工芸とデザインの境目展
今回は、ラシーンデザイナー平林俊一氏と共に金沢21世紀
美術館で開催されている『工芸とデザインの境目』展のお
話である。工芸とデザインは何が違うのか?という疑問を
投げかけた今回の展覧会は、プロダクトデザイナーの深澤
直人氏による企画。深澤氏といえば、現在日本民藝館5代目
の館長でもあり、民藝、工藝、デザインの立ち位置をバラ
ンス良く伝えてくれそうだ。果たして工芸とデザインに境
目はあるのか。という疑問から始まる展覧会は、その境目
あえてを見出すことによって、工芸的、よりデザイン的、
はたまた、これは工芸でもありデザインでもあるという風
沢山の若者で混雑する。
工芸やデザインに対する展示会で平日にもかかわらず満員
御礼の様子。
左によるほど工芸 右に行くほどデザインという展示
工芸は作者とつくり手が同じ人物である。もちろん分業の
場合もあるがそれは作者が一つのものに複数存在すること、
という内容から始まるが、これに対しデザインは作者とつ
くり手は異なる。そしてつくり手は人ではなく機械である
場合も少なくは無い。これは工業製品といい、工業製品に
はデザイナーとモノの間にさらに設計者がいる。というお
話から始まるが、前置きに今回の展覧会では手づくりのも
のを工芸とし、量産できる工業製品をデザインとして分け
ようとしは訳ではない。手づくりと言っても工具や機械を
使う事もある、工業製品と言っても手の作業が発生するこ
ともある。しかし、しかし、手でつくるものと機械で生産
するものがそれぞれ工芸的であり、デザイン的であるとい
う解釈は間違えてもいない。まさに、ココに核心があるか
もしれないと、これはわたしの意見である。
工芸的でデザイン的
パオやラシーンがどこの位置に存在するのか、という発想
が出来る事がすでに、工芸的であったりデザイン的である
という、発想の対象物となる訳であるが、これが昨今の車
のどれほどが対象物となろうか。話はまだまだつづく。