大阪府羽曳野市のO様 FIGARO納車おめでとうございます

楽吉左衛門氏の邸宅

楽家十三代 弘入作 黒楽茶碗

楽歴代

楽歴代

わびやさび、日本の究極の様式美を完成させた千利休。

四百年前、秀吉が京都の聚楽第を築かせる際に、掘った土で聚楽第の瓦を

焼いていた長次郎に、利休は究極の茶碗を焼いてもらったのが、楽茶碗の始まりである。

楽茶碗とは、聚楽第の楽という字を秀吉から頂戴したものであって

長次郎から数えて現在の当主は十五代目の楽吉左衛門氏。

現在でも千家十職の内であり、利休の美意識を受け継ぎながら

新しい時代にも挑戦を続ける姿にはただただ脱帽である。

今回は、楽十三代の弘入氏が焼いた黒楽茶碗の極めを十五代に依頼し、

見事江戸から明治の内に焼かれた弘入作の黒楽茶碗である事が判明した。

箱書には表千家十一代、碌々斎氏が銘を入れており、その名は幾千代である。

黒い茶碗の中に星空のような細かく輝く点が無数にあり、縁にグリーン

がかった銀河系団のような輝きがあって、まさにお椀の中に宇宙が形成されている。

茶の湯では、主菓子を食べて、茶を頂いて、それから茶碗を拝見する

という順番が存在するが、茶碗を見てやはり一つでも何かを感じれる

大人になれれば、本当に素敵だなと思う。

フィガロ 前方正面姿見

フィガロ(フルオリジナル) 前方正面姿見

この度は、大阪府羽曳野市にお住いのO様の元へお届けにあがられた

フィガロ(フルオリジナル)をご覧頂く事に致そう。

長らくお待ち頂き、製作を行わせて頂いたラピスグレイ色のフィガロ。

O氏の考えの元、フルオリジナルで製作をするという事で、

各部分を手間暇かけてオリジナルの状態を保つためのリペアを施した。

ハンドル周辺のリペア

ハンドル廻りのリペア

以前のオーナーの汚れなどを細かなところまでクリーニングを

施し、クリーニングで失われた油分を今度は補充するという作業の繰り返し

によって、べたつきもなく美しい状態に蘇る。

フィガロのシートリペア

フィガロのシートリペア

本革であるがために、合革よりも割れや褪色が酷い。

特に、高級車のように密閉性や耐候性がある訳ではないので、

より経年の劣化が激しくなるところ。今回も、シートは新車時のような

美しさを目指して、丹念にホワイトに染められた。

フィガロ ホイールキャップ

純正ホイールキャップのラッカーフィニッシュ

ホワイトのラッカーフィニッシュを施し、足元から甦らせる。

フィガロ 左舷後方姿見

フィガロ 左舷後方姿見

閑静な住宅街にフィガロが鎮座するさまは、非常にお洒落である。

フィガロと記念撮影

フィガロと記念撮影

この度はO様、フィガロ納車誠におめでとうございました。

左ドアの鍵の不良も直り、これから気持ち良い季節になりますので

オープンでお楽しみ頂ければ幸いです。

今日はコレマデ。

本日の名言

稽古とは、一よりならい十を知り、

十よりかえる、もとのその一

by千利休

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