大阪府堺市のM様 PAOレストア納車おめでとうございます

レストア前夜

レストア前夜

すでにタイヤは4本ともパンクし走行は不能。そして内装は雨漏りによりため池となる。あまりの高温多湿状態において全面カビで覆い尽くされ、土に返りそうな状態であった、レストア前夜のPAOである。こちらは、なんと20年という歳月放置されていたらしい。しかしながら、形ある物みな復元が可能ということで、今回はスピードウェルにお問い合わせ頂き、完全復活させましょうという事で、20年放置されたパオのレストアのプロジェクトが立ち上がった。

レストア前夜

シャコタンではない。

タイヤは車重に押しつぶされ、さらに潰れた形状で凝固しており、うんともすんとも、動かす事は出来ない。そんな状況からスタートする訳である。一つ救いであったのが、地面がコンクリートである事。これが土や砂利、砂場であれば湿気も多く、さらに草やツルなどに巻き込まれて、スタジオギブリの状態となる。それでは、ココから、復活していく瞬間をご覧頂きましょう。

レストア前夜の内装の図絵。

足元はスタジオギブリ化が進んでおります。フロアカーペットをボディーから剥いでボディー全体の洗いから始まりました。パオの天井はアイボリー色の吊り天井ですが、画像ではご覧頂けませんが、この時点で天井は漆黒の闇に包まれております。

パオレストア

足回りの図絵。

ホイールもリペアが行われ、タイヤも新品に。ホイールハウス、フロア下部も塗装が行われ、防錆仕様。

パオレストア

内外装のレストアが施され、フロアパネルからしゃっきりさせました。外装もまた新車当時のカラーに復元が施されピカピカに蘇りました。オーディオも当時のラジオカセットに置換。スピーカーなども調達され、調子は良い。フルオリジナルを目指して、各パーツを整えていきます。

パオ 内貼り

レストア後の風景。

端的にほぼ、新車の状態に。スピードウェルであればココまで復元は可能。

パオ レストア

レストアが終わり晴れて納車へ。

今回は、エンジンはタイミングベルト、ウォーターポンプ、オイルシール類の全ての交換。ホース類のすべての交換。クーラーの修理、発電機、セルモーター、冷却系、点火系の修理と交換。排気系はすべてリプレイスメントのステンレス製に。足回りは、ショックアブソーバー、ブレーキのオーバーホール、燃料ホース等の交換、ガソリンタンクの洗浄とすべてを取り外しての作業。

内装は全てを分解。そしてすべてをリペイント。さらに、クーラーの吹き出し口の交換、シートの交換、フロアマットの交換。各部の樹脂パーツのリペア、天井は灰汁洗い。外装は、すべてを分解してルーフレール、バンパー、グリル、ホイール、ワイパー、蝶番、アウターハンドル、ドアミラー、目に見えている個所はすべて塗装、さらに、ボディー下部の塗装、三角窓やフロントガラスゴムモール等の交換、リヤクォーターガラスゴムのリペア。細かなビス類はステンレスに交換して塗装処理。キャンバストップの張替え等。イタレリ。

パオ レストア

パオと記念撮影

M様、この度はパオレストア納車誠におめでとうございます。本当にお喜び頂けましてこちらも感謝致しております。早速、大阪から山口県までロングクルージング。乗れば乗るほど味わい深いクルマですね。これからも長くご使用頂けますように努力致します。

今日はコレマデ。

本日の名言

世界で最も素晴らしく、最も美しいものは、

目で見たり手で触れたりすることはできません。

それは、心で感じなければならないのです。

日産ラシーンのレストレーション 整備編

これからレストアが始まる。

ラシーンは平成6年より発売が開始、平成12年のモデルでもって生産終了となり、57000台ほどが世に出回った。平成6年のモデルからは既に29年という歳月が流れたことになり、来年はラシーン生誕30周年を迎える事となる。ラシーンは日常のクルマとして現在も現役であるため、あえて旧車のなかま入りはしていない訳であるが、人間でも30歳となると良い年である。ラシーンも健康診断を行い、そろそろレストレーション、(レストア)を行って、さらにこの先10年、20年と乗れるようにしないといけなくなってきたのである。今回は、神奈川県よりお持込頂きましたお客様のラシーンのレストアの風景をご覧頂きたい。

