ラシーンは古くならない
これが実に不思議な魔法なのである。
20年前に発表されたラシーンは、今見てもちっとも90年代の自動車のデザインと言う感じがしない。
今ではトヨタのfjクルーザーやスズキのハスラーなどと同じ仲間のようにも見え、
ラシーンは今の時代に通用する存在感を持っていると言うことだ。
ただfjクルーザーやハスラーは、今後20年の時間軸を生きるかどうかは、はっきり言って難しい。
なぜならその両者の車は外装内装ともにプラスチックの素地を多用している安価な車であるからだ。
企業は物づくりに対しどれだけコストをカットできるか勝負であり、
発売より20年の歳月を生きながらえるなど、眼中にはない。
パイクカーやラシーンのキーワードにある「親から子や孫へ譲る」とか、
例えばホーローの鍋のようにずっと使い続けることにより味わいが増す、
といふような崇高な思想など鼻からないのである。
世の中、自動車社会の最高で最後の90年代はクルマはオシャレで、
機能的で、輝いていて、手に入れることがそのまま人生の目的そのものであった。
その頃のモノ作りの良さから見れば、今の新型車はつぎはぎだらけの真の寄せ集めである。
もちろん昔から一部を強要パーツとして別の車に使用する事はあって、
ラシーンの足回りなどは、WRCいわゆる世界ラリー選手権で使用されていた
パルサーのGTI-Rの物であるのだから、「ラシーンは世界を走った」とさえ、錯覚するのである。
しっかりしたものづくりの時代に支えられた事もあり、ラシーンの存在価値は普遍だと思う。
しかし発売から20年となる今、新型ラシーンなる開発がスタートしたわけである。
忘れかけていた冒険が、再びスタートする
20年前の記憶を甦らすだけでなく、そこにはこれからの新しい提案がプラスされて
新型ラシーンは4月に公開される。
昨今ではカメラ女子や、さらにはフイルム女子なる言葉が流行り言葉でもあるが、
それは、今まで男性だけの世界感だったものが、お洒落な女性にまで
浸透してきた証であるだろうし、女子はそういう物をちゃんとお洒落道具として
使いこなしているところに、美しさを感じる訳である。
現在は新型の全景は未公開であるが、そういうイメージが新型ラシーンに近いだろう。
日産ラシーンデザイナー 平林俊一氏
新型ラシーンのイメージに良く似合う場所での打ち合わせ。
ファッションアイテムの一つとして提案される新型ラシーンのイメージは
ナチュラルであるが、プリミティブな存在。
現在ではそのプリミティブさが、『とても可愛らしい』と表現される。
そのような感覚である。
新型ラシーンのラフスケッチ
少しずつ明らかになる、新型ラシーンの全貌。
数々のキーワードからイメージされた新型ラシーンのラフスケッチ。
それでは、発表まで楽しみにお待ち頂く事に致そう。
今日はコレマデ。