皆様、残暑お見舞い申し上げます。スピードウェルのホームページは現在新しいステージに向かって更新中であり、ブログも内部の構造をバージョンアップ致しました。ここから、新しい1ページが始まりますので、どうぞご期待ください。それでは、シンスピードウェルの始まりです。
今一度、パオの名前の由来である。決して荒野を走るわけでもなく、Amazonの奥地を探検する訳でもない。しかし風を感じたり、日常が非日常となるような、いわゆる冒険心をくすぐる気分なクルマであって、モンゴルの遊牧民族が使用するゲル(テント)が、大陸言葉で包と書いてパオ言うのである。パオはそのボディー形状からも解るように、天井はテントのように、ドアには三角窓を設け、馬にまたがり風を感じるような、フロントフェースではグリルはまさに網焼きであって、ヘッドライトはお皿になる。これはパイクカーデザイナー古場田良郎氏より教わったパオのデザインである。簡単に言えば、移動式住居(ゲル)にタイヤが4つ着いたものがパオである。パオイスト(パオを愛する人の総称)達は、今日も日本中を、そして人生の旅をしているのである。
この度は、愛知県丹羽郡扶桑町にお住いのK様の元へお届けに上がりました、PAOトラディショナルレストレーションをご覧頂きたいと思います。アクアグレイのこちらのパオボディーのレストアに、内装のリペア、エンジンやミッションのオーバーホール、クーラーや足廻りの部品交換等、かなりのパーツを新品に取替を行い製作された手間隙をかけて製作されました。
今回は、シート張替えに合わせてダッシュパネル、アンダートレイ、ドアポケット、シフトブーツ、トノカバー等一通り張替え。また、こだわりの生地(ハリスツィード)を取り寄せて、シート側面にはハリスツィードの証明タグをあしらった。
最高級のツィードを使用して張替えが行われた内装。シート形状は純正に準ずる仕様。イギリスで製作される羊毛生地は難燃基準にも合格しており、自動車用に使用が可能である。
ハリスツィードと言えば、この証明タグである。ジャケットやマフラー、手袋、さらにイヤーマフなどお洒落に着飾るのは人だけではない。
シート上面にハリスツィードを使用し、側面やパイピングは最高のレザーマテリアルを使用して張替えがおこなわれている。一つひとつのパーツに熟練のクラフツマンがこだわりを持って製作しており、新しいオーナーには感激をもって迎えられる。
トノカバーは最近人気であり、スピードウェルでも品薄商品である。今回も内装生地と合わせて張替えを行い、フレームはリペイントをおこなっている。
トランクルームのカバーは純正品は経たりに経たっており、こうして張替えを行うと新車のような佇まいになる。普段は見えにくい場所ではあるが、そのようなところからにほい立つ、何かが存在する。
国宝犬山城の城下町である。すでに400年という時空をタイムスリップするという旅に出た訳であるが、そのパオの室内から望む情景は、パオ以外から望む情景と同じではない。
この度はK様、PAOトラディショナルレストア納車、誠におめでとうございました。長らく製作にお時間を頂きましたが、お喜び頂けまして嬉しく思います。それでは、今後ともどうぞお付き合いよろしくお願い申し上げます。
今日はコレマデ。
本日の名言
ムダなことを考えて、ムダなことをしないと、伸びません
byイチロー
そのムダを一生懸命したからこそですね。