ラシーン エンジン

ラシーン 1800㏄ SR18エンジン

販売から現在に至るまで、各箇所のパーツの交換が行われた形跡を辿りつつ、適材適所に部品を新品もしくは、新品同等のリビルドパーツに交換と調整を行っていく。今回は、エンジンのピストン、シリンダーの状態が悪く、オイル上がりが激しい。という事で、リビルドを行ったエンジンに置換する事となった。

ラシーン リビルドエンジン

SR18 リビルドエンジン

ヘッド、シリンダー、ピストン、クランク、カムシャフト、ロッカーアーム、バルブ、バルブスプリング、チエーン、テンショナー、オイルポンプ、それぞれを分解、測定を行い、規定値以下の物はすべて新品とオーバーサイズの物に交換を行う。組み上げられたエンジンは、新品と同等の出力を得られる訳である。外観もサンドブラスト加工を行い、見た目も新品のように。

エンジン載せ替え

エンジンを装填

今回は、エンジンの載替えに加え、サージタンクのオーバーホール、スロットルのオーバーホール、さらに、ディストリビューターやオルタネーター、クーラーコンプレッサー等もリビルドを行った。すべての油脂類も新油に交換が行われ、心臓部は一気に新車の状態に近づいた。

エンジン下部

ピカピカのエアコンのコンプレッサープーリーの顔がのぞく。エンジンルーム廻りの整備に平行して、ボディーフロアのリペア、ペイントが行われ、リヤの足回りの作業が始まる。

サブフレーム

リヤのサブフレームの塗装 リペア

サブフレームを降ろした後、燃料タンクも外され、亀裂等の点検と、フューエルホースの取換えをおこなった。また、サブフレームは以降錆びにくいように、ペイント仕上げを施し、マウントブッシュ等も交換を行い、元通りに戻す。

ラシーン ブレーキキャリパー

リヤブレーキキャリパー

リヤブレーキのキャリパーはオーバーホールキットのデリバリーが行われておらず、メンテナンスが不能である。その為、ブレーキフルードの滲みを見つけ次第、ASSYで交換となる。

ラシーン プロペラシャフト

プロペラシャフトのオーバーホール

日本で唯一、ラシーンのプロペラシャフトのオーバーホールを行っているのがSW。ユニバーサルジョイントの十手、ベアリングの摩耗によりパキパキ音が鳴るようになる。そのまま放置するとシャフトは空中分解するのである。このジョイント部は純正より機能を高めるべく、グリスアップを可能とする造りに変更を行った。ニップルが見えているが、車検の都度、グリスアップを行ってほしい。さらに、センターベアリングの交換、こちらも必要である。

ラシーンエンジン

ラシーン 1800㏄ SR18エンジン載替え成功

あらたな命を吹き込むべく、エンジンに火が入れられ、産声を聞けば一安心である。という事で、今回は、そのラシーンのレストアの整備部、をご覧頂いた。この後ボディーワークと内装のリペア、張替え等が行われ、心を込めて仕上げられる。

という事で、スピードウェルでは小手先ではなく、本物のレストアをご提供致しておりますので、ラシーンをこよなく愛する皆様のこれからのラシーンライフを応援致しております。

また、全国の引き取り、納車を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

次回は、ボディーワーク編を行います。

今日はコレマデ。

本日の名言

自分一人で石を持ち上げる気がなかったら、

二人でも持ち上がらない。

パイクカーデザイナー 古場田良郎の世界

Be-1

デザイナー古場田良郎氏の愛車(古場田デザインスタジオの窓から)

