
パオに感じられる、そのモノらしさとはいったいどのような所から匂い立っているのであろうか。今回は島根県松江市中にあるオブィエークト前での撮影である。モノが持つ熱量(エネルギー)、そういうものがあると仮定してみる訳であるが、それは、そのモノ作りに対する情熱であったり、時間であったり、さらにはその素材自体が持つ原子のおもさであったり、デザインという言葉だけでは図る事の出来ない、その熱量やおもさが匂い立っていると考えるわけである。むかしの人は、迷ったら重い方を買え、という。この言葉は一つの匂い立つ言葉であって、重い方が所有欲が増すのには間違いないであろうし、重い方が一般的には頑丈である、と思い込んでいる。解りやすく言えば、ガラスのコップとプラスチックのコップのような違いのような、ただただ重量というものではなく、たとえば言葉の重さ、責任の重さ等、いろいろある訳であって、登り窯で焼いた器と、ガス窯で焼いた器の違い、これは妙である。これが解る人はオブィエークトに精通する人間だと言える。パオブィエークト。

この度は、島根県松江市にお住いのI様の元へお届けにあがりましたPAOトラディショナルレストアをご覧頂きます。アイボリーのそのパオはボディーはレストア塗装を行い、金ぴかに。内装は半年以上お待ち頂いたMK-2ウッドステアリングやマグノリアクロックを装填。こだわりを持って製作を行いました。

特別な生地で張替えが行われた、PAOの内装。ダッシュパネル上面はダブルステッチを入れて装飾を施し、さらにステッチのカラーをオーナー様のセンスで付け加えている。また、糸の太さなどは長年の経験則にのっとりSWで選定している。

キャンバストップの張替え

パオのリヤヴューは特に美しく、縦三連奏のテールランプは表面処理を行い、さらにクリア―塗装仕上げによりリペアが行われている。

この度はI様、PAOトラディショナルレストア納車おめでとうございました。ご自宅にはジムニーとラシーンまで生息されているという事で、駐車場がカオスですね。素敵なお土産もいただき、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
今日はコレマデ。
本日の名言
不落不昧
by松平不昧
物事に動じず、邪欲に捉われないという、松平不昧公の精神ですわなぁ。























