諸国民藝
以前金沢21世紀美術館で開催された、工芸とデザインの境目
という展覧会の影響もあって、工芸とデザインのバランスを
熱心に研究している。パオというクルマは、その工芸とデザ
インの丁度中央部にあるような、なんとも奇妙奇天烈摩訶不
思議な恰好で、遠い未来に向けて発射された工業製品である、
というのは少し難解な伝え回しである。それはともかく実に
パオのデザインの草案時には用の美という概念が取り入れら
れ、柳宗悦が唱えた、日曜の雑器が使えば使うほどに味わい
が増すというエッセンスが自動車というインダストリアルデ
ザインに初めて適用されたものであると推測する事が出来る。
パオデザイナーの古場田良郎氏は、後にそのことを、ホーロ
ーの鍋の日常使いの傷の味わい深さが、パオで言う、バンパ
ーが鍍金ではなくシルバーの半艶の塗装とすることで、洗車
をしながら味わい深くなるだとか、傷がついた時にホームセ
ンターでラッカーを買ってきてオーナー自身で気軽に補修が
出来る、そういう風な感覚というイメージを私達に伝えてい
る。誠に発想がユニークで、当時の最先端はパオであった事
に間違いはない。
※トップ写真右はスピードウェル諸国民藝店所蔵品
布志名焼 船木研児作 ガレナ釉 湯呑
【ギャラリートーク「舩木研兒の人と仕事」】
ゲスト:舩木伸児(布志名舩木窯当主)井上一(出西窯陶工)
日時:4月29日(土・祝)14:00〜15:00
会場:出雲民藝館 本館
料金:無料
【スリップウェア実演】
ゲスト:小島鉄平(てつ工房・出雲民藝協会員)
日時:3月18日(土)1回目:11:00〜 / 2回目:14:00〜
主催:出雲民藝協会、出雲民藝館
後援:山陰中央新報社
PAOトラディショナル 左舷前方姿見
この度は、茨城県つくば市にお住いのK様の元へお届けにあが
られたPAOトラディショナルをご覧頂きたい。
PAO フロントフェース
シビエビサージュという直径13センチほどのフォグランプは
濃霧の時に活躍する。
Moto-Lita フラットMK2ウッドステアリング
パオのカラーに合わせてホーンモチーフもグリーンであしら
という細部の拘りが重要。
Wells 50 Design パオシートの張替え
こげ茶一色で統一されたパオレザーシート。落ち着いた雰囲
気が大人らしさを演出している。
ホイールラッカーフィニッシュ
バンパーやグリル、ホイールなどはオーナーの好みにより、
塗装のカラーが選択出来る。
パオちゃんと記念撮影
この度はK様、PAOトラディショナル納車誠におめでとうご
ざいました。急遽キャブレーターも新品いたしましたので、
長く長くお乗り頂けますようお願い申し上げます。またお土
産まで頂き、恐悦至極に存じます。
今日はコレマデ。
本日の名言
「名もなき職人が実用のためにつくり、
庶民の日常生活の中で使われてきたものこそ美しい」
使われてきたという事は、長く愛用しているということに他
ならないわけであり、PAOのような車が美しく見えるのは、
この名言からも伺う事ができます。