この度、Be-1、PAO、FIGAROを手掛けられましたデザイナー、古場田良郎氏よりご連絡頂きまして、新車より長らくお乗りになられておられましたBe-1を、石川県にあります日本自動車博物館に寄贈したいというお申し出を頂き、お手伝いさせて頂く事になりました。来年は、日産自動車90周年という節目を迎え、日本自動車博物館では90周年企画もあり、一番の展示車両となる事と存じます。という事で、Be-1のみならず数々の貴重な史料をスピードウェルにもご寄贈頂きましたので、データ保存も含めまして、少しずつブログにてアップさせて頂き、皆様には、より一層パイクカーの魅力を感じて頂ければ幸いです。

Be-1 スケッチ

Be-1のスケッチ

これからお出し差し上げます資料は順不同で、誠に申し訳ございません。古場田良郎氏が想像された、数々のデザイン案。その、それぞれに詳しいスケッチを描かれておりますので、ご覧頂き、お楽しみください。

こちらは、Be-1のフロントグリルやバンパー等、個性的です。ホイールキャップも近未来的ですね。

Be-1 スケッチ

Be-1 テールエンド

テールランプの形状は市販されたデザインと同じ仕組みではありますが、バンパーやナンバープレートの市、さらにはマフラーがセンター出しになっているなど、まだまだ検討中である事が伺えます。下方には古場田氏のサインが。

現代では、コンピューター上でスケッチする訳でありますが、当時はまだまだ手書き。古場田氏のお話によれば、一日に、3枚前後は描くそうです。体力との戦いですね。

本日の、パイクカーのお宝は以上になります。

話は戻り、古場田氏のBe-1は現在スピードウェルがお預かり致しまして、2週間ほどのメンテナンスの期間を経て、

日本自動車博物館に納めさせていただきます。

少しでもこの伝説のBe-1をご覧になられたい方、

ご希望が御座いましたら、11月21日までは作業中を除き拝見頂けますので、

お気軽にご来店ください。

大阪府東大阪市のO様 ラシーントラベラーレストア納車おめでとうございます

ラシーン

ベッドライナービーストペイント

昨今、猫も杓子もブラックペイントのバンバーやルーフレールの仕様が人気である。スピードウェルでも、ラシーンのボディーから飛び出たパーツにブラックペイントを行うのは日常になっており、新しくベッドライナービースト塗装(表面がゴツゴツした)の技術が確立したからお披露目である。今までであればブラックペイントはもちろん艶消し、半艶仕様となっていたが、化粧を意識した仕様である。今回のは表面が砂粒くらいのゴツゴツした起伏が完全硬化し、傷や汚れなどに特に強く、何より意匠性が乙な風合いである。ラシーンには、特にバンパーやルーフレール、さらに背面のスペアタイヤステーなどに塗装して雰囲気を楽しむ事が出来るのである。こちらの塗装、専用の機材が必要ゆえ、そこ、かしこの塗装屋さんで行う事は出来ない。とココで、本日の豆知識であるが、乙という言葉、実に雅楽で使用される笙という竹が17本縦に刺さった楽器の一本の竹の音階に乙というものがり、その音色がとても味わい深い、というところから、派生した言葉である。また、コツをつかむという言葉、こちらも笙の乞(こつ)という音階を左のお姉さん指で押さえる、非常に難しい音階であって、そこからコツをつかむという言葉に派生したのである。ということで、本日も四方山話にお付き合い頂き感謝申し上げます。

ラシーン レストア

ラシーントラベラー レストレーション

大阪府東大阪市にお住いのO様に納車されました、ラシーントラベラー、レストレーションをご覧頂きたいと思います。入念にボディーはレストアがほどこされ、オーナーの思いのカラーに塗装が行われたラシーン。バンパーやルーフレール、背面のスペアタイヤステー等はスピードウェルからご提案さしあげ、新しいビースト塗装仕上げを行いました。

