シルクロードにPAO
愛媛の松山から今治に抜ける道中に、石手寺という遍路の
寺があった。そこをPAOで通りぬけた訳であるが、巨石に
よる仏塔がわたしを出迎え、まさに現代のシルクロード
(絹の道)の様である。このシルクロードにPAOをそっと
留め置けば、カールヴァーン達が原野に※PAOを広げて明
日の夜明けを待っていると言わんばかりだ。と、かなりの
妄想である。して特に気に入ったのは石灰岩を型で作った
仏像で、それは日本では見慣れないからだ。良く見るとこ
の仏像の髪型は螺髪(らほつ)という、いわゆるパーマ状
であり、シルクロードでは比較的新しい仏像の形である。
これがなぜ新しい仏像の形であったかと言うと、そもそも
ギリシヤのアレクサンドロスの東征から流入したギリシア
彫刻より、仏教の仏像製作が盛んになったと言って良いほ
どで、その時代から紀元2世紀前後の仏像は螺髪ではなく
、ギリシア人の髪型のウェーブ状であったのである。わた
しはひょんなところからハッダ遺跡の仏頭を手にしている
が、これも初期のウェーブ状の髪型である。これが、ガン
ダーラに入り、さらにマトゥラーで現地の位に高い人の髪
型と融合して螺髪となった訳である。今日の授業はこれま
で。
※PAOという名はモンゴルの遊牧民が使用している移動式
住居(ゲル)を中国語読み(包)を指しているというのは
知る人ぞ知る。
PAOと記念撮影
この度は、愛媛県今治市にお住いのH様の元へお届けにあが
りましたPAOトラディショナルをご覧頂きたい。アクアグレ
イの車体でMTと言う、すでに珍しい個体である。
フロントフェース
バンパーやグリルは純正カラーを踏襲しており、ザ、パオ
である。グリル中央のバッジのPAO文字の左右にはゲルが
描かれているのはPAOの七不思議の一つであった。
PAOの内装風景
ハンドルコラムやセンターコンソールにはアイボリーのセ
ミグロスで塗装が行われ、ベージュのモケットの優しさに
マッチしている。
テールランプのリペア
一般的なPAOはテールランプは樹脂製であるがため、経年
の劣化により艶も失われ、決して綺麗な状態ではないが、
ご覧の通りリペアを施し美しい状態に。
PAOと今治の様子
この度はH様、PAOトラディショナル納車、誠におめでとう
ございました。造船の街、タオルの街、今治に元気よく走
っているPAOの姿は、皆さんに美と勇気を与えることだと、
思います。長くお乗り頂ければ幸いです。
今日はコレマデ。
本日の名言
日本文化は決して東海の孤島に孤立したものではなく、
ユーラシアに吹きわたる風の中に呼吸し続けたものだった、
とわれわれは言いたいのだ。
by栗本慎一郎
栗本氏はパオイストのための冒険シミュレーションの中で、
PAOの事をメトロノーマッド、都会の遊牧民と讃えていた。