大阪府大阪狭山市のO様 ラシーンフォルザ納車おめでとうございます

フォルザ

マイナスオフセット

一般的にカッコよく見せようとすると、タイヤホイールはフェンダーとツライチになるようにオフセットをプラスに持って行く訳である。そうすることによってどんどんホイールが外側に押し出される事により面を合わせる事が出来る。しかしカッコよいという定義は、その時代に反映されている為、常に同じものにあてはまる事では無い。という事で、ラシーンという無骨でいて、お洒落なDesignという相反するイメージを付加してスピードウェルが考えるのは、あえてホイールはマイナスオフセットを行う。ビジュアル的にに例えるなら、ルパン三世の悪役の身体は大きいが足が細い感覚が、妙に無骨であるがお洒落さを演出しているように思えてくるのである。少し玄人好みであろうか。

フォルザ

ラシーンフォルザ 左舷前方姿見

この度は、大阪狭山市にお住いのO様へ納車されました、ラシーンフォルザをご覧頂きます。絶妙なブルーグレイカラーにオールペイントされたフォルザ。各部の色分けにはSWのこだわりを取り入れ、この仕様はウィンカーは絶対にアンバーカラーである。バンパーはアンダーガードをアルミの紛体で塗装を行い、とてもCOOOOL!

フォルザ
フォルザ

フロントグリルの塗り分け

グリルの内側もブラックペイントはその艶肌感まで細かく調整を行い、フロントフェースを実に盛り立てている。また、しっかりしたウレタン塗装仕上げであるから、日産のエンブレムが長く美しく際立つのである。

フォルザ 内装
ラシーン内装

レザーとファブリックのハイブリッド

今回は、グレイカラーを基調としたファブリックとレザーのハイブリッドで製作をおこなった。大人らしさゆえに、パイピングではなく、ダブルステッチで縫い上げを行い、バランスを調整している。

ウッドハンドル

ナルヂィウッドステアリング

ナルディではないらしいウッドステアリングである。最近はこの仕様が人気の様子。

水切り

俗称 水切りモール

ドアの一番下のモールを水切りモールと業界では呼んでいる。ラシーンは水切りがとても劣化しやすく、こちらもレストアを施した様子である。とても美しく仕上げが行われている。

クォーターガラス

クォーターグラス

フォルザの一番後ろの窓であるが、昨今は経年の劣化で焦げ付いていたり、さらにはヒビが入るなど、とても良い状況ではない。スピードウェルでは型をとった3㎜厚のポリカーボネイトで新に製作。経年の劣化にも対応している。

ラシーン

ボディーはサイドシルパネル際までしっかり塗装を行い、ボディーフロアはさらに油性の膜厚のあるアンダーコートで仕上げを行う事により、錆止め対策を行っている。雪国仕様であれば、亜鉛塗装を施すのである。全国のお客様の地域の特色に合わせた製作が行われている。

ラシーン 納車

ラシーンフォルザと記念撮影

この度はO様、ラシーンフォルザ納車誠におめでとうございます。新車みたいですねと第一声を頂き、職人冥利に尽きます。それでは、長く楽しくお楽しみ頂きたいと思います。

今日はコレマデ。

本日の名言

彼は彼、我は我でいこうよ

by大久保利通

日産ラシーン ウォーターポンプを交換するの巻

ラシーン エンジン

ラシーン エンジン下部

中央から向かって左にエンジンオイルがたまるオイルパンがあり、むかって右にはミッションオイルがたまるパンがある。ラシーンは4WDであるため、後輪に駆動するデファレンシャルが中央に存在し、とても複雑な仕組みとなっている。今回は、ラシーンで絶対に整備してほしいウォーターポンプの交換をご紹介。