ビースト塗装

ベッドライナービースト塗装

泥はね、石はね等、汚れにも強いのがバンパーなど機能性が向上。塗料より硬く硬化する。また、艶消しでは得られない質感が得られるのである。こちらは、好みの問題もあり、また、ラシーンのカスタマイズの方向性もある訳で、どのラシーンもブラックペイントがビーストが似合う、とは限らない。あくまでも、ワイルドなイメージを前面に押し出すための一つの手段である。

ラシーン 内装
シート張替え

50デザイン レザーシート張替え

最高級のマテリアルを使用して張替えが行われた、ラシーンのシート。デザインは50である。今回は、そのシートの縫製、縫糸のカラーもオーナーが熱く選定。スピードウェルでは販売車両の全車に内装の張替えが着いてくる。それぞれに形状、縫糸、シートの硬さなど、細かく選定が可能である。

ホイールラッカーフィニッシュ
ホイール 塗装

ホイールのラッカーフィニッシュ

スピードウェルで販売されるラシーンには、ホイールの塗装はもれなく着いてくる。今回はスチールホイールにボディー同色とした、なかなか玄人好みである。また、ちまたの中古車屋さんのような、安価な塗装ではなく、ボディーと同じ上質な塗料でペイントが行われる訳である。実に、ホイールはそのような塗料で塗装するところは、日本広しと言えどもなかなかないであろう。

ラシーン トラベラー

ラシーン トラベラー 男前仕様

なんとも、男前なラシーンではありますが、こちらは女性オーナー様という事で、とてもCOOLでございます。この度はO様、ラシーントラベラーを製作させて頂き、誠に有難うございました。そして、納車おめでとうございました。

今日はコレマデ。

本日の名言

何でできんか分かるか。できるまでやらんからだ。

大阪府大阪市のN様 ラシーントラベラー納車おめでとうございます

ラシーン トランク

背面のスペアタイヤを取り外す

ラシーンには発売当初のグレード訳で、タイプ1から3まで存在した。タイプ1は天井にルーフレールと背面にはスペアタイヤが無い、まったくのミニマルな形状である。タイプ2になると、天井にはルーフレールが、背面にはスペアタイヤが装着。そして、タイプ3となると、タイプ2の形状+天井にはサンルーフという豪華な仕様となる訳である。後期モデルではタイプ3というグレードが廃止され、サンルーフはオプション扱いとなった訳である。という事で、本日はラシーンの形状のお話である。

ラシーントラベラー

ラシーントラベラー 右舷前方姿見

この度は、大阪府大阪市にお住いのN様に御納車されました、ラシーントラベラーをご覧頂きたいと思います。今回のラシーンはサンドベージュの後期モデルをベースに、フロントグリル、ウィンカーレンズを前期モデル化。さらにリヤは背面のスペアタイヤを取り外し、スムーシング加工を施しました。ホイールは前期モデルのアロイをベースにブラックペイント。オーナーの思いを沢山詰め込みました。

フロントグリル

フロントフェースの前期モデル化

ラシーンのグリルは前期、後期とも、ボルトオンで入替えは可能であるが、ウィンカーレンズは、そうはいかない。球を支えているソケットの差込口がなぜか別口にされており、配線から加工を行い、ソケットごと交換が必要である。

内装

ナルジウッドハンドル

ナルディウッドハンドルではない。あえてここではナルジ、とそう呼ぶ。

ラシーン 内装

アンティークレザーの内装に張替え

テカリのあるアンティークレザーを使用した内装の張替え。デザインは50である。内張りや天井、ダッシュボード等、スピードウェルの得意な灰汁洗いを施し、新車のような美しさに、パネルラッカー内張りのカラーに合わせて、ペイントをおこなっている。

ホイール 純正

前期モデル 純正アロイホイール

シルバーの純正アロイホイールをブラックペイント。リムをシルバーの削り出しの仕様として製作。今様というところである。

ラシーントラベラー 右舷後方姿見

ラシーントラベラー 右舷後方姿見

たまに、背面タイヤレスを行ったラシーンが入庫するが、どれもこれも、板金が悪く、歪が生じている。スピードウェルでは、ボルト穴はボルトの頭を飛ばし溶接を行い、そこで表面処理、パテ等は最小限に留めることにより、長く美しく保つ仕上げを行っている。

