Post date / 2023年11月15日

大阪府堺市のM様 PAOレストア納車おめでとうございます

レストア前夜

レストア前夜

すでにタイヤは4本ともパンクし走行は不能。そして内装は雨漏りによりため池となる。あまりの高温多湿状態において全面カビで覆い尽くされ、土に返りそうな状態であった、レストア前夜のPAOである。こちらは、なんと20年という歳月放置されていたらしい。しかしながら、形ある物みな復元が可能ということで、今回はスピードウェルにお問い合わせ頂き、完全復活させましょうという事で、20年放置されたパオのレストアのプロジェクトが立ち上がった。

レストア前夜

シャコタンではない。

タイヤは車重に押しつぶされ、さらに潰れた形状で凝固しており、うんともすんとも、動かす事は出来ない。そんな状況からスタートする訳である。一つ救いであったのが、地面がコンクリートである事。これが土や砂利、砂場であれば湿気も多く、さらに草やツルなどに巻き込まれて、スタジオギブリの状態となる。それでは、ココから、復活していく瞬間をご覧頂きましょう。

レストア前夜の内装の図絵。

足元はスタジオギブリ化が進んでおります。フロアカーペットをボディーから剥いでボディー全体の洗いから始まりました。パオの天井はアイボリー色の吊り天井ですが、画像ではご覧頂けませんが、この時点で天井は漆黒の闇に包まれております。

パオレストア

足回りの図絵。

ホイールもリペアが行われ、タイヤも新品に。ホイールハウス、フロア下部も塗装が行われ、防錆仕様。

パオレストア

内外装のレストアが施され、フロアパネルからしゃっきりさせました。外装もまた新車当時のカラーに復元が施されピカピカに蘇りました。オーディオも当時のラジオカセットに置換。スピーカーなども調達され、調子は良い。フルオリジナルを目指して、各パーツを整えていきます。

パオ 内貼り

レストア後の風景。

端的にほぼ、新車の状態に。スピードウェルであればココまで復元は可能。

パオ レストア

レストアが終わり晴れて納車へ。

今回は、エンジンはタイミングベルト、ウォーターポンプ、オイルシール類の全ての交換。ホース類のすべての交換。クーラーの修理、発電機、セルモーター、冷却系、点火系の修理と交換。排気系はすべてリプレイスメントのステンレス製に。足回りは、ショックアブソーバー、ブレーキのオーバーホール、燃料ホース等の交換、ガソリンタンクの洗浄とすべてを取り外しての作業。

内装は全てを分解。そしてすべてをリペイント。さらに、クーラーの吹き出し口の交換、シートの交換、フロアマットの交換。各部の樹脂パーツのリペア、天井は灰汁洗い。外装は、すべてを分解してルーフレール、バンパー、グリル、ホイール、ワイパー、蝶番、アウターハンドル、ドアミラー、目に見えている個所はすべて塗装、さらに、ボディー下部の塗装、三角窓やフロントガラスゴムモール等の交換、リヤクォーターガラスゴムのリペア。細かなビス類はステンレスに交換して塗装処理。キャンバストップの張替え等。イタレリ。

パオ レストア

パオと記念撮影

M様、この度はパオレストア納車誠におめでとうございます。本当にお喜び頂けましてこちらも感謝致しております。早速、大阪から山口県までロングクルージング。乗れば乗るほど味わい深いクルマですね。これからも長くご使用頂けますように努力致します。

今日はコレマデ。

本日の名言

世界で最も素晴らしく、最も美しいものは、

目で見たり手で触れたりすることはできません。

それは、心で感じなければならないのです。

Post date / 2023年11月9日

日産ラシーンのレストレーション 整備編

これからレストアが始まる。

ラシーンは平成6年より発売が開始、平成12年のモデルでもって生産終了となり、57000台ほどが世に出回った。平成6年のモデルからは既に29年という歳月が流れたことになり、来年はラシーン生誕30周年を迎える事となる。ラシーンは日常のクルマとして現在も現役であるため、あえて旧車のなかま入りはしていない訳であるが、人間でも30歳となると良い年である。ラシーンも健康診断を行い、そろそろレストレーション、(レストア)を行って、さらにこの先10年、20年と乗れるようにしないといけなくなってきたのである。今回は、神奈川県よりお持込頂きましたお客様のラシーンのレストアの風景をご覧頂きたい。

