Post date / 2025年4月19日

東京都世田谷区のK様 PAO『Black Cab』納車おめでとうございます

ロンドンタクシー仕様
ロンドンに映えるBlack Cab
Black Cabの内装
Black Cabの内装

Black Cab

伝統と革新、霧の街ロンドンに映えるBlack Cabと言えば、ロンドンタクシーの事である。45年もっと前に見たであろう、オースチンのFX3やFX4と云われる型式のBlack Cab(通称黒キャブ)は、わたしの脳裏に強く焼付いており、最先端の黒い車体にアンティークな内装のそれこそが伝統と革新であった。オースチンとはエゲレスの自動車会社であって、市井の人にはミニ(オースチンミニ)を製作していたことで知られている。たしか、1950年代日産はオースチンと技術提携を結び日産オースチンA50ケンブリッジサルーンというクルマを日本で組み立て販売を行っていた事は、現在は知る人は少ない。そんな少しの日産に所縁のあるオースチンの黒キャブを今回はPAOの車体をお借りして、ささやかに再現を試みたのである。

パオと東京ダイバシティー
パオから望む東京の姿見

この度は、東京都世田谷区にお住いのK様の元へお届けにあがりました、PAO(Black Cab)をご覧頂きたいと思います。まずは、黒いパオに乗りたいという事でお話を頂き、わたしが黒いパオで思い描くのがBlack Cabであったのと、K様が内装を茶系でという事で、ロンドン仕様に相成りました。ボディーの各部の塗装色はとても繊細で、バンパーやグリル、ルーフレールなどなどシルバーのカラーは2色を使い分けて製作。細かな配慮がなされており申す。

パオの内装
Black Cabの内装風景

ダッシュ上面には、今回天井に使用しているジャーマントップ生地を使用して張替えをおこなっており、装飾にダブルステッチをアイボリーの太糸をあしらう。エアコンの吹き出し口はSWのリプロで交換がほどこされ、さらに黒の艶消し塗装を行い、安っぽさを排除。実にこの造り込みから匂い立つ何かがSWのカッコよさである。

パオの内装
パオの内装風景

Black Cabの内装と言えば、ウッドとレザーというマテリアルが必然である。今回は新しい素材のレザーを使用しクラシカルな60デザインの縫製でリメイクをおこなった。また、少しのゴージャスさを取り入れる為、センターコンソールやハンドルコラムカバーはFigaroのをチョイスしている。

パオと東京ダイバシティー
パオと東京ダイバシティー

全開の青森から引き続き、今回も陸運局でたくさんの方に話しかけられ、その度に四方山ばなし。年々もの珍しくおもわれるのだろうか、それとも最新の車がとても退屈なものなのか。各メーカーのデザイナー様に目が留まれば嬉しく思う次第。

パオと記念撮影
パオの納車風景

この度はK様、PAO(Black Cab)納車おめでとうございます。最先端の街TOKYOでBlack Cabが元気に走る姿が楽しみでございます。それでは、どうぞ長くお乗りくださいませ。

今日はコレマデ。

本日の名言

人間ってのはもともとみんな違う。 無理に普通にならなくてもいいはずだ。

byイムラヒモビッチ

Post date / 2025年4月11日

青森県十和田市のO様 PAOフルレストア製作納車おめでとうございます

青森県十和田市にパオを納車
パオにつどふ

青森県は十和田市に納車の道中である。ものめずらしさか、もしくは懐かしさか。道中に停め置くと、常にパオに人々が集うのである。全国津々浦々に納車を行っている訳であるが、必ずといって良いほど道中で声をかけられるのに驚きもないが、青森ではそれぞれに、すんごいくるまだなと言ってくれるのである。たしかに、今回のパオは内装のフロアカーペットから交換を行っているので、いつも以上に目を見張るものはある。毎度に同じことを説明して、時間だけが過ぎてゆく訳であるが、声をかけられて嫌な事などなく、ただただ光栄である。

パオを青森県に納車
パオフルレストア左舷前方姿見

この度は、青森県十和田市にお住いのO様の元へお届けに上がりました、パオフルレストアをご覧頂きたいと思います。今回は、ボディーはレストアが行われ、内装は天張りの灰汁洗い以外のすべてに交換が行われているという、特殊なパオである。