ラシーン ウォーターポンプ

取り外したウォーターポンプ

ウォーターポンプとは何ぞやと申せば、エンジンを冷やす冷却水をラジエーターという冷却装置に循環させるものである。そのポンプの寿命は既に過ぎており、新車から一度も交換されてないラシーンが多いのである。ラシーンオーナーであれば一度確認してほしいのだが、エンジンを切った瞬間ボンネットからグニュとかキュイとか音が聞こえてきたら、間違いなくウォーターポンプの故障のサインである。

ラシーン ウォーターポンプ

ポンプのプロペラ

ポンプはエンジンの回転により駆動されいる。エンジンのクランクシャフトプーリーからベルトでウォーターポンプのプーリーを駆動していると言い直す。ベルトはしっかり張られており、長らく使用していると軸の中心にあるベアリングが悪くなって、軸がズレることによって、軸のシールに干渉し、その音がクニュ、とかキュイと聞こえてくるのである。ほったらかしにしていると、必ず冷却水が漏れ始め、エンジンを冷却できなくなり、オーバーヒートでThe end.

ウォーターポンプ

新品のウォーターポンプがインストールされた。

直ぐ横がボディーのフレームとなっており、手も工具も入りにくい。スピードウェルの販売車両は全車交換済みであるから安心であるが、中古車販売店で購入されたラシーンはほとんど手が入っておらず、もうこれは時限爆弾である。ラシーンで一番避けたいのがエンジンのオーバーヒートであり、しっかりヒートさせたクルマは、ヘッドオーバーホールをしても、その他も熱で歪んでおり、元の状態へ完全には戻らない。

という事で、本日はラシーンのウォーターポンプの交換をご紹介差し上げました。スピードウェルでは、車両の製作も、持込み修理も行っておりますので、気になる方はご相談下さい。しっかり整備すれば40万キロ、50万キロと走行は可能と思いますので、皆様のラシーンも大切にして頂ければ幸いです。

今日はコレマデ。

本日の名言

あなたは、あなたであればいい。

byマザー・テレサ

和歌山県和歌山市のT様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

日前宮

日前でパオ

にちぜんとも読むわけであるが、和歌山には日前神宮というお社がある。なんと創建は神武2年であって、いまから2681年前の事である。相当旧いお社の御神体がこれまた相当なものであって、それは伊勢の神宮の御神体であるヤタノカガミと同時にうまれた鏡なのである。果たして、そのご神体を見たものは居るのだろうか。言い伝えがそうであるから、そうに違いないという感覚は、あながち間違いでも無い。そしてその祭神はオモイカネであって、古事記をお読みになられた方はご存じであろうが、天照大御神が天岩戸にお隠れになられた時に、どうやってそこから連れ出そうと、考えた神がオモイカネである。その答えが、アメノウズメに現代の言葉でいうならストリップを行うという、何とも神々も情緒があり面白い。そんな、知恵の神オモイカネに合いたい方は、日前宮にお参りすべしである。

パオ

PAOフロントフェース

この度は、和歌山県和歌山市にお住いのT様の元へお届けに上がりました、PAOトラディショナル、MTをご覧頂きたい。すでに希少中に希少となったMTのパオであるが、35年と言う歳月を超えて皆様に愛されるクルマであって、ここからまた長くお乗り頂けます様に整備を行い、晴れて納車差し上げました。

パオ内装

コックピット

ハンドルコラムはパオの試作車でイメージされている、アイボリーカラーに塗装を行い製作。スピードメーターの左側には時を奏でるマグノリアクロックをリダンして装填。

100Vコンセント

120Wまで対応の100Vコンセント

流石にイミテーションのような雰囲気はあるが、実に120Wまで対応が可能であり、日常の使用に便利である。それより、やはり見た目を楽しむのも、大切である。

フェンダミラー

TEX製丸型フェンダーミラー

エゲレスのTEXが届ける丸型フェンダーミラーである。ミニ等に良くついていたルーカスミラーは実は可倒式でなく、車検対応していないが、こちらはしっかり倒れるギミックとなっており、しっかり車検も対応している。さらに、鍍金部も分厚く、なかなか錆にも強いのである。

