S字を制する者が鈴鹿を制す
土地の高低差と低速〜高速コーナーのバランスが上手く配合された
すこぶる難易度が高く走り甲斐のあるコースとして評価されている鈴鹿サーキット。
数々の伝説を残した地であり、セナとプロストのチャンピョン争いは記憶に残る。
近年(2009年)F1日本GPで優勝したセバスチャン・ベッテルは
『神の手で作られたサーキットじゃないかと思う』と賞賛するほどのものであり
S字コーナー区間について「F1マシンはこういうコーナーを攻めるために作られているんだ」
と興奮気味に話していたのがよみがえる。
マーク・ウェバーも「ここをいかに速く走り抜けられるかが男を決める」と語るなど、
鈴鹿はまさに世界的に指折りの名門コースなのである。
今回はそんな鈴鹿に、パオが走るという前代未聞の珍事が起こった。
今回は鈴鹿サーキットをフルコース使用して、MA11SW型エンジンの仕上げが行われる。
現段階では、すでにピストンやシリンダーの加工やヘッド廻りの
チューニングが終わり、最終調整というところである。
特に、高回転域のブローバイガスのガス圧をクランク室から上手に逃がして
より回転をスムースに高めようというところ。
NA2バルブのリッターエンジンがそれこそ8000rpmまでスムースに回れば
とても気持ちが良いものである。
今回のテストを終えて、一旦は市販化される1100㏄ボアアップエンジンの
テストは終わりを向かえるわけであるが、如何に。
フェラーリと走る。
フェラーリチューニングショップのシーファクトリーさんのご厚意により
鈴鹿のフルコースを走らせて頂く事が可能となったが、
パオがいかにして邪魔をせずに走る事が出来るのか心配であった。
しかし、仰天である。さすがにフェラーリのオーナー殿方は、
合計2時間を続けて走るほどハングリーではない。
大人の時間として楽しまれているので、最終的にはパオなどの独走。
シケイン(カシオトライアングル)
少しオーバー気味に飛んだ写真であるが、
本当は飛ぶとラップタイムがその分下がる。
F1を見すぎたか。あくまでも、パフォーマンスである。
今回のファステストラップは2分59秒569と、初陣ではまずまずの結果。
平均速度は概ね120㎞ほどに及ぶのだからもはやWAOである。
そして岡山に続き、1100㏄エンジンの耐久性も証明され
今後のPAOのエンジンのレストアに技術がフィードバックされる。
テストは終えた。
ということで、2分59秒569をたたき出したムーヴィーは近日公開である。
そして、今年も熱い夏がやってくる。
恒例行事となった、TipoオーバーヒートミーティングにSWのレーシングPAOが参戦予定。
今年は例年になく、上位入賞を狙う勢いでレースカーを仕上げるから乞うご期待。