どんもす~。ウェルですぅ~。
さて、本日は、FIGAROのエンジンの新しい物(ベアエンジン)に交換する。
というお話だが、なんとこのFIGAROのオーナーは可愛らしい女性。
一般的な中古車屋さんでクルマを買って2週間目でエンジンが潰れてしまったらしく、
本当にショッキングな出来事に遭遇されたのであるが、
今回はベアエンジンを搭載すると言う事でテンションを上げて頂きたいと思う。
FIGAROはMA10Sという初代マーチ(k10)から搭載されたエンジン
(Be-1、PAOも共用)のさらにパワーアップが図られた
MA10ET『ターボ付き』エンジンなのである。
FIGAROがリフトアップされている訳だが、すでにエンジンは
ボディーから下ろされた。
エンジンルームはもぬけの殻である。
Be-1、PAO、FIGAROともに初代マーチベースで製作されているわけだが、
FIGAROはエンジンの載る位置が少し違うようだ。
今回の車両の不具合箇所はそれだけではなかった。
パワーステアリングのラックからのオイル漏れ。
さらにディストリビューターのオイル漏れ。
ついでにタービンからも油が吹上げるという、なんとも痛い症状を
抱えており、全てにスピードウェルのメスが入るコトとなる。
と言う事で、本邦初公開。
FIGAROのベアエンジンの登場だ。
これが日産から今もなほ供給されるエンジン単体である。
なぜ、エンジンをオーバーホールせず、ベアエンジンを載せるのか?
そこには深い訳があった。
まずオーバーホールではすでにメーカーから出ないパーツがあるゆえ、
完全にオーバーホールが出来ないという大きな理由がある。
それはBe-1、PAOでも同じ事。
特に、オーバーサイズのピストンが出ないというのが一番手痛い。
本当にオーバーホールするなら、シリンダーをボーリングし、
サイズの合ったピストンを組み込む。
それが出来て初めてオーバーホールが完了したと言いたいところだ。
さらに、さらにオーバーホールするよりも安価になる可能性まで
秘めているのがこのベアエンジン。
そう、もうお解りだろう。
これは完全なエンジンなのである。
初代マーチにはターボが存在し(マーチターボと呼ぶ)
このマーチターボの後期型エンジン(2型)とFIGAROのエンジンは同じ。
燃料供給装置が初代マーチの電子制御キャブレター (ECC) に対して
エンジン集中制御システム(ECCSエックス)という
マイコン制御によりインジェクターから噴射される。
さらに新開発の小型ターボチャージャーが取り付けられ、
それにより圧縮比はMA10Sエンジン9.5に対して8.0と
ローコンプ化が図られている。
MA10Sエンジン(K10マーチ、Be-1、PAO)の出力57ps(グロス値)に対し
MA10ETエンジン(FIGARO)の最高出力は85ps、
最大トルクで12.0kgm(グロス値)を実現しているのである。
エンジンの詳しい諸元は下記の通りだ。
タイプ : 水冷直列4気筒SOHC 8バルブ
総排気量: 987cc
ボアxストローク : 68.0(mm)x68.0(mm)
圧縮比 : 8.0
最高出力(グロス値) : 85ps/6000rpm
最高出力(ネット値) : 76ps/6000rpm
最大トルク(グロス値) : 12.0kgm/4400rpm
最大トルク(ネット値) : 10.8kgm/4400rpm
といったところだ。
それではさらに本邦初公開。
いろんな角度からこのMA10ETエンジンをご覧頂こう。
リヤ側だ。
エンジンルームに対し横置きだから横側だと言いたいところだが、
昔の名残(縦置き)ではリヤ側になるゆえ、そう呼ぶ。
インテーク側だ。
フロント側だ。
と、エンジンは縦置き時代の俗称で今もなほ呼ばれている。
エグゾースト側のポートをご覧頂こう。
ご覧の通り、新品だ。
このベアエンジン、一般的な(豊田、本田)などであれば、
中古を再生し、内容物を全て新品に組み替え製作されるわけだが、
このMA10ETエンジンはどう見ても新品。
まさに完全なエンジンといった所以(ゆえん)である。
そう、ただ単にベアエンジンを組付けるコトは整備士であれば
誰だって出来るだろう。
それより、見えない場所や細かな部分を清掃し、
磨きながら愛情をもって組みつけてゆく。
それが本当の意味で専門店であると確信している。
遂にATミッションとドッキングがなされた。
と言う事で、さらにココでFIGAROのターボ(過給器)をご覧頂こう。
これがターボの全容だ。
側面から。
ターボ(タービンという)が着いていると馬力がなぜあがるのか?
簡単に原理をお教え致そう。
エンジンで燃焼し排気管から廃棄された排気ガスのエネルギー
(運動エネルギー・圧力)を利用しタービンを高速回転させ、
その回転力で遠心式圧縮機を駆動することにより
圧縮した空気をエンジン内に送り込む。
これにより、内燃機関本来の吸気量を超える
混合気(空気とガソリンの混ざったガス)を吸入・燃焼させることで、
見かけの排気量を超える出力を得る仕組みである。
簡単に言えば大排気量のエンジンのような感じになるといったところだ。
今回このタービンがブローし交換(リビルド品)するコトとなった
訳だが、なぜブローするかと申せば、
タービンは毎分10万回転から20万回転するゆえ、
軸受けには非常にストレスが溜まりやすい。
特に軸受けはフローティング(油に浮いている)状態であり、
エンジンオイルの管理を怠ると、軸受けは真っ先にやられてしまうのだ。
そう、FIGAROに乗られている方は、オイルの管理には注意が必要だ。
と言う事で、今回はFIGAROのベアエンジンの載せ替えと
ターボのお勉強をして頂いた。
そこで、ビックリ朗報である。
新春から、なんとスピードウェル社ではパイクカーをさらに
延命するべく、Be-1、PAO、FIGAROと、RASHEEN。
4車種を大々的に応援するコトとなった。
詳しくは、大晦日に何かが起こる。
乞うご期待あれ。
本日の名言
心が変われば行動が変わる
by松井秀喜
さすが大リーガー松井選手。
良い心とは皆を幸せにも致しますなぁ。
愚痴を言っている方は、そのスパイラルから逃れられなくなりますぞ。