日産PAO 大阪バネ工業と共同開発!!スピードウェル社が究極の足廻り開発の巻!!

どんも~す。ウェルです。
さて、スピードウェル社が遂にパオの足廻りの開発に踏み切った。
単に足廻りと言うが、いろんなパーツで構成されている。
そして乗り心地と見た目という2点に大きく焦点を当て
スプリング(俗名バネ)を開発しているという。
何がなんだかわからないであろうから、ご覧頂こう。
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パオの横からの姿見だ。
なになに、ブリジストン製のスーパーラップのアルミホイールがおごられている
以外になにもないようであろう。
しかしながらココにはおおきな問題点が見え隠れする。
では部分カットでご覧頂こう。
20090813b.jpg
フロントの足廻りだ。
特にフェンダーとタイヤの隙間をご覧頂きたい。
20090813c.jpg
リヤの足廻りだ。
特にフェンダーとタイヤの隙間を気にして頂きたい。
どうだろう。
皆様も解かったであろうか?
そう、パオが大きく前傾姿勢になっているのが。
もちろんこの前傾姿勢には理由があるのだが、それを克服し
一定の水平近くまで『完全には水平にしない』ボディーを保ち、
乗り心地までも良くするというスプリングを開発するのだ。
現時点でのフロントフェンダー頂点から地面までの車高は約600mm。
リヤフェンダー頂点から地面までの車高は約640mmだ。
約4センチも後ろが高くなっているのが伺える。
経たりなども計算に入れていかないといけないが、これが平均値である。
この車高を若干ダウンしさらに車両を平行近くに保てば、
スピードウェル社が求める理想の見栄えになること間違いない。
『うちのパオちゃん、ちょっと後ろが上ってるようにみえるわぁ~』
っとおっしゃられる方には朗報。
さらに、今回パオ業界では一番需要のある
モンローリフレックスショックアブソーバーとの相性を一番に考えた
バネレートで設計するため、今後足廻りの修理をされる方は
セットで交換すれば最良の乗り心地が得られるコトだろう。
今回はスプリングのパイオニア、大阪バネ工業株式会社と
共同開発で試みるコトとなった。
大阪バネ工業株式会社は多数の大手自動車チューニングメーカーのスプリングの
製造元として知られ、それ以上に産業ばねのトップブランド。
いわゆる日本が誇るトップレベルのスプリング製造会社である。
誰もが太鼓判を押す仕上がりになるコトは間違いないであろう。
そして今回ご担当いただくのが、営業部の松浦氏と
技術部設計開発課の谷口氏である。
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まずは純正のスプリングをサンプリングする。
巻き線の数や、線径、製造方法など事細かなデータを
コト細かく抽出するのだ。
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パオの純正スプリングの仕様をココでお教え致そう。
☆フロントコイルスプリング
バネ定数(kg/mm) 1,5
自由長 右MT 347,5 左MT 340  右AT 365,5 左AT 354,5
コイル中心径 90パイ
線径(mm) 右MT 9,2 左MT9、1  右AT 9、5 左AT 9,3
☆リヤコイルスプリング
バネ定数(kg/mm) 1,5
自由長 330,5
コイル中心径 85パイ
線径(mm) 8,9
ざっとこんな感じだ。
しかし、このデーターは日産が公表しているものであり、
本当かどうかは解からない。
それを解明すべく、松浦氏と谷口氏はスプリングを一本ずつ試験機にかけて
行くのであった。
スピードウェルが熱く燃える瞬間がココにある。
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スプリングの一番端を見れば製造工程が解かるという。
一番端が巻き込まれず、少し外へ真っ直ぐむいている、これが熱間整形の跡。
材料を加熱して成形後に、焼入れ・焼戻しをする事から『熱間ばね』
と呼んでいる。
特に太くて大きなバネを製造するにはこの方法が用いられる。
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経たり具合なども確認するために自由長を測定。
そもそも、新品の状態でもメーカーサイドの公表数値と合わないものも
あるらしい。
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次はバネレートを測定する。
バネレートとはばね定数の事。ただ英語で言っただけ!!
1mmスプリングを縮めるには何キロ荷重をかけるか?という数値によって換算される。
パオの場合1,5kgの荷重をスプリングにかけると1mm縮むという事が
先ほどのデーターで読み解く事が出来るのだ。
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100kg、150kg、180kg、と圧力をかけて行き、
その都度いくら縮んだから測定が繰り返された。
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スプリングは荷重をかけてもまた同じ自由長の戻るのだが、
ある一定を過ぎると同じ自由長に戻らないのだ。
それが、このスプリングの限界点であり、それが経たりの原因でもある。
こうして、純正スプリングを全て測定し、計測結果を出した。
ココではまだ公表できないが、本当に素晴らしいスプリングが
出来上がるためのデーターは収集出来た。
20090813k.jpg
ココでは、スプリングの乗り味やローダウン量など、打ち合わせが
行われる。
スピードウェル社+大阪バネ工業=最良の乗り心地、最高の姿見。
となるよう、スピードウェル社内でも研究が進む。
20090813l.jpg
これがいろんなデータだ。
マーチMA10 Turbo前期 Turbo後期 マーチR スーパーターボ
NISMOダートラ用なども全てデータとして収集した。
目標は大人的ローダウン。ロールの抑制。前後荷重の調整。
最高の姿見。最良の乗り心地だ。
①大人的ローダウン
ほとんどローダウンしないという事。
今回製作するスプリングはローダウンはするがローダウンスプリングとは呼ばない。
ボディーの前後の調整を施す観点から、必然的に下がることがあるというぐらい。
純正の風合いをより大切にするため、最良かつ最小のローダウン量を実現する。
②ロールの制御
パオにはコーナーリング時に外側へ揺れるというロールの制御を行うスタビライザー
が着いていない。このことから、前後のスプリングのバネレートを調整し
乗り心地を損なうことなくロールを抑制する事に挑戦する。
③前後荷重の調整
パオだけでなくクルマは前かがみになりやすい。特に後ろの座席に
定員数座ればバランスが取れるのであろうが、パオをずっと5名乗車で
乗るコトはそうない。それであれば、1~2人乗りで最良の姿見を
実現し、5名乗車しても、それほど悪く見えないくらいの調整してあげる
という事だ。
④最高の姿見
パオのある程度ある車高を保つコトこそが、最高の姿見を生むであろうと
理解している。もちろん完全なローダウン車もカッコいいのだが、
パオらしい、という観点から見つめなおしたら必然的に答えが割り出される。
⑤最良の乗り心地
今回はモンローのショックアブソーバーの減衰力にベストマッチ
させ、純正よりタイトな仕上がりを目指す。
などなど。
これはスピードウェル社独自の見解だ。
以上、今後は試作からサーキットでの試乗を行い、
厳しいテストに合格した素晴らしいスプリングを皆様にご提供できる様
薦めて行く。
スピードウェル社がこだわる足廻り、是非ともご期待あれ。
今日はコレまで~。
本日の名言
どんなに豊かな土壌でも
耕さなければ実らない
人の心も同じである

byセネカ
おうおうそういうことだすなぁ。
もっと~いろんなことを学びなさいという事でもありましょう。