タイヤハウス

タイヤハウス内

タイヤハウス内も、錆止めペイントがしっかりおこなわれており、さらにショックのバンプラバーやダストブーツ等も新品に。表面からあまり見えないところもしっかり製作している。

パオ

この度はT様、PAOトラディショナル納車誠におめでとうございました。長らくお待たせ致しましたが、素敵なPAOに仕上がりました。ボディも内外のレストアが行われピカピカになりましたので、洗車を頑張って頂ければ幸いです。

今日はコレマデ。

本日の名言

全徳の人は得難し

一失あれば

一徳あり

by徳川吉宗

千葉県山武郡九十九里町のT様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

パオ

九十九里の浜で四方の山話

実に日本最大の砂浜である。日本書紀には玉浦と讃えられ、現在の九十九里という名は、源頼朝が一里ずつ矢を立て、九十九本に達したことに由来する。市井の人に解りやすく距離をお教えするならば、総幅66㎞ほどである。流石にこれだけ大きい砂浜には、これまた大きなハマグリが生息しており、地元の海鮮屋では、ここで採れたその大きな身のハマグリを焼いて食べる事が出来る。わたしは家の近所のスーパーでも大きなハマグリが売られているのを思い出し、すこし気になったので産地を覗った。すると千葉県産と大々きく書かれてあったのである。そうか、このツクモの浜より大阪までハマグリが届けられたのかと、嬉しく思った。そして今日は、わたしがツクモへPAOをお届けに参ったのである。

パオ

PAOトラディショナル アクアグレイ

この度は、千葉県山武郡九十九里町にお住いのT様の元へお届けに上がりました、PAOトラディショナル、アクアグレイをご覧頂きます。ボディ―は程よくレストアが行われ、エンジンはヘッドをオーバーホールを行い、それに合わせて補器類等も新品に。長くの使用に耐えるモデルとして製作を行いました。

パオ フロントフェース

PAOトラディショナル フロントフェース

バンパーやグリル等は新車当時のカラーに復元し、ヘッドライトリムもリペアを行い、純正ではないクリア仕上げでピカピカに。フロントグラスモールや三角窓モール等も新品に交換を行い、美しい仕上がりに。

ホイール

ワタナベホイールをインストール

オーナーT氏のこだわりにより、ワタナベホイールを選定。少しの引っ張りタイヤのイメージでサイズを選定し、ジュラ風ロングナットで締め上げ。ホイールカラーもアクアグレイに合わせて、すこし黄土みのあるシルバーでラッカーフィニッシュ。

パオ内装

パオは内装も風景の一部である。

ダッシュパネル、アンダートレイはシートと同色の最高級のマテリアルで張替えが行われ、ウッドハンドルとリダンが施されたマグノリアクロックで決めている。

ハンドル

ウッドハンドルは手触りが良い。

昨今は純正ハンドル自体の劣化の兆しが現れ、ウッドハンドルに交換するパターンが多い。ただ、パオのシンプルな丸型メーターにはウッドハンドルも良く似合うのである。

吹出し口

サイドデフロスターグリルカバー

これに気付いた人は玄人である。そもそもサイドデフロスターと呼ばれる、空気の吹き出し口があり、そのフィンが御餅のように膨らんで醜くなっているのをカバーするパーツを製作。通称デフグリルカバー。パオのインストルメントパネルの素材に合わせて、スチールで成型し、さらに同色のペイント仕上げを行う事により、とてもスマートに目隠しすることに成功した。こちらは、すべてのカラーバリエーションに対応。価格はワンセット4800円也。

パオ レザーシート
ドアポケット張替え

内装の張替え

今回は、パオの純正シートの形状で張替え。ドアポケットにも同時に同マテリアルでレザー張りを行い、少しの上質に。ポケット上部のエッジ部はダブルステッチでこだわりを見せている。

