日産フィガロ オープントップの張替えの巻

フィガロ

フィガロのオープントップ

重量は20㎏を超えるであろうか。フィガロのトップは幌以外はほぼ金属で出来ている。ガラスが入るパネルも枠はスチール製でありその内側よりポコポコと膨らんできている様子がうかがえる。これはまさに裏側のスチールが酸化して錆びている証である。まずはボディーからトップを取り外し、さらにガラスを取り外し、表皮を剥がしていくとスチールで出来た骨格が現れるのである。そこから、錆びたところを切り取って板金、もしくは些細な錆びであればサンダーで磨いて後に錆てんかん剤を入れて、アルミパテで成型していく。それ以上錆が広がらないように二液性のサフェーサーを吹けばまずは安心である。オープントップの修理はなかなか手間と時間がかかり面倒であるが、これからまたフィガロが輝く為には必至である。

フィガロ

全国よりフィガロのオープントップの修理が集まる。車両をそのまま持ち込む方もおられれば、業者の方が外して運送会社に依頼して発送される方法もある。

オープントップ

張替えたオープントップ

純正に限りなく近いオフホワイトの生地で張替えを行い、内部もメンテナンスを施して装着する。これで、まずは一安心である。

内部の掃除

内部の掃除

レザーシートのリペアも可能であり、元通りの美しいホワイトカラーに調色して染め上げる。今回は、さらにフィガロのあるある、壁がべたべたを直した。

内装 フィガロ
フィガロ

フィガロはもともと、ゴム系の塗装でパネルが成型されており、その素材の劣化で天井やクォーター壁、さらにメーターの着いたインストルメントパネルがベトベトするという。それらは、一度剥離した後、ウレタン塗料で再塗装を行って対応するのがベターである。

フィガロ

トップの出来上がり。

フィガロ

フィガロのトップ張替え

今回は、フィガロのトップ張替えをご覧頂きました。SPEED LEATHERでは、今年より、パイクカーやラシーン以外に旧車全般の内装、オープントップの張替え事業を行っている。それぞれの車のそれぞれの年式に合わせて、微妙に素材も替え、その一台が価値のある物として長らえるために、これからもたゆまぬ努力を惜しまない。

今日はコレマデ。

本日の名言

一番大切なことは、単に生きることではなく、善く生きることである。

byソクラテス

香川県高松市のY様 FIGAROレストア納車おめでとうございます

フィガロ
フィガロ
フィガロ
フィガロ
フィガロ
フィガロ

この度は、うどん県高松市にお住いのY様の元へお届けにあがりました、フィガロをご覧頂きたいと思います。こちらの車両は長くお乗りになられ、疲れてきた内装、外装、そしてエンジン廻りの修復とレストアを施工させて頂きました。オリジナルの状態をどう維持するか、とても神経を使いながらの製作となり、多大なお時間も頂きました。内装の内張りやインストルメントパネル類の仕上げ、幌の仕上げにもこだわり、オーナーの思うカラーにも仕立て直しをさせて頂きました。フィガロはすでに絶版パーツが多く、思うように修復が出来ない個所が増えてしまいましたが、少しでも長くお乗り頂けます様に努力致しました。また長くお乗り頂ければ幸いです。またお土産も沢山頂き、有難うございました。