納車の風景

ラシーンと記念撮影

この度はN様、ラシーントラベラー納車誠におめでとうございます。末永くお乗り頂けます様に整備を行いました。また、大変お喜び頂き嬉しい限りです。これから、長くお付き合い頂ければ幸いです。

今日はコレマデ

本日の名言

努力は夢中に勝てない。

by孔子

宮城県仙台市のM様 PAOトラディショナル、レストア納車おめでとうございます

名刹にパオ
名刹
瑞鳳殿

名刹にパオ到着

仙台と言えば、伊達政宗公である。あと半世紀前に生まれていれば、天下は伊達政宗のものであったと言われる、まさに名君である。三日月の前立てがついた兜と眼帯をつけた姿が特徴的であるが、眼帯は後々の創作であるらしい。仙台の西の丘には瑞鳳殿という伊達家の墓所があり、先の大戦で江戸時代からある建築物は炎上。昭和の後期に再建されたとあり。その修復過程で、瑞鳳殿の真下を調べたところ、政宗公の遺骨と甲冑、太刀、パイポや副葬品が出土したようである。頭蓋骨等はX線で測定され、現在はその資料を基に当時の容姿が復元されている。九州の大宰府天満宮の本殿下には菅原道真公が埋葬され、久能山東照宮は徳川家康が埋葬されており、400年、1000年前の人物の亡骸のそばまで立ち会える訳である。日本にはその時代のヒーローが存在するわけであるが、近代はそのようなヒーローは不在である。

パオ

PAOトラディショナル レストレーション

この度は宮城県仙台市にお住いのM様の元へお届けにあがりました、PAOトラディショナル、レストレーションをご覧頂きたい。この車両、なんともキャンバストップのMTということで、非常に珍しいPAOである。内外装をレストアを施し、エンジン、ミッションも整備を行い、さらに、雪対策、寒冷地仕様として製作された。

パオ 仙台

PAOトラディショナル レストレーション

外装はキャンバストップをライトベージュで張替えを行い、その他は純正に準じた仕上げ。バンパーやグリル、ヘッドライトのリム、ホイール、ルーフレールや各部の蝶番等、ボディーも含めてすべてがリペア、そして、最高品位のマテリアルを使用して、ペイントが行われている。さらに、仕上げにコーティングを行い、絹のような肌触り。これぞ、シルキー素肌である。

パオ レストア

PAOトラディショナル レストレーション

テールランプもすべてリペアとUVカットのクリアペイントを行い、新品のような輝きに。下回りもしっかりジンク塗装を行い、雪対策も万全だ。本物の価値を技術で応える、スピードウェルのクラフツマンに、私からも敬意を表したい。

という事で、この度は宮城県仙台市にお住いのM様へ納車さしあげました、PAOトラディショナル、レストレーションをご覧頂きました。内装の画像を取り忘れて、残念でしたが、アイボリーのツィードとレザーのツートーンでとてもお洒落でございました。M様には、ご注文誠に有難うございました。

伊達家の名参謀 片倉小十郎 一家の兜

時はさかのぼる事400年、大阪は道明寺口から始まる、夏の陣において、片倉小十郎重綱が京都の愛宕山大権現(愛宕神社)へ必勝祈願を行い、その札を伊達家の兜の合印、上弦の月の前に立てたことから始まる、片倉家、一家の甲冑である。兜の裏側には明珍宗盛とあり、白石の片倉家お抱え甲冑職人の銘が伺える。現在はスピードウェルが所蔵。後世に伝えるべく、西岡甲房で来春修理の予定。

