どんもす~。ウェルでず。
さて本日はPAO自転車をレストアするというお話。
この車両は日本で何台現存するのであろうか。
非常に貴重な一台となるわけだが、オーナーは
Be-1、PAOチーフデザイナーの古場田良郎氏である。
実はPAOだけでなく、Be-1、FIGAROと合わせてパイクカー3兄弟の
自転車がツノダサイクル(つんつんつのだ)から発売されていた訳だが、
この模様は2010年6月12日のブログ
永久保存版Be-1,PAO,FIGARO自転車の巻!
をご覧頂くことにする。
これがPAO自転車である。
全体のスタイルは月刊スピードウェル7月号『バイスクールスペシャル』
に掲載しているゆえ、詳しくご覧頂こう。
ボディーは21年という歳月が流れ、チップ(錆)が塗装表面に浮いてきている。
しかし、21年とまだこの状態で残ると言う所は、
実は古場田氏の取り扱いが上手いからであることは
容易に想像がつくだろう。
さらに、当時の自転車はメイドインジャパンであり、
現在の安価な自転車とは比べようもなく、高品質だからでもある。
(ウェルが3年前買ったママチャリはすでにこれ以上錆びている)
スポーク部は錆が早く、今にもちぎれそうだ。
リムなどのステンレス製の部品でさえ、21年とならば錆が発生するのは
いざ仕方がないところか。
サドルも年期が入っている。
元々はホワイトのサドルは一旦は破けてしまい、
古場田氏によりレザーが張り合わせられている。
茶色のレザーに張られているのは、ボディーがアイボリー色に対しての
感覚であると推測する。
と言う事で、どこまでレストアするかはこれからのお楽しみであるが、
まずはボディーの錆落としからはじまり、はじまり~。
すでにフレームのみとなった自転車。
各箇所の取り外しには自転車用の専用工具が必要と言う事で、
ご近所のサイクルベースアサヒの力も借りての作業。
塗装は剥離剤で塗料を剥ぐまえに、錆を取り除くコトから始まったのだが、
結局どんどん錆を取っていくうちに無垢の鉄がほとんど顔をのぞかせてきた。
フレームのパイプ集合部。
比較的に錆は落ち着いており、フレーム自体の状態は上々である。
チェーンケースやフェンダーには若干のエクボもあり、
板金が行われている。
フレームは宙吊りでの塗装となる。
一旦錆と塗装を剥離したのち、亜鉛の塗装
(2液性サフェーサー)によりさび止めが施された。
前後フェンダーもご覧の通り、全面に亜鉛の塗料が
おごられている。
チェーンケースもご覧の通り。
自転車をレストアするという話はあまり耳にすることはないが、
こうしてこの先、PAOと共に末永く現存してもらう為、
ボディーは実車と同様の大日本塗料製フッ素樹脂塗料を
おしみなく投入する。
まさに、文化財保護に相当する感覚をこの自転車に
注ぎ込みたいと考えている。
フラフープではない。
ホイールのリムである。
今回スポーク部は全取替えが行われるコトが決定。
リム部はチッピングが多いが、バフがけ&ポリッシュで
光沢のある仕上がりを取り戻す作業がおこなわれるようだ。
今回復元にあたり、原形を変えることなく出来るだけ当時のパーツ
又は、当時のパーツの形状にこだわり、PAO自転車本来の
良さを追求することが一番のポイントである。
ホイールやサドルなど、現在自転車屋さんで販売されているものは
日本製はほぼ無い状態にあり、部品の選定には非常に時間が費やされる
コトとなった。
しかし、出来上がれば、21年前のあの日の再開となるコトは間違いない。
このPAO自転車は来る11月7日 静岡県浜松市で開催される
パイクカーイベント『通称うなオフ』でお披露目となるようである。
今日はコレまで~。
本日の名言
後世に残る仕事をする
by青木仁志
うわ~。考えさせられます。
色々な仕事がある中で、今回の自転車のレストアもその一つかもしれません。
また、日常の車両の製作は間違いなくその気持ちを持って
励まなければなりません。
あなたは、後世になにを残すのでしょうか。
たのしみでありますなぁ~。