パオにフォグランプを装着
フォグランプを装填

いよいよSWでもデッドストックが少なくなってきたレイヨットフォグランプの箱入り新品をインストール。グラス本体が黄色いものではなく、ほんのりガラスが黄色く、灯もすとしっかり黄色く照らしてくれるという、何とも奥深いフォグランプである。このフォグランプは旧式の欧州車に取り付けられていたが、パオほど似合うクルマはないであろう。

パオの内装
パオの内装

ステアリング廻りの風景である。ハンドルコラムはパオのプロトタイプ風にアイボリーカラーに変更。おおっと、ここで気付いた方がはパオイストである。ダッシュパネルのメーター極右のトグルスイッチがノーマルルーフの天井には必要ないが、取り付けられている。今回は、ココでフォグランプのスイッチをON、OFF出来るようにカスタマイズを行った。

パオの内装
パオの内装

助手席からのダッシュ廻りの情景である。エアコンパネルはデッドストック新品を使用して組み上げ、左のアンダートレイ内には100Vコンセントを装填。メーター左にはマグノリアクロックをおごる。最新のオーディオはSW製オーディオボックスを使用して組み立てられた。

パオの内装張替え
パオの内装張替え

内装の張替え風景である。今回は特別なレザーを使用してボタンタイプで製作。アイボリーのシートにアクアグレイ色のパイピングがとてもCOOLである。またダッシュパネルやアンダートレイ、ドアポケットなども同色でコーディネートされており、八戸方面だけに東海岸スタイルである。

パオのトノカバー
パオのトノカバー

今回は、トノカバーも新調。フレームはシルバーの艶にペイントを施し、シートと同マテリアルで張替えをおこなっている。

パオのホイール
ホワイトリボンタイヤを装填

残念ながら12インチのホワイトリボンとなると、サイズがかなり小さい『軽自動車用』となる為、13インチにアップを行いインストール。現在は13インチのテッチンホイールが絶版状態である。

パオのステッカー
リヤハッチのパオステッカー

パオチーフデザイナー古場田良郎氏からお預かりしたパオステッカーを仕上げに貼る。リヤガラスハッチの純正ステッカーは有るとワンポイントになりバランスが良いのである。

青森県十和田市にパオを納車
パオと記念撮影

パオと記念撮影。この度はO様、パオフルレストア納車おめでとうございます。長らく製作にお時間を頂きましたが、お喜び頂きまして嬉しく思います。また沢山のリンゴを頂きこの場をお借り致しました厚く御礼申し上げます。それでは、パオをお楽しみくださいませ。

今日はコレマデ。

本日の名言

Ein Apfel am Tag hält den Doktor fern.
毎日の一つのリンゴが医者を遠ざける。

Post date / 2025年3月28日

奈良県葛城市のJ様 ラシーントラベラ―納車おめでとうございます

アンティークレザーシートに張替え
アンティークレザーシートに張替え

エイジングを古美仕上げで表現したレザー。それは「アンティークレザー」。染色、色ムラ、濃淡、グラデーション、スレ、シワなどを施こすことで、何年も使い込んだ風合いに見立てている。心とは非常に面白い物で、目の前にあるのは革であって、その革はただの革である。要するに見た目が変わるだけで、これだけ心に与える影響があるという所に、モノの奥ゆかしさが存在する訳である。タイヤが4つ着いていたらどれも車であるように。この物の考え方は仏教的であって、真実を見ている訳である。この真実を理解できたなら、悟りにまた一歩近づいたと言える訳である。

ラシーントラベラー
ラシーントラベラー 右舷前方姿見

この度は、奈良県葛城市にお住いのJ様へ納車されましたラシーントラベラーをご覧頂きたい。サンドベージュカラーのボディーにアンティークレザーの内装、ナルディクラシックウッドハンドルと、個性のある仕立てでクールである。

