初雪のラシーン色
先週の神奈川県での納車では黄色のラシーンに銀杏のカラーが良く似合うので
ラシーンと銀杏を撮影したのであったが、考えてみればラシーンは当初4色のカラー
(ホワイト、ペールグリーン、ブルー、イエロー)で発売されたのだから、
ほかの色のラシーンでもなにか似合うところがあるはずだと考えていた。
そして今回はその愛知県で今年の初雪となった翌朝の事。
丁度あたしはホワイト色のラシーンを初雪が降り残る中、納車路へと足を進めていたその時
これは運命的な状況に遭遇した、と天に感謝したのである。
何故ならラシーンが初雪に染まる美しい日本の田圃の畔道を走っていたのだから、
ラシーンのホワイト色と初雪の色がとても良く似合うではないかと閃き
太陽が昇る最中、雪が溶けないように慌ててシャッタを一枚切って
これはラシーンの色であるとあたしは確信した。
20年前、ラシーンの開発当初のキーワードに自然という文言があった。
そして2年後に発売となるラシーンのプレスリリース用小冊子の中で
色については『シーンに溶け込む色づかい』と説いている。
さらに、自然の中できれいに見える色、街で風景の中に溶け込みやすい色、と
小冊子では補足説明が加えられており、それらは発売まもなくディーラーなどで
ラシーンの色を説明する際、イメージとしてユーザーに伝えられた事であろう。
でも、あたしは今回ラシーンの色がそのようなイメージを飛び越えて
具体的に次のように日本そのものであると経験した一人である。
ペールグリーン(淡い緑)は春の若草色であり、ブルーは夏の海と青空の色。
イエローは秋の銀杏の色で、今回のホワイトは冬、初雪の色。
ラシーンデザイナー平林俊一氏がラシーンは『日本の土壌に似合う四駆』
すなわち日本四駆であると仰られたが、どうやら機能だけではなかったようだ。
日本に似合うラシーンは、日本の四季を色に当てはめて創造されたクルマ。
これはラシーンの美しい哲学である。
ラシーンジョルジェット 左舷前方姿見
この度は、愛知県一宮市のW様の元へお届けにあがられた
ラシーンジョルジェットをご覧頂く。
初雪のラシーン色という題名ではあるが、ラシーンは元にホワイト色が主である。
それは、ラシーンデザイナー平林氏が一番造りたかった色のクルマであり、
前期物、後期物を通じて造られたカラーはホワイトのみであるという
コトからも推測するコトが出来る。
バンパーグリルガード
本来はオーストラリアのカンガルー避けというところから発達した文化であり
前期物のグリルガードはアルミ製でとても頑丈である。
これが後期物になれば、プラスチックのプロテクターのような物になってしまったのだから
本来の意味を成していないように見えて、何か偽物臭くなってしまった。
また日本には、似たような性能や価格で一つを選ぶには
『迷ったら重たい方を買え』という迷信があるのだから
あたしはこの感覚を大切にしている。
ジョルジェット70レザーシート
元はトラベラーでの製作ではあったが、オーナーの希望によりジョルジェットに変更。
シートのデザイン性を抽象的に捉えるため、あえてパネルのラッカーは行われず
ラシーンの素地を利用し、ハンドルだけ交換した。
本当にナルディのウッドハンドルとの相性は抜群である。
ラシーン 車内後方より
シート後方のポケットはスッと差し込めるタイプのが
謹製ウェル帆布が製作するラシーンのシートポケットである。
ラシーンは特に後部座席が狭い印象があるから、
後部座席にお座りになられる方の、おもてなしとして
このようなスリット形状のポケットが装着されている。
ホワイトダイヤル(指針盤)に変更
1500㏄のモデルでは、純正ではブラックダイヤルであるのに対し、
1800㏄のモデル(後期物)は純正でホワイトダイヤルである。
というメーカーの仕掛けは1800㏄に色気を着けて販売促進しようと言いう流れなのだろう。
現在ではこうして1500㏄でもチャチャイ氏のホワイトメーターKITなどで
ホワイトダイヤル化が行えるのであるから、わざわざ1800㏄を購入しなくても良い。
ラシーンジョルジェット 後方正面姿見
背面のタイヤが鉄製の図太いステーで取り付けられるラシーン。
今の新車では考えられないコストがかかっていることが伺える。
そしてWオーナーのお店のロゴを背面タイヤのカバーに写し
ラシーンジョルジェットの製作は完了した。
ラシーンちゃんとW様をガシャ!!
この度はW様、ラシーンジョルジェット納車、誠におめでとうございます。
これまた、お土産まで頂き恐悦至極に存じます。
それでは、無料点検お待ちいたしておりますので
どうぞよろしくお願い申し上げます。
今日はコレマデ。
本日の名言
節約をしたいのなら、高い物を買いなさい。
そうですわな。あたしなんぞは100円均一でボールペン10本入りを買ったは良いが
その中にインクが出るのが1本しかなかったという、何ともお恥ずかしい話。
結局、高い物を買いました。