今日はコレマデ。

本日の名言

他者と比較するのではなく、過去の自分と比較するのだ

大阪府堺市のS様 FIGAROファイナルモデル納車おめでとう御座います。

フィガロ 堺市

ファイナルモデル

すでにフィガロはヨーロッパ、東南アジア、アメリカへ

と輸出が多く、日本に残る個体は非常に少なくなってい

る。今回堺のS様へお届け差し上げましたフィガロは、走

行距離30000㎞と非常に少なく、エンジンもチュンナップ

が施され、ATモデルであるがMTのような乗り方をしても

楽しめるようなそんなフィガロを製作差し上げました。

内装、外装の各部に手を加え、美しく出来上がった、フ

ィガロをご覧頂きたいと思います。

フィガロ

フィガロ 右舷前方姿見

エメラルドと言うカラーネームはその通りで、宝石の様

な綺麗なグリーン色である。ホイールキャップなどもリ

ペイントが施され、真新しい風合いに。

フィガロ

フィガロ 前方部

モール類や、バンパー、鍍金調のパーツの確保も難しく、

今後フィガロが事故を起こすと修理パーツがなかなか手

配しづらい状況である。

内装 フィガロ

フィガロの内装

パネル類がとにかくねちねちゃになるのがフィガロの悪

い癖。それらを全部落として、再度同じ風合いに塗装を

施し、リペアが行われている。

フィガロの天井

フィガロの天井

天井もご覧の通り、綺麗にリペアが行われている。困っ

た事に、内張りは部品が出ない。だが手をかけてリペア

は可能である。

フィガロの内装

フィガロの内装

シートの張替え、ダッシュパネルの張替えも行われて、

新たな気持ちでお出迎えが出来る。ダッシュパネルは、

同色の上質な合革で腫れぼったくなく仕上げた。

ドア廻り
フィガロ

ドアやハイマウント廻り

フィガロの特徴は内装のホワイトにもある訳であって

それらが経年の劣化で茶色くなってたらフィガロらし

くなくなってしまう。どうだろう、綺麗に仕上がって

いるだろう。

フィガロ

フィガロ ファイナルモデル

この度はS様、長らくお待たせ致しました。足かけ4年ほ

どの製作期間をご辛抱頂き、恐悦至極に存じます。また

お喜び頂き光栄です。末永くお乗り頂けます様に、今後

も努力致します。

今日はコレマデ。

本日の名言

運というものは

前向きな言葉に

集まってくるもの

大阪府箕面市のY様 東京ヌーベルバーグ納車おめでとうございます

東京ヌーベルバーグ

東京ヌーベルバーグ

すでに28年前の話にはなるが、東京の新しい風というタイト

ルが付いたクルマ、フィガロが2万台限定で発売された。こち

らは、3回に分けた抽選であったから、欲しいひとが誰でも買

える訳ではなかった。こういう、心をくすぐるクルマを販売し

ていた日産は素晴らしかったと思う訳であるが、これもデザイ

ナーの意図があっての事である。今は解らないが、当時のデザ

イナーの方々は本当に面白いことをしてくれた。だから、皆で

感謝しよう。

フィガロ

フィガロ 東京ヌーベルバーグ

この度は、大阪府箕面市のY様へ納車されたフィガロをご覧い

ただきたい。ペールアクアカラーのフィガロは内装も含めて

バランスよく仕上げが施された。


フィガロ フロント

オリジナル ヘッドライトピーク

これを探している方も多いはずだが、日産純正でまつ毛が

販売されていたのだから、遊び心は十二分。

フィガロ 内装

内装も整えられる。

ナビ フィガロ

ナビの装着はオーディオボックスで化粧がされた。

サイドブレーキ フィガロ

サイドブレーキのレザー張り。

フィガロのサイドブレーキは劣化が進むともろもろと音を

たてて崩れてゆくから、レザーを張って手触りを良く。

フィガロ レザーシート

フィガロ専用レザーシートの張替え

本革 フィガロ シート張替え

本革で製作はフィガロの證

フィガロ

フィガロ

この度はY様、フィガロ納車おめでとうございます。なかな

かお時間を頂きましたが、お待ち頂きましてありがとうござ

いました。今後のメンテナンスにも努力いたします。

今日はコレマデ。

本日の名言

朝は希望に起き

昼は努力に活き

夜は感謝に眠る

大阪府羽曳野市のO様 FIGARO納車おめでとうございます

楽吉左衛門氏の邸宅

楽家十三代 弘入作 黒楽茶碗

楽歴代

楽歴代

わびやさび、日本の究極の様式美を完成させた千利休。

四百年前、秀吉が京都の聚楽第を築かせる際に、掘った土で聚楽第の瓦を

焼いていた長次郎に、利休は究極の茶碗を焼いてもらったのが、楽茶碗の始まりである。

楽茶碗とは、聚楽第の楽という字を秀吉から頂戴したものであって