パオ マフラー

ウェルリプレイスメントマフラー

進化し続ける純正代替え品、ウェルリプレイスメントマフラー。下回りの防錆仕上げ等と相まって、浜風にも極力耐える仕上げに努力。われながら、ホイールのサイズ、タイヤチョイスもなかなか、カッコヨロシイなぁ、と手前味噌である。リヤエプロンのビスもすべてステンレス製に交換し、さらにボディー色に塗装という拘りは、見てもわからないから伝えたい。

パオ 九十九里

パオと九十九里

パオ スピードウェル

パオと記念撮影

この度はT様、PAOトラディショナル納車誠におめでとうございました。長らくお待たせ致しましたが、お喜び頂け幸いです。また、沢山のお土産をお送り頂き、恐悦至極に存じます。九十九里で走るPAOの姿、また遠くから拝見させてください。この度は、誠に有難うございました。

今日はコレマデ。

本日の名言

第三者の評価を意識した生き方はしたくない。
自分が納得した生き方をしたい。

byイチロー

大阪府堺市のM様 PAOトラディショナルレストア納車おめでとうございます

パオ内装

匂い立つ

目下、匂い立つ、何か。それを上手く表現できれば、そんなに遠回りしなくて良い訳である。感性を含めた表現であるため、響く人には響き、響かない人にはどうでも良いことでもある。民藝の巨匠、河井寛次郎は、不合理の合理を説いている。この感覚などは、わたしが思うものに近いものがあるかもしれないが、手づくりにあって、工業製品にはない、でもなく。パイクカーやラシーンに興味を持たれている方なら、少なからず、この何処からか匂い立つ、何かを感じとって、美しいだとか、可愛いだとか、カッコよい、という表現で翻訳されている訳であって、実に最新式のエコカーには感じる事の出来ない、それなのである。それが匂い立つ何かの正体なのである。この正体をいとも簡単に言語化もしくは表現出来れば、わたしはその苦から解放され、三宝に帰依し西方の極楽浄土に向かう事が出来るであろう。しかし、これこそは、わたし自身の永遠の課題であると感じている。

パオ

PAOトラディショナル レストレーション

この度は、大阪府堺市にお住いのM様へ納車されました、PAOトラディショナル、レストレーションをご覧頂きます。今回は、フロントガラスや、ガラスモール、三角窓枠モール等、可能な限りにゴムモールも交換し、ボディーは、トップコートを丁寧に剥離した後、サフェーサーでこれまた丁寧に仕上げ、上質な塗料で塗り上げました。

パオ

外板の歪も取り美しい仕上がりに

リヤクォーターからフロントドアにかけて、表面をご覧頂きたい。丁寧な下地処理のおかげで、澄んだ塗装仕上げが施されている。ホイールも同工程で美しい仕上がりに。

パオシート張替え

SPEED LEATHER モケットシート

パオのコンセプトからは外れる訳であるが、 往年の佇まい、と呼ぶべきマテリアルである。 大人の遊びを楽しむ。

パオ モケット

モケットグレイ

新しいとか、古いとかにこだわらず、このテイストを楽しみたいという方達に絶大な人気を誇るモケットシートの張替え。緑やアイボリーに加え、グレイもとてもCOOLである。

パオ

フォグランプ シビエビサージュ

長年の使用によりボディーの少しの歪を考慮して、組み立てられたフロントフェースはぴっちり美しく纏まっている。これからも長くにお乗り頂きたいという気持ちを一心に製作を続けて行きたい。

