フォルザのフロントフェースはスカイラインの直系
実に、この秘話は、まだあかされてはいない。このブログを見た人は、きっとラシーンフォルザについて魅力を感じる事であろう。ラシーンは平成9年に後期モデルと題してマイナーチェンジが行われ、そしてさらに平成10年フォルザという2000㏄の排気量を持つ屈強なラシーンが発売された。CMはムーミンとスナフキンが起用される。そのフォルザは丸目4灯のフロントフェースとオーバーフェンダーが特徴的である。ボディー本体も他のラシーンとは異なり、ベースは、速さへの情熱が詰まったパルサーGTI-Rそのものであり、このGTI-Rからターボチャーチャーを外したモノがフォルザのパッケージなのである。パルサーGTI-Rは1992年にWRC、いわゆる世界ラリー選手権に参戦していた車両であって、こんな強烈な4WDが何とフォルザのベースだった事を知る人は少ないはず。いや、居ないのではないか。また、特徴的なフロントフェイスは、なんと箱スカやケンアンドメリー、そしてジャパンのデザイナーである松宮修一氏によるもの。ここでようやく点と点が線でつながったと思う方も多いはず。なぜ丸目4灯だったのか、なぜオーバーフェンダーだったのか。それは往年のスカイライン直系デザインだったからだと言っても過言ではない。不運にも当時の流行の波に乗る事が出来なかったが、25年という歳月が流れ、フォルザは遂にビッグウェーブに乗って、とてもイカしたクルマに昇華したのであった。松宮さん、デザイナーチームの皆さん、本当に渋いクルマをありがとうございます。
ラシーンフォルザ フロントフェース
この度は、大阪府泉大津市のM様に納車されました、ラシーンフォルザSWltdをご覧頂きます。今回は後期モデルにあるシダーグリーンを現代風にリミックスしたカラーで塗装を施し、内外装をくまなく仕上げ、さらにエンジンやミッション、ブレーキ廻りも超絶メンテナンスを施してこれから長くの使用に耐えれるように製作が進められました。
ラシーンフォルザ 左舷前方姿見
各部のパーツはブラックでペイントが行われておりますが、実に手間隙をかけた塗り分けをしております。まずはバンパーはピアノブラックとマットブラックとシルバーの3色。グリルやオーバーフェンダー、ミラー、ドアのアウターハンドル等はピアノブラック。そしてホイールやルーフレール、クォーターガラス、背面のステー等はセミグロスのブラック。昨今のどれもこれもが艶消しのブラックで塗装するのも良いのですが、こういった塗り分けを行う事によって、より深みと味わいが現れ、とてもカッコ良く心に映ると思うのです。どれだけの良質なエネルギーをかけて製作するかが、質感や味わい深さ、匂い立つ何か。モノから感じられる存在感の決め手になると信じている。
フォルザの内装カスタマイズ
昨今人気は、ホワイトのパネルラッカーにウッドハンドル。シンプルに解りやすくてCOOLである。この色合いも丁寧に調整されており、パネルラッカーの肌艶の感覚などは、他では絶対に真似は出来ないであろう。
SPEED LEATHER 50 Design
最高品位のマテリアルを使用して張替えが行われるフォルザの内装。スピードレザーは完全な張替えの為、長くの使用に耐えるマテリアルを使用している。使えば使うほど味わい深くなるのが最大の魅力である。
エンボス仕立て
今回のシートは身体が当たる面はエンボス仕上げとなり、蒸れにくくてなじみが良い。単色で仕立てる時にはちょっとした雰囲気を楽しめるのも魅力だ。
クォータグラスのブラックペイント
実は、このクォータグラスはポリカーボネートで出来ており、経年の劣化でひび割れが酷いのである。その上から塗装すれば、あと数年もたてばバキバキに割れてくるであろう。SWでは3㎜厚のポリカーボネートを加工して、さらに覆い、しっかり溶着させてから塗装を行うという造り込みを見せている。
フォルザ 15インチ 純正アロイホイールを加工
1800ftやフォルザ専用の純正アロイホイールも、リムを磨きアルミの地肌を整えてシルバーに光らせ、さらにセミグロスのブラックペイントで押さえれば、現代に通じるお洒落なホイールに仕上がる。(オーバーフェンダーはピアノブラックがやっぱり渋い)
ラシーンフォルザと記念撮影
この度はM様、ラシーンフォルザ納車誠におめでとうございました。お色の打合せではご要望をお聞かせ頂き、さらにバランス等お任せ頂きまして、恐悦至極に存じます。そして、とても気に入って頂けまして幸いです。
今日はコレマデ。
本日の名言
すべて八分目
この限度を守ってさえいれば
たとえ成功しても
調子に乗り過ぎて
失敗する憂はない。
by小林一三