Post date / 2012年12月6日

兵庫県尼崎市のS様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

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異形/いぎょう

兵庫県は伊丹にあるトラクターで有名なクボタの工場近くを走行していると

奇妙な建屋に遭遇した。

それは外側から拝するに洗濯物が干されていたのだから住居として使われていると

伺えるわけだが、幅が2Mほどで横に細長く2階の階段が中途半端な踊り場から

垂れ下がっている。

その踊り場が写真のPAOの後ろ側の屋根付きガラス無しの部分である。

これは住居としてはかなりの異形であり、屋根付きガラス無しは

ある意味非日常を味わえるスタイルであると推測される。

しかし考えてみれば戦後間もなくは、こういう遊園地のような家は少なからず存在した訳で

此れに勝らず、あたしの友人宅がそのような感じだったから、屋根瓦伝いに隣の民家に、

また隣の民家の屋根伝えに乗り越えて遊んだといふ記憶はあった。

そしてPAOもまた、ある種異形と言ってよいほどずば抜けた芸術的センスで

造り込まれたクルマであり、数あるクルマの中でも異形といえば、とても褒め言葉になる。

そもそも1987年の東京モーターショー時にPAOがR32スカイラインと

同じ日産ブースで肩を並べて展示されていたところで

当時の正当なクルマ好きから見れば(なんだこのへんてこなクルマ)

