パオなカメラ
自動車業界において、既にパオとは機械仕掛けの事を指すと
言えば、大げさではない。新車などは家電製品の如く、電子
パーツが無いと動く事は勿論、ドアさえ開かない物もある。
そこで、出てきた言葉がパオなカメラである。要するに、電
池がないと動かないカメラではなく、ゼンマイがシャッター
幕を巻いて、シャッターボタンを降ろすとゼンマイの力によ
って幕が開き撮影が出来る機械式の事である。まあ途轍も無
くPAOSIDE言葉ではあるが、パオ星人もしくはパオイストで
あれば通じる言葉であると思う。ちなみに、写真機が写真機
を映すという滑稽な姿は現代ならでは。被写体はオリンパス
のPEN-Fである。ハーフカメラと呼ばれるのは、ライカ版、
35㎜フィルムを縦に使用することによって、2倍の量の撮影
が出来るという代物である。昨今ではこの手のフィルムカメ
ラがとても人気があり、コンタックスのT2なんかは新品当時
より価格が上がるという魅惑の時代に突入した。これなんか
はポルシェがデザインしたカメラであるから、シュッとして
本当にカッコよく、若者はさすがにそのお洒落感を楽しんで
いる訳である。パオから入ると、生き方も含め、それぞれに
拘りたくなってくるものだ。
PAOと記念撮影
この度は、京都府京都市にお住いのK様の元へお届けされま
したPAOトラディショナルをご覧頂きたい。新車のような輝
きに仕立てられた車両はオリーブグレイというカラー。オー
ナーの拘りによって内装はモケットで張替えされるなど、見
どころ十分。
シルバー類もリペイント済み
細部もリペアが行われ、気分一新。すでに30年という歳月が
過ぎ、されとて、これから長くお乗り頂きしところで、細か
なパーツ、特に見栄えのする事は美しく押さえておきたい。
パオの内部
この度はK様、PAO納車誠におめでとうございました。古都、
京都でお抹茶色のPAOは良く似合いますね。このPAOが京都の
風景の一部になると考えると感慨深いものがあります。それ
では、どうぞ末永くお幸せに。
今日はコレマデ。
本日の名言
たとえ、いかなる逆境、悲運にあおうとも、
希望だけは失ってはならぬ。
「朝の来ない夜はない」のだから。
by 吉川英治