ラシーン エンジン

ラシーン 1800㏄ SR18エンジン

販売から現在に至るまで、各箇所のパーツの交換が行われた形跡を辿りつつ、適材適所に部品を新品もしくは、新品同等のリビルドパーツに交換と調整を行っていく。今回は、エンジンのピストン、シリンダーの状態が悪く、オイル上がりが激しい。という事で、リビルドを行ったエンジンに置換する事となった。

ラシーン リビルドエンジン

SR18 リビルドエンジン

ヘッド、シリンダー、ピストン、クランク、カムシャフト、ロッカーアーム、バルブ、バルブスプリング、チエーン、テンショナー、オイルポンプ、それぞれを分解、測定を行い、規定値以下の物はすべて新品とオーバーサイズの物に交換を行う。組み上げられたエンジンは、新品と同等の出力を得られる訳である。外観もサンドブラスト加工を行い、見た目も新品のように。

エンジン載せ替え

エンジンを装填

今回は、エンジンの載替えに加え、サージタンクのオーバーホール、スロットルのオーバーホール、さらに、ディストリビューターやオルタネーター、クーラーコンプレッサー等もリビルドを行った。すべての油脂類も新油に交換が行われ、心臓部は一気に新車の状態に近づいた。

エンジン下部

ピカピカのエアコンのコンプレッサープーリーの顔がのぞく。エンジンルーム廻りの整備に平行して、ボディーフロアのリペア、ペイントが行われ、リヤの足回りの作業が始まる。

サブフレーム

リヤのサブフレームの塗装 リペア

サブフレームを降ろした後、燃料タンクも外され、亀裂等の点検と、フューエルホースの取換えをおこなった。また、サブフレームは以降錆びにくいように、ペイント仕上げを施し、マウントブッシュ等も交換を行い、元通りに戻す。

ラシーン ブレーキキャリパー

リヤブレーキキャリパー

リヤブレーキのキャリパーはオーバーホールキットのデリバリーが行われておらず、メンテナンスが不能である。その為、ブレーキフルードの滲みを見つけ次第、ASSYで交換となる。

ラシーン プロペラシャフト

プロペラシャフトのオーバーホール

日本で唯一、ラシーンのプロペラシャフトのオーバーホールを行っているのがSW。ユニバーサルジョイントの十手、ベアリングの摩耗によりパキパキ音が鳴るようになる。そのまま放置するとシャフトは空中分解するのである。このジョイント部は純正より機能を高めるべく、グリスアップを可能とする造りに変更を行った。ニップルが見えているが、車検の都度、グリスアップを行ってほしい。さらに、センターベアリングの交換、こちらも必要である。

ラシーンエンジン

ラシーン 1800㏄ SR18エンジン載替え成功

あらたな命を吹き込むべく、エンジンに火が入れられ、産声を聞けば一安心である。という事で、今回は、そのラシーンのレストアの整備部、をご覧頂いた。この後ボディーワークと内装のリペア、張替え等が行われ、心を込めて仕上げられる。

という事で、スピードウェルでは小手先ではなく、本物のレストアをご提供致しておりますので、ラシーンをこよなく愛する皆様のこれからのラシーンライフを応援致しております。

また、全国の引き取り、納車を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

次回は、ボディーワーク編を行います。

今日はコレマデ。

本日の名言

自分一人で石を持ち上げる気がなかったら、

二人でも持ち上がらない。

Post date / 2023年11月4日

パイクカーデザイナー 古場田良郎の世界

Be-1

デザイナー古場田良郎氏の愛車(古場田デザインスタジオの窓から)