と解釈され、鋭くハイセンスな市井の人からすれば

(こんなに美しく芸術的なデザインのクルマが出るの)と歓迎されたのである。

そしてこのPAOは形だけでなく、販売方法も異形で3ヶ月間の期間限定。

さらにその少ない期間に51700台を販売するという

偉業を成し遂げたクルマであり、今もなほ沢山のフアンがおられるのだから

『いぎょうは今も続いている』とそう言える。

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PAOトラディショナル 前方正面姿見

本日は、兵庫県尼崎市にお住いのS様の元へお届けに上がられた

PAOトラディショナルをご覧頂く事に致そう。

今回のPAOトラディショナルではあるが、アイボリーのノーマルルーフという

現在ではたいそう珍しくなったモデルである。

走行距離は9万キロ台と、24年で換算すると年間3800kmしか

走行していないのだから、本当にお買いものくらいで使用されていた車両だ。

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PAOフロントフェース ラッカーフィニッシュ

今回もバンパー、グリルには純正にならいラッカーフィニッシュが行われた。

グリルはシルバーと呼ぶよりかは少しガンメタリックに近いと

そう伝えるほうが正しいだろう。

まあどちらも広義ではシルバーなのであるから問題はないのだが

偶にどちらも同じシルバーが純正であると勘違いされても困るから

ご説明させて頂いた。

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謹製ウェル帆布 60デラックスレザー

座面には縫い目は無く、つらつらと織り込まれたのがそのデラックスの特徴である。

一般的なスタンダードレザーとの違いはもう一つは座り心地であろうか。

より多くの材料が使用されている事により、ふかっと優しく感じる。

そして今回はシートの張替えに加え、ダッシュ上下、さらには

フロアーカーペットまでオーナーの思ひのカラーで新調したのだから

これぞまさしくデラックスである。

※シートヘッドレストは装着しないと車検には適合しません。

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PAOトラディショナル 右舷後方姿見

丹念にボディーワークも施され、美しく仕上げられたPAO。

テールランプのレンズのブリリアントフィニッシュや、

リヤエプロンのビスもすべてがステンレス製に交換し

最後にウェルリプレイスメントマフラーが装着されリヤビューが飾られた。

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PAOちゃんとS様をガシャw。

この度はS様、PAOトラディショナル納車、誠におめでとうございます。

大変長らくお待たせいたしましたが、とても美しいPAOが出来上がりました。

これからも末永く大切にお乗り頂ければ幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

今日はコレマデ。

本日の名言

いつかは頂上に着く。

by黒澤明

そうでございます。目指せば必ずたどり着くことでしょう。

あきらめなければ良い訳です。

Post date / 2012年12月1日

岡山県倉敷市のO様 PAOフルオリジナル(純正)納車おめでとうございます

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甍とキャンバス

岡山には後楽園という日本三大庭園のうちの一つが存在するのはご存じだろうか。

今回はその小堀遠州の作と伝えられている岡山後楽園の源流の得月台の庭園を

PAOで横切ったのだから、少し引き返してファインダーに納めさせて頂いた。

今はとても良い季節なので、綺麗なもみじが塀から顔をだしている。

これぞ「遠州の綺麗さび」と感じながらシュッ、シュッとシャッタを切っていると

そのぐるりを囲む塀の甍(いらか)とパオのキャンバストップが

同じ鼠色であることにあたしは気が付いた。

甍(屋根瓦)は粘土を型にはめた物を焼いて作る。

地方により採取される粘土の色が異なる為、赤や茶、黒など

いろんな色の甍は存在する訳だが神社、寺、城、などの屋根に使用される

本瓦は鼠色であるのだから、ここでは甍は鼠色であるということで話をまとめると

必然的にPAO純正の屋根に使用されるキャンバストップの色は鼠色だ

というのはあたしの勝手なこじつけである。

だが、あたしの心中には屋根は鼠色という固定概念が存在するのだから

PAOの純正キャンバス屋根が建築物の屋根に使用される

甍と同じ鼠色であることに、とても納得するのであった。

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PAO 純正 前方正面姿見

本日は岡山県倉敷市にお住いのO様の元へお届けに上がられた

PAO純正(フルオリジナル)をご覧頂く事に致そう。

スピードウェルでは様々な(トラディショナル、ヘリテイジ、SW-LTD)仕様の

PAO製作が行われている訳であるが、もう一つはこの純正というものが存在する。

平成元年に発売されて概ね24年、来年は25年目という節目を迎えるにあたり

これだけの年数が経てばオリジナルモデルの形は重要になってくる。

もちろん現在はそれぞれのオーナー様の一番好きな仕様というのは間違いはない訳であるが

そもそも純正(オリジナル)があってその延長線上にそれらが存在するというのが

筋であるのだから、純正の意匠を大切にするということは決して忘れてはならない。

今回は、その一部(オーディオのみCDに交換)だけはどうしても今の時代には必要であった

からそれだけは勘弁して頂き、それ以外はオリジナルを忠実に復元して製作が進められた。

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バンパーやグリルなども完全な純正タッチ

バンパー、グリルのラッカーフィニッシュには、その当時の色合いを再現するだけ

でなく、その色合いプラス艶感までも調整が行われている。

これは、クリアー塗装にセミグロス(半艶)という素材を使用し

わざと光沢を半減させるものである。

PAOはバンパーやグリルなどのカラーリングまでこだわられて

デザインされているのだから、中途半端なオサレクルマではないコトが伺える。

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PAO純正 ドンゴロスシート

ドンゴロスとは豆や栗などを入れる、麻布のコト。

その冒険をキーワードにしてイメージされたオサレな内装は

後にも先にもPAO以外には見たことは無い。

