46万キロ走破したラシーン
そう、10年10万キロと謳われて、乗り換えをするのは少し馬鹿げた話である。まだまだ使える物であっても、買い替えたいという気持ちも解らなくはない。という前置きは必要であるが、しかし気に入った物を修理を行いながら、長く使用するというのは美徳である。今回のラシーンは実に46万キロ以上を走りぬいた兵。各部の修理も都度おこなわれているが、遂に日産でも修理が不可能という個所も、修理を可能とするべく、今回は、プロペラシャフトという、後輪に動力を伝えるシャフトのオーバーホールをご覧頂きたい。
ラシーンのプロペラシャフト
中央の黒い棒がプロペラシャフトと言われる物である。ミッションから後輪へつながる、デファレンシャルに動力を伝えているのである。走行中はスピードに応じてクルクル回転しているのであるが、3か所に不等速ジョイントという稼働部があり、その中にあるベアリングの不良によりガタがでてしまい、ラシーンでは特に40㎞以下のスピードでフロア下部よりカチカチと音がするようになるのである。ほっておくと最終的に不等速ジョイント部で千切れてシャフトが脱落し、走行中に地面に刺さってえらい事にもなりかねない。そうならないようにスタビライザーが左右に張って、完全に脱落する事は滅多とないであろうが、そこまで壊れてしまってからでは修理は出来ない。
不等速ジョイント部
ジョイントの十手を取出し、新たに装着するベアリングには一部にグリスアップ用のニップルを新設し、以降車検時にグリスアップすることによって、高寿命化を実現。純正以上の仕上げである。
加工痕が見れる。
なんと、純正は修理が不可能な仕上げをおこなっており、それをわざわざ粉砕してから、総替えを行うという手間隙のかかるリペアである。また、修理後はバランス取りも行い、しっかり調整をおこなっている。
センターベアリングも交換。
ドライブシャフは2か所でボディーに宙づりされており、そこには空気ばねの入ったベアリングによってボディーにマウントされている。
ということで、車検で不適合となるラシーンも昨今多くなってきたという事で、修理の際は、一度お声かけください。
今日はコレマデ。
本日の名言
今の時間を大事にできない人は
未来の時間もきっと大事にはできない。
by平尾誠二