どんもす=ウェルです。
さて皆様、本日も非常に寒く、どんどん寒くなってきましたが
こたつの中で如何お過ごしでしょうか。
さて本日は久しぶりに整備内容のあるブログ、板金塗装(レストア)編を
ご覧頂くコトに致そう。
PAOのサイドステップ底面の錆
PAOにはサイドステップ廻りには非常にさび難い
カナダ輸出車用防錆鋼板が使用されているのはご周知のとおり。
PAOチーフデザイナーの古場田良郎氏の熱い思いにより、
3オーナー5オーナーとなっても乗れるというキーワードが生まれ
その意志により国産ではありえないそのような設計仕様となり
PAOは製作された。
そのおかげで現在でもたくさんのパイクカーが走るコトが出来ているわけだが
しかし、そのカナダ向け防錆鋼板であっても、一度錆びると
徹底的に錆を落とさない限り錆び続けるということで
今回はその修理である。
サイドステップ底面の錆を削り落とす
これがなんと表面に浮かんでいる部分から1㎝ほど内側まで錆びている。
塗装をめくれどめくれど塗装面と鉄面の間が錆びているから驚きだ。
錆転換剤を使用
いくらサンダーで綺麗に錆をおとしたと思えど、
見えないくらい細かな錆も存在する。
それらが残ればまた錆がどんどん湧いてくるということで、
残ってないようで残っている錆対策のため、
錆転換材を塗布する。
鉄表面を黒錆の被膜に転換。
これは、いわゆる赤錆から黒錆に転換しているわけだが、なぜ転換するかと申せば
「赤錆」と呼ばれる鉄錆は下地の保護作用はなく、腐食はいつまでも進行する。
一方、緻密な酸化物被膜ができれば、腐食に対する保護層として機能する。
その原理を応用したのが錆転換材であり、黒錆( 四酸化三鉄)にする。
高温や酸素不十分の条件で鉄表面に人工的に形成した黒錆層は
緻密な皮膜となるため、防食法の一つとして有用であるのだ。
パネル内側からの錆を抑制するワックス
PAOでは新車製作過程においてふんだんにワクシング処理が行われている。
今回も板金した箇所の裏側にはワクシング処理を施すわけだが、
特にサイドステップはインナーシルとアウターシルが重なりあっており
内側から錆が発生し、外側のボディーに錆が回るという現象が多いようだ。
ワックスがサイドステップ底面の排水口よりあふれ出た様子
サイドステップ室内より先ほどのワックスを噴霧すれば
内部に行きわたり、排水口よりワックスが流れ出た。
一般的な塗装屋さんがここまでの処理をするかと申せば、
することはまず無い。
されど、したからと申せど100パーセント錆びないということでもない。
しかし、どれだけ錆びないように出来るか、挑戦するかという所に
力を注ぐコトがスピードウェルの使命である。
今日はコレまで~
本日の名言
安いわりにモノがいい、といわれるだけではダメ。
現在の品質に満足している者は去れ。
by柳井正
これは作り手である私にずどーんと響いた名言であります。
常に最良の、最善を目指して明日に頑張らなければなりません。