〇日産PAO 工期3ヶ月半レストアの巻〇

どんもす=ウェルです。

さて皆様、秋の夜長如何お過ごしでしょうか。

本日は山口県から遠路はるばるPAOのレストアにお持込いただきました

パ男氏の車両の出来上がりをご覧頂くことに致そう。

パオレストア前 走行は約34万キロ

パ男氏の愛車 PAOが遂にレストアされる。

レストアとは一帯何ぞやと申せば、元の状態に戻すとか、復元するという意味であるが、

その方法にも色々存在する。

完全な状態に復元する場合もあれば、オーナーの意見が取り入れられた

いわゆるモディファイが加えられたレストアも存在する。

今回のレストアには内外装と機関系をトータルにバランスよく仕上げるように心がけ

一つ一つ部品を選定し進められた。

レストア前の予感がする。

レストア前の予感。

23年という年月のなかで、目には見えない部分にそれなりの埃や汚れが

蓄積されている。それはごく当たり前のことではあるが、一掃すれば

新車までとはゆかないが綺麗な状態を取り戻すことが可能である。

ダッシュパネルもレストア前

ダッシュパネルも全て分解。

左右のデフロスターサイドグリルにはスピードウェルが完全リプロダクトを

行ったものを新調。

ダッシュ上下パネルの張替えが待っている。

この時点で内装はアイボリー色に塗装することが決まっている。

大阪バネ工業の松浦氏との調整

大阪バネ工業の松浦氏が登場。

今回のパ男氏の車両よりレギュレートスプリングがタイプ2を迎える。

そのため、松浦氏が製品をスピードウェルまでお届け。

タイプ2が出来上がった。

タイプ2は巻線数を減らし、バネレートはそのままに。

前回のティーポオーバーヒートミーティングや、前日のセントラルサーキット

でのテスト走行による調整によりバネ下重量の軽減を図るための

ブラッシュアップが行われたようだ。

コーナーリング特製はPAO用スプリングのなかで随一ではなかろうか。

レギュレートスプリング×モンローショックアブソーバー

フロント2,4kg リヤ1,9kg

ニスモ製がフロント2,0kg リヤ1,6kgであるから、

このスプリングのバネレートがかなり高めであることが伺える。

レートが高くなるほど突き上げ感が増すが、その突き上げを最大限抑える

ためにスプリングの巻き数や線径などにも凝っている。

謹製ウェル帆布によりシートが張替え中

謹製ウェル帆布によりシートが張替え中。

全体的な業務と平行して行われるため、誠に申し訳ないのだが

スローペースで作業は進められる。

小物類もアイボリー(象牙色)塗装が進められた

小物類もアイボリー(象牙色)にラッカーフィニッシュが進められた。

特に、艶肌はセミグロス<半艶>を採用し、元々小物類の表面に

シボの処理が施されているコトから、レザーを張り合わせた感覚に。

ウェル的にシボ感があるところにブリブリの艶々の塗装は考えにくく、

肌をおとして鉄板風にすればブリブリでもOKといったところ。

質感をどう表現するかがスピードウェルの仕事であると感じている。

謹製ウェル帆布のシフトブーツ

MTシフト用ブーツも交換に。

パ男氏とカラーの調整をし忘れ、ウェルの目線で作ってしまったシフトブーツ。

よろこんでもらえるだろうか~、どうだろうか~。

幾晩悩み続けるコトとなった。

フェンダー内側には防錆ワックスがおごられる

防錆ワックスが注ぎこまれる。

一度錆びた鉄は錆を落としても必ず錆びてくる。

レストアとは簡単に言うけれど、外板パネルをごっそり交換するまでの

工法はまだ取る時期でもなく、錆びたところをしっかりそぎ落とし

裏面からは防錆ワックスで入念な処理をおこなう。

あとは錆びないでくれと念じるだけだ。

ダッシュパネルが組み付けられる

ダッシュパネルが組み付け開始。

そうこうしているうちに、どんどん組み付けが始まる。

今回は外装はアクアグレイをリペイントを施し、内装はドアトリムのラインより

下でアイボリー、トリムより上でアクアグレイを残し、

より鉄板さをアピールするコトとなった。

PAOの良いところは内パネルに鉄が露出している所であり、

そのことにより簡素さや重量感、プロダクト感が彷彿する。

ということでアクアグレイ色部(鉄板部)は外装色と

同色にしたと想像していただければそれで良い。

シルバーパーツはまとめて塗装が行われた

シルバーパーツ類は艶有りに。

レストアしましたよと解かり易く、純正のセミグロスとは一味ちがった

グロスで仕上げが施された。

と言う事で、それでは仕上がりをご覧頂こう。

パオレストア ついに完成 

