1000㏄のトランクバッジ
26年前のことである。Be-1デザインチームはポストBe-1(後のPAO)を
開発する上で表現されたキーワードがあった。
それは、日常生活の中にいながらリゾート気分を味わえる とか
パオに乗ると電信柱がヤシの木に見えるやら、スマートなJeepっぽいとか、
ラテン系のジャズがかかっているような感覚 である。
性能面では、4輪駆動でもない。そして荒野を走るわけでもない。
ちょっと背が高いとか丸みとかそういったバランスがいいとか、
ヘビーデューティーじゃない。っぽいだけで、ミドルデューティーというイメージ。
それらは、PAOを具現化するために表現されたものであり
出来上がったPAOを見ればどれ一つ外れることなく見事にPAOのデザインに
落とし込まれた訳だ。
そして当時評価されていたクルマというものは、V6だとか3000㏄だとか
ハイスペックエンジンや流線型のエアロフォルムなどであったわけであるから
それとは違うまったく新しい別の概念をクルマの世界に持ち込んだのかがよく解かる。
先月のことだったろうか、世界のメーカー各社が小排気量のターボエンジンの
優位性を認め開発を進めているという新聞記事を目にしたが、
いやいやまだPAOには追いついていない。
だから今の時代に1000㏄である証をPAOのトランクに誇らしげに飾るのは
とても気持ちが良いものである。
PAOトラディショナル 左舷前方姿見
この度は大阪府八尾市にお住いのT様の元へお届けに上がられた
PAOトラディショナルをご覧頂く事におたそう。
今回のそのPAOであるが、オリーブグレイのキャンバストップである。
天井には当時純正のクロのルーフキャリアをアイボリー色に彩色して組上げ
可愛らしさをアピールしている。
PAOフロントフェス ヘッドライトピーク
ヘッドライトピークなど細かな細工により全体的に可愛らしい
雰囲気が特徴的な今回のPAO。
ピークの角度によりPAOの表情が変わるのがとても面白い。
クルマのフロントフェースは生物の顔を表しているかのような感覚であり
他のインダストリアルデザインにはあまりない。
とんがったヘッドライトはコワオモテであり、丸いヘッドライトは優しさが伺える。
謹製ウェル帆布 60スタンダードレザー
オリーブグレイに茶色いレザー色はある種密林と砂漠(サファリ)カラーであるが、
ヘッドライトピークや、アイボリーに彩色されたルーフレールなども含め、
英国人が英国内、それもメイフェア地区で楽しむサファリといったところだろうか。
PAOトラディショナル 後方正面姿見
PAO専用ウェルリプレイスメントマフラーも装着され、後方の姿見も美しい。
ガラスにはUVカットの透明フィルムが張り込まれ、夏場の日焼け対策も万全だ。
さらにこのことにより、日中のクーラーの効き具合も格段にアップする。
T様ご夫妻とPAOちゃんを記念撮影
この度はT様、PAOトラディショナル納車おめでとうございました。
末永く、楽しくお乗り頂ければ幸いです。
今日はコレマデ。
本日の名言
知って行わざるは知らざるに同じ
by貝原益軒
つまりはそういうことですなぁ。だから知らざるに同じ。