どんもす~。ウェルです!
さて、本日は遂にスプリングのパイオニア、
大阪バネ工業とスピードウェルとの共同開発が行われている
日産PAOの大人らしいダウンフォルムのバネの試作をご覧頂く事となる。
今回はモンローのショックアブソーバーの減衰力などをサンプリングし
ショックの特性にあったバネレートに仕上げるという。
なぜかと申せば、昨今ショックアブソーバー交換が
非常に多くなってきており、
装着率で言うと純正品ではなくモンローがダントツであるが為、
モンローにベストセッティングを施すのだという。
もちろん純正のショックに今回製作しているバネをあわせても問題はない。
フロントの車高だ。
純正ではPAOチーフデザイナー古場田良郎氏が
あらゆる条件を想定し前後のバランスを取り車高が決められている
のであるが、発売から20年という歳月が経ち足回りの経年劣化で
大きくバランスが崩れているPAOも見かける。
特にフロントが大きく下がっているのが見受けられる。
(エンジンが重たいからだろう)
純正では現在、フロントが地面からフェンダーアーチ最上部まで
590mmである。
次に、リヤをご覧頂こう。
リヤの車高だ。
リヤはガソリンタンクや、後部座席に3名乗車できるという
ことにより、フロントよりは少し高めである。
古場田氏によると、2~4名乗車で姿見の良いフォルムになるよう
手が加えられているという。
フロントとの差は約5cm。
ノーマルスプリングのバネレート(1,5kgf/mm)であれば、
リヤは乗車定員やガソリンの量により大きく上下する事が検討される。
今回の大きなポイントと利点はこうだ。
モンローショックアブソーバーと併用する事により、
バネレートをある程度高く設定が出来る。
そうすれば、乗車定員の増減により車高が大きく変化する事を
抑えれるのだという。
上記の効能のおかげで、駐車している状態でもまずまずの
姿見を実現できるという試算だ。
また今回はショックアブソーバーのストロークを稼ぐ
(乗り心地重視のため)
大きく車高を落とす(ローダウン)せず、PAOの
愛らしいフォルムを引き出すコトに成功しそうだ。
足回りのいろんな部分も新品になり、遂に試作バネがPAOに
おごられた。
不等ピッチは車高を落とすために使用する。
有効巻き数(ショックを吸収するバネの巻き数)なども計算に入れ、
慎重に開発が進められる。
ココまで深くバネを検視し、試作が繰り広げられているのだから、
必ずびっくらこいてもらえるバネに仕上がるはずだ。
(あくまで試作段階なので『はず。』)
そして、今回はスピードウェル社で組み上げた足回りを
大阪バネ工業のPITに持ち込み、データ取りを行った。
試作バネの装着により、フロントの車高が先ほどの状態から2cmも
降下してしまった。
そう、降下するという事はショックのストローク量が減るという事。
もちろん乗り心地は悪くなる。
そう試作から早々に上手くいくコトは至難の業だ。
ココから煮詰めていく訳だから、悪いところが良く見れて面白い。
そう、ただ地面とフェンダーアーチ最上部だけを測定するのではない。
ショックのストローク量や、バネの接地部、バンプストップラバー
から、すべての測量が行われる。
今回の車高はこうだ。
フロントの車高→地面とフェンダー最上部間 575mm
リヤの車高→地面とフェンダー最上部間 610mm
と言う結果だが、前後とも大きくローダウンしてしまった。
PAOは前のめり気味の車高で、この前のめりをなくしてやると
(フロントとリヤの差をなくし、同じダウン量にする)
車両フロアーは地面に対して平行になり、見栄えが良くなると
一番最初に思っていた。
しかし、これは大きな間違だったのである。
古場田氏が検討されたPAOの本来の車高は
実にPAOのすべてのバランスを計算し、PAOがらしく良く見えるという
素晴らしい秘密が隠されていたのであった。
それは、ボディー(オーバーフェンダー)とタイヤの関係によるもの
も含まれていそうだ。
ジャッキを入れ理想の高さを算出したところ。
ウェルの結論から言うと、フロントとリヤは同じ車高にすると
スピードウェル社的にPAOらしくないという答えが出た。
要するに車体は水平ではなく、前のめり(前傾姿勢)が非常に良いのだ。
しかし、この前のめり度には5mm単位で調整が必要で、
5mm違えば同じPAOと思えないぐらい表情が変るのだという。
まったくシビアである。
そして、今回この5mmに命をかける為、バネのなじみ度や
へたりなども視野にいれ、製作する事になった。
今回は秘密だったのだが、少しだけ車高を見せよう。
まずはフロントの理想
フロントはダウン量ゼロ。
そう、試作段階であるがダウン量はプラスマイナス0だ。
しかし、落ちたように見えるであろう。
これが魔法である。
次はリヤだ。
リヤはバネ定数が上がるため、乗車定員人数を乗せたとしても
純正より大きく車高は下がらないという特性。
それにより最初から少し車高を落とせるのであった。
こうして、前後のバランスが取れた。
では、さらに少しだけご覧頂こう。
本邦初公開、大人的PAO用スプリング。
このバランス。
純正のタイヤサイズが本当に可愛らしく見えるのもうれしい。
おいおい、いろんな角度から見たい!!といわれても
お預けである。
今後の実験もお楽しみあれ!!
また、皆様の意見もお聞きしたいで御座る。
今日はコレまで~。
本日の名言
過去はいいのよ
人間にあるのは今だけだ。
ということですかな。
もっと今を大切に致しましょうぞ。
それが未来につながりましょう。