Post date / 2024年3月28日

三重県松阪市のN様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

パオ

まっつぁかの石畳

三重県は松阪牛が有名である。なかなか手頃な価格では無いゆえに、わたしのお口に入った事はない。写真は御城番屋敷あたりの石畳と明治時代に建てられた赤壁木造校舎前である。郵便ポストも相まって、なかなかの風情を漂わせている。日本は近現代に入り建築も合理化の波に押し寄せられ、とてもみすぼらしくなった。たとえば、アルミサッシやサイディングボード、プリント合板などの建築素材であったり、またツーバイフォーの構造などである。これは、まさに合理化その物であって、生産性を上げるためにチョイスされた物事である。が、なんとも味わいのない、負の産物だと言える。たとえば、日本人は昨今、ハウスメーカーの合理的な建売を購入する。しかし、エゲレス人は中古物件を購入、リストアして住む訳である。この両者には決定的な違いがあり、イギリスの住宅は、木は無垢の素材で出来ていたり、そこにある本物の佇まい、味わいも重ね、さらに、家そのものが50年100年と長生きしている。さらに、オーナーが変わり、その度繕われているので、住むには新築を建てるよりかは価格もリーズナブルである。方や日本の場合、一代限りで家を毎度建て直す。その物としての価値の無い建築材料で作り、特に若い頃の思いでフェイクな外壁、内装を選ぶゆえ、年を重ねるごとに、残念な結果になってしまう訳である。果たして、日本人がやっている事は、本当に合理化と言えるのだろうか。合理化や効率化を今一度考える時を日本人は持てるのだろうか。35年経ったパオをレストアして思う事は、このパオというクルマ一台でずっと生けることである。これこそ、合理化であり、効率化であると、わたしは思う。

パオ 松阪市

この度は、三重県松阪市にお住いのN様の元へお届けにあがりました、PAOトラディショナルMTキャンバストップをご覧頂きます。アイボリーのマニュアル、さらにキャンバストップのパオは重要文化財に指定されており、今回はミッションをマーチの物に置換して製作。足回りはローダウンと、ミニライト風のアルミホイールにてCOOLに仕上げました。

パオ まつ毛

ヘッドライトモザンピーク

フロント廻りの仕上げはバンパー、グリルなどは純正を踏襲したペイント仕上げ、ヘッドライトリムも塗装を行い、さらにピークの取付けで雰囲気がマシマシ。タイヤもご覧頂きたいのだが、パターンにこだわった造りでございます。

パオ

ダッシュパネル廻りの仕立て

ダッシュパネル上面は天井にも使用したジャーマンのマテリアルで張替えを行い、大人らしい印象に。さらにウッドシフト下部のシフトブーツは挿し色を入れて製作。メーター左にはリダンを行ったマグノリアクロックを装填。

シフトブーツ
パオ

シフトブーツとポケットベルト

実に、ブーツとポケットのベルトを同色で製作。一台ずつ、オーナー様の思いに合わせて製作させて頂いております。

トノカバー

トノカバーの製作

こちらも、ダッシュ上面のマテリアルと合わせて製作。生地の風合いを大切に、より雰囲気のある仕上げを心得ております。

ミニライト風
パオ

ミニライト風アルミで雰囲気も良い

下回りの仕上げもご覧頂きたいと思いますが、スピードウェルの製作の車両は下回りを観て楽しむ事が出来ます。

パオ 右舷後方姿見

パオ右舷後方姿見

14インチでアルミホイールで仕上げる場合は多いですが、13インチのホイールにローダウンはとかくに可愛くなります。

パオ納車

パオちゃんと記念撮影

この度はN様、PAOトラディショナル納車おめでとうございます。製作には多大なお時間を頂き感謝申し上げます。また、お喜び頂き嬉しく思います。これからも長くお乗り頂けます様に、リペアパーツ等の製作開発にも力を入れて行きたいと思います。

