兵庫県尼崎市のS様 PAOトラディショナル納車おめでとうございます

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異形/いぎょう

兵庫県は伊丹にあるトラクターで有名なクボタの工場近くを走行していると

奇妙な建屋に遭遇した。

それは外側から拝するに洗濯物が干されていたのだから住居として使われていると

伺えるわけだが、幅が2Mほどで横に細長く2階の階段が中途半端な踊り場から

垂れ下がっている。

その踊り場が写真のPAOの後ろ側の屋根付きガラス無しの部分である。

これは住居としてはかなりの異形であり、屋根付きガラス無しは

ある意味非日常を味わえるスタイルであると推測される。

しかし考えてみれば戦後間もなくは、こういう遊園地のような家は少なからず存在した訳で

此れに勝らず、あたしの友人宅がそのような感じだったから、屋根瓦伝いに隣の民家に、

また隣の民家の屋根伝えに乗り越えて遊んだといふ記憶はあった。

そしてPAOもまた、ある種異形と言ってよいほどずば抜けた芸術的センスで

造り込まれたクルマであり、数あるクルマの中でも異形といえば、とても褒め言葉になる。

そもそも1987年の東京モーターショー時にPAOがR32スカイラインと

同じ日産ブースで肩を並べて展示されていたところで

当時の正当なクルマ好きから見れば(なんだこのへんてこなクルマ)

と解釈され、鋭くハイセンスな市井の人からすれば

(こんなに美しく芸術的なデザインのクルマが出るの)と歓迎されたのである。

そしてこのPAOは形だけでなく、販売方法も異形で3ヶ月間の期間限定。

さらにその少ない期間に51700台を販売するという

偉業を成し遂げたクルマであり、今もなほ沢山のフアンがおられるのだから

『いぎょうは今も続いている』とそう言える。

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PAOトラディショナル 前方正面姿見

本日は、兵庫県尼崎市にお住いのS様の元へお届けに上がられた

PAOトラディショナルをご覧頂く事に致そう。

今回のPAOトラディショナルではあるが、アイボリーのノーマルルーフという

現在ではたいそう珍しくなったモデルである。

走行距離は9万キロ台と、24年で換算すると年間3800kmしか

走行していないのだから、本当にお買いものくらいで使用されていた車両だ。

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PAOフロントフェース ラッカーフィニッシュ

今回もバンパー、グリルには純正にならいラッカーフィニッシュが行われた。

グリルはシルバーと呼ぶよりかは少しガンメタリックに近いと

そう伝えるほうが正しいだろう。

まあどちらも広義ではシルバーなのであるから問題はないのだが

偶にどちらも同じシルバーが純正であると勘違いされても困るから

ご説明させて頂いた。

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謹製ウェル帆布 60デラックスレザー

座面には縫い目は無く、つらつらと織り込まれたのがそのデラックスの特徴である。

一般的なスタンダードレザーとの違いはもう一つは座り心地であろうか。

より多くの材料が使用されている事により、ふかっと優しく感じる。

そして今回はシートの張替えに加え、ダッシュ上下、さらには

フロアーカーペットまでオーナーの思ひのカラーで新調したのだから

これぞまさしくデラックスである。

※シートヘッドレストは装着しないと車検には適合しません。

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PAOトラディショナル 右舷後方姿見

丹念にボディーワークも施され、美しく仕上げられたPAO。

テールランプのレンズのブリリアントフィニッシュや、

リヤエプロンのビスもすべてがステンレス製に交換し

最後にウェルリプレイスメントマフラーが装着されリヤビューが飾られた。

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PAOちゃんとS様をガシャw。

この度はS様、PAOトラディショナル納車、誠におめでとうございます。

大変長らくお待たせいたしましたが、とても美しいPAOが出来上がりました。

これからも末永く大切にお乗り頂ければ幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

今日はコレマデ。

本日の名言

いつかは頂上に着く。

by黒澤明

そうでございます。目指せば必ずたどり着くことでしょう。

あきらめなければ良い訳です。

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