日産パオ 燃料計の針が急に落ちるの巻!

どんもす~!ウェルです。
さて皆さん、本日のタイトルは燃料計の針が急に落ちるや
ぶれるといった故障の修理をご覧頂く事に致そう。
なぜ燃料計の針がE『エンプティー』へ急に落ちたりするのか、
と申せば、ガソリンタンク内のフューエルセンダユニットという物
(摺動抵抗器)の断線や接触不良によりレシーバーユニット(バイメタル式)
に電流を送ることが出来なくなり
燃料計の針がEの位置に落ちてしまうという。
まずは燃料計の仕組みを簡単にお話致そう。
ガソリンタンク側(フューエルセンダユニット)というものが燃料の量を
電流信号(摺動抵抗器により電流量を変化させている)に変え、
燃料計(レシーバーユニット)がその電流信号を
使いバイメタル(温度変化により曲がる金属の板)で出来ている
燃料計の針を動かしているという。
言葉では解かりにくいので、それでは写真をご覧頂くことに致そう。
20090518a.jpg
これがフューエルセンダユニットだ。
このユニットがタンク内に埋め込まれており、
ガソリンの残量をはかるフロートが着いているのが伺える。
もっとアップでご覧頂こう。
20090518b.jpg
右上の丸いのがウキだ。
燃料タンク内のガソリンの液面にぷかぷか浮く。
そして、そのウキの軸部に摺動抵抗部が取り付けられている。
ちなみに、ストレーナーも見えるが、このユニットにはガソリンを吸い上げる
部分とアッセンブリーになっているのだ。
それでは摺動抵抗部をもっと間近でご覧頂こう。
出ました本邦初公開。
20090518c.jpg
これが摺動抵抗器。
写真で見れば軸が上部の方向にあり、これが下がってくると
抵抗値が変わるという仕組み。
F 満タン位置で抵抗は8,5Ω
E ガス欠位置で抵抗は88,5Ω
バッテリー電圧12Vをこの抵抗値で割ると電流量(A)が割り出せる。
F (満タン時)
12÷8,5=1,41 約1,4Aという電流(電流信号)が
燃料計(レシーバーユニット)に送られる。
E (ガス欠時)
12÷88,5=0,13 約0,1Aという電流(電流信号)が
燃料計(レシーバーユニット)におくられる。
そう、この電流が燃料計の針に『バイメタルという物質』
に巻かれているヒートワイヤーを温めバイメタルを湾曲させて
燃料計の針が動かされているのだ。
動きとしては電流値が高いほどヒートワイヤーが温まり
バイメタルを湾曲させる量も大きくなる。
燃料計の針をご覧頂くと、キーをオン時ゲージの針は下から上へと動くのが解かる。
バイメタルが温められて燃料計の針が上へ反り返っているからだ。
そこで、疑問が生じる。なぜバイメタルを使っているのか。
それは以下を読めば納得でいるであろう。
クルマは常に走行中揺れている。
もちろん燃料もちゃぽんちゃぽん揺れている。
という事は、フューエルセンダユニットのフロートも
いっしょに揺れるのだが、
燃料計の針は揺れない。
それはなぜかと申せば、バイメタルの特性は熱で湾曲する仕組み。
急激な振動などを受けて電流量が変化しても熱自体は
急激に反応しないため急な反応はしないのだ。
こういう物質の特性が燃料計には生かされているのである。
さらにメーターには特殊な装置が取り付けられている。
それはセンダユニットからレシーバーユニットへ
続く配線の間にボルテージレギュレーターという装置。
このボルテージレギュレーターは1秒間に70から80回も
流れる電気をON,OFFを繰り返し電圧を安定させているから、
エアコンやヘッドライト、その他の電気負荷が原因で
電圧が変化してもレシーバーユニットの電圧は一定に保たれてるのである。
今日は難しいユニットのお話となったが、そんな感じだろうと
思って頂くだけで結構である。
そろそろ、技術のスピードウェルと謳い出してもよかろうか?
20090518d.jpg
後部座席の下にフューエルセンダユニットが埋蔵されている。
すでにインスペクションホールカバーが取り外した後の写真だ。
燃料タンクからフューエルセンダユニットを取り外すには
ロックプレートをマイナスでコつけばぐるりと回り
すぐ取れるのであった。
20090518e.jpg
配線は運転席脇(センターピラー下)にカプラーで接続されている。
取り外しはいたって簡単だ。
という事で、今回は燃料計の不具合をご覧頂いたが、
ちょいと難しいかったかな。
ウェルは国語がだめなので、ちゃんと伝わったかは疑問だ。
まあこういうものだと理解して頂きたい。
※レシーバーユニット=燃料計 である。
今日はコレまで~
本日の名言
世の中に無神経ほど強いものはない
by勝海舟
これは良い意味での話。
なんでも気にしていたら前に進めないというところでしょう。
度が過ぎるほどの無神経では困りますが、、、
つまりはそういうものです。

日産パオ 燃料計の針が急に落ちるの巻!” への1件のコメント

  1. おお!!
    マイナーな部品をここまで徹底研究されていますか。
    さすが技術のスピードウェル社ですね。

kobatads へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です