岡山県倉敷市のO様 PAOフルオリジナル(純正)納車おめでとうございます

20121201a

甍とキャンバス

岡山には後楽園という日本三大庭園のうちの一つが存在するのはご存じだろうか。

今回はその小堀遠州の作と伝えられている岡山後楽園の源流の得月台の庭園を

PAOで横切ったのだから、少し引き返してファインダーに納めさせて頂いた。

今はとても良い季節なので、綺麗なもみじが塀から顔をだしている。

これぞ「遠州の綺麗さび」と感じながらシュッ、シュッとシャッタを切っていると

そのぐるりを囲む塀の甍(いらか)とパオのキャンバストップが

同じ鼠色であることにあたしは気が付いた。

甍(屋根瓦)は粘土を型にはめた物を焼いて作る。

地方により採取される粘土の色が異なる為、赤や茶、黒など

いろんな色の甍は存在する訳だが神社、寺、城、などの屋根に使用される

本瓦は鼠色であるのだから、ここでは甍は鼠色であるということで話をまとめると

必然的にPAO純正の屋根に使用されるキャンバストップの色は鼠色だ

というのはあたしの勝手なこじつけである。

だが、あたしの心中には屋根は鼠色という固定概念が存在するのだから

PAOの純正キャンバス屋根が建築物の屋根に使用される

甍と同じ鼠色であることに、とても納得するのであった。

20121204a

PAO 純正 前方正面姿見

本日は岡山県倉敷市にお住いのO様の元へお届けに上がられた

PAO純正(フルオリジナル)をご覧頂く事に致そう。

スピードウェルでは様々な(トラディショナル、ヘリテイジ、SW-LTD)仕様の

PAO製作が行われている訳であるが、もう一つはこの純正というものが存在する。

平成元年に発売されて概ね24年、来年は25年目という節目を迎えるにあたり

これだけの年数が経てばオリジナルモデルの形は重要になってくる。

もちろん現在はそれぞれのオーナー様の一番好きな仕様というのは間違いはない訳であるが

そもそも純正(オリジナル)があってその延長線上にそれらが存在するというのが

筋であるのだから、純正の意匠を大切にするということは決して忘れてはならない。

今回は、その一部(オーディオのみCDに交換)だけはどうしても今の時代には必要であった

からそれだけは勘弁して頂き、それ以外はオリジナルを忠実に復元して製作が進められた。

20121204b

バンパーやグリルなども完全な純正タッチ

バンパー、グリルのラッカーフィニッシュには、その当時の色合いを再現するだけ

でなく、その色合いプラス艶感までも調整が行われている。

これは、クリアー塗装にセミグロス(半艶)という素材を使用し

わざと光沢を半減させるものである。

PAOはバンパーやグリルなどのカラーリングまでこだわられて

デザインされているのだから、中途半端なオサレクルマではないコトが伺える。

20121204c

PAO純正 ドンゴロスシート

ドンゴロスとは豆や栗などを入れる、麻布のコト。

その冒険をキーワードにしてイメージされたオサレな内装は

後にも先にもPAO以外には見たことは無い。

これはもう内装という感覚から外れた飛んでもなく楽しいクルマである。

※オーディオのみ純正からCDデッキに交換されている。

20121204d

PAO 純正 内装

前席の裏側には網タイプのポケットが左右に確認される。

この中にいろいろなアイテムを入れれば、網の隙間から見えるのだから

それだけでもオサレである。

本当に冒険を彷彿とさせる見事な内装だ。

20121204e

PAO ホイールラッカーフィニッシュ

PAOの純正ホイールはシルバーペイントである。

カメラ業界ではシルバーの事をシロモデルと抽象するが

対象にあるノスタルジック調のアイボリーラッカーフィニッシュと比べる場合

シロよりやはりシルバーという言い方のほうが正しい。とは

最近あたしがカメラにはまっているのだからくだらないことを言ってしまったが、

純正はシルバーが正解である。

20121204f

PAO 純正 後方正面姿見

この度はO様、PAOフルオリジナル納車誠におめでとうございます。

走行距離も3万キロ台と少なく、これからもまだまだ末永くお乗り頂ければ幸いです。

また、点検など無料で行いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

散る桜 残る桜も 散る桜

by良寛

良寛は格言をもって民衆に解りやすく仏法をといた江戸時代の曹洞宗の僧侶。

玉島(岡山県倉敷市)の円通寺の国仙和尚に師事し、諸国を廻る。

とても儚き歌ではありますが、今生きている事を大切に

今出来るコトを一生懸命やりましょう。