この度、Be-1、PAO、FIGAROを手掛けられましたデザイナー、古場田良郎氏よりご連絡頂きまして、新車より長らくお乗りになられておられましたBe-1を、石川県にあります日本自動車博物館に寄贈したいというお申し出を頂き、お手伝いさせて頂く事になりました。来年は、日産自動車90周年という節目を迎え、日本自動車博物館では90周年企画もあり、一番の展示車両となる事と存じます。という事で、Be-1のみならず数々の貴重な史料をスピードウェルにもご寄贈頂きましたので、データ保存も含めまして、少しずつブログにてアップさせて頂き、皆様には、より一層パイクカーの魅力を感じて頂ければ幸いです。

Be-1 スケッチ

Be-1のスケッチ

これからお出し差し上げます資料は順不同で、誠に申し訳ございません。古場田良郎氏が想像された、数々のデザイン案。その、それぞれに詳しいスケッチを描かれておりますので、ご覧頂き、お楽しみください。

こちらは、Be-1のフロントグリルやバンパー等、個性的です。ホイールキャップも近未来的ですね。

Be-1 スケッチ

Be-1 テールエンド

テールランプの形状は市販されたデザインと同じ仕組みではありますが、バンパーやナンバープレートの市、さらにはマフラーがセンター出しになっているなど、まだまだ検討中である事が伺えます。下方には古場田氏のサインが。

現代では、コンピューター上でスケッチする訳でありますが、当時はまだまだ手書き。古場田氏のお話によれば、一日に、3枚前後は描くそうです。体力との戦いですね。

本日の、パイクカーのお宝は以上になります。

話は戻り、古場田氏のBe-1は現在スピードウェルがお預かり致しまして、2週間ほどのメンテナンスの期間を経て、

日本自動車博物館に納めさせていただきます。

少しでもこの伝説のBe-1をご覧になられたい方、

ご希望が御座いましたら、11月21日までは作業中を除き拝見頂けますので、

お気軽にご来店ください。

Post date / 2023年10月28日

大阪府東大阪市のO様 ラシーントラベラーレストア納車おめでとうございます

ラシーン

ベッドライナービーストペイント

昨今、猫も杓子もブラックペイントのバンバーやルーフレールの仕様が人気である。スピードウェルでも、ラシーンのボディーから飛び出たパーツにブラックペイントを行うのは日常になっており、新しくベッドライナービースト塗装(表面がゴツゴツした)の技術が確立したからお披露目である。今までであればブラックペイントはもちろん艶消し、半艶仕様となっていたが、化粧を意識した仕様である。今回のは表面が砂粒くらいのゴツゴツした起伏が完全硬化し、傷や汚れなどに特に強く、何より意匠性が乙な風合いである。ラシーンには、特にバンパーやルーフレール、さらに背面のスペアタイヤステーなどに塗装して雰囲気を楽しむ事が出来るのである。こちらの塗装、専用の機材が必要ゆえ、そこ、かしこの塗装屋さんで行う事は出来ない。とココで、本日の豆知識であるが、乙という言葉、実に雅楽で使用される笙という竹が17本縦に刺さった楽器の一本の竹の音階に乙というものがり、その音色がとても味わい深い、というところから、派生した言葉である。また、コツをつかむという言葉、こちらも笙の乞(こつ)という音階を左のお姉さん指で押さえる、非常に難しい音階であって、そこからコツをつかむという言葉に派生したのである。ということで、本日も四方山話にお付き合い頂き感謝申し上げます。

ラシーン レストア

ラシーントラベラー レストレーション

大阪府東大阪市にお住いのO様に納車されました、ラシーントラベラー、レストレーションをご覧頂きたいと思います。入念にボディーはレストアがほどこされ、オーナーの思いのカラーに塗装が行われたラシーン。バンパーやルーフレール、背面のスペアタイヤステー等はスピードウェルからご提案さしあげ、新しいビースト塗装仕上げを行いました。

ビースト塗装

ベッドライナービースト塗装

泥はね、石はね等、汚れにも強いのがバンパーなど機能性が向上。塗料より硬く硬化する。また、艶消しでは得られない質感が得られるのである。こちらは、好みの問題もあり、また、ラシーンのカスタマイズの方向性もある訳で、どのラシーンもブラックペイントがビーストが似合う、とは限らない。あくまでも、ワイルドなイメージを前面に押し出すための一つの手段である。