今日はコレマデ。

本日の名言

限りあれば吹かねど花は散るものを心みじかき春の山風

by蒲生氏郷

Post date / 2024年3月22日

広島県広島市のH様 ラシーン・トラベラー納車おめでとうございます

広島
ラシーン 廣島

日本一の路面電車

日本のインフラストラクチャーという囲いの中で、わたし達は生活をしている訳である。なかでも移動に際し、電車や汽車、バスなどはわたしも含め、市井の人が使用するものである。そして廣島に行けば、そのあちらこちらそちらに路面電車が威風堂々と走っているのが伺える。現在日本では17都市にこの路面電車が活躍しているが、廣島は旅客数日本一であり、往年の車両から最新のアルナ車両まで気兼ねなく乗れる訳である。古くは 廣島電鉄900形は大阪市電(1956年製造) 、廣島市電1900形は京都市電(1957年製造) から譲り受けたもの、その他からも譲り受けたものが多数あり、今なほ現役で活躍している。今回は、その元京都市電が使用していた、1900形の『あらし山』に殿上させて頂いた。着座すると共にエアーコンプレッサの緩い回転音が響き渡り、その瞬間わたしの心はこの1900形に奪われたのである。車内を見渡せば味のあるモケットシートに、幾度に渡るペンキを刷毛で上塗りされたサッシ廻り、まさに老舗の追いダレとも言える感覚がこの上なく良い雰囲気である。途中、原爆ドーム前で降りた後、今度は最新のアルナ車両に飛び乗った訳であるが、現代的でこれはこれで良い。しかしながら、日本は(新しいモノが全て)という時代を常にやってきたが、遂に決別する時が来たと感じるのである。新しいモノは良い、しかし古くても残ったものはさらに良い。これからは、そのどちらも大切にしようではないか。そして今日のその時。皆が、そうした感性でモノを見つめる事が出来る時代こそ、本当の豊かさが現れる、と、わたしは思ふ。

ラシーン 廣島

ラシーントラベラー 平和大通り 右舷前方姿見

この度は、広島県広島市にお住いのH様の元へお届けに上がりました、ラシーントラベラーをご覧頂きたいと思います。今回のラシーンはなんとも珍しいマニュアルミッション仕様。ボディーはジャーマングレイにレストア塗装を施し、フロントフェースを丸目2灯型にスワップ。オーバーフェンダーや下部をブラックペイントし、車高が高く見える視錯覚がとてもCOOLである。バンパーやグリル、ルーフレールにはビースト(ゴツゴツ)塗装を施し、細かな仕上げに配慮。その匂い立つ何かがココに存在する。

ラシーン

丸目2灯型グリルとビースト仕上げ

ボディーのラインとフロントフェースの組み付けや、塗装仕上げは特にこだわるところ。バンパー、グリルのブラック部はビースト塗装(ゴツゴツ)でワイルドなイメージとなっている。ビースト仕上げはその塗膜がとても厚く、硬度も半端なく、飛び石なども寄せ付けないほど力強い。また、一般的な黒の艶消しと違い、その表面の景色がモノ的に美しく、質感が極めて高いと言える。

ラシーン

ビースト仕上げ

グリル中央にはクロムト風に仕上げたNISSANのエンブレムを配置。その凹凸で勝負しているところが小憎いのである。

ラシーン

ルーフレールのビースト

ルーフレールにもビースト塗装を施し、これによりルーフキャリア等を直に取り付けても、塗装が割れないという恩恵を受ける事が出来る。

ラシーン ウッドパネル

ナルディウッド群にウッドパネル

ナルディウッドハンドル、ナルディウッドシフトノブに合わせて、バーズアイメイプルのウッドパネルをおごる。ヨーロピアンな波動が室内を埋め尽くす。

ジョルジェット70

ジョルジェット70デザイン

折り紙デザインと謳われたジョルジェット、70デザインレザーシートにボディーカラーのパイピングをあしらい洒落を利かす。

ラシーン

リヤスムーシング

今回は、スペアタイヤを取り除いた形で製作。スムーシングが行われミニマムな情景である。

ラシーン

ラシーンと記念撮影

この度はH様、ラシーントラベラー納車誠におめでとうございました。製作には多大なお時間を頂き感謝申し上げます。色のお打合せ等、こだわって頂き嬉しく思います。また、お土産まで頂き重ねて御礼申し上げます。これから長くお乗り頂けますように、整備等バックアップさせて頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

感性がたりない。

by堤 清二

Post date / 2024年3月8日

新製品!日産パオ トランクマット

パオ トランク

新製品 PAO用トランクマット

こちらは、日産パオのトランクに敷かれている強化ビニール製トランクマットである。純正のトランクマットは経年の劣化により、縮みや敗れが生じており、さらに端々がめくれあがっているものが大多数である。スピードウェルでは、ボルトオンで交換が可能なトランクマットの製作を行ったので、販売致します。