これはもう内装という感覚から外れた飛んでもなく楽しいクルマである。

※オーディオのみ純正からCDデッキに交換されている。

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PAO 純正 内装

前席の裏側には網タイプのポケットが左右に確認される。

この中にいろいろなアイテムを入れれば、網の隙間から見えるのだから

それだけでもオサレである。

本当に冒険を彷彿とさせる見事な内装だ。

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PAO ホイールラッカーフィニッシュ

PAOの純正ホイールはシルバーペイントである。

カメラ業界ではシルバーの事をシロモデルと抽象するが

対象にあるノスタルジック調のアイボリーラッカーフィニッシュと比べる場合

シロよりやはりシルバーという言い方のほうが正しい。とは

最近あたしがカメラにはまっているのだからくだらないことを言ってしまったが、

純正はシルバーが正解である。

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PAO 純正 後方正面姿見

この度はO様、PAOフルオリジナル納車誠におめでとうございます。

走行距離も3万キロ台と少なく、これからもまだまだ末永くお乗り頂ければ幸いです。

また、点検など無料で行いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

散る桜 残る桜も 散る桜

by良寛

良寛は格言をもって民衆に解りやすく仏法をといた江戸時代の曹洞宗の僧侶。

玉島(岡山県倉敷市)の円通寺の国仙和尚に師事し、諸国を廻る。

とても儚き歌ではありますが、今生きている事を大切に

今出来るコトを一生懸命やりましょう。

Post date / 2012年11月29日

島根県大田市のK様 ラシーントラベラー納車おめでとうございます

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ラシーンと日本の面影

日本の風土に適した四駆と位置付けられて製作されたラシーンは

他の四駆のように威張った感覚は全くなく、いつの時代にも日本の風景に良く似合う。

それが日本四駆と呼ばれる所以なのであろうか。

写真は明治の文豪、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が島根に住んでいた頃の旧居で

そのラシーンの日本らしさとハーンが愛した日本に思いを馳せて撮影した。

ハーンはアイルランド人の父とギリシャ人の母を持ち幼少のころは

ギリシャの大祖母の元で過ごしたようだ。

成人してアメリカにわたり、仕事の都合で明治23年に来日し松江中学校の英語教師となる。

そして小泉セツと結婚し、島根県の出雲の枕詞『八雲立つ』の

八雲という言葉を拝借し、以降小泉八雲と名を改めた。

明治の目まぐるしい欧米化のながれにより、日本の美しさがどんどん失われてゆくことに

八雲はその美しい日本を残さんが為、数々の小説を書することになる。

あたしの好きなのは『知られぬ日本の面影』であり、

日本人が日本という国の素晴らしさを理解してはいなかったことが

伺えるのだから、是非とも読んでもらいたい小説である。

日本という素晴らしい国にそのラシーンの日本らしさが

美しく感じるひと時、皆はラシーンにどのような日本らしさが

感じられるであろうか。一度は想像してもらいたいものだ。

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ラシーントラベラー 前方正面姿見

本日は島根県大田市にお住いのK様の元へお届けにあがられた

ラシーントラベラーをご覧頂く事に致そう。

今回のラシーントラベラーであるが、ニッサン純正とオーナーのオリジナルを

どちらも美しくシンクロさせたモデルであるとあたしは思ふ。

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フロントグリルラッカーフィニッシュ

サンドベージュ色のラシーンは後期モデルであるから、

フロントグリルは縦格子の意匠であり、すこし機械的な部分を

彷彿とさせるように、目の細かなシルバー色でラッカーフィニッシュを行う。

そのボディーカラーとのコントラストが低いところに

今回のオサレさが隠されているようだ。

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謹製ウェル帆布 50スタンダードレザー

内装の張替えには茶一色であつらえた。

ハンドルの交換やパネルのラッカーなどはなくても、

気が利いたオサレさがココにはあるようだ。

そしてフロアマットも新しい物に交換したのだから

とても美しく仕上げられたと言える。

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ラシーントラベラー 左舷後方姿見

タイヤカバーはクラウドグレー色にボディー同色のパイピング。

一見質素な色合いのように見えるが、とても日本らしいカラーだとあたしは思うのである。

それは、小泉八雲の旧邸の部材(瓦、土壁など)の色とよく似ているだからだろうか。

製作にはいろんなイメージを元に進めてゆくわけだが

間違いなくこれは日本カラーである。

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ラシーントラベラー 左舷前方姿見

この度はK様、ラシーントラベラー納車誠におめでとうございます。

また、お土産や晩御飯まで頂き本当に恐縮です。

どうもありがとうございました。

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小泉八雲の書斎

耳なし芳一や雪女、ろくろっ首などの怪談を記した書斎である。

本来であれば、日本の建築はこの延長線上にあるのが

とても歴史的、文化的に発展したのだなと思う訳であるが

昨今の欧米化により旧き佳き日本は無くなろうとしている。

日本はいろんな思想をお持ちの方がおられ、どのように感じて頂いても

良いと思う訳だが、ココで小泉八雲の思想をご紹介致そう。

「日本人は目に見える一切の森羅万象の背後に、超自然の神霊を考えて、

山川草木湖海風雷から井戸・かまどに至るまで、それらを司る神を想像した。

日本人はこの国土をつくった神々の子孫で、この神々こそ我々の祖先である。

この祖先である神々に奉仕し、この祖先を崇拝することが、

我々の最高のつとめであると考えてきた。神道では他の宗教のように、

地獄・極楽を説かない。日本人はその肉体が終えると同時に、超自然の力を得て、

時間空間を超越した霊となって、子孫と国家を護るのである。

