5ZIGENと共同開発!日産PAO&Be-1用 マフラー開発苦悩の巻!!

どんもす~。ウェルです。
さて、本日は5ZIGENと共同で開発しているBe-1&PAO用
ステンレスマフラーの開発の道のりをご紹介致そう。
8月下旬から始まったこのマフラープロジェクトはすでに
一ヶ月を要し、新たな段階に突入。
すべてはBe-1&PAOの本来から持つ素晴らしいところを
失わない仕上げを施す(純正交換品としての品格を求める)
という開発コンセプトの元、試作実験が進められてきた訳だが、
この一ヶ月でいろんな壁にぶち当たったのであった。
まずは軌跡をご覧頂く事に致そう。
1号機
初の試作機としてパオに搭載されたスピードウェル監修ステンレスマフラーだ。
走行テストではかなりの実力を発揮し、低速でのトルクの増大と
加速性の向上で十二分に体感が出来る仕上がりに。
音量も純正と全く同じ85dbに抑えられ、タイコの容積が若干
大きくなったがゆえに低音が太く大人らしい音が追及された。
しかし、一定回転で内部で共鳴が起こりタイコを造り替えるコトとる。
2号機
試作2号機だ。
1号機と違う点は大きくはタイコの中身。
共鳴を抑え、低回転から高回転までスムーズな加速&音質を向上する。
2号機はそれに加え、クルマに対して垂直に向けていたタイコを
PAOのボディーの弧にあわせ、外側に振られた。
さらにマフラーの取付けステーをタイコの中心部から
端に移すという処理が施されるコトとなる。
これによりタイコはPAOの純正のタイコと同じ向きになり、
取付けステーの車両後方からの見栄えも良くなったであろう。
なぜ取付けステーの位置を変えたかと申せば、マフラーを後ろから覗き込んだ時、
鉄棒が純正の吊りゴムに吊られているのがよく解かり、
いかにも現代風のマフラーというような雰囲気で見る人に伝わり、
それがスピードウェル社的に受け入れられなかったのだ。
その点を改良を施した2号機のマフラー取付けステーは後ろから覗き込んだ時には
見えなくなったものの、写真でも解かるように下から覗けば
その異様な取り回しが確認出来るのである。
プロダクト的な感覚からは往年の名機と呼ばれるにはまだまだ遠き道のり。
そして、マフラー取付けステーの変更が加わる事となった。
3号機
遂に3号機が10月1日に完成。
昨日の事である。
鉄棒での吊り下げを廃止し、マフラーにステンレス製のベルトを巻き、
さらにベルトに対しステンレスの板にナットを溶接加工を施し
純正に非常に近い取付けステーが完成した。
車両側への取付けも純正ボルトで吊りゴムに留めるという
まさに純正と同じ取付け方法を採用する。
これがスピードウェル社のコダワリだ。
マフラー姿見
ベルトというギミックがPAOのその佳き感覚と調和する。
プロダクト感が一層際立ち、持つという喜びが沸々と沸いてくるであろう。
ココまで追求出来たのは、間違いなく5ZIGENのクラフツマンシップがあっての事。
矢野氏とエンジニアの方々には難しいお願いばかり聞いて頂き、ただただ脱帽である。
マフラーバンドが名機になる証
横からの撮影だ。
わざわざベルトでマフラーを固定するというコダワリの一つは
往年の仕上がりに。
もう一つは耐久性が上げられる。
そう、取付けステーをタイコに直接溶接し、取付けるようであれば
経年の使用から溶接部付近にクラックが入りそこから排気漏れを
起こす可能性がある、と5ZIGENからの忠告が入る。
そういう意味ではこのマフラーベルトを使用する事により
コストは掛かるが使用耐久年数は他に群を抜くのであった。
まさしく名機と呼べる風格と耐使用年数の向上が
一石で鳥を2羽落とせる。俗に言う『一石二鳥』なのである。
1号機
↑もう一度1号機をご覧頂きたい。
取付けステーが今となってはなんとも無様。
この取付けステーがこうなる。
向かって左ステー
向かって右ステー
ボディー側への取付けは純正のボルトをそのまま使用し、
純正と全く同じ感覚なのである。
しかし、この3号機でも事件が起こった。
3号機の後ろからの姿見
皆様、よくよくマフラーをご覧頂きたい。
左の取付けステーが、丸見えではないか!!
ウェルもこれで良いと思い製作にGOを出したのだが、
PAOチーフデザイナー古場田氏の名言が頭を過ぎった。
『デザインは性能である』
そして、今朝早速に図案を描き5ZIGENにFAXを送り
取付けステーのデザインを変更が入る。
本当にどたばた騒ぎだ。
上がA案。下がB案。
上がA案。下がB案である。
先ほど5ZIGENに駆けつけ、5ZIGEN矢野氏とミーティングが行われ
そして、答えが出た。
ステーが競合している
先ほどのB案がおおむね採用されるコトとなり、
ステーの入替えが明日行われる。
上の写真でご覧いただけるように、下のステーは廃止され
上のステーをベルトに溶接。さらにステーが2枚重ねになり補強されると言う。
ステーが2枚重ねになるところがまたプロダクト感が向上する瞬間であるから
この模様はまた速報として明日ご覧頂く事となり乞うご期待である。
今回は、マフラーの性能と、見た目を両立していく様を
ご覧頂けたとおもうのだが、小さなことから
試行錯誤しスピードウェルの製品は生まれるという。
コダワリが魂でもある。
もちろん出来上がれば、姿見だけでもお茶碗3杯はご飯が食べられる
ことであろう。
3杯が面倒臭い人には
昔話盛だ。
これでよかろう。
すべったところで今日はコレまで~。
本日の名言
古いものの中にこそ
新しい技術の答えがある

by岩野平三郎
そう、こうしてこのマフラーを製作出来るのも
古いものを見つめなおし、新しい技術の答えが出たからでもあった。
古いものとは言葉があまり良くは無いが、現在のモノ造りが
あまりにもコストや合理性により、
楽しめなくなってきているのも確。
本当に良い物という観点が無いような気さえ起こる昨今である。

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