鳴子で始まり 鳴子で終わる
人が何かを見て美しいと思うのは、そのモノに感謝しているからだと云う。
欧米文化の表面的な模倣に奔走していることに嫌気をさした昭和の文化人達が
こぞって収集したこけし。それらは近年の話ではあるが、こけしを見ると
郷土を感じるのはすでに美しい話であって、こういった日本の伝統工芸を
素直に美しいと感じれる日本人が少なくなったのは、
大量生産、大量消費社会による安価な物質主義の
副作用であるコトに間違いはない。
現に、わたしが子供のころに遊んだ玩具など一切捨ててしまったが、こけしだけは
サイドボードに飾られているのだから、普遍的価値のある物は
同時に美しいモノなのであると言える。
こけしにはいろいろあって、伝統的な物や近代的な物。玩具やお土産。
そのそれぞれが、手作業で作られた心のこもった品々である。
上の写真は櫻井氏のお父上(櫻井昭寛氏)であり、文部大臣賞や数々の賞、
受賞最多のこけし界の顔となっている。
多大な功績もあって、今上天皇が御来店になられたり、最近ではdocomoの
コマーシャルで宮崎あおいさんが、お店でこけしの絵付けをされているシーンの
撮影なども行われていたりと、鳴子温泉街のなかでも際立っている。
息子様も跡継ぎをなされるということで、これからが楽しみでならない。
ラシーントラベラー 左舷前方姿見
この度は、宮城県鳴子温泉の櫻井様に納車されました
ラシーントラベラーをご覧頂く事に致そう。
実はこちらのモデル、1800㏄の車両をベースとしてオールペンを施した、
実際には存在しないドラえもんブルーの車両である。
鳴子は山坂であり、これは1800㏄が役に立つ訳だ。
50スタンダードレザー
ホワイトにチャコールグレイのツートーンで仕上げた、
50DESIGNスタンダードレザーシート。
居心地を最優先に、座面の部位の硬さも調整を施している。
ポケットとベルトの仕様
ポケットのベルト仕様は、ラシーンでは特別な仕上げとなるが
オプションで選択が可能。
このようなオッシャーなカラーリングは非常にCOOLである。
タイヤカバーのプリンティング
お父様が引いた線でDESIGNされたタイヤカバーのプリンティング。
この微妙な曲線は到達した人にしか描けないものかもしれない。
こけしは伝統工芸
伝統とはそれまでの歴史の中で形成されて来た種々の形態の中から、
特に重んじて次世代に継承すべきものに対する精神的な立場を指す訳である。
その一方で、単に伝統工芸に今の流行を取り入れるということではなく
日本人が受け継いで来た、新しいものへ挑戦する気概を合わせ、
新しい時代に流れる伝統というものも見つけて行かなければならない。
というのは、わたしの個人的な見解であるが、櫻井氏とは意気投合し
若い世代で作る美術工芸集団を模索している。
お父様の作業場
お店の中にあって、こけしの製作風景が常に実演状態であるから
お店に行ったら匠の技が間近で見れる。
店内は、お洒落なジャズがかかっておりとても大人らしい雰囲気。
仕上げ刃
こちらは、こけしの仕上げ刃である。
なんと、つるつるした表面はいっさいサンドペーパーなどで仕上げていない。
この仕上げ刃が最終工程なのである。
刃で光沢が出るくらいつるつるにするのには熟練度が必要で、
6代目の櫻井氏は現在修業中。
櫻井氏が製作するこけし
特徴はとても繊細なラインと、美しい模様である。
これはすでに民芸品という枠ではなく、美術工藝と言えば
解りやすいかもしれない。
大人がめでて楽しむための物。これもわたし個人の見解。
そんな堅苦しいことを言わず、楽しめればそれが良い訳である。
櫻井様この度は、ラシーントラベラー納車誠におめでとうございました。
また、鳥取民藝運動や、美術館廻りもご一緒に致しましょう。
そして、たくさんのお土産もありがとうございました。
今日はコレマデ。
本日の名言
美しい物と感じるのは、人は物を見て感謝しているからだ。