PAOと色
埼玉の陸運支局から5kmほど走行したところに、アイボリーの外壁に
ブルーグレイがエイジングされたシヤツターの建屋を発見した。
これは、なにやらPAOのカラーと調和するようなといふ感覚が脳裏を過り
お隣の個人商店である町の自転車屋の店主に声をかけて少し自転車をのけてもらって
シヤツターに向けてシャッターを切った。などと、おっさん臭いダジャレを口ずさみながら
懐古趣味のわたしが撮るのだから、せっかく美しくしたPAOに似合わないかもしれないが
ボチッと一枚風景を切り取らせて頂いた。
PAOはご周知の通りアイボリー、アクアグレイ、オリーブグレイ、テラコッタという
4色のカラーがラインナップされ、ある種グレイ感がとてもオサレ(お洒落)で
なにやら少し異国的な趣を彷彿とさせている。
以前にPAOのカラーについて古場田良郎氏にお伺いした時には、
テラコッタはそれ以外の色に対してのバランスの取る色なんですと
お話を頂いたことを思い出したので、ふと写真に覗き込んでみれば
張り替えたシートや、ウィンカーがテラコッタ色に近いところで指し色として
存在しているのだから、これは実に一つの空間にPAOの色が演出されたコトになる。
というのは単なるわたしの思い込みかもしれないが、
そのような色を探しながらPAOを運転するのはとても面白いものだ。
PAOトラディショナル 前方正面姿見
この度は、埼玉県南埼玉郡にお住いのK様の元へお届けに上がられた
PAOトラディショナルをご覧頂く事に致そう。
これが実に元色はアクアグレイ色である、というのはだれが見てもわかることは無い。
ということで、内外装も含めてレストアを施すなら塗装も仕替える訳であるから
アイボリー色のPAOになっても何の問題はない訳だ。
PAO フロントフェース
パオ女子に人気のヘッドライトピーク(通称=まつ毛)。
男性にはなかなかわからない、可愛らしさの美学がココに存在している。
特に、少し斜めに取り付けた、ねむねむな感じが好評である。
その他フロントフェースは純正に準ずる仕様で製作が進められている。
ダッシュ上下の張替えとウッドステアリング
ダッシュパネル上は天井(キャンバス)と同色に、ウッドステアリングは
アンダートレイやシートなどと同色にカラーリングを施し、
内外装の色をシンプルにバランス良く整えている。
謹製ウェル帆布 60デラックスレザーシート
オーナー曰く(アンティークらしい)というイメージが全面にということで
旧き佳き時代のその上質さと、色使いを求めて
シートはデラックス仕様で縫製を行い、さらにパイピングに
シートのベースカラーから少し飴色に整えたパイピングをあしらった。
随所の細かな仕上げは、一見では感じるところではないが、
心のどこかで風合いとして感じられるであろう。
ジャーマントップ生地で張替え
より上質さを演出するために、トップはジャーマンでの張替えが行われた。
ジャーマンはキャンバスに比べ、より上質で、柔らかく、高耐久であるが
その上質さゆえに、汚れたら見っともないという欠点もある。
オサレを維持するには汚れたら洗車をする、という日常の美意識である。
ホイールラッカーフィニッシュ
ボディーと同色(アイボリー)で塗装が行われた純正スチールホイール。
中央部にはシルバーのキャップが装着され、
ノスタルジックテイストを彷彿とさせている。
K様とPAOちゃんをガシャ!!
この度はK様、PAOトラディショナル納車誠におめでとうございます。
ながらくお待たせいたしましたが、お喜び頂けて幸いです。
また、お土産まで頂き恐悦至極に存じます。
Camera:Lomo LC-A Film:Kodak Ectar100
K様のご自宅前で、そのPAOを見惚れている姿がとても
オサレであったため、慌ててシャッタをきらせていただいた。
ソビエト製のレンズの写りはなんとも表現しがたい懐かしいイメージで
写真が撮れるので、これは東欧の高度な技術である。
K様ご協力ありがとうございました。
今日はコレマデ。
本日の名言
強い思い、情熱とは、寝ても覚めても、24時間
そのことを考えている状態。
by稲盛和夫
そのあとに自分自身の成功への情熱と呼べるほどの強い思いが
成功への鍵である、と続く訳であります。