今日はコレマデ。

本日の名言

この世に客に来たと思えば、なんの苦もなし。

by伊達政宗

神奈川県横浜市のN様 PAO全集中整備納車おめでとうございます

金沢八景
パオ 集中整備

金沢八景

かの初代、内閣総理大臣伊藤ハクブンも、その美しさに別邸を設けた地、それが横浜にある金沢である。石川県にも金沢とあるが、どちらも昔は山間で金が採取出来た地名であろうと推測する。実に横浜の金沢八景は明治、大正まではとても風光明媚な所であったらしく、伊藤博文や名だたる著名人が別荘地としていたところである。現在は残念ながら市街化が進み、八景は過去のものとして言い伝えだけが残っている訳である。果たして、日本人の大多数はエゲレスより始まった産業革命以降、日本では文明開化という大号令の元、便利や合理性だけを追求して、自然からはじまるあらゆる美しさを無視しして生きてはいないだろうか。なつかしい街並みはあったとしても美しい街並みは無く、現在は乱雑な社会環境に生きるしか方法は無いと言っても過言ではない。とそんな勢いで云うわたしも、真の美しい国、という概念がいまだに定まっていないのが現実ではある。しかし、古場田良郎氏がチーフとなりデザインされた日産のパイクカーシリーズはどれも美しい造形で趣もあって、日本中を街並みを美しく魅せていると思う。そのような素敵なクルマを長く保つように努める事は、私の一つの誇りである。

パオ

パオ全集中整備車両

この度は、神奈川県横浜市よりPAOをレストア整備ということで、お持ち込み頂きましたN様のパオをご覧頂きたいと思います。

パオ エンジンルーム

パオのエンジンルーム

全集中してメンテナンスを行ったエンジンルーム。エンジンはタイミングベルトから、ウォーターポンプ、カムシール、フロントリヤのクランクシール、オイルパンパッキンのすべてを交換しオイル漏れを撲滅。さらにミッションはフルオーバーホールを行い、油脂類はすべてがアップグレードの新品を装填。クーラーの装置も◎。足回りはロアーアームブッシュの交換、ステアリングラックの調整。ブレーキはマスター、Rホイールシリンダ―等新品に。冷却系統はコア120%増しのオリジナルラジエーターにヒーターコア。サーモスタット、ホースも交換。排気系はマフラーは前後ともウェルリプレイスメントマフラーを使用してステンレス化。

パオ ステンレスマフラー

ウェルリプレイスメントマフラー

5ZIGENと共同開発を行い、パオデザイナー古場田良郎氏に教わった視錯覚の概念も取り入れて純正代替品として製作された、ウェルリプレイスメントマフラー。アイドリングでは純正同等の音量であり、回転をあげるほど小気味良い、大人らしいサウンドを実現。出口形状はカールとし、消音器はステンのバンドで吊り下げるという純正の形を踏襲。それにより、美しい見栄えと、高耐久を実現。

内装の張替え

灰汁洗いとアンダートレイの張替え

サービスで内装の灰汁洗いとドアインナ―ハンドル、レギュレーターハンドル等のシルバパーツのリペアを施し、サイドデフロスターグリルもSW製リペアパーツに交換。フロアカーペット&マットも手入れと新調を行い、美しい佇まいに。

パオ

外装のレストアは

行わなくて良いという事でお話をお聞かせ頂いておりましたが、各部の磨き直しとバンパーやグリル等の化粧直しはおまけで行わせて頂きました。まずは、しっかり走り、長くに使用が出来るように、さらに見栄えもするようにと、ご予算とにらめっこしつつもバランス良く製作させて頂きました。

N様、それでは、美しい金沢八景を素敵なパオでお走りになられる姿、長く拝見させて頂けば幸いです。また、素敵なお土産まで頂き恐悦至極に存じます。

今日はコレマデ。

本日の名言

現在の日本は地平線から出たばかりの太陽である。
暁の雲から出たばかりの太陽は光が弱く、色も薄い。
だが、その太陽はやがて中天までくると、全天に輝きわたる。
これと同じように、日本もまもなく世界に雄飛し、