PAO レストア完成

やっとこさの完成。

今回は3ヶ月の工期であるが、1年とお待ち頂いているお客様もおられる。

一点ずつの部品の手配や、仕上げにより工期は様々であり

作業の進展はなかなか説明することが出来なく御不便をおかけ致します。

良いモトリタが手に入った。

良いモトリタが手に入った。

今回のパ男氏のハンドルは実はスピードウェルで2本注文。

そのうちの木目の良いほうで装着がおこなわれた。

もう一本はスピードウェルで展示している。

パオ謹製ウェル帆布レストア完成

謹製ウェル帆布 ウェル60スタンダードレザーが採用

パイプにはダッシュ上下のカラーがあしらわれ、それとなく

協調されている。いいなぁ~と思った方はパ男氏のセンスに

引き込まれたと言えるだろう。

ポケットはバッグ風でお洒落である。

ポケットはたんなるポケットではなく冒険カバン風。

どこかしらにPAOに必要な冒険らしさ。

パ男氏が持ち歩いていたカバンがそれに近い風合いで

おお~、やっぱりパオイストだなぁと感じる時だった。

パ男様この度は納車おめでとう御座いました。

と言う事で、本日はパオのレストア風景をご覧頂いたが、

帰りになんとSL山口号と遭遇。

SL山口号

SL山口号

帰りは9号線を山口から小郡へひた走っていると、踏み切りに鉄男さんと

鉄子さんたちが群がっているではないか。

その様子を察知し、すぐさまカメラをセット。

この機械、機械したプロダクト

この機械、機械したプロダクト。

ハイテクでなく、ローテク。しかしこのピストンなどの精度は実に素晴らしく

機械美といえるだろう。

今の車にもこの機械美を求めては如何だろうか。(大手企業さま宛)

今日はコレまで~。

本日の名言

居てすることを立ってする

まあちゃきちゃき物事を進める感じが伺えます。

ウェルも最近体重が、、、これじゃぁだめですなぁ。

〇日産PAO 工期3ヶ月半レストアの巻〇” への3件のコメント

  1. このたびは素晴らしいレストア作業を行っていただき、本当にありがとうございました。

    いまだにニヤニヤしております。

    当日、日路庵(にじのあん)前で撮影したものをうちのブログにもアップしております。

    なお、いくつか宿題が出ておりましたのでちょっと調べてみました。

    (1) ハリセンボンはフグの仲間でした。毒は無いそうです。
     ハリセンボンやフグの剥製は、まず皮を丁寧に剥ぎ、中にもみ殻を入れて膨らませ、
     数週間天日干しにする・・・とのことです。
    (2) サビエルは三度山口入りし、1551年に来た際には2ヶ月で500人の信徒を獲得
     したそうです。毛利敬親は明治維新に尽力した人だそうです。
    (3) 角島(つのしま)のイカは特牛(こっとい)イカと呼ばれるモノですが、つまりヤリイカの
     下関ブランドらしいです。
    (4) 古九谷のルーツが伊万里にあるかどうかは論争が続いているそうです。

    ・・・・・最後に・・・  山口県警がご無礼いたしました。。。。

  2. パ男さんの(4)について
    やきものの技術が朝鮮半島、九州を経由して伝来したのは正しいですが、
    古九谷の様式が確立し、現在も継承されているのは石川県加賀地方です。
    今も地名が残り、暮らしの中に九谷焼が活き、専門美術館があるのも事実です。

    最近の高度な科学分析結果からも間違いないのですが、
    学術的に肯定したくない人たちもいるようです。
    論争は無視して「謎」ということにしておいた方が楽しいですね。

  3. パ男さま kobatadsさま

    いつも大変お世話になります。

    フランシスコ・サビエルのお話より、毛利氏はキリシタン大名だった、

    おお~前田氏もキリシタン大名だという話より

    kobatadsさまより頂し九谷焼の神秘の御本と連想して話が弾みました。

    当時はキリシタン大名どうし仲はよかったのでしょうねぇ。

    ①はりせんぼんは有難う御座います。謎が解けました。

    ②サビエルさんは非常に頑張られたのですね~。あの絵描きの少年はビビリました。
    ③こっといはいつかは食べてみたいイカです。次回は是非。

    ④九谷焼は豪快ですこぶる美術的センスがウェルの心を奪いました。

    機会があれば、九谷焼美術館へ行きましょう。

パ男 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です