M様、この度は長らく製作にお時間を頂き、誠に有難うございました。また、納車時は本当にお喜び頂けまして、恐悦至極に存じます。

今日はコレマデ。

本日の名言

売るという事が始まってからの物の乱れ、
わかりもしない人の好みを相手に作る事からの物の乱れ、
先ず自分の為に作らねばならない、自分を喜ばす物から作らねばならない、
それからだ、
それからだ 。

by河井寛次郎

大阪府堺市のS様 PAOトラディショナルレストア納車おめでとうございます

パオ

埋め込みの時計

パオには時計は着いていない。パオに乗るなら、時間など気にしてはいけないという精神性をDesignで現している訳である。しかしながら、時は進み、あの頃は想像もしなかった、一億総スマートフォン社会へと変貌し、世界中の状況が瞬時に把握できるという時代に突入したことによって、時の概念が変わったのである。そこで、すくなからず時を感じたいというニーズがある。そして、スピードウェルが準備したのがデジタルではなく、少しずつ時差も生まれる、アナログ時計である。これであれば、穏やかに時計を観る事が出来ると思う。たまには調整してあげて、そんなファジーな感覚は、現代人の疲れを癒す特効薬となるであろう。

パオ

PAOトラディショナル 左舷前方姿見

この度は、大阪府堺市にお住いのS様の元へ納車されましたPAOトラディショナル、フルレストアをご覧頂きます。ボディーは美しい純正アイボリーに上質なマテリアルを使用して塗装が行われ、エンジン、ミッション、足回り、エアコンなどに細かく手を加え、内装等も素材を吟味して製作が行われました。

フロントフェース

フロントフェース

バンパーやグリル、ヘッドライトのリム、さらにウィンカーレンズなどもリペアが施され、まったくもって手前味噌であるが新車のような佇まい。

パオ内装

ナルディなハンドル

昨今ヨーロッパのウッドショックによりナルディクラシックウッドが製造されていないという、ナルディショックがあり、今回はナルディなハンドルである。しかし、色目もとても良く、価格もリーズナブルでSWのオススメである。

シフトカバー

MTシフトカバー

マニュアルシフトのカバーは本来グレイ色であるが、今回はシートのパイピングに合わせて、ダークブルーの生地であつらえた。素材感もとてもCOOL.

パオ シート

SPEED LEATHER 60 Design

こちらも最上位の張替え生地を使用して仕立てられた60デザインシート。肌触りは勿論、経年の劣化にも対応した素晴らしいシートである。そして、この生地はまず他では手に入らない。

パオ マフラー

ウェルリプレイスメントマフラー

5ZIGENと共同開発を行ったリプレイスメントマフラーは、改良に改良が加えられ、高度に洗練。センターマフラーにも吊り下げ用バンドを使用し、さらに高耐久化を実現した。大人らしいヨーロピアンサウンドを楽しみたい方には是非。

ということで、本日は大阪府堺市のS様のPAOトラディショナルをご覧頂きました。S様、ご用命頂き誠に有難うございました。

今日はコレマデ。

本日の名言

人間にとって成功とはいったいなんだろう。

結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、

努力したかどうか、ではないだろうか。

by岡本太郎

大阪府泉大津市のM様 ラシーンフォルザ納車おめでとうございます

フォルザ フロント

フォルザのフロントフェースはスカイラインの直系

実に、この秘話は、まだあかされてはいない。このブログを見た人は、きっとラシーンフォルザについて魅力を感じる事であろう。ラシーンは平成9年に後期モデルと題してマイナーチェンジが行われ、そしてさらに平成10年フォルザという2000㏄の排気量を持つ屈強なラシーンが発売された。CMはムーミンとスナフキンが起用される。そのフォルザは丸目4灯のフロントフェースとオーバーフェンダーが特徴的である。ボディー本体も他のラシーンとは異なり、ベースは、速さへの情熱が詰まったパルサーGTI-Rそのものであり、このGTI-Rからターボチャーチャーを外したモノがフォルザのパッケージなのである。パルサーGTI-Rは1992年にWRC、いわゆる世界ラリー選手権に参戦していた車両であって、こんな強烈な4WDが何とフォルザのベースだった事を知る人は少ないはず。いや、居ないのではないか。また、特徴的なフロントフェイスは、なんと箱スカやケンアンドメリー、そしてジャパンのデザイナーである松宮修一氏によるもの。ここでようやく点と点が線でつながったと思う方も多いはず。なぜ丸目4灯だったのか、なぜオーバーフェンダーだったのか。それは往年のスカイライン直系デザインだったからだと言っても過言ではない。不運にも当時の流行の波に乗る事が出来なかったが、25年という歳月が流れ、フォルザは遂にビッグウェーブに乗って、とてもイカしたクルマに昇華したのであった。松宮さん、デザイナーチームの皆さん、本当に渋いクルマをありがとうございます。