この考えのない者は、日本人ではない」-ラフカディオ・ハーン

今日はコレマデ。

本日の名言

いったい、日本の国では、どうしてこんなに樹木が美しいのだろう。

西洋では梅が咲いても、桜がほころびても、

格別なんら目を驚かすこともないのに、

それが日本の国だと、まるで美の奇跡になる。

byラフカディオ・ハーン 『小泉八雲』

そのような美しい国に住んでいる私たちは幸せです。

Post date / 2012年11月25日

大阪府堺市のY様 ラシーントラベラー納車おめでとうございます

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秋空のラシーン色

後期モデルでは空色のラシーンが存在する。

ニッサンでは、その色のことをライトブルーと命名しているから、

単に明るい青色(水色)という風にイメージしてしまう訳ではあるが

その少しグレイ調のライトブルー色は、春、夏、秋、冬という季節の中で考えてみると

秋であるように、その夕日が始まる前の空色(少し紫だちたる)という

夕焼け前の秋空の印象があたしの思うライトブルーのカラーである。

清少納言の『秋は夕暮れ』と歌う。

しかしラシーンのライトブルーが今の季節にとても良く馴染んでいるから

『秋は夕暮れ前の紫だちたるラシーン色』と、今あたしは歌う訳だ。

ラシーンではカラーの選定はデザイナーが行うことは無かった。

現在のクルマでは当たり前だけれども、専門のカラーリストさんが行った

(作業分担)訳だから、その時のライトブルーのイメージは

いったいどういうものだったのであろう。

ラシーンの形あるところにはすべてに意味がある訳で

そんなことを想像しながら、お気に色のラシーンを運転するのも

一つオーナーの楽しみ方であると思う。

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ラシーントラベラー 前方正面姿見

この度は大阪府堺市にお住いのY様の元へお届けに上がられた

ラシーントラベラー、ライトブルーをご覧頂く事に致そう。

後期モデルより用意されたライトブルー色ではあるが、実は後期モデルには

グレードによりサンルーフの設定は無かった。

これは新車時にサンルーフをオプションとして取り付けられた

いわゆる珍しい後期モデルのサンルーフ付ラシーンである。

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ナルディクラシックウッドハンドルが鎮座した。

ラシーンでは、純正ハンドルに気体カバンが装着されている事により

ハンドルのデザインはとてもつまらないものであり

伊製のオサレなウッドハンドルに交換すれば、少しインテリアの印象も変わり

シートのレザー色などとコーデイネートすれば、趣のあるクルマに変身するのだ。

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謹製ウェル帆布 60スタンダードレザー

今回のその面白い点はパネルのラッカーが外装色と

同色で仕上げていることだ。

これは、いわゆる往年のクルマの内装はプラスチックでなく

鉄で出来ていたことに由来する。

そして、ハンドルとシートの一部を同色とし、関連性のあるインテリアが誕生した。

とても自然でCOOLな印象である。

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ワイパーシルバーラッカーフィニッシュ

ワイパーは本来黒色で隠す方向にあるパーツであるが、

シルバー色にすることにより、プロダクトを楽しむという発想が生まる。

まあ、しかし黄色とか、赤とか、色を付けるというより、黒かシルバーかであるが。

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ホイルキャップシルバーラッカーフィニッシュ

ワイパーやホイールキャップなどはラシーンのルーフレール色と

同色でラッカーフィニッシュを行いココでも色のまとめが行われいる。

個性は主張するが無駄に色を使わず、ラシーンの色を大切にしている仕上げだな。

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ラシーントラベラー 後方姿見

背面タイヤのステーなどもシルバー色で行う。

そして、タイヤカバーは内装と合わせた茶色のスタンダードモデルで

張替えが行われて、秋空のラシーンが出来上がった。

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Y様とラシーンちゃんをガシャ!!

この度はY様、ラシーントラベラー納車まことにおめでとうございます。

ご家族でお買いもの、旅行など色々お楽しみいただければ幸いです。

今日はコレマデ。

本日の名言

可能性を否定する人間は要らない

そうですなぁ。かの松下翁も志をたてれば98パーセントは

実現するとおっしゃられております。

可能性があることを否定した時点で、その人間の価値が

見えるような気がします。

Post date / 2012年11月24日

月刊スピードウェル11月号刊行 PIKE CAR

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PIKE CAR

月刊スピードウェル11月号が遂に刊行されたが、実は先週には刊行されていたから

紹介をするのをとんと忘れていた訳だ。

今回のは、今月の4日に静岡県浜松市で開催された、第12回うなオフというイベントの模様である。

古今東西、いろんなクルマがあるわけだが1987年Be-1、1989年PAO、1991年FIGAROの

三車種を総称してPIKE CARとそう呼ぶ。

これはとんがったクルマという意味であるが、お洒落の流行の頂点、

もしくは流行を作り出すリーダー的存在のクルマであったから、

時代を超えてとてもオサレなクルマであることに魅力を感じる訳だ。

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PIKE CARが勢ぞろい

このうなオフであるが、日本では一番の規模を誇るイベントとして今年で12年目の

開催となった。

来年も、11月の第一日曜日には開催されるであろうから、

今年参加できなかった、方々は来年まで月刊スピードウェル11月号で我慢していただき

来年は是非とも参加していただきたいと思う。

それでは、最後までズズイとご覧くだされ。

今日はコレマデ。

本日の名言

作事は木を組むだけにあらず。人の心を組むもの。

法隆寺や薬師寺など修復にあたる宮大工、西岡常一氏。

木を組むだけでは大きな仕事は出来ません。

働いている大工の心も一つにして、やっと1000年、2000年と持つ

建造物が出来上がるのでしょう。