ワイパーの塗装
ワイパーのラッカーフィニッシュ

スピードウェルではワイパーの塗装には現在ウレタン塗装を行い、経年の劣化にも強い仕上げを施している。特にシルバーの仕上げは人気がある。

ナルディウッドハンドル
ナルディウッドハンドル

ナルディウッドハンドルは官能の美学。ひとたびグリップを握りしめると、その気にさせてくれる。なぜ国産メーカーの純正ハンドルは工業製品の塊のような、無愛想なのだろうか。わたし達はもっと気分にさせて欲しいのである。

ラシーンのタイヤカバー
ラシーンのスペアタイヤカバー

ラシーンのスペアタイヤは4×4らしく、後部に装填されている。リヤゲート中央から上面だけを開ける事も出来、さらにスペアタイヤのステーを90度開くことにより、ゲート下部をオープンする事が可能だ。

ラシーン記念撮影
ラシーンと記念撮影

ラシーンと記念撮影

この度はJ様、ラシーントラベラー納車おめでとうございました。雨のなかのお写真で恐縮致します。これから長くお乗りいただけますように、ウォーターポンプから交換致しておりますので、お楽しみ頂ければ幸いです。

今日はコレマデ。

本日の名言

思う念力岩をも通す

Post date / 2025年3月22日

静岡県静岡市のT様 PAOトラディショナルMT納車おめでとうございます

やじさんきたさん
駿府のヤジキタ
駿府のヤジキタ
PAOトラディショナルMT

駿府の弥次喜多

今から遡る事200年。入り鉄砲に出女と云わ江戸の幕府が関所を設けて人々を監視していた訳である。当然現在のようにふらっと旅に出る事など出来ず、県境をまたぐことは簡単な事ではなかった。しかし神社仏閣の参詣や温泉など治癒の旅は当時許されていたのである。そして今日のその時、駿府の弥次喜多である。弥次郎兵衛こと静岡市葵区出身のヤジサンと、喜多八こと同清水区出身のキタサンが江戸から東海道を巡る旅に出て、あちらこちらで問題を起こした十返舎一九の滑稽本『東海道中膝栗毛』。これが出版されて、日本で旅ブームが巻き起こったのである。時を同じくして葛飾北斎は「冨嶽三十六景」を描き、東海道の道々から富士山が美しく見える景色、名所絵を残し、それがきっかけとなり、歌川広重が「東海道五十三次」を発行。東京の日本橋は確認していないが、京都の三条大橋脇にもヤジキタの銅像があった事を思いだしたわけで、こうやって繋がっている事に感動を覚える訳である。現在では弥次喜多と言うと、愉快な旅行の事を指すわけであって旅の原点が弥次喜多にあると言っても過言ではない。

パオ フロントフェース
パオのフロントグリル

この度は、静岡県静岡市にお住いのT様の元へお届けに上がりました、PAOトラディショナルMTをご覧頂きます。今回のパオは外装の良い物とエンジン機関が良い物とをハイブリッドで製作差し上げました特殊なモデルでございます。

パオの内装
パオのハンドル廻り

リペアがほどこされたハンドル廻り。アイボリーのハンドルはひび割れしている物も多く、これからも使用に耐える物を選定。

ダッシュパネル上下の張替
ダッシュパネル上下の張替とエアコンの吹き出し口のリペアパーツ

ダッシュパネル上面とアンダートレイの張替と、エアコンの吹き出し口のリペアパーツの交換。シートの一部に合わせたカラーにてレザー張りを行う事によりシートと内装の調和が生まれる。また、エアコンの吹き出し口は特に目に着く所であり、ルーバーの割れや膨らみのある物はSW謹製リペアパーツと交換を行う。

パオのシート張替え
パオの純正風シートの張替え

純正のデザインを踏襲して張替えが行われたシート。今回はダッシュ上面、アンダートレイとシートのパイピングをあわて張替えを行った。運転席はアンコを増量して乗り心地を良くしている。

パオのトノカバー
パオのトノカバー

トノカバーの取付。荷室の目隠しにも使用される。フレームは純正以上の仕上がりにボディーと同じ塗料にて塗装を行い、オーナーの選定した生地を元に張替えを行う。

パオの荷室
パオの荷室の張替え

荷室部のカバーも新調。パオオーナーの方ならなるほどと思う訳であるが、荷室部のゴムマットが縮んで汚れて、カチカチになって、みすぼらしい訳であるが、そこは新調して見えないところも美しく。