日の丸の旗は尊敬の念を持って

世界の人々から見られるようになるだろう。

by伊藤博文 

東京都品川区のG様 PAOレストア・トラディショナル納車おめでとうございます

パオ色の冷蔵庫

PAO色の冷蔵庫

東京の品川の冷蔵庫はパオ色である。なんとも、今回パオオーナーとなられるG様が、パオ愛が溢れてDIYで冷蔵庫をパオ色に塗装してしまったという、面白く素敵なお話なのである。パオのダッシュボード(インストルメントパネル)は鉄製で成型されており、マグネット式のキッチンクロックや雑貨などをつけて装飾することは可能であるが、自宅でパオを感じるとこうなるのである。とココで、少しだけ四方山話であるが、自動車の計器が取り付けられているパネルをダッシュボードとそう呼ぶ訳であるが、これは馬車の時代までさかのぼる話であって、馬が走ると石や泥が飛び跳ねる。そして馬車に乗っている人に飛び散る訳である。そして改善するにあたり運転手の前に衝立を取り付けた、すなわち走る(ダッシュ)の石泥避けの板、それがダッシュボードの語源の由来である。

ダッシュボード

PAOの走り板 (ダッシュパネル、アンダートレイ張替図絵)

この度は、東京都品川区にお住いのG様の元へお届けに上がりました、PAOトラディショナルをご覧頂きたいと思います。ボディーは内外装をレストアを行い、G様の思いのカラーにお仕立てを行ったPAO。メーターの左にはマグノリアクロック(純正メーター風リダン)も装填され、ハンドルコラムはPAOのプロトタイプをリスペクト。クーラーの吹き出し口などはSWのリプロ品に交換済みでこれから長く使用に耐える仕上がりに。

パオ 品川

PAOレストア・トラディショナル カオス

右には昭和の家屋、左は現代の家、後ろには数億円の大豪邸。そして中心にPAOである。東京という都市は誠におかしなほどカオスである。

パオ 品川

PAOレストア・トラディショナル 左舷後方姿見

アクアグレイのボディーカラーは新車当時のカラーを復刻させてペイントが行われる。ルーフレールやバンパー、グリル、ドアアウターハンドル、各部蝶番、ミラーの台座、ワイパー、すべてが取り外されてリペアと塗装も行われている。テールランプ類は取り外し、台座をリペア。レンズは磨く訳でなく、表面処理を行い、UVカットのクリア塗装仕上げで永きにわたり輝き続けるだろう。

パオと記念撮影

PAOと記念撮影

この度はG様、PAOレストア・トラディショナル納車誠におめでとうございます。長らくお待ち頂きましたがお喜び頂き感謝申し上げます。東京の果てしない街でPAOが走る姿を楽しみに致しております。

今日はコレマデ

本日の名言

ただおもしろく けふもくらしつ

by徳川慶喜

京都府長岡京市のM様 ラシーントラベラー納車おめでとうございます

篳篥

詩歌管絃

京都府にある長岡京は桓武天皇の勅命により、平城京から北へ40㎞はなれた長岡の地に遷都して造営され 、いわば奈良の平城京、京都の平安京の間に10年間だけあった都である。そして、今日のこの地は、かの天神、菅原道真公と在原業平が詩歌管絃を行い楽しんだ場所であって、現在はその地に長岡天神というお社が鎮座し、学業の神様として信仰の対象となっている訳である。誌歌管絃とあるが、その上の写真は雅楽の主旋律を奏でる篳篥(ひちりき)という楽器である。起源は中央大陸、天山南路の代表的オアシス都市国家、亀滋という国より発し、シルクロードを経由して東に向かって、日本の遣隋使により渡来した楽器である。ちなみに、西に向かって伝播したのがオーケストラで使用されるオーボエという楽器となった。昨今テレビでも人気の東儀秀樹氏の奏でるのが篳篥と言えば解りやすいであろうか。菅原道真が生きた時代は、遣隋使、遣唐使たちが輸入した海外の文化にあふれ、いよいよ国風化(くにぶりか)が進む時代であり、現に菅原道真は、遣唐使の廃止を決定した人物である。日本の歴史は深く、その時、時代の人々の営みを知ると、さらに面白い訳である。