パオ トランクマット

トランクマット 裏型

裏側は純正と同じくスペアタイヤ上部にフェルトを装着。トランク上部にモノを乗せても、無問題である。また、スペアタイヤハウス廻りのロードノイズを抑える働きもある。

トランクマット

トランクマット

取付には樹脂製のボタンをご準備。純正樹脂ボタンはひっかかりが弱く外れやすいが、スピードウェルで採用した樹脂ボタンは自動車のホイールハウス等で使用されているモノに近く、ハードな設計で外れにくい。

ということで、本日は日産パオ専用トランクマット(ブラック)をご覧頂きました。

価格は税込み19,800円(樹脂ボタン含む)

パオのレストア等に如何でしょうか。

スピードウェルでは、レストアパーツの開発を行っておりますが、皆様より販売のご要望が多くなりましたので、少しずつではありますが、掲載致します。

これから、また新しい時代にパイクカー、ラシーンが永く走りますように。

パオ メーター

番外 ダッシュ上面の張替え

昨今ダッシュ上面のパネルが割れたり、褪色したり、生産より35年という歳月がながれ、当たり前であるがやはり経年の劣化は免れない。スピードウェルではこのようにクラフト感溢れるモノづくりを追求している。

Post date / 2024年3月6日

日産フィガロ ボディーレストアを行う

塗装

上質な塗装がココにある

ボディーの塗装と一言でいっても、質はぴんからきりまで存在する。塗装は、下地の処理から最終の磨きの工程まで複数工程があり、そのどの工程も熟達した職人の知識と腕前が必要である。下地が悪ければ塗装の仕上がりも良くなく、されとて下地が良くても、塗装職人の腕前が悪ければ美しい肌は完成しない。さらに、塗料に対するこだわりも必要である。どれもがバランス良く歯車が噛み合う所が、良い仕上がりだと言える。今回は、フィガロのボディーレストアを行うにあたり、当時のカラーに復元するという命題を加えて作業を行っている。塗膜は、 主に『紫外線』『熱(太陽光の赤外線)』『水』の3つの要因によって劣化する訳である。劣化すれば、褪色、クリア剥がれが現れ、みすぼらしい姿のなる訳である。しかしながら、この劣化は環境によるものだけではない。手抜きをした下地処理で安い塗料を使用したも。方や、しっかりした下地処理に上質の塗料を使用して熟達した塗装職人が仕上げた場合、見た目と長持ちの度合いが全く異なる訳である。スピードウェルでは、整備や内装の仕上げは勿論の事、その塗装職人の腕の良さと、コストを気にせずこだわりを持って製作を進めている。もったいないくらいの塗装仕上げが、パイクカーには丁度良い。

フィガロ

フィガロ分解中の様子

今回は、準外板まで塗装仕上げを行う仕事である。ボンネットやトランクの上下などは取り外して一枚ずつ丁寧に塗り上げられる。ドアは取り外して仕上げを行う場合と取り外さず行う場合があり、今回はその後者である。

レストア前

フィガロの板金絵図

なかなか、凹みは軽いがうねりが生じており、大幅に成型。熟達した職人業であれば1/1000mmという単位で表面を仕上げる事が出来る。それを目指して製作する事が重要である。