ラシーン 内装
シート張替え

50デザイン レザーシート張替え

最高級のマテリアルを使用して張替えが行われた、ラシーンのシート。デザインは50である。今回は、そのシートの縫製、縫糸のカラーもオーナーが熱く選定。スピードウェルでは販売車両の全車に内装の張替えが着いてくる。それぞれに形状、縫糸、シートの硬さなど、細かく選定が可能である。

ホイールラッカーフィニッシュ
ホイール 塗装

ホイールのラッカーフィニッシュ

スピードウェルで販売されるラシーンには、ホイールの塗装はもれなく着いてくる。今回はスチールホイールにボディー同色とした、なかなか玄人好みである。また、ちまたの中古車屋さんのような、安価な塗装ではなく、ボディーと同じ上質な塗料でペイントが行われる訳である。実に、ホイールはそのような塗料で塗装するところは、日本広しと言えどもなかなかないであろう。

ラシーン トラベラー

ラシーン トラベラー 男前仕様

なんとも、男前なラシーンではありますが、こちらは女性オーナー様という事で、とてもCOOLでございます。この度はO様、ラシーントラベラーを製作させて頂き、誠に有難うございました。そして、納車おめでとうございました。

今日はコレマデ。

本日の名言

何でできんか分かるか。できるまでやらんからだ。

Post date / 2023年10月25日

大阪府大阪市のN様 ラシーントラベラー納車おめでとうございます

ラシーン トランク

背面のスペアタイヤを取り外す

ラシーンには発売当初のグレード訳で、タイプ1から3まで存在した。タイプ1は天井にルーフレールと背面にはスペアタイヤが無い、まったくのミニマルな形状である。タイプ2になると、天井にはルーフレールが、背面にはスペアタイヤが装着。そして、タイプ3となると、タイプ2の形状+天井にはサンルーフという豪華な仕様となる訳である。後期モデルではタイプ3というグレードが廃止され、サンルーフはオプション扱いとなった訳である。という事で、本日はラシーンの形状のお話である。

ラシーントラベラー

ラシーントラベラー 右舷前方姿見

この度は、大阪府大阪市にお住いのN様に御納車されました、ラシーントラベラーをご覧頂きたいと思います。今回のラシーンはサンドベージュの後期モデルをベースに、フロントグリル、ウィンカーレンズを前期モデル化。さらにリヤは背面のスペアタイヤを取り外し、スムーシング加工を施しました。ホイールは前期モデルのアロイをベースにブラックペイント。オーナーの思いを沢山詰め込みました。

フロントグリル

フロントフェースの前期モデル化

ラシーンのグリルは前期、後期とも、ボルトオンで入替えは可能であるが、ウィンカーレンズは、そうはいかない。球を支えているソケットの差込口がなぜか別口にされており、配線から加工を行い、ソケットごと交換が必要である。

内装

ナルジウッドハンドル

ナルディウッドハンドルではない。あえてここではナルジ、とそう呼ぶ。

ラシーン 内装

アンティークレザーの内装に張替え

テカリのあるアンティークレザーを使用した内装の張替え。デザインは50である。内張りや天井、ダッシュボード等、スピードウェルの得意な灰汁洗いを施し、新車のような美しさに、パネルラッカー内張りのカラーに合わせて、ペイントをおこなっている。

ホイール 純正

前期モデル 純正アロイホイール

シルバーの純正アロイホイールをブラックペイント。リムをシルバーの削り出しの仕様として製作。今様というところである。

ラシーントラベラー 右舷後方姿見

ラシーントラベラー 右舷後方姿見

たまに、背面タイヤレスを行ったラシーンが入庫するが、どれもこれも、板金が悪く、歪が生じている。スピードウェルでは、ボルト穴はボルトの頭を飛ばし溶接を行い、そこで表面処理、パテ等は最小限に留めることにより、長く美しく保つ仕上げを行っている。

納車の風景

ラシーンと記念撮影

この度はN様、ラシーントラベラー納車誠におめでとうございます。末永くお乗り頂けます様に整備を行いました。また、大変お喜び頂き嬉しい限りです。これから、長くお付き合い頂ければ幸いです。

今日はコレマデ

本日の名言

努力は夢中に勝てない。

by孔子