ラシーン

ラシーントラベラー 左舷前方姿見

この度は、京都府長岡京市にお住いのM様の元へお届けにあがりました、ラシーントラベラーをご覧頂きます。ボディーの外装はレストアが行われ、基本的には純正のカラーを踏襲。ドラえもんラシーンとはこのカラーの事である。

ラシーン 内装

ナルディウッドハンドルにパネルラッカー

生成り色のパネルラッカーにウッドハンドルはナチュラルなイメージでラシーンには良く似合う。しかし、このパネルラッカーの肌艶感もとても大切な事であって、ココも最大限拘りをもって製作を行っている。

ラシーン 内装 生地

内装の張替え

今回は高耐久のツイード調マテリアルを使用して張替えが行われた。スピードウェルでは、内装張替え生地の準備は日本一といっても過言では無く、また、それぞれにカラーがお選び頂ける。

ラシーンと記念撮影

ラシーンと記念撮影

この度はM様、ラシーントラベラー納車誠におめでとうございます。ボルボからのお乗換えという事で、ラシーンの素晴らしさを体感して頂ければ幸いです。それでは、今後とも宜しくお願い申し上げます。

今日はコレマデ。

本日の名言

未だ曾て邪は正に勝たず

by菅原道真

長崎県長崎市のY様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

パオ オランダ
オランダ
大浦

でんでらりゅうばのオランダ坂

時は江戸、我が国で唯一西欧に開かれた港があった長崎。ポルトガルやオランダ、エゲレスや大陸の国などと貿易が行われた場所である。長崎はとても起伏の激しい土地柄であり、沢山の坂が存在する。ここはオランダ坂一丁目一番地であり石碑がそびえ立っている訳であるが、この上には居留地があり、沢山の南蛮人が生活していた訳である。そのような貿易風溢れるところにパオを停めると、雰囲気がはマシマシになるのは当然。今日はココで面白い事を知ったわけであるが、実に長崎の沢山の坂でも、南蛮人が通る坂はすべてオランダ坂と呼ばれていたらしい。

パオ 長崎

PAOトラディショナル 左舷前方姿見

この度は、長崎県長崎市にお住いのY様の元へお届けに上がりました、PAOトラディショナルをご覧頂きたいと思います。オリーブグレイのキャンバストップの車両を程よくレストアを行い製作。外装のカラーはオリジナルを意識して、シンプルに仕上げました。

パオ 長崎

旧香港上海銀行とパオ

パオは尻上がりの車高がオリジナルであり、さらにマニュアルとオートマチックではフロントのスプリングの仕様が異なる。というなかなかマニアなお話ではございます。ルーフレールやドアアウターハンドル、各シルバーの蝶番、ホイール、バンパー、グリル等それぞれにリペアが行われ再度組み付けがおこなわれております。

内装

ちょっとピンぼけ byロバートキャパ

ということで、内装写真がピンボケして残念でありますが、雰囲気を楽しんでください。デザインは50スタンダード、アイボリー一色で張替えが行われております。

パオ オランダ坂

PAOトラディショナル オランダ坂

急こう配の坂を必死に駆け上がるPAOの姿はなかなか素敵であります。テールランプのウィンカー、ブレーキ、バック、それぞれにリペアが行われ、さらに表面をUVカットクリア塗装仕上が施され、耐候性が大幅にアップ。

パオと記念撮影

PAOと記念撮影

この度はY様、PAOトラディショナル納車誠におめでとうございます。製作にはお時間を頂きましたが、お喜び頂き感謝申し上げます。またご当地のお土産まで頂きこの場をお借り致しまして篤く御礼申し上げます。それでは、パオと素敵な生活をお楽しみください。

今日はコレマデ。

本日の名言

でんでらりゅうばでてくるばってんでんでられんけんでてこんけんこんこられんけんこられられんけんこーんこん