金沢八景
かの初代、内閣総理大臣伊藤ハクブンも、その美しさに別邸を設けた地、それが横浜にある金沢である。石川県にも金沢とあるが、どちらも昔は山間で金が採取出来た地名であろうと推測する。実に横浜の金沢八景は明治、大正まではとても風光明媚な所であったらしく、伊藤博文や名だたる著名人が別荘地としていたところである。現在は残念ながら市街化が進み、八景は過去のものとして言い伝えだけが残っている訳である。果たして、日本人の大多数はエゲレスより始まった産業革命以降、日本では文明開化という大号令の元、便利や合理性だけを追求して、自然からはじまるあらゆる美しさを無視しして生きてはいないだろうか。なつかしい街並みはあったとしても美しい街並みは無く、現在は乱雑な社会環境に生きるしか方法は無いと言っても過言ではない。とそんな勢いで云うわたしも、真の美しい国、という概念がいまだに定まっていないのが現実ではある。しかし、古場田良郎氏がチーフとなりデザインされた日産のパイクカーシリーズはどれも美しい造形で趣もあって、日本中を街並みを美しく魅せていると思う。そのような素敵なクルマを長く保つように努める事は、私の一つの誇りである。
パオ全集中整備車両
この度は、神奈川県横浜市よりPAOをレストア整備ということで、お持ち込み頂きましたN様のパオをご覧頂きたいと思います。
パオのエンジンルーム
全集中してメンテナンスを行ったエンジンルーム。エンジンはタイミングベルトから、ウォーターポンプ、カムシール、フロントリヤのクランクシール、オイルパンパッキンのすべてを交換しオイル漏れを撲滅。さらにミッションはフルオーバーホールを行い、油脂類はすべてがアップグレードの新品を装填。クーラーの装置も◎。足回りはロアーアームブッシュの交換、ステアリングラックの調整。ブレーキはマスター、Rホイールシリンダ―等新品に。冷却系統はコア120%増しのオリジナルラジエーターにヒーターコア。サーモスタット、ホースも交換。排気系はマフラーは前後ともウェルリプレイスメントマフラーを使用してステンレス化。
ウェルリプレイスメントマフラー
5ZIGENと共同開発を行い、パオデザイナー古場田良郎氏に教わった視錯覚の概念も取り入れて純正代替品として製作された、ウェルリプレイスメントマフラー。アイドリングでは純正同等の音量であり、回転をあげるほど小気味良い、大人らしいサウンドを実現。出口形状はカールとし、消音器はステンのバンドで吊り下げるという純正の形を踏襲。それにより、美しい見栄えと、高耐久を実現。
灰汁洗いとアンダートレイの張替え
サービスで内装の灰汁洗いとドアインナ―ハンドル、レギュレーターハンドル等のシルバパーツのリペアを施し、サイドデフロスターグリルもSW製リペアパーツに交換。フロアカーペット&マットも手入れと新調を行い、美しい佇まいに。
外装のレストアは
行わなくて良いという事でお話をお聞かせ頂いておりましたが、各部の磨き直しとバンパーやグリル等の化粧直しはおまけで行わせて頂きました。まずは、しっかり走り、長くに使用が出来るように、さらに見栄えもするようにと、ご予算とにらめっこしつつもバランス良く製作させて頂きました。
N様、それでは、美しい金沢八景を素敵なパオでお走りになられる姿、長く拝見させて頂けば幸いです。また、素敵なお土産まで頂き恐悦至極に存じます。
今日はコレマデ。
本日の名言
現在の日本は地平線から出たばかりの太陽である。
暁の雲から出たばかりの太陽は光が弱く、色も薄い。
だが、その太陽はやがて中天までくると、全天に輝きわたる。
これと同じように、日本もまもなく世界に雄飛し、
日の丸の旗は尊敬の念を持って
世界の人々から見られるようになるだろう。
by伊藤博文