長編 日産Be-1 サイドステップを板金するの巻

どんもす~。ウェルです!
本日ハ日産Be-1ノ横車体足掛ヲ板金セリ(昭和初期風)という事で
サイドステップをぶつけちゃったBe-1の復活劇をご覧頂くコトに致そう。
Be-1 パンプキンイエローだ
まずはサイドステップとはどの辺りか、解からない方にもっとアップで
ご覧頂こう。
サイドステップだ
そう、ドア下のこの部分がサイドステップ『サイドシル』だ。
今回は、結構ごぼっとへこんでしまっているから、
フロアパネルにまで歪が生じているかどうか心配だ。
以前にBe-1デザイナー古場田良郎氏からBe-1のお話をお聞きした折
Be-1のサイドステップは2重構造で、けっこう頑丈だという。
サイドステップ
こんなにも凹んでいるのだから、フロアパンが心配だ。
どのような二重構造かはウェルも図面を見たことはなかったので
想像だけでお話をお伺いしていたのだが、こんなにすんごいとは。
それでは本邦初公開、Be-1のサイドステップの中身をご覧頂こう。
サイドステップ切開
超ーすげー。(北島風)
普通のクルマであれば、外のアウターシルパネルは無い。
なぜこんなに強固に製作されたのか、100年乗っても大丈夫。
そういうところからか、この構造を見る限りただならぬ
車の造りこみようであるのは必定。
非常にボディー剛性の高いクルマと言えよう。
もっと近くでご覧頂こう。
サイドステップ切開
ステップ上下の光っている点はスポット溶接がなされた後だ。
スポットの数もかなり多いような気がする。
現代の車にはこれほどこだわったボディーがどこに存在すると言えよう。
実にBe-1はクルマとして逸品であることには間違いなさそうだ。
しかし、Be-1はクルマとクルマを比べるコトではなく
日曜品や雑貨、家電製品、アイスクリームやメリーゴーランド。
クルマ以外のものと比べられたというから面白い。
サイドステップ横から
サイドステップの横から撮影。
ほうら、凄いだろう。
いくら2重構造を採用していたからと言って、
こういう形で2重構造であったとは、驚く限りである。
アウターシルは、ラリーにも耐えるぐらいの骨太な骨格に。
Be-1がますます欲しくなる。
今Be-1に乗っている方にとっては
Be-1の素晴らしさを再確認たでコトであろう。
サイドステップだ
インナー側をアウターシルと呼び、アウター側をカバーシルと呼ぶ。
しかし、錆もなく20年という歳月は本当に経ったのだろうか。
中からは高田工場のかほりがしてきた。
ドアを閉めた様子
ボディーのゆがみを無くすため、サイドステップの切開部分
下からジャッキで固定される。
適当に板金してボディーがねじれたまんまで無い事が
確認できるであろう。
ドア下とサイドステップのあわせ面がずれると
ドアとサイドステップがごっちんこするため
ミリ単位での調整が必要だ。
まさにコダワリの板金。
新品パネル
右がカバーシルで左がアウターシルパネルだ。
まだ新品パーツで日産から出るというのだから、
これまたビックリである。
20年が過ぎ、さらに修理し乗り続ける。
これほどエコなモノは無い。
だれがプリウスに乗り換えて、廃車にだすものか。
国策がどれほどエコなのか。
エコではなくただの景気回復措置であろう。
そして、10年後プリウスに乗った人たちは
バッテリーの交換を余儀なくされ、いらぬ費用がどんどんかかり
なんとも残念な結末になるのであろう。
話は反れたが、本題に参ろう。
今回、サイドステップをすべて丸腰交換する事は避けたのである。
なぜならば、シルがリヤクォーターパネルの下じきになり、
クォーターパネルまで取り外すと、本来のボディー自体が
台無しになってしまうからだ。
余計な溶接も増え、錆びる危険を増やしさらにいらぬ熱を加える
ことにより歪さえ生じかねない。
クォーターとカバーシル
クォターとカバーシルの合わせ面だ。
この部分がとてつもなく難解でありそうだ。
カバーシルの山折面
カバーシルとクォターパネルの合わせ面だが、
ボディー内側に山折になっているため、構造的に
サイドステップが先に組み込まれ、その上から
クォターパネルが乗っかっているのか、もしくは
カバーシルとクォーターが共に溶接されているのであろうと推測する。
この部分を切り取り、溶接で埋めるコトも可能だが、
熱が入るゆえ、その工法であれば、必ず裏から錆びて来るであろう。
色々と悩んだ末に、悪い部分をカットして
新しいパネルをその大きさに切りあてがう方法を今回は
採用する。
サイドステップはまっすぐ切り取られる
力の逃げ具合も想定し、アウターシルパネルの切る位置から
カバーシルの切る位置を約10cmほどオフセットし、
おなじ位置に力がかからないようにしたのである。
熟練のクラフツマンの知恵が生かされた瞬間がココに。
板金終了
必要なシル部を切り取り車両側に防錆剤を塗り
溶接をして、板金が完了したのである。
そして、塗装となるが吹付け風景はゴミが入るためにカット!!
塗装完了!
遂に塗装が完了した。
どうだ、大きく凹んでいたようには思いますまい。
立て付けも大丈夫
そう、1mmの狂いでもドアを閉めてしまえば、チリで
解かる。
元々5mmとかそのような次元であるが為、寸分の狂いが
ドアとサイドシルとの接触につながるのである。
板金したとはおもえないだろう
ほらまっすぐだ。
当たり前の仕上がりだが、修理するとこちらもうれしくなる。
終了!!
スピードウェル社では、これからも末永くお乗り頂ける様
車両にとってどういう修理方法が一番良いか、検討し
これからもコダワリを持って製作する。
今日はコレまで~。
本日の名言
不況は贅肉を落とす注射である
by 松下幸之助
さすが経営の神様。言う事が違います。
しかし、誤った捉え方をした、現在の企業は良い物を作るという
本質を忘れ、どんどんコストを削減しているとか。
今の新車を見れば一目瞭然。
負の連鎖はとめるコトは出来ません。