まれてくる訳だが、
ウェル的にはエンスー『熱狂的』な考え方ではあり、
一個人としてこだわりでもある。
本当に一般的であれば、訳の解からない考え方でもあるゆえ
まあそんな考えもあるものだなぁ~と思って頂くだけで良いだろう。
板金が終わった!
遂に納得の行く板金が終わった。
今回は右クォーター部から、サイドステップを
当時の塗料メーカーの塗料まで選定し、復元が進められるという。
極力ポリパテは少なくし、鉄板を前に出すよう努力したのだが
PAOの複雑なお尻の曲面を綺麗に出すには、本当に悩まされた。
が、しかしココで妥協をすることなく、板金だけで3日を費やす。
常に、技術の向上を目指しているゆえ、
日々が勉強であり有り難き幸せでもある。
板金が終わった!
お尻はかなり、元のふっくらした状態へと復元がなされた。
それには、ウェル特製の当て版『左右のふくらみを合わせる板』で
寸法を出すという、原始的な方法が活用されている。
そして、歪を抜く指先は1/1000mmの単位が求められ、
匠の技が必要となってくるのだ。
板金が終わった!
PAOには重要な場所、ボディーの切りカキだ。
下手な板金職人が修復したPAOちゃんにはこの切りカキが
なくなっているものすら存在する。
この切りカキはボディーのパネル同士の継ぎ目なのだが、
意図して埋める以外には、埋めないでほしい部分。
こういう細かなところから、PAOの良さがにじみ出てくるのだと
確信している。『ウェル的PAOの楽しみ方』
マスキングをする
遂にマスキングが始まった。
塗装を施す部分以外には塗料が付着しないように、
きっちりカバー『マスキング』がほどこされるのだ。
その後、サフェーサーを一吹きし、表面処理を施し、
塗装が行われる。
そして、今回また文化財保護級のといえる塗料を用意した。
それは、当時日産で使われた塗料メーカーの塗料である。
どうだろう、いくら専門店と名乗るお店でも、
自社で塗装しない限りココまでは出来ますまい。
スピードウェル社はこだわりたいから自社で塗装しているのでもある。
遂に塗りあがった
遂に塗りあがった。
フッ素樹脂は最高
お尻のカタチが最高だ。
ある種のフェチズムかもしれないが、ウェルはこのお尻に
恋をしている。
おおっと、おバカなコトばかり申していたが、
ココで、一つ忘れてはいけない細工が存在する。
それはお尻の下部のアンダーコートだ。
PAOの下回り付近のボディーにはアンダーコートと申す
チッピングコート(ゴツゴツした風合いの塗装)が施されている。
(石跳ねでボディーがキズ着くコトを和らげるコート剤のコト)
お尻のアップ
PAOのお尻のアップだ。
間違いなく復元された。
と言う事で、PAOの板金塗装にも熟練のクラフツマンが
コダワリを持ち製作している。
スピードウェル社は、今後も新しい工法を探求し
永年乗り続けれる様努力致し候。
今日はコレまで~。
本日の名言
手に負えないことをやる。 
by井上雄彦
そうですなぁ~。そういうチャレンジスピリットが人間必要でもあります。
また、手に負えない事をやる事が値打ちでもありましょう。