長次郎から数えて現在の当主は十五代目の楽吉左衛門氏。

現在でも千家十職の内であり、利休の美意識を受け継ぎながら

新しい時代にも挑戦を続ける姿にはただただ脱帽である。

今回は、楽十三代の弘入氏が焼いた黒楽茶碗の極めを十五代に依頼し、

見事江戸から明治の内に焼かれた弘入作の黒楽茶碗である事が判明した。

箱書には表千家十一代、碌々斎氏が銘を入れており、その名は幾千代である。

黒い茶碗の中に星空のような細かく輝く点が無数にあり、縁にグリーン

がかった銀河系団のような輝きがあって、まさにお椀の中に宇宙が形成されている。

茶の湯では、主菓子を食べて、茶を頂いて、それから茶碗を拝見する

という順番が存在するが、茶碗を見てやはり一つでも何かを感じれる

大人になれれば、本当に素敵だなと思う。

フィガロ 前方正面姿見

フィガロ(フルオリジナル) 前方正面姿見

この度は、大阪府羽曳野市にお住いのO様の元へお届けにあがられた

フィガロ(フルオリジナル)をご覧頂く事に致そう。

長らくお待ち頂き、製作を行わせて頂いたラピスグレイ色のフィガロ。

O氏の考えの元、フルオリジナルで製作をするという事で、

各部分を手間暇かけてオリジナルの状態を保つためのリペアを施した。

ハンドル周辺のリペア

ハンドル廻りのリペア

以前のオーナーの汚れなどを細かなところまでクリーニングを

施し、クリーニングで失われた油分を今度は補充するという作業の繰り返し

によって、べたつきもなく美しい状態に蘇る。

フィガロのシートリペア

フィガロのシートリペア

本革であるがために、合革よりも割れや褪色が酷い。

特に、高級車のように密閉性や耐候性がある訳ではないので、

より経年の劣化が激しくなるところ。今回も、シートは新車時のような

美しさを目指して、丹念にホワイトに染められた。

フィガロ ホイールキャップ

純正ホイールキャップのラッカーフィニッシュ

ホワイトのラッカーフィニッシュを施し、足元から甦らせる。

フィガロ 左舷後方姿見

フィガロ 左舷後方姿見

閑静な住宅街にフィガロが鎮座するさまは、非常にお洒落である。

フィガロと記念撮影

フィガロと記念撮影

この度はO様、フィガロ納車誠におめでとうございました。

左ドアの鍵の不良も直り、これから気持ち良い季節になりますので

オープンでお楽しみ頂ければ幸いです。

今日はコレマデ。

本日の名言

稽古とは、一よりならい十を知り、

十よりかえる、もとのその一

by千利休

日産フィガロ 内装をリペアするの巻

フィガロ インパネの割れ

フィガロの内装をリペアする

インストルメントパネルの割れや、レザーシートのヒビ、色褪せなど、

それらはフィガロの経年劣化である。

フィガロは美しさを強調したクルマであるから、少しの劣化でも

気になるところが多い。

現在までは、修理の都合、違うカラーの張替えを行う事はあったが、

新車から年月が経てば経つほど、オリジナルであるという存在感が

日に増すのは通例である。

という事で、スピードウェルではこれからもフィガロが長く愛されるように

フィガロの内装リペア事業を開始する。

フィガロ シートの褪色

フィガロ レザーシートの褪色

フィガロ 後部座席の褪色

後部座席も褪色

レザーシートでは、日光の加減で概ね肩の位置が褪色する。

今までは諦めていたが、それらが新品と同等に復元がなされる。

リペア 完成

レザーシート 復元の図

完全に新品の様子である。

フィガロのシートの褪色でお悩みの方には朗報だ。

インパネの割れ

インパネの割れ

こちらもフィガロの欠点であるが、インパネが経年の劣化により

ぱっくり口を開いてしまうという症状。

こちらも、膨れ上がった割れ口をそぎ落として表面を整える。

フィガロ インパネ 修理 リペア

地固めを行う。

一番重要な地固めを丁寧に行い、その上から

インパネと同等の素材で慣らして中塗り、上塗りを施す。

フィガロ インパネ リペア完了

インパネ 復元の図

その仕上がりには、息をのむといふ言葉が良く似合う。

ということで、今年はオリジナルのリペアを充実し、

長く愛されるクルマの製作に努力するから、

気になる方は遠慮なくご連絡頂ければ幸いである。

今日はコレマデ。

本日の名言

自分が本当に好きなものを見つけて下さい。

見つかったら、その大切なもののために努力しなさい。

君たちは、努力したい何かを持っているはずだ。

きっとそれは、君たちの心のこもった立派な仕事になるでしょう。

by黒澤明

心のこもった立派な仕事、とても泣かされます。