ラシーンフォルザ

ラシーンフォルザ フロントフェース

この度は、大阪府泉大津市のM様に納車されました、ラシーンフォルザSWltdをご覧頂きます。今回は後期モデルにあるシダーグリーンを現代風にリミックスしたカラーで塗装を施し、内外装をくまなく仕上げ、さらにエンジンやミッション、ブレーキ廻りも超絶メンテナンスを施してこれから長くの使用に耐えれるように製作が進められました。

ラシーンフォルザ SWltd

ラシーンフォルザ 左舷前方姿見

各部のパーツはブラックでペイントが行われておりますが、実に手間隙をかけた塗り分けをしております。まずはバンパーはピアノブラックとマットブラックとシルバーの3色。グリルやオーバーフェンダー、ミラー、ドアのアウターハンドル等はピアノブラック。そしてホイールやルーフレール、クォーターガラス、背面のステー等はセミグロスのブラック。昨今のどれもこれもが艶消しのブラックで塗装するのも良いのですが、こういった塗り分けを行う事によって、より深みと味わいが現れ、とてもカッコ良く心に映ると思うのです。どれだけの良質なエネルギーをかけて製作するかが、質感や味わい深さ、匂い立つ何か。モノから感じられる存在感の決め手になると信じている。

ラシーンフォルザ内装

フォルザの内装カスタマイズ

昨今人気は、ホワイトのパネルラッカーにウッドハンドル。シンプルに解りやすくてCOOLである。この色合いも丁寧に調整されており、パネルラッカーの肌艶の感覚などは、他では絶対に真似は出来ないであろう。

ラシーン内装

SPEED LEATHER 50 Design

最高品位のマテリアルを使用して張替えが行われるフォルザの内装。スピードレザーは完全な張替えの為、長くの使用に耐えるマテリアルを使用している。使えば使うほど味わい深くなるのが最大の魅力である。

レザーシート

エンボス仕立て

今回のシートは身体が当たる面はエンボス仕上げとなり、蒸れにくくてなじみが良い。単色で仕立てる時にはちょっとした雰囲気を楽しめるのも魅力だ。

ラシーンフォルザ

クォータグラスのブラックペイント

実は、このクォータグラスはポリカーボネートで出来ており、経年の劣化でひび割れが酷いのである。その上から塗装すれば、あと数年もたてばバキバキに割れてくるであろう。SWでは3㎜厚のポリカーボネートを加工して、さらに覆い、しっかり溶着させてから塗装を行うという造り込みを見せている。

フォルザ ホイール

フォルザ 15インチ 純正アロイホイールを加工

1800ftやフォルザ専用の純正アロイホイールも、リムを磨きアルミの地肌を整えてシルバーに光らせ、さらにセミグロスのブラックペイントで押さえれば、現代に通じるお洒落なホイールに仕上がる。(オーバーフェンダーはピアノブラックがやっぱり渋い)

ラシーンフォルザ

ラシーンフォルザと記念撮影

この度はM様、ラシーンフォルザ納車誠におめでとうございました。お色の打合せではご要望をお聞かせ頂き、さらにバランス等お任せ頂きまして、恐悦至極に存じます。そして、とても気に入って頂けまして幸いです。

今日はコレマデ。

本日の名言

すべて八分目

この限度を守ってさえいれば

たとえ成功しても

調子に乗り過ぎて

失敗する憂はない。

by小林一三


日産ラシーン 1800㏄ マフラーを交換するの巻

ラシーン

マフラーは限界に近づいている

もちろん、走行距離に応じてその経年の劣化具合は異なる訳であるが、おおよそ20万キロが限界であろうか。今回は、他店で購入になられたお客様が、SWにお持込頂き、マフラーの修理を差し上げます。車両は1800㏄のモデルであり、こちらのマフラーは1500㏄と違って少し独特でございます。まずは、現状をご覧頂きましょう。

ラシーン マフラー

最後部のタイコ(サイレンサー部)

表面が錆びて剥がれている。しかしこれ自体は問題は無いのである。問題は、排気管の接合部が錆びの為に割れ、穴あき等が発生して排気ガスが漏れてしまうことである。

ラシーン マフラー

マフラー接合部

もうこれがどういう状況かは分かりにくいが、中古車で販売される時に、排気漏れを隠そうとしてマフラーボンドをたらふく塗ったようである。さすがにココまでてんこ盛りにボンドを塗布したのは見たことがない。

ラシーン マフラー

フロントマフラー 下部

こちらもマフラーボンド祭りである。そのマフラーボンドは一過性であり、修理に使用するものでは無い。また、今回はボンドを塗ったあとに遮熱版を取り付けず、放置されているのがなんとも残念。遮熱板も買い直さないといけない。

マフラー修理

センターにある触媒

触媒の遮熱板ははずそうとしたのであろうか、ボルトがすでに頭がとんでいた。今回の車だけではない話であるが、専門店を謳うにわかショップの整備は、、んんと思う。今回の車両の話ではないが、リーズナブルに買うというモノにはそれなりのリスクが存在する訳である。

マフラー

ラシーン 1800㏄用純正マフラー

今回は在庫があったので直ぐさま、修理が可能であったわけであるが、実に日産は部品の在庫を抱える事が出来ず、1カ月ほど待つことがざらである。ということで、ラシーン1800㏄のマフラーの交換前をご覧頂きましたが、スピードウェルでは、今後、純正代替品を随時製作販売を行いますので、乞うご期待下さい。

今日はコレマデ。

本日の名言

彼は彼、我は我でいこうよ

by大久保利通

滋賀県東近江市のN様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

限りなく純正に近い

ドンゴロス(豆袋)のような風合いというのは、日産パオデザイナーの古場田良郎氏よりお伺いした言葉である。パオの純正シートの生地は麻布のようなイメージを目指してデザインされており、かねてより純正の味わいを求めて、いろんな生地で試行錯誤を行ってきたのである。そして、今回はこれ以上近づける事は困難というくらいニアーなマテリアルを準備して張替えが行われた。

パオ

PAOトラディショナル 妻姿見

この度は、滋賀県東近江市にお住いのN様の元へお届けにあがりました、PAOトラディショナル、オリーブグレイをご覧頂きたいと思います。適度にレストアを施したボディーと、充実した整備によりこれから長くお乗り頂ける姿に。オーナーのN様は以前もパオにお乗りであったという事で、やはりPAOは忘れられない車なのである。

パオ

フロントフェース

バンパーや、グリルは純正仕様であるが、ヘッドライトのリムにSW謹製のステンポリッシュを施したヘッドライトピークが装填。可愛らしさがスーパーカミオカンデである。

パオ内装

内装の仕上げ。

メーター左脇には、マグノリアクロック、リダンがあしらわれ、オーディオには真空管がそれとなく装着されている。わざとらしくない、純正的なイメージはPAOのデザインに敬意の表れである。

パオ シート張替え

内装の張替え

純正風シートの張替えは遂にココまできた。織目のキメや、風合い、肌触りまで純正に限りなく近い素材で張替えを行う事が出来る。

オーディオ

真空管オーディオとオーディオBOX

オーディオは操作性が良くなるように若干の角度がつけられており、それに合わせて、ベターな角度でオーディオBOXを取り付けれるように製作している。オーディオの足は純正のオーディオの足が使用可能であり、装着は難しくはない。

トノカバー

トノカバーの張替え

張替えが行われたトノカバー。もちろんベースのステーもシルバーの塗装をふくめリペアをおこなっている。美しい仕上がりである。

パオ マフラー

リプレイスメント ステンレスマフラー

スピードウェルの超絶人気商品はこのステンレスマフラーである。純正マフラーよりも超リーズナブルであり、仕様は純正以上。さらにヨーロピアンサウンドと、お洒落さも追求している。わざわざ吊りバンドで純正の仕様を踏襲し、出口径や向きまですべてにこだわっている。今回は、写真をしっかりご覧頂ければ解りやすいが、フロントとリヤの両方を交換。フロントとリヤのパイプ径も複雑に設計し、燃費や馬力なども追求した逸品である。

パオ 記念撮影

パオと記念撮影

この度はN様、PAOトラディショナル納車誠におめでとうございました。娘様が免許をとったらどっちに乗りたいというと、ハスラーよりパオ、というお話。実に面白いですね。またお土産も沢山頂き、ありがとうございました。それでは、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

人生とは自分を見つけることではない。

人生とは自分を創ることである。

byバーナード・ショー

人生とは、、とても深い言葉ですなぁ。

日産ラシーン プロペラシャフトをオーバーホールするの巻

ラシーン
46万キロ走破

46万キロ走破したラシーン

そう、10年10万キロと謳われて、乗り換えをするのは少し馬鹿げた話である。まだまだ使える物であっても、買い替えたいという気持ちも解らなくはない。という前置きは必要であるが、しかし気に入った物を修理を行いながら、長く使用するというのは美徳である。今回のラシーンは実に46万キロ以上を走りぬいた兵。各部の修理も都度おこなわれているが、遂に日産でも修理が不可能という個所も、修理を可能とするべく、今回は、プロペラシャフトという、後輪に動力を伝えるシャフトのオーバーホールをご覧頂きたい。

ラシーン

ラシーンのプロペラシャフト

中央の黒い棒がプロペラシャフトと言われる物である。ミッションから後輪へつながる、デファレンシャルに動力を伝えているのである。走行中はスピードに応じてクルクル回転しているのであるが、3か所に不等速ジョイントという稼働部があり、その中にあるベアリングの不良によりガタがでてしまい、ラシーンでは特に40㎞以下のスピードでフロア下部よりカチカチと音がするようになるのである。ほっておくと最終的に不等速ジョイント部で千切れてシャフトが脱落し、走行中に地面に刺さってえらい事にもなりかねない。そうならないようにスタビライザーが左右に張って、完全に脱落する事は滅多とないであろうが、そこまで壊れてしまってからでは修理は出来ない。

不等速ジョイント

不等速ジョイント部

ジョイントの十手を取出し、新たに装着するベアリングには一部にグリスアップ用のニップルを新設し、以降車検時にグリスアップすることによって、高寿命化を実現。純正以上の仕上げである。

不等速ジョイント

加工痕が見れる。

なんと、純正は修理が不可能な仕上げをおこなっており、それをわざわざ粉砕してから、総替えを行うという手間隙のかかるリペアである。また、修理後はバランス取りも行い、しっかり調整をおこなっている。

センターベアリング

センターベアリングも交換。

ドライブシャフは2か所でボディーに宙づりされており、そこには空気ばねの入ったベアリングによってボディーにマウントされている。

ということで、車検で不適合となるラシーンも昨今多くなってきたという事で、修理の際は、一度お声かけください。

今日はコレマデ。

本日の名言

今の時間を大事にできない人は

未来の時間もきっと大事にはできない。

by平尾誠二