大阪府堺市のM様 PAOトラディショナルレストア納車おめでとうございます

パオ内装

匂い立つ

目下、匂い立つ、何か。それを上手く表現できれば、そんなに遠回りしなくて良い訳である。感性を含めた表現であるため、響く人には響き、響かない人にはどうでも良いことでもある。民藝の巨匠、河井寛次郎は、不合理の合理を説いている。この感覚などは、わたしが思うものに近いものがあるかもしれないが、手づくりにあって、工業製品にはない、でもなく。パイクカーやラシーンに興味を持たれている方なら、少なからず、この何処からか匂い立つ、何かを感じとって、美しいだとか、可愛いだとか、カッコよい、という表現で翻訳されている訳であって、実に最新式のエコカーには感じる事の出来ない、それなのである。それが匂い立つ何かの正体なのである。この正体をいとも簡単に言語化もしくは表現出来れば、わたしはその苦から解放され、三宝に帰依し西方の極楽浄土に向かう事が出来るであろう。しかし、これこそは、わたし自身の永遠の課題であると感じている。

パオ

PAOトラディショナル レストレーション

この度は、大阪府堺市にお住いのM様へ納車されました、PAOトラディショナル、レストレーションをご覧頂きます。今回は、フロントガラスや、ガラスモール、三角窓枠モール等、可能な限りにゴムモールも交換し、ボディーは、トップコートを丁寧に剥離した後、サフェーサーでこれまた丁寧に仕上げ、上質な塗料で塗り上げました。

パオ

外板の歪も取り美しい仕上がりに

リヤクォーターからフロントドアにかけて、表面をご覧頂きたい。丁寧な下地処理のおかげで、澄んだ塗装仕上げが施されている。ホイールも同工程で美しい仕上がりに。

パオシート張替え

SPEED LEATHER モケットシート

パオのコンセプトからは外れる訳であるが、 往年の佇まい、と呼ぶべきマテリアルである。 大人の遊びを楽しむ。

パオ モケット

モケットグレイ

新しいとか、古いとかにこだわらず、このテイストを楽しみたいという方達に絶大な人気を誇るモケットシートの張替え。緑やアイボリーに加え、グレイもとてもCOOLである。

パオ

フォグランプ シビエビサージュ

長年の使用によりボディーの少しの歪を考慮して、組み立てられたフロントフェースはぴっちり美しく纏まっている。これからも長くにお乗り頂きたいという気持ちを一心に製作を続けて行きたい。

M様、この度は長らく製作にお時間を頂き、誠に有難うございました。また、納車時は本当にお喜び頂けまして、恐悦至極に存じます。

今日はコレマデ。

本日の名言

売るという事が始まってからの物の乱れ、
わかりもしない人の好みを相手に作る事からの物の乱れ、
先ず自分の為に作らねばならない、自分を喜ばす物から作らねばならない、
それからだ、
それからだ 。

by河井寛次郎

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