フィガロ

フィガロの下地

下地処理の工程はまだまだ続き、サフェーサーを吹き付けて塗装の下地を作り上げる。

フィガロ

フィガロの塗装

ドアにフロントタイヤが映り込んだ姿を観て欲しい。鏡のようにしっかりと美しく反射しているのが良くわかる。ツルーンである。

フィガロ内装

フィガロの内張りの様子

これが、経年の劣化でねちゃねちゃ、ザラザラになるのはフィガロオーナーのすべてが知るところ。またアイボリー色が仇となり、汚れが目立つこと。

フィガロ内装

グローブボックス

グローブボックスや、サイドブレーキレバーなどは表面がザラザラ系。汚い。

フィガロ内装

ねちゃねちゃ

天井やAピラー、クォーターパネルなどは、このねちゃねちゃ系である。ほこりだけならまだしも、毛髪、ペットの毛なども付着することがあり、見栄えは最悪である。

フィガロ内装

ねちゃねちゃを取る

すべてのパネルをボディーから取り外し、化学薬品で洗浄する。その際、表面のしぼり(革の模様)が無くなってしまうので、後の塗装でその風合いを足す。

フィガロ内装

塗装を行う。

専用の塗料で塗装を行い、当時の美しさを取り戻す。少し艶があるが、これは塗料をかけた瞬間であり、この後落ち着くからご安心を。

という事で、今回はフィガロのレストア風景をご覧頂きました。スピードウェルではBe-1、パオ、フィガロ、ラシーン、そしてエクストレイルやルノーカングーなど、純正当時の美しさの再現や、オーナーの思いのカラーに車両の製作を行っております。また、その技術に対し研鑽を積んでより多くの皆様に、楽しくお乗り頂けます様に努力致しております。

今日はコレマデ。

本日の名言

人生楽しんだ者勝ち

Post date / 2024年3月1日

日本の伝統 文化 歴史 テレビに出演するの巻

大阪天満宮
青海波

大阪楽所 舞楽 青海波

スピードウェルは、日々全国に販売させて頂きました車両の納車をおこなわせて頂き、日本は本当に美しい国だと感じた訳であります。その美しい日本という国をもっと知りたい、そしてもっと伝えたい、もっともっと大切にしたいという事で、日本の伝統音楽、雅楽の勉強を8年間してまいりました。雅楽とは、古来大陸で生まれた音楽が、聖徳太子の時代に仏教と共に伝来致しました。以降、その蕃楽が国風化をして平安時代に大成し、今日まで受け継がれております。今年の大河ドラマ、光る君へ、では、その大成した当時を覗える源氏物語の歴史の場面であり、BGMに雅楽器の演奏が多用されております。今回は、わたくしが、その雅楽器のなかの主旋律を奏でます、篳篥(ひちりき)のお話で、『3月2日、7時30分よりNHK総合、ウィークエンド関西』に篳篥奏者として出演致します。こちら近畿圏内での放送となりますので、あしからず。

鵜殿のヨシ原

高槻市の鵜殿のヨシ原

篳篥という楽器は、吹口にリード(ヨシ)を着けて吹きます。専門用語で蘆舌と言いますが、これが元来、大阪府高槻市の淀川の河川敷、鵜殿と呼ばれる地域に生息します葦(アシ)を加工してリードにしています。先ほどからヨシ、アシとお伝えしましたが、そもそも葦(アシ)であって、この発音を忌み嫌いヨシ、となりました。ヨシ、アシの区別がつかない。この語源はココにあります。

鵜殿のヨシ原

鵜殿のヨシ原のヨシ焼き

全国有数のヨシ原で、ヨシ焼きは行われますが、昨今は近隣住民との折り合いが付かず、野焼きが中止される事も増え、良質なヨシの育成に影響を及ぼしており、1000年以上続く雅楽の音色が風前の燈火となっておりましたが、高槻市や市民を始め、数々の保全活動を行う団体様のお力添えにより、ヨシ焼きが近年復活致しました。

豊田アナ

豊田アナウンサー

今回は、NHKの豊田アナウンサーに篳篥をお貸しいたしまして、共演ということで、私もお力添え致しました。豊田アナウンサーは、なんと信州上田で、松代の雅楽で幼少の頃篳篥を吹いたことがあるという事で、明日の放送は楽しみであります。

篳篥(ひちりき)

雅楽の楽器の解説ですが、笙、篳篥、龍笛と3管が吹きものとして御座います。笙は天の雲間から差す日の光を音に現し、篳篥は地を這う人の声を模して、龍笛は天と地の狭間にある空を行きかう龍の鳴き声を伝えております。この天、地、空が、雅楽の音色の概念であり、それこそ宇宙そのものだったのです。

https://www.nhk.or.jp/osaka-blog/weekend/492188.html

上記より、番組はご覧頂けます。

美しい歴史、文化のある日本を皆様と共に後世に伝えてゆくことが出来ればなと、そう思っております。

最後に、私のような若輩者が雅楽を語る、鵜殿のヨシを語るなど、1000年早いことであり、誠に恐縮致しておるところでございます。これからも日本の伝統が長く続きますように微力ながら活動していきたいと思います。