パオの内張り
内張りのリペア

内張りも全面リペアを施し、さらに準外板までピカピカに仕上げる。

キャンバストップの張替え
パオのキャンバストップ張替え

今回はジャーマン生地による張替えを行い、10年いや20年と使用に耐えることであろう。

パオと記念撮影
パオと記念撮影

この度はT様、PAOトラディショナルMT納車、誠におめでとうございました。長らくお待たせ致しました。また、沢山のお土産まで頂きこの場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。新天地でパオライフをお楽しみ下さいませ。

今日はコレマデ。

本日の名言

『東海道中膝栗毛』(とうかいどうちゅうひざくりげ)

1802年(享和2年)から1814年(文化11年)にかけて初刷りされた、十返舎一九の滑稽本である。

「栗毛」は栗色の馬。「膝栗毛」とは、自分の膝を馬の代わりに使う徒歩旅行の意である。

Post date / 2025年3月16日

大阪府吹田市のY様 ラシーントラベラー純正仕立て納車おめでとうございます

ラシーンのトランクデカール
ラシーンのトランクデカール
ラシーンのステッカー
ラシーンのトランクデカールをリプロダクト

ココに、日本で最後の純正トランクデカールが有る。これはわたしのコレクションであるが、以前神奈川県のお客様より頂いたものである。生産が中止されてから、デカールのリプロダクトを思いつくも、日々の仕事に追われ手に着いてはいなかったのであるが、いよいよ販売を開始。こちらはスピードウェルのインスタグラムからのご応募となる。価格は990円送料込という事でお財布にも優しい。

ラシーンを大阪府のお客様に納車
ラシーントラベラー純正仕立て

この度は、大阪府吹田市にお住いのY様へ納車されました、ラシーン純正風レストア車両をご覧頂きたいと思います。純正風と申しますと、少し語弊はあるかもしれませんが、前期モデルのラシーンに後期モデルのカラーでレストアペイントを行い、さらに内装もSWの至宝をもって組み上げを致しました。

フロントグリル
ラシーンのフロントグリル

今回は、カンガルーバーを装填してさらに純正で扱われたボッシュ製のフォグランプをリペア装填。鍍金リムも磨きあげ、ボディーはブラックペイント。ステンレスのステーも磨いて美しい。カンガルーバーは本来はアルミの梨地仕上げであるが、腐食しないようにシルバーで塗装を行った。

ラシーンの内装
ラシーンの純正内装

このシートはわたしのコレクションであったが、Y氏が純正が良いということで、それならこのラシーンに装填させて頂こうという事で取付。平成6年あたりバーバーリーチェックが流行したというご時世が感じられる。平成9年式以降ではヘリンボーン柄の内装となるのは、ハリスツイードを意識しての事。また、大航海図のシートはプリマクラッセのカバンなどである。ラシーンの内装は当時のファッションと直結していたのである。

ラシーンの内装リペア
内装の灰汁洗いとリペア

内装のすべては灰汁洗いを施し、美しくリペアが施される。他ではココまで美しく出来る事は無い、と言い切れるくらい美しい。Y氏も新車のようなと仰っていた。SWでは、これから長くお乗り頂きたい、そして宝物にして頂きたい、そのような車の製作に力を注ぐ。

ラシーンにステンレスマフラー
ウェルリプレイスメントマフラー

SWと5ZIGENが共同開発を行った、ウェルリプレイスメントマフラー。SUS304とSUS436をハイブリッドし、適材適所に組み上げた至極のマフラーである。こちらはウェブより販売を行っているので、欲しい方はお問い合わせくださいませ。しっかし、下回りのペイントも美しく、全方位から見て美しい。

ラシーンの後ろ姿
ラシーン左舷後方姿見

タイヤカバーはこげ茶に仕立てたが、純正もお持ちで着せ替えが可能。

ラシーンと記念撮影
ラシーンと記念撮影

この度はY様、ラシーン純正仕立て納車おめでとうございました。とてもお喜び頂き、こちらも嬉しく思います。これからも長くお乗り頂けます様に努力致しますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

自分の生きる人生を愛せ。

自分の愛する人生を